Cool Pepper Page 29 “A Protoplanetary Disk Silhouetted Against the Orion Nebula
クールペッパーページ29「オリオン星雲で影に見える原始惑星状円盤」/黒月樹人
By Tree man (on) BLACK MOON (Kinohito KULOTSUKI)

クールペッパーページ29「オリオン星雲で影に見える原始惑星状円盤」

1. 動機 (導入)

 ハッブル宇宙天文台の画像コレクションをチェックしていたら、このタイトルの画像があった。まるで、かすかに星が見える、雲がかすんでいる空を、謎の物体が「滑空」しているような構成である。ところが、これは地球の空でのことではない。背景はオリオン星雲だという。それを地球から撮影しているのだから、距離を考慮すると、どれくらいの大きさになるのだろうか。このような値の推定は、私がやらなくても、きっとNASAが行っているだろう。また、これはニュースにもなっていたと思うから、別のどこかで、何か詳しいことが調べられているかもしれない。そのように考えたが、およそ、次に紹介する内容のことくらいしか分かっていないようだ。(日本語への翻訳は黒月樹人による)

オリオン星雲を背景として影のようになった原始惑星状円盤

1 「オリオン星雲で影に見える原始惑星状円盤」の原画像()と拡大()

http://hubblesite.org/gallery/album/entire_collection/pr2001013b/ (原画像のURL)


 2. 文献調査 

NASA 関連の解説サイトを調べ、その内容を記す。

 

巨大オリオン星雲でのパノラマ状ハッブル画像探査の、星の誕生にかかわる原始惑星系

http://hubblesite.org/newscenter/archive/releases/1995/1995/45/image/c/  (解説のURL)

この画像について

星間フリスビーに似ている、これは、1500光年離れたところに位置している、オリオン星雲の中で新しく星が生まれるあたりの端に見られる、ひとつのダスト円盤である。その円盤は端に位置しているので、この素晴らしいハッブル宇宙望遠鏡画像において、星はほとんど内部に隠されている。この円盤は、おそらく、形成過程における、未発達の惑星系であろう。私たちの太陽系は、45億年前の、そのような円盤から形成されたようだ。私たち自身の太陽系の直径に対して17倍の、この円盤は、オリオン星雲における、最近の数々の発見の中で、最も大きなものである。

 


2 オリオン星雲端に位置する原始惑星状円盤の画像 (STScI-PRC1995-45c)

左の画像は三色構成のものであり、星雲における成長するガスからの、青と緑と赤の放射線を取り込んで色を決めたものである。右の画像は異なるフィルターを通したものによるもので、このフィルターは星雲からの任意の輝くスペクトル放射線を防御するものであり、かくして、その円版そのものは、背景に対して、やや違った影として現れている。しかしながら、この画像での、その円盤が属する平面の上下に、星雲状のものが複数個あることが、はっきりと分かる。これらは、端に位置する円番のダストが原因で、直接見ることのできない、不可視の中心星が何か存在することを、暗に示している。

それらの画像は1994年の1月から19553月の間に取得されたもので、それらの特徴についての研究は、出版のため、天文学会誌(the Astronomical Journal)に投稿されてきている。

対象物の名称は、Orion Nebula, M42, NGC 1976である。

 

(他のサイトによる解説)

EDGE-ON PROTOPLANETARY DISK IN THE ORION NEBULA

http://seds.org/hst/OriEODsk.html

 (この部分の本文は、上記の内容と完全に同じなので略す)

Credit: Mark McCaughrean (Max-Planck-Institute for Astronomy), C. Robert O'Dell (Rice University), and NASA

 

 3. 黒月樹人による画像解析

 ようやく準備が整った。現時点(2009.02.01)においても、これらのサイトが、ほとんど単独でランキングのトップあたりを占めているので、他の仮説や研究は、ほとんど無いのであろう。すると、NASAの画像解析の技術は、図2のレベルでストップしているということだろう。ほんの12週間前までの、私の技術も、そのレベル程度だった。しかし、この間に、一気に世界のトップレベルへと駆け上ったらしい。自慢は、このくらいにして、その新技術の効果を見せることにしよう。

 図1左の画像から、中心にある、謎の物体(target_x)と、その右上と、離れた上下に存在する、三つの光体(これを私は、星とは断定していないが、とりあえず、star A, star B, star Cとコード化しておく、ただし、今回は、これについて取り上げない)を、小さなピクセル積(およそ60×40)の領域として取り込み、これについて、私が開発した、各種の解析ソフトで処理した。上記の文を翻訳していて気付いたのだが、私の解析ソフトは、ある種のフィルターであると考えられる。これまで存在していなかった、各種のフィルターということになる。このとき、私は、本来の原色を追求することは行っていない。そこに何が映っているのかということを知るために、「色」については、いろいろと操作しているが(色の操作については、NASAのほうが上手だ)、「形」については、まったく、いじっていない。そこで「形」が変わっているように映っているなら、そのようなフィルターによれば、そのように「見える」ということなのである。


3 解析のための原画像の拡大


4 kaフィルターによる処理画像

 kaフィルターの役目は、モザイク状の原画像から、その向こう側にあったはずの、何らかの被写体の連続的な画像情報を取り出して描くことである。これはスタート地点である。この画像が持っている情報をフルに活用するため、次のazayakaフィルターを構成した。図6gatewayフィルターも、同じ観点で造ったものであるが、アルゴリズムが少し異なる。右下にある細い縦線は、私のプログラムの何らかのバグに由来するものであるが、このバグの正体は、なかなか明らかにできない。そのことを知って、この縦線を見ないようにして、見てほしい。


5 azayakaフィルターによる処理画像

 次のnuryeも、画像が持っている情報をフルに活用するために構成したものである。何が映っているのか、まったくわからないときの、最後の「切り札」のようなものであり、「色」についての意味づけが、かなり変化してしまう。しかし、このフィルターによる画像では、他のフィルターによる画像には現れなかったものが見えている。この胴体の赤い、黒い物体の向こう側に、(色は正しくないが)赤い円筒状のものが現れている。今回は、これについての追求はしないが、このあたりの情報から、しばしば「謎」が解けることもある。


7 nuryeフィルターによる処理画像

 次のtrackturfはアルゴリズム上で対になっている。おそらく、これまでは無かったフィルターであろう。今回の対象データによれば、trackフィルターでの画像で、より詳しい情報が得られている。まるで原生動物のプラナリアに似た形状が現れ、左を頭部と見なしたときの首あたりに、突出物があるのが分かる。turfの画像でも、この突出物は確認できるが、全体的に不鮮明になっている。これはturfフィルターのせいではなく、対象物の特性に由来するものである。この宇宙が、右回りと左回りについて、素粒子や重力に関して好みをもっているように、何もかもが対等にはできていないものなのだ。


8 trackフィルターによる処理画像

9 turfフィルターによる処理画像

 次のmossフィルターとpeacockフィルターは、「いとこ」のようなものである。これらの図には、mosspeacockの名称が「逆」のように見えていて、図11のほうがmossっぽい。しかし、これらのことも、解析対称のデータしだいなので、あまり、こだわる必要がない。いや、間違えた。制作ノートで確認すると、mossの「いとこ」はolive (今回は未使用)で、peacockの「いとこ」はcobaltであった。物理学でよく現れる対称性に基づくと、rubyにも「いとこ」がいるはずであり、そのことに気づいた私は、orangeを創造した。これは、今回の解析の準備を終えてからのことであり、まだ活躍していない。


10 mossフィルターによる処理画像


11 peacockフィルターによる処理画像

 cobaltフィルターによる画像によると、この物体の突出部と、かすかな膨らみが、あちらこちらに、あることが分かる。極端な突出部は、左に向かうプラナリアに見える、この物体の首と腰にある。かすかに膨らんでいるところは、明らかなところとしては頭部があげられる。尻尾のつけ根あたりにも、かすかな膨らみが認められる。ただし、尻尾を切るような縦線の膨らみは、私のプログラムのバグに由来する。これは、対象物を左にずらせば、その影響から逃れるようにできるので、無視してほしい。しかし、頭部にあるリング状の膨らみは、プログラムのバグに由来するものではない。


12 cobaltフィルターによる処理画像

 今回の対象に関しては、rubyフィルターとbottomフィルターが、驚くべき情報をもたらしてくれた。これらのフィルターによる画像によると、プラナリアに見える物体の、腰の部分が、極端に細いということが分かる。rubyフィルターによる画像では、左の塊にある、頭部のリング状の構造も、やはり確認できる。右の塊では、腰と見えていた部分に膨らみがあり、さらに右に向かって突出している部分に対して、「くびれ」のようなものがあるように見える。くやしいことに、この「くびれ」の位置は、プログラムのバグによる縦線の位置に一致する。さらに調べる必要がある。


13 rubyフィルターによる処理画像

  bottomフィルターによる画像によれば、この物体の大きさが、これまでに見てきたものより、さらに小さなものであるということが分かる。これらの画像について、私は、この画像だけを小さくした記憶はない。首の突起物の形状は、さらに明らかになっている。頭部のリング構造は消えてしまった。それらは、実体ではなく、これから出る光の、何らかの現象に由来する、見かけの膨らみだったのだろう。腰部の突起も、はっきり見えてきた。地球から見て分かることは、これくらいか。(2009.02.01)


14 bottomフィルターによる処理画像