CPP102「衛星カリストの光るクレーター(1)
CPP102 Shinning Craters on Moon Callisto (1)
黒月樹人(Kinohito KULOTSUKI, treeman9621.com)
CPP102「衛星カリストの光るクレーター_1」

 木星の衛星カリストは、ガリレオ・ガリレイにより1610年に手製の望遠鏡で発見され、それらが木星の周囲を回っていることが観測されて、木星の多くの衛星のなかで「ガリレオ衛星」と呼ばれて、名前だけは、比較的古くから知られている。その姿が明らかになったのは1980年代のボイジャーによる観測のときであるが、このとき、ガリレオ衛星の中でもっとも注目されたのは、火山活動が観測されたイオであったようだ。のこりの、エウロパ、ガニメデ、カリストは、いずれも、表面を氷で覆われた衛星として、仲間のように取り扱われ、それらの中では、不思議な割れ目構造が見られたエウロパに、多くの注目が集まった。確かに、現在でも、エウロパの模様は不思議である。当初、氷の割れ目が、地球の地層の歴史のように、複雑に関係しているのだと考えられた。やがて、ガリレオ探査機が2003年に木星で使命を終えるまで、これらの衛星についても、新たな姿を撮影してゆくと、これらの衛星の謎は、さらに増えてゆく。このとき、ガリレオ探査機は、生命が存在する可能性があるエウロパへの微生物汚染を危惧して、木星に落とされたという。エウロパに生命が存在するというストーリーは、アーサー・ケストナー・クラークが、SF小説の中で用いている。他の地球の科学者も、エウロパに原始的な生命が存在する可能性を論じている。ところが、エウロパの観測画像を調べてみると、原始的な生命どころか、立派な文明の証拠が、次々と明らかになってきたのである。しかし、このことは、NASAなどが正式に発表したことではない。

これまでカリストは、ありふれた、クレーターの多い衛星ぐらいにしか思われていなかった。カリストの表面でもっとも目立っている、直径3km以上の巨大クレーターの「ヴァルハラ盆地」も、すでにボイジャーの観測時に見つかって命名されていたが、これの中心部を大きく写した画像が、ガリレオ探査機によって得られ、これについても詳しく調べる資料がそろっていたはずである。しかし、これが多重リング構造をもった、巨大なクレーターであるとは知られていたが、これについての詳しい分析がなされたのは比較的最近(2000)のことにすぎず、その内容といっても、この構造を3つのパターンに分けたことくらいである。これの中央部を観察してみると、はたしてこれがクレーターなのかということが疑問になってくる。このことは、解析画像を見ながら、再度議論することにしよう。

ところで、図1と図2は、衛星カリストの不思議な特徴をあらわしたもので、実は、衛星カリストは、色の異なる二つの半球に分かれているのである。それらは、衛星軌道の動く方向に、その面を向けている「リードする半球」と、その反対側の「後追いする半球」と呼ばれており、図1は後追いするほうで、図2がリードするほうである。地球の月も、地球に対して同じ面を向けているが、木星に対してカリストも同じ面を向けているらしい。しかし、木星からカリストを見たときは、半分が暗く、半分が明るい、キメラのピエロ顔のようになっているようだ。観測データからの分析によると、暗い「リード半球」では二酸化硫黄が多く、明るい「後追い半球」では二酸化炭素が多いという。地表の違いに由来するのだろうが、なぜかということまでは説明されていない。図2の中央やや上部に、明るく輝いているのが、「ヴァルハラクレーター」の「内部ゾーン」と、おそらく、「内部波状ゾーン」であろう。その外側に「外部波状ゾーン」があるが、どこで終わっているのかは、よく分からない。

3は、図2の「リード半球」の画像において、解析領域を指定し、それらを取り出したものである。解析領域を指定した画像が、かなり縮小されているので、切り出したものが大きく見える。しかし、これらの解析領域の大きさは、ピクセル単位でおよそ128×88となっている。図3からの解析画像は、これを8倍にしたときの、ピクセルブロック図の情報から、より銀塩写真に近い画像を再構成したものである。今回の処理においては、すべて、少しずつ明るくしている。

 図4と図5は、A1A2の比較的暗い部分である。これらの地表について、ここまで詳細な陰影をおびた画像は、これまで見られたことはなかっただろう。もし、NASAの宇宙地質学者がいて、これらを見ていたとしたら、カリストが氷の衛星であるとは、かんたんに主張することはないだろう。このように複雑な地形があって、中でも不思議なのは、明るく輝く光体が、あちらこちらに散在していることである。それらはたんに、地質上での白っぽい部分というわけではなく、明らかに、何らかの理由によって輝いているものなのだ。

 図6B領域には、単に輝いているだけではなく、クワガタ虫のアゴのようなものと、小さな翼をもった長方形という、かなり人工的なものと見えるものがある。これはかなり巨大なものであり、図2や図3の全体図でも確認できる。衛星カリストの4806kmである。これから比例計算すると、B領域の横幅は1365kmとなり、この輝くクワガタアゴのものの翼長を求めると、およそ290kmとなる。B領域中央にある、スペースシャトルのような白い光体の長さですら、130kmである。衛星の画像を調べているのであるから、小さなものではないのであろうが、地球の文明のスケールと比べると、あまりにも大きい。しかも、これらの白い光体は、地表に位置しているが、べったりと地表にくっついているわけではなく、立体的な影をもっており、何らかの構造物なのである。B領域には、あとでよく似たものがE2などの領域で現れるが、ここでは金色に輝く「脳みそ」のような地形がある。陰影の様子からみると、これは凹んではいない。突出しているのだ。いったい何なのだろうか。凹んではいないのでクレーターではない。よく見ると、中央付近に丸い地形があり、その中で、やはり膨らんでいる。これらの脳みそ型の膨らみは、溶岩ドームのようなものだろうか。

 図7C領域にも輝くものが多く存在する。B領域でクワガタのアゴのようなものに注目したが、このC領域にも、画像の、向かって左下に、アゴか触手のようなものをもち、短いコブ状の翼かヒレのようなものをもっているものが存在している。全体的なデザインはカニのようにも見える。これも巨大なものであり、横幅で200kmほどとなる。他にも同じ白さで輝いているものが多くあり、それらと少し色を異ならせている、金色の構造体も見られる。

 図8D領域では、金色のものが目立って存在しており、群れになって、大きな塊になっている。立体的な陰影があり、これらは決して、地表に張りついているものではない。そして、ここにも、白く輝くものがあちこちにあり、金色の塊にも所属している。

 次の図9E1領域には、巨大な光体が存在している。ヴァルハラクレーターの外部波状構造の、同心円模様の端にあるようだ。これの右側には、金色の部分もある。これらの輝くものの、光の奥にあるものの正体を見るために、特殊な解析ソフトをもちいて、光の量を減らしてゆくと、(1)の光体部分が、(2)(3)(4)へと姿を変えてゆき、最後の(4)では、白い部分の中に、細かな、赤と青と黄色の粒子が散在していることが分かった。ここまで調べたものを「光核」と呼んでいるが、この(4)によると、白い「光核」が、赤い部分によって3つに分かれている。これらは幾何的な形状ではなく不定形ではあるが、何らかの「光源」であることは確かである。自然なもので、これほどまでに光っているのは、宇宙空間の「星」くらいのものである。

 図10E2領域は、いよいよ、ヴァルハラクレーターの中心部分である。このように立体的な陰影がはっきりしているものを見ると、この中心部が膨らんでいることが、明らかに分かる。しかも、金色に輝き、何か所に白く輝くものもある。ここに何かが衝突した後、地中から、溶岩のようなものが出てきたのだろうか。しかし、それは、金色に輝く溶岩であり、星のように光る粒子も含まれているのである。このような現象を、地球の地質現象しか知らない私たちが、どのように説明すればよいのだろうか。とにかく、まず、できることは、いろいろな方法で「観察すること」である。(1)(2)は、光量を減らして再構成した画像である。(2)のほうでは、白く輝く部分の「光核」が表われている。上図で金色の部分は赤くなっている。白い部分が、白や黄色になっているが、これらの関係を見ると、互いに独立したものであるということが分かる。白や黄色の部分は、赤い模様の影響を受けずに、その上に重なっているようにも見える。ひょっとすると、白く輝くものは、金色のものの上に浮いているのかもしない。

 図11E3領域にも、白く輝くものがある。この画像の光量を減らしたものを解析して調べると、左端の(1)光体Aと、中央にある(3)光体Bが残ってゆく。この操作を推し進めてゆくと、(2)(4)の、それぞれの光核が現れる。これらの光核は、赤い部分がベースとなっていて、そこに、緑や水色や黄色の何かが存在し、これらがともに光る源となっているようだ。

(2009.05.06 Written by Kinohito KULOTSUKI )

 

参照資料

[1] 衛星カリストの「後追い半球」

http://www.eso.org/public/outreach/eduoff/vt-2004/Background/Infol2/vt2004-if22a-fig7.jpg

[2] 衛星カリストの「リード半球」

http://cosmicdiary.org/blogs/nasa/david_smith/wp-content/uploads/2009/01/callisto.jpg