CPP105「衛星カリストの光るクレーター_4
CPP105 Shinning Craters on Moon Callisto (4)
黒月樹人(Kinohito KULOTSUKI, treeman9621.com)
CPP105「衛星カリストの光るクレーター_4」

 これから行う解析の原理を図で説明しておこう。図1として、あるイラストのデジタル(4%) 縮小画像Aがある。これのもとになったイラストについては、後で示す。しかし、ここでは、図1のような観測画像しか手元にはないという状況であるとしよう。図1を単純に拡大しても、実は、図2のような、デジタルブロック図しか現われてこない。もとにあったイラストの情報量は、ここまで減ってしまっているのである。

 図2のデジタルブロックの一つずつをピクセル(画素)と呼んでいるが、ここには、デジタル画像の情報として、0から255までの大きさに対応した色の値が示されている。それらが隣接する、隣どうしの色の違いや、それらの位置関係、このようなところに、方程式と、それらの係数の値が隠れているのである。実際には、方程式を構成するのではなく、それらと同等な、さまざまな処理のアルゴリズムがあって、そこに、このような画像の座標と色値を、未定係数の値として用い、もとの画像に近いものを再構成する。このような処理を行うコンピュータプログラムの総称を、私はマジカルスコープと呼び、さらに、色の調整なども加えたものをマジカルフィルターと呼んでいる。次の図3は、そのようなマジカルフィルターによる解析画像の一つである。そして、図4にあるのが、「①もとのイラストD(50%)」である。存在するものとしての歴史順を①→②→③→④という、丸囲みの数字で表している。完全に、もとへと戻るわけではないが、図2に比べると、図3の解析図では、もとのイラストの内容が、ずいぶんと分かりやすくなっている。

 ここでの解析ソフトは32系である。8系などでは、もう少し、細部が分かりやすくなるが、ブロック図とのギャップも小さくなる。前回までの解析では、おもに8系のソフトを使っていた。順番としては、次は16系のソフトの番かもしれないが、おもいきって、今回の解析では32系のソフトを使い、衛星カリストの「光るクレーター」に見える部分をひとつずつ取り上げ、それらの形を調べてゆくことにした。5は「衛星カリストのリード半球ヴァルハラクレーター近辺」の画像[1]である。「衛星カリストの光るクレータ_3」で使ったものと同じもの。これより大きな画素領域の画像もあったが情報量は少なかった。いまのところ、この画像が、もっとも信頼できるものである。この画像において、図6のような解析領域を指定した。これは16系を想定したサイズであり、これを用いて16系のソフトで解析を進めていたものの、8系での解析結果から、それほど大きな進展が見られないようだったので、32系の解析ソフトを充実させ、これを使って、小さく収められている「光るクレーター」などの対象物を調べることにした。

 「衛星カリストの光るクレータ_3」で、私は「光るクレーター」などを、②「アメーバー体」, ③「盤状体」,④「多色光核体」, ⑤「独立体」の4種類に分けた。①は「菊紋のようなヴァルハラクレーター」であるが、これも輝いている「クレーター」であるものの、巨大すぎて、スケールが異なりすぎて、ほとんど考慮していない。③「盤状体」の名称の由来となったのは、図6R4にある楕円型で、脚か根をもって、少し地表から浮いているように見えるものであった。しかし、これに分類したものの中に、地表に、単なる円形の壁を形成しているようなものもあるように思える。すると、これらの総称を「盤状体」と呼ぶのは、限定しすぎていて、適当ではない。そこで、もう少し定義をゆるめて、③「環状体」としておくことにする。つまり、ここに「盤状体」と「外壁体」が含められているわけである。「盤状体」の代表であるR4の光体を図7に、「外壁体」の一例としてR7の光体を図8に示そう。

 図7では少し浮いている様子が分かりにくいが、脚が曲がっていて、地表との位置関係を示している。このように拡大してみると、中央にあるものの姿が分かりだす。配色や濃度を変えて調べてみると、R4の環状体の内部領域には、「卵」とも名づけた球体が複数個映っていることが分かる。これ以外にも、球体が映っている環状体は、数多く存在する。しかし、図8の環状体を外壁体と判定するように、ここでの外壁は、完全なサークルとして一周しておらず、たとえば、図8の右のほうで壁の形が乱れているし、この図ではとらえていないが、下のほうでは、壁がなく、外の地表と連続しているところがある。そして、この外壁体の中にあるものを見ると、なにやら、目のある頭が首をもって、胴体のようなものにつながっているようにも見えるのである。まるで、「鳥が巣の中で卵を抱いている」ところの姿のようである。

 盤状体であれ外壁体であれ、これらの環状体の中にあるものの姿が見えそうなものを集めてみよう。図9は外壁体のほうに分類されそうなものであるが、この内部領域にあるものの姿を見てほしい。これには頭のようなものがあって、右のほうを向いていると見えないだろうか。

 次の図10での、領域O3にある環状体の中央にも何かあるが、右上の壁の上に、この中央部のものから、首が伸びていて、頭のようなものが乗っているように、私には見える。中央部の形は、背骨のような曲がりと頂きが見え、指のようなものまでは見えないが、手と足のようなものがついているようにも見える。

 領域L2の画像には「銀色のこけし」のようなものが映っていて、何やら不思議なものであると思っていた。これが何であるかということは、いまでもよく分からないものの、これから伸びている、肌色のものがあって、これの形が、領域L3にも見られるということに気がついた。図12を見てほしい。図9から図12までを見比べてもらってもよい。これらの画像には、非常によく似たものが共通して映っているのである。それらは、同じような形をしており、「くちばし」をもって、目のようなものがある、頭部のようなものなのである。図11と図12では、「手足」のようなものを確認できないが、図9と図10では見えている。このようなことが、ほんとうにあるのだろうか。他の星で、ということではなく、このように巨大なものとして、生命体のようなものが存在しているのだろうか。これらは、32系の画像であり、解析領域の中の対象物は、かなり小さなものとなっているものの、あいかわらず巨大なスケールなのである。衛星カリストの光るクレータ_3」で、8系の標準解析領域の横幅128ピクセルが460kmであることを求めた。この32系の標準解析領域は、長さとして、その14となり、横幅32ピクセルなので、115kmとなる。ここから、図9の領域I2にある環状体の内部領域にいるものの「体長」を求めると、38kmとなる。これの110では3800mで、1100でも380mとなる。いやいや、38mなのである。これでは想像できない。38kmのほうが分かりやすいが、そのような大きさの生命体が、他の星とはいえ、存在しているということを受け入れるのは、非常に難しい。衛星カリストの地表重力は、地球の18ほどであることを考慮しても、あまりに巨大だ。しかし、このような視点が得られてみると、なるほどそうか、と思えるような画像が、どんどん見えてくる。

 次の図13を見てほしい。白い部分が目立っているが、この上にある暗い部分から、何かが、細い首から上を突き出して「こちらを見ている」ところが映っていることに、私は気づいた。

 図14の領域A7では、環状体の外に、白いものが三体存在している。左斜め上にあるものは、左を向いているもののように見える。その下の白いものも左を向いているのだろうか。中央やや右の上部にある白いものは、右を向いているとも、左を向いているとも、とれる。

 図15の領域B3の環状体には、白いものが、すっぽり収まっていて、左を向いて伏せているようにも見える。図16の領域B6には、白いものが二体映っているように見える。青い色を体の一部とみなせば、右の白いものは、長い首をもったものだということになろう。

 図17の領域R9の不思議なパターンの意味がつかめなくて、いったい何だろうかと、頭を悩ませていたのであったが、ここにきて、上記の視点を適用してみたところ、右側に巨大なものが座っていて、長い首を折りたたみ、右を向いているところで、一方、中央付近にあるものは、それよりずうっと小さくて、やはり座っているが、左を向いているところであり、この、さらに手前に、長めの球形のものがあると判別できることが分かった。

 図18の領域A2ものも、環状体の中に白いものがあって、これらの意味がよく分からなかったのだが、複数の白いものが何体か存在しているのだと見れば、なんとか解釈できる。おそらく、4体か5体であろう。体色は白く、頭かくちばしは肌色で、周囲の環状体の色と似ているので、解釈しにくかったのであろう。

 環状体が存在しないところに、独立して白く輝いているものの中に、図19や図20のようなものがある。これらは、右のほうを向いているものとみなすことができる。

 次の図21と図22の中に現われているものは、非常によく似た配色のパターンになっている。「かお」と「つばさの先端」と「あし」の部分がピンク色で、「はね」の一部に水色がある。これらの影の色は、ウルトラマリンの青である。領域B1のものは、はやい段階で「鳥のようだ」と判断していたが、何かの偶然であり、目の錯覚のようなものだと考えていた。しかし、このように、解析ソフトを改良して、特徴的な白い色を描き出せるようになり、これらの配色パターンの類似性に着目するようになると、「謎」の答えが、一気に浮かびあがってきたということになる。

 ここで示そうとしたことは、まるで、おとぎ話のようでもある。たとえ、他の星であり、重力も小さいとはいえ、このように巨大なものが生命体の形をなしており、しかも、それらが、未知の生命体という姿ではなく、地球において、恐竜から進化するときに、おそらく地球の重力が大きい方向へと変化したことに適用して、かなり小さな「鳥類」となっている一方で、衛星カリストでは、かつての恐竜のスケールを、はるかに上回るサイズで、巣をつくり、卵を産んで、それを孵し、雛を育てて、活動していたなどと、これまで誰が想像しただろうか。SF小説の作家なら、もっとましなプロットを考えることだろう。絵本やおとぎ話の作家でも、気恥ずかしくて、思いついたとたんに、かき消してしまうアイディアかもしれない。かつて「ET」という映画があって、そのエイリアンは鳥類タイプであった。しかし、地球の生命体と同じくらいのスケールである。手塚治虫がSFマガジンに連載していた、ショートストーリーの漫画のタイトルが「鳥人体系」であった。鳥から進化したヒューマノイドの物語だ。衛星カリストの鳥たちの姿は、まだ、ヒューマノイドのようにはなっていない。ひょっとすると、そのようなタイプのものは、もっと小さくなっていて見えないか、構造部や地下に潜んでいるのかもしれない。そして、さらに考えられることは、このような鳥たちが、何も食べずに暮らしているとは考えられず、おそらく、地球の鳥たちからの連想により、衛星カリストにも、食べ物となる虫のようなものが存在していることであろう。宇宙のあちらこちらに、これまでにも、巨大な虫の姿が現われている。だとすれば、食物連鎖のベースとなる植物も、大量に存在していないとおかしい。もうひとつ考えたことであるが、衛星カリストの「光るクレーター」の多くは、これらの鳥たちの「巣」であるということが分かってくると、この衛星カリストにおける「巣」の密度が、あまりに高いということが気になる。これでは、太平洋の島に設けられた、鳥たちの営巣地のようなものではないか。すると、衛星カリストが、生態系のすべてであるとは考えられず、これらの鳥たちは、子育てのときだけ、ここにやってきて、静かに暮らしているというストーリーへとつながってゆく。それでは、これらの鳥たちは、いつも、どこにいるのだろうか。ああ、そうか。木星がある。そして、このような考察の帰結として、これらの鳥たちは、宇宙空間を飛んで、木星とカリストとを「渡る」ことができるということにならなければおかしい。まったく、手塚治虫の「火の鳥」のストーリーだ。私は、このような、過去の作品から連想して、勝手な物語を生み出しているわけではない。このように書くことになってしまうのは、科学的な技術の成果として得られた、NASAによる画像を、これも科学的な分野の範囲の中で、科学知識とコンピュータ技術を駆使して、これまでには発達していなかった、最先端の画像解析ノウハウを使うことによって、上記のような画像が得られたからである。ストーリーの細部には「仮説」という名の空想も入っているだろうが、得られている画像の源は、れっきとした科学的な「証拠」なのである。解析した私自身が驚いている。宇宙は不思議だ。さまざまな想像を、いつも裏切られてしまう。

(2009.05.09 Written by Kinohito KULOTSUKI)

参照資料

[1] 衛星カリストのリード半球ヴァルハラクレーター近辺

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Valhalla_crater_on_Callisto.jpg