CPP124 衛星エンセラダスの都市構造
CPP124 The City Structure on Moon Enceladus
黒月樹人(Kinohito KULOTSUKI, treeman9621.com)
CPP124 衛星エンセラダスの都市構造

 エンセラダス (エンケラドゥスとも呼ばれてきたが、正確に発音するとエンセラダスとなる) は土星の衛星の中では6番目に大きい。直径でおよそ500kmだという。土星で最大の衛星はタイタンで、直径は5150kmもある。これは水星の4880kmを上回っている。地球の月の直径は3476kmである。タイタンは直径として月の1.5倍あるわけだ。これに対して、エンセラダスは、直径で月の0.14しかないのだから、ずいぶんと小さい。しかし、60個以上あると観測されている土星の衛星の中での大きさは6番目であり、地球の現在の文明において発見されたのは1789(ウィリアム・ハーシェルによる)と、比較的古く、土星系の中では、けっこう有名なほうである。1980年代にボイジャーが土星におとずれたとき、この大きさが測定され、太陽光の反射率が100%であったことから、表面が氷でおおわれていると考えられた。さらに、NASAESAの土星探査機カッシーニが20053月ごろに近づいたとき、微量の大気があることが発見された。これは、火山活動によって、地中から供給される水蒸気を主成分としたものと考えられている。これ以外にも、カッシーニの探査結果を分析して、さまざまな発見がなされているようだ。

実は、エンセラダスの画像の中に、自然の地形とは思えないものが映っているものがある。NASAの画像ファイルコードでPIA11120と名づけられたものである。この画像は、カッシーニによって200889日に撮影されたもので、比較的新しい。エンセラドスから2,6000km離れたところから撮影され、1ピクセル(画素)の幅が312mになるという。今回、それについての解析画像を紹介しようと思う。

 PIA11120の画像における解析領域を指定したものが図3である。右側には、それらの解析領域の一部を取り出した。この中の領域Aを単純に拡大したものが図4となる。幅が312mという画素のブロックが見えだしてきて、細部の様子が分かりにくい。これまでは、ここで終わりだと考えられてきた。しかし、私は、これらの色情報をもつものの、ほんらいの姿に、より近い画像を再構成する技術を開発した。この技術だけに関して言えば、既に世の中で使われていたので、特許をとってはいない。しかし、これらのレベルを上回る水準までアルゴリズムを改良し、さらに、特殊な技法の数々を組み合わせて、一枚の画像から、できる限りの情報を引き出せるようにした。そのような技法の中から、対象とする原画像の細部の陰影を再構成しつつ、色のバランスを検討した後、明暗やコントラストを調整したものの一つが図5である。

 図5の右下には、白いボーリングのピンかビール瓶のようなものが映っている。これは地表に立っているものらしく、図の真上に向かって、その影がのびている。図5の左側には、クジャクの羽根のように、放射状にのびた複数の筋がある。この中央にも、真上へとのびた影がある。クジャクの羽根状複合体の中央にも、何か立っているのかもしれない。

 それにしても、これらの不思議な構造体の周囲に広がっている、何本もの筋の形状は、いったいどのような作用で形成されたものなのだろうか。NASAのコメントでは、太陽光の反射率から、「氷」だと述べているようだ。土星の衛星なのであるから、気温も低いと見ているのだろう。しかし、これらの詳細なかたちを見てゆくと、とても、これらの地表面が「氷」であるとは考えられない。このあと、図4のような原画像の拡大ブロック図は掲載しないで、すべて解析画像とする。

 図6におさめた領域Bの解析画像にも、中央やや左に影のようなものがある。しかし、これを作ったと考えられる、高いものが見当たらない。ここは、単なる「穴」なのだろうか。この影の下方に、白く輝く、細いものがある。これが高いもので、その影だと考えるわけにはいかない。なぜかというと、それらの間に、影の中に入っていない数珠状の列があるからである。これが高いのだろうか。しかし、ばらばらになっているようなのに、その形状が影のパターンに反映されていない。謎が残る部分である。

 図7C領域では、右斜め上に暗い部分がある。そして、左の明るい部分との境界に、白い数珠状の峰が連なっている。そして、それらの間に切れ目があり、そこをカバーするかのように、最も輝いている筋がある。この白い筋の輝き方は、かなり不自然である。太陽光を斜めに受けて、その反射で光っているとは、とても考えられない。また、右上の暗い領域にある白い光体部分も、それだけが独立しているもののように見える。つまり、これらの輝くものは、自ら光っているのではないかと思われるのだ。

 図8D領域は、かなり立体的な場所である。右下の斜めの部分が崖のようになっていて、その中央に白い筋がある。左上の角あたりから、中央の下へと向かって、やはり、白く輝く部分をもつ筋がある。左上のほうも急な斜面になっているようだ。これらの間にある、ちょうど中央あたりの地形は水平になっていて、そこには幾何学的な形状のものが多く並んでいる。最も注目するものは、置時計のような、長方形の台の上にアーチ型の部分があって、ちょうど時計の文字盤のあたりが穴になっているものである。これの手前には、比較的四角いものが並んでいる。右下の崖にある白い筋の上り口には、カタカナの「」の字型の構造物があるように見える。まるで、ここは、山の斜面に設けた「街」のように見えるではないか。置時計のようなものは、この町の公会堂か教会のようなもので、四角い建物が並んでいて、ここに見えている白い筋は、ひょっとすると、エスカレーターのようになった通路ではないだろうか。1ピクセルの幅が312mであり、この解析画像の原画像では、横幅が128ピクセルであったので、この解析画像の横幅は、ほぼ40kmということになる。すると、置時計型の構造物の高さは2470mである。これでは地球の山である。それでは、この領域Dにある、右下の崖や、左上の斜面がつくる、この風景の背後にある地形は、いったい、どのようなものなのだろうか。

 図9E領域は平地のようだ。ここには方形の区画がある。この区画の三方に、筋状の壁のようなものがある。左下の白い壁は、細かく分割されているように見える。右にある壁のような長い構造体には、このような分割模様は見られない。これはかなり高いもののようで、左側に影が見える。それに沿って何らかの構造体が並んでいて、その中央付近にドームのようなものがある。その左側の広い部分に、まるで、和式の大便器のようなものが見え、そこから何かが出てきているような姿である。真上にある壁は二列となっていて、やや短い。この方形領域の左上方向には溝のようなものがある。これには橋がかかっているようだ。この溝が単純な亀裂ではないということになる。他にも、右端の中央部に、丸いものが5つほど斜めに連鎖しているところがある。これも、かなり不自然なものである。これらの丸いものの直径は1200mほどである。地球にあるとして想像すると、かなり巨大なガスタンクのようなものであるが、おそらく、地球上には存在しないだろう。

 図10の領域Fには、右側の斜面の中に、いろいろなものが映っている。手前と奥に階段のようなものがある。手前の階段の向こうに、やや大きな平屋根のある構造物と、その右下に、舌状のものがある。奥の階段の手前には、細長い方形のものがある。その階段の上がり口付近の向こうには、平たいドームのようなものがある。これらの方形とドームの形の差異が、いかにも不思議である。これらの左のほうにも、いくつかの構造体が見えるが、説明できそうな対応するイメージが思いつかないので、これらの説明はやめておこう。

 図11の領域Gにも、かなり複雑なものが映っている。ここでは、屋根のような白く平たいものの上に、球体が幾つも乗っているところが特徴的である。左の斜面には、平らな屋根をもつ建物のようなものが並んでいる。

 図12の領域Hと図13の領域I、図3 PIA11120画像では、左下のところに位置しているが、これらには、人工物のように見えるものが、あまり映っていない。領域Iの中央左に、「∩」のような、キャップ状の台の上に何かが乗っているようなものがある。このあたりの地形に、人工物のようなものがあるように見える。

 図14の領域Jは、図11領域Gに隣接している。やはり、斜面になっているようだ。右奥に階段状の構造が見える。左端の斜面に筋状構造体があって、まるで、左手の骨のように、指に相当する筋状構造体を右下に広げている。これらの手首に相当する位置に、斜めの台があって、そこに、キノコのような形状のものが、列をなして並んでいる。これらの中には、頭部が球体のようにも見えるものもある。

 図15の領域Kには、人工物らしいものは見えない。ひょっとすると、小さな人工物があるのかもしれないが、無理に見つけようとしなくても、上記の画像の中に、幾つも見出されている。

 ここでは、NASAの画像PIA11120について解析したものを調べてきたが、この文を書いている途中、ウェブで調べてみたところ、さらに解像度の大きな画像がいくつかあることが分かった。この解析に続き、それらの画像について調べることにしたい。

(2009.05.01 Written by Kinohito KULOTSUKI )

 

参照資料

[1] http://www.mpi-hd.mpg.de/dustgroup/images/Enceladus.jpg

[2] http://photojournal.jpl.nasa.gov/jpeg/PIA11120.jpg