CPP136 ゴブリンアイで見る「エリダヌス座のアケルナル」
CPP136 Achernal of Eridanus Constellation seen by Goblin Eye
黒月樹人(Kinohito KULOTSUKI) http://www.treeman9621.com
CPP136 ゴブリンアイで見る「エリダヌス座のアケルナル」

 ゴブリンアイを装備したクッキリンoz906を使って、「エリダヌス座(Eridanus constellation) のアルファ星であるアケルナル(Achernar)を調べます。

 エリダヌス座に1等星のアケルナルがあることを知り、この星座やアケルナルのことを調べました。エリダヌス座とは、川をイメージした星座だそうです。他の、もっと具体的なイメージの星座に囲まれた、隙間のような領域を占めています。川のようにくねくねと曲がって伸びた、この星座の一端にアルファ星のアケルナルがあります。もう一端には、ベータ星のクルサがあります。解説文を読んでゆくと、これらのベータ星などの、比較的明るい星のことは省略されていて、突然、エリダヌス座イプシロン星のエピソードが現れます。この星は、私たちの太陽から近く、また、太陽によく似た星だというので、SF小説で、よく使われてきたということです。それではイプシロン星はどれかと思いましたが、星座の地図には載せられていませんでした。科学的な解説としては、アケルナルの形状が奇妙であるということが説明されています。アケルナルは、回転軸方向の半径に対して、赤道方向への半径が1.5倍だというのです。自転速度が速いため、赤道方向に膨らんだのだと説明されています。これは、一度、観察してみたいと思いました。

「アケルナル」を調べ直すと、まさしく、近くまで行って撮影してきたような、回転楕円体のイラストがあふれています。ただの想像図であることは明らかです。中には、私たちの太陽にある黒点のようなものも描かれていました。これをクッキリンoz906の光核モードで調べたところ、自然な星に見られる光核パターンは見られません。偽物でした。どこかに本物の観測画像がないかと、さらに調べました。これは間違いないという画像がありました[1]。ただ、これは、エリダヌス座の全体をデジタルカメラで撮っているもので、アケルナルについての画素数が、かなり少ないものでした。もうひとつ見つけました[2]。こちらは、エリダヌス座の全体や部分が映っていませんので、正確に確認はできないのですが、サイトを調べると、この画像の青白い星が、そうであるかのように書いています。このサイトの中に、さらに画素数の多い画像がありました[3]


1  エリダヌス座のアケルナルを×64の窓で指定


2 アケルナルの「ルーペPホーン明ゴブリンアイHレベル(Lupe PlightH)

 図1は、20maia.com の岸本 浩氏が撮影された画像[1] をクッキリンoz906で取り込み、アケルナルを×64の窓で指定したものです。この画像には、エリダヌス座が見事に収められており、氏のホームページの、この画像の上にマウスを運ぶと、エリダヌス座のマップ線が現れますので、間違いありません。

 図2は、図1の赤い窓枠内の画像データ(モザイクパターン)を、クッキリン処理し、さらにゴブリンアイ処理して、デジタル画像へと撮影する前にあったはずのイメージを再現したものです。これによると、確かに、平らにつぶれている様子が分かります。ただし、この画像においては、この星を描くために用いられている画素数が、わずか数個となっていて、これ以上詳しい情報を引き出すことができません。この画像は、エリダヌス座をとらえようとしたもので、広い領域をカバーしています。同じようなデジタルカメラでも、望遠レンズを使って、アケルナルだけをねらうとか、望遠鏡を利用すれば、もっと多くの画素数で表現した画像が得られます。そして、その画像をクッキリンoz906で処理すれば、大きな天体望遠鏡での観測に負けないような結果が得られるはずです。


4 science.howstuffworks.comにある、大きな画素数の、アケルナルの画像[3]

 「アケルナル」で調べて図3の画像を見つけました[2]。このサイトで確認すると、「アケルナルは、エリダヌス座の青白い星で、0.5等星で、全天の中で最も明るい星の一つである」と書かれていて、そこに、図3の画像がありました。そして、同じサイトの中に、もっと解像度の大きな画像[3]がありました。図4は、この画像をクッキリンoz906で取り込み、明るい星のように見える部分を×32の窓で指定したものです。

 このあとの解析画像について説明します。図5は、図4で指定した領域を、単純に拡大したモザイクパターンの画像です。撮影されている情報は、これだけです。しかし、この情報に基づいて、クッキリン処理をすると、図6が得られます。これを、さらに調整してから、ゴブリンアイの処理を施すと、図7の画像が得られます。平らにつぶれたパターンと言えば、そのようにも見えます。しかし、回転楕円体のようには見えません。

 図8から図11までは、これの光核解析画像です。光核解析というのは、0255の値で分布している色について、光核[###255]の範囲だけを残して、それを0255の範囲に広げて描いたものです。###の値が255へと近づくにつれて、強く光っていた部分の色を、それなりに弱めて表示します。このようにして、白く光っていたものの、核のようなものの色パターンが見えてくるのです。このような解析から、アケルナルのほんとうの姿は、回転楕円体というよりは、長方形のようなものと考えられます。星のベースはガスの球体であって、それが平らにつぶれたものは回転楕円体だと考えて、これらの観測データを説明することができるでしょうか。宇宙には、まだまだ謎が潜んでいます。SF小説に使えそうな情報は、いくらでも転がっています。私たちの世界によく似ているかもしれない、エリダヌス座イプシロン星だけに着目している場合ではないようです。


5 アケルナルの原モザイク画像


6  アケルナルのルーペモードにおけるクッキリン処理画像


7 アケルナルのパインモードでのPホーン暗ゴブリンアイHレベル画像


8 アケルナルの光核[200255]Pホーン暗ゴブリンアイHレベル


9 アケルナルの光核[240255]Pホーン暗ゴブリンアイHレベル

10 アケルナルの光核[250255]Pホーン暗ゴブリンアイHレベル


11 アケルナルの光核[254255]Pホーン暗ゴブリンアイHレベル

(2009.09.01 Written by Kinohito KULOTSUKI )

参照資料

[1] 20maia.com の岸本 浩氏が撮影された画像

http://20maia.sakura.ne.jp/

[2] science.howstuffworks.comにあるアケルナルの画像

Achernar, a blue-white star in the constellation Eridanus. Achernar has an apparent magnitude of 0.5, making it one of the brightest stars in the nighttime sky.

http://science.howstuffworks.com/stars-channel.htm 

[3] science.howstuffworks.comにある、大きな画素数の、アケルナルの画像

http://science.howstuffworks.com/star.htm