CPP144 高精度ゴブリンアイ装備クッキリン解析プログラム ゴブリンブリンクgo55は夢のような技術を実現する
Goblin Blink go55 as Kukkiling Analysis Program with High Precision Goblin Eye
makes Dream-like Technique run

黒月樹人(Kinohito KULOTSUKI), http://www.treeman9621.com/
CPP144 高精度ゴブリンアイ装備クッキリン解析プログラム ゴブリンブリンクgo55は夢のような技術を実現する

 「ゴブリンアイ」という呼称を思いつくまで、私は何度も散歩を繰り返しました。この技術は、その前に決めていた「クッキリン」とは異なるものです。クッキリンは、デジタル画像を拡大したとき現れるモザイクパターンの情報から、もとにあったはずのイメージを再構成するというものです。モザイクパターンを四角い石積みのピラミッドになぞらえたとき、この石の角を削り落して、滑らかな表面をもつ山のようなものを作るというのが、このクッキリンの処理を表わしています。しかし、このとき、削り落した石のかけらが、砂のようになって、山の表面にばらまかれてしまうのです。ゴブリンアイという技術は、これらの「石ころ」や「砂」のような、画像のあちらこちらにばらまかれた「色のかけら」を掃除するものです。このような技術が実現可能だとは、この技術が具現化する、ほんの数日前まで思ってもいませんでした。可能となると、これは、いかにも不思議なものでした。まるで魔法のようです。そこで、「ゴブリン」という単語が浮かびあがってきました。そして、これに付ける「接尾語」か、前に置く「枕詞」として、どのようなものを想定するか、散歩しながら、何かが現れるのを待ったわけです。候補としては、「ビュー(視野)」や「サイト(景色)」というものもありましたが、もっと具体的なものを表わす「アイ()」にしました。

 やがて、ゴブリンアイの不思議は、「色のかけら」を掃除するということだけではないということが分かってきました。この技術は、画像の情報量を落とさずに、明暗の変化を生み出すことができるのです。これまでの画像処理ソフトでは、画像の色値分布の、両端を削り落して再分布させることにより、いわゆる、色値情報の間引きを行っていたのです。他のソフトが生み出した、明暗を変化させた画像を分析して、これらのノウハウを学び、私の初期のソフトへと導入しました。画像の明暗処理とは、そのようなものだと、いつのまにか思っていました。しかし、そうではなかったのです。画像の情報量を落とさずに、明暗の変化を生み出すことができるようになったのです。

 クッキリンとゴブリンアイを組み合わせ、私は、新しいタイプの画像解析ソフトを生み出しました。それが「ゴブリンアイ装備クッキリン」です。サンプル版のoz401と、上級者版のoz906を、世の中に出すことにしました。ところが、このための手続きを進めながら、私は、早くも、次の段階のソフトをテストしていたのです。それが、「高精度ゴブリンアイ装備クッキリン」です。最初のプログラムでは「高精度ゴブリンアイ」だけの機能をテストしていました。このときのプログラム名は「ホーン解析プログラム」となっていました。やがて、拡大してモザイクパターンを消す、クッキリン処理を組み込むことにし、上級者版のoz906より、さらに専門性を追求したものができました。これは、ozシリーズと、見かけも異なっており、機能のレベルも高度なものになりましたので、新たな名称をつけることにしました。このような流れで思いついた「接尾語」が、「ブリンク(まばたき)」でした。この解析ソフトの、主要な画面で、まるで、ゴブリンが目をまばたかせるごとに、見えている世界が、魔法のように変わってゆくところが、この単語を連想させたのでした。こうして、「ゴブリンブリンク」という名が生まれたのです。この名称は、英語で書いてみると、Goblin Blink となって、ゴロよく、ダジャレになっています。これで「決まり」でした。

 「ゴブリンブリンク」誕生のエピソードは、これくらいにして、この技術を具体的に見てゆくことにしましょう。ゴブリン装備クッキリンやゴブリンブリンクは、デザイナーの方々に人気のフォトショップなどとは、プログラムソフトの生態学的ニッチが異なります。どちらかというと、ゴブリン装備クッキリンやゴブリンブリンクは、科学者や研究者、あるいは、教師や学生や生徒のような、知識の探究者が使用するときのものとして、開発されたものです。同じように画像を変化させてゆきますが、ゴブリン装備クッキリンやゴブリンブリンクの目的は、その画像の中に隠れている、本当のものを見るということにあるのです。ですから、この目的に沿うことのない、多様な模様づけのような手法には、いっさい関心がありませんでした。画像を変化させるのは、そこに隠れているものの姿を、より分かりやすく見るためなのです。そこにあるはずのものを、さらに見えなくすることではありません。ここにニッチの違いがあるわけです。

 ゴブリン装備クッキリンやゴブリンブリンクが得意とする画像は、何らかの情報を探し出したいというものとなります。それが暗すぎるとか、明るすぎるというものほど、効果は激しく現れます。図1は、ハッブル宇宙天文台によって撮影された馬頭星雲の画像です[1]。ここの赤い枠で示された領域に、悪魔のようにも見える生命体のイメージが映っているのです。この原画像は、現在、NASAのサイトから得られないかもしれません。NASAは、この部分の画像に処理をほどこしたものを、新たに掲載するようになりました。図1は、ゴブリンブリンクgo55.exeに馬頭星雲の画像を取り込んで、解析領域を、赤い枠の×16の窓で指定したところです。図2は、これを拡大して現れるモザイクパターンをクッキリン処理したものです。この画像までは、他の画像解析ソフトででも得ることができます。

 図3は、図2の画像に対して、高精度ゴブリンアイで、Cの双ゴブリンアイ処理 (C both) を行ったものです。図2の画像に対して、わずかですが、暗い部分がさらに暗く、明るい部分がさらに明るくなっています。ここでCのペンではなく、Lのほうの太いペンを使うと、細部の情報が失われてしまいます。また、ABのペンでは、あまり効果が現れません。このような効果は、解析する対象画像によって違ってきます。何度か試してみて、適度なものを探すことになります。

 図4は、図3の解析結果の画像に対して、さらに高精度ゴブリンアイの処理を加えたものです。これまでのソフトであるゴブリンアイ装備クッキリンでは、ゴブリンアイの処理を行えるのは1回だけでした。ゴブリンブリンクでは何度でも行えるのです。ただし、何度も行うと、やりすぎて、細部の情報が失われることがあります。0255の限度値へ、すぐに近づかないで、収束するように工夫してありますが、それでも、1254の値のところまで近づいてくれば、ほとんど限度値と同じことになります。やりすぎたとき、一つ前の処理画像へとすぐに戻れないのが、現在の難点の一つではありますが、これは、将来のバージョンアップの課題として、現在のものでは、その手前まで、最初からやり直すことになります。処理のメモを残しておけば、この操作はなんとかなります。

4では、謎の生命体の骨格標本のようなものが浮き上がってきました。この画像から「悪魔」を連想する人もいるかもしれませんが、私は何らかの生命体であると考えます。しかし、この馬頭星雲の遠さのことを考えると、この生命体のサイズが、とんでもないものであるということに気がつくことでしょう。

 この馬頭星雲には、べつのところにも生命体らしきものが映っているのです。図5において、青い枠で示した×16の窓のところです。次の図6は、この領域をクッキリン処理したものです。そして、図7が、ゴブリンブリンクの高精度ゴブリンアイの処理で、いろいろと何度か繰り返し、ここに映っているものの姿を見やすくしたものです。この生命体は、頭部に目が二つあって、くちばしのようなものをもっていることが分かります。下の黄色い部分を「火山の噴火口」のようなものと考えていたこともありましたが、ひょっとすると、「温泉」のようなものかもしれません。宇宙を撮影した画像では、少しばかり温度の高いところは、赤外線による撮影画像の効果で、「疑似カラー画像」の赤色成分が、このような画像を生み出す可能性もあるのでしょう。

 青い領域に見られた生命体は、赤い領域の骨格標本の生命体と、同じ種類であるという可能性もあります。イモムシのようにも見える図7の生命体は、まだ変態を終えていなくて、図4の生命体の頭部にあるように見える、触角のようなものを生やしていないのかもしれません。実は、この馬頭星雲には、画像の右下のほうに爪をもった指のようなものが映っています。この部分を調べてみると、これらの生命体の頭がい骨のようなもので構成されているのではないかというイメージも浮かんでくるのです。そんなことが、ほんとうに起こっているのでしょうか。宇宙には、巨大な生命体があふれていて、それらの骨格は、星雲という構造物の材料になっているというわけです。まったく、地球のこれまでのSF作家が思いつかなかったようなことが、次々と現れてきます。しかし、私が知りたいのは、そのような空想物語のプロットではなく、観測された画像の中に隠れている、ほんとうのことなのです。それらを知るために、これまでには無かったような、新たな技法を組み込んだ解析プログラムを開発しようと思ってきたのでした。それが、ゴブリンアイ装備クッキリンであり、ゴブリンブリンクなのです。

(2009.09.28 Written by Kinohito KULOTSUKI )

 参照資料 [1] 馬頭星雲 

http://www.cosmiclight.com/imagegalleries/images/space/horsehead.jpg