CPP148 コンター装備ゴブリンブリンクgoc##の威力
Power of goc## as Goblin Blink with Contour
黒月解析研究所 (KULOTSUKI ANALYSIS INSTITUTION)
CPP148 コンター装備ゴブリンブリンクgoc##の威力

 タイトルにgo##と記してあるが、##に入る数字は、まだ決まっていない。コンター装備ゴブリンブリンクは、ゴブリンブリンクgo55をベースとして開発された。プログラム開発上のバージョン名としての数字を1から始めたが、現在、その数字は14あたりとなっている。このCPP148を構成するために制作した画像は13におけるものである。また、さらに改良するためのプログラムテキストでは15としてある。これもベクターにてシェアウェア公開する予定であるが、そのときの番号は、まだ決まっていない。

 このCPP148では、ゴブリンブリンクというシステムに、データ解析の分野で多用されているコンター機能を組み合わせると、どのような可能性が広がるのかということを主に示す。

 コンター(contour)としてなじみが深いものは、地図における等高線であろう。また、気圧配置図における等圧線も、よく目にする。データ解析の分野では、このようなコンターとしての等○線を、いろいろと制作して、解析結果を見やすくすることがある。たとえば、磁気の変化を見るものや、地中における地震波の速度変化を見るものなどを、かつて、私は制作した。コンターを描くアルゴリズムは、ごくごくシンプルなものである。線でつなぐのがコンターであると、固く考える必要はない。等しい値のところに、何らかのマークを入れるか、色を変えるだけで、コンター図は描けてしまう。

 このように、さほど困難なこともなくコンターは描けてしまうのだが、これまでの画像解析ソフトに、まったく、この機能が取り入れられていなかったのは、おそらく、目的が異なっていたからであろう。黒月解析研究所が開発しようとしているのは、画像の中味を無視して、好みの画像へと変化させるものではなく、画像はさまざまに変化するものの、その第一の目的が、画像の中に映っているものを、より分かりやすく描くためのものなのである。このような目的の解析ソフトが、既に存在していて、犯罪捜査などで用いられているというイメージが、テレビなどの物語で示されていることがあるが、これは疑わしい。実際に、犯罪捜査のためとして公開されている画像は、あいかわらずピンボケ気味のものであり、このような解析ソフトが存在している気配すら感じさせないものである。

 科学分野におけるコンター画像を調べてみると、もともと目には見えなかった、磁場などの様子を描いたものが多い。目で見ることができる画像については、これを拡大するときに生じる「色のにじみ」を感知されることを嫌って、あらかじめ画像を縮小してから拡大するとか、拡大倍率を入力しづらくしておくなど、いろいろな逃げ道を組み込んでいるソフトが多い。そこへ、さらにコンターを描いて何が分かるというのか。このように思われているのかもしれない。

 磁場や電場や気圧のように、目に見えないものではなく、目に見える画像として映っているものに対してコンター描写を行うという理由は、目に見えていると思っているものでも、実は、肉眼では識別できていない、わずかな色の変化という、微妙な情報を、はっきりと見せてくれるからである。このことを、このあと、いくつかの事例によって示そう。

 図1の@はNASAによって公開されている「エンセラダスは土星のE環を生み出している (Enceladus Creates Saturn's E Ring)」というタイトルの画像[1]である。これには簡単な解説が添えられており、光る弧状のものがE環で、ここにおいて強く光る部分の、黒い斑状部分が衛星エンセラダスであるという。衛星エンセラダスについては、カッシーニ探査機が近接撮影し、複雑なしわ状パターンの表面をもつ球体であることが分かっている。図1の@は、土星のE環と衛星エンセラダスの関係について説明するために提示されているようだ。ところで、この画像を、コンター装備ゴブリンブリンクgoc##で調べてみると、いろいろと不思議な謎が見えてくる。

 図2は、図1Bにおいて、さらに「全域狭間隔コンター」を描いたものである。これまでのデータ解析分野において、コンターによる解析を行うということは、この段階で終わりとなるだろう。ところが、コンター装備ゴブリンアイgoc##によるコンター解析においては、さらに多くの追処理の分岐がある。まず、最初に行うべきことは、この解析原画像において、過度の処理を行わないとき、ゴブリンアイの処理によって、画像の解像度を失うことなく明暗の状態を変えることができるという利点を、ここで使うことである。

 図2の画像からスタートして、ゴブリンアイの処理を何度か繰り返し、それらの一連の処理の最後に、Cホーン暗ゴブリンアイ処理を行ったものが、図3の原画像であり、ここでは、その上に「全領域狭間隔コンター」を赤色で描いている。

コンター色を変えるには、「→マップ」をクリックし、×1を指定しておいてから、「窓枠の色」をクリックして選ぶとよい。「→現像」と「→G.アイ」と進むと、コンター色だけを変えた図3へと戻ることができる。

 コンターの処理分岐として、「全域」「暗域」「中帯(領域)」「明域」の大きな枝と、これとは異なる、「狭」「中」「広」(間隔)の枝がある。「域」のほうでは、0255において、ここを3等分し、これらの区別を行っている。「狭中広」の間隔のほうでは、0255の色値において、とびとびの値でコンターを描いているわけであるが、これの、とぶ間隔である。全くとばなければ、全面がコンター色になってしまう。コンター図で赤い領域のように見えている部分は、0255の色値が全く同じという部分であり、そのような赤色であるということではない。コンター解析画像における分解能は、この色値の幅に対する1/256ということになる。

 図3〜図6において、「全域」「暗域」「中帯(領域)」「明域」の違いを示す。また、図7において、「狭」「中」「広」(間隔)の違いを示す。

 次の図7は、コンター解析における「狭」「中」「広」(間隔)の違いを示したものであるが、NASAによる原画像では、ほとんど識別できていない、土星の環の微細な構造が描きだされている。ほんとうは、このような情報まで含まれていたのである。図7の@ABより、コンター表示間隔を変えるとき、土星の環の見え方が変わる。環の粒子に関する、何らかの性質に関係しているのだろうが、どのようなメカニズムなのだろうか。

 NASAの解説では、ほぼE環とエンセラダスのことだけに触れているようであるが、この原画像をgoc##で調べてゆき、私は、不思議な画像を見ることになった。図1@の原画像において、図8の@で天体Xを指定する。これも、ひょっとすると、土星の衛星の一つなのかもしれないが、確認できないので天体Xとしておく。図8のAは、これの拡大クッキリン画像である。これは太陽に照らされたときの惑星や月のようなパターンとも見える。ところが、これをコンター処理してみると、図8のBとなる。まるで、明部と暗部が分離しているもののように見える。これは、処理に由来する現象なのだろうか、それとも、この図のように、何かが分離したものなのだろうか。

天体Xは、いかにも不思議なので、さらに詳しく調べた。上記図8のAとBは×16の窓によるものであったが、×32の窓に変えて拡大クッキリン処理してから、Hホーン明ゴブリンアイ処理したものが図9の@であり、図9のAでは「全域狭間隔コンター」を加えた。

 NASAによる原画像には、小さな光体としての天体が、さらに描かれている。これらについても観察してみた。図10のものを天体Y、図11のものを天体Zとしたが、これらは、天体Xとは違って、明部と暗部に分かれていない。全体が丸い領域で光っており、この明部のコンターパターンを描いている。コンターを装備したゴブリンブリンクによって解析すれば、これらの光体が、単に明るく光っている点のようなものでなく、複雑な構造をもっていることが分かるだろう。

(2009.010.09 Written by Kinohito KULOTSUKI )

参照資料

[1] エンセラダスは土星のE環を生み出している Enceladus Creates Saturn's E Ring

http://apod.nasa.gov/apod/ap070327.html