CPP158 アインシュタインリングは重力レンズによるものではない(2)
CPP158 Einstein Ring does not come from Gravitational Lens_2
黒月解析研究所 (KULOTSUKI ANALYSIS INSTITUTION)
 黒月樹人 (Kinohito KULOTSUKI) http://www.treeman9621.com/
CPP158 アインシュタインリングは重力レンズによるものではない(2)

 「アインシュタインリング」は、一つの天体の周囲に、円弧の雲のような天体があるものである。この円弧状の天体は、中心天体より、遠くにあるとされている。背後にあるものが、なぜ見えるかというと、中心天体が空間を曲げたため、そこが凸レンズのような役目をして、背後の点光源を、円弧状に広げるのだそうだ。このように、空間が曲がるということの根拠は、アインシュタインの一般相対性理論にある。この理論は、特殊相対性理論からの拡張だと考えられている。しかし、この特殊相対性理論のベースとなっているローレンツ変換は、まったくの空想であって、数学的に成立しないものであることが分かった[1]。ここから、特殊相対性理論が無意味なものであることが言える。それでは、一般相対性理論はどうかというと、アインシュタインらが考えていたほど、特殊相対性理論や、これらの表現を補助する「ミンコフスキー空間」からの、情報の遺伝を受けていないようであり、ただちに否定されるものではないという状態になっている。そこで、現在は、この一般相対性理論が予測する現象について、詳しい検討を行っているところである。その一つの試みが、この「アインシュタインリング」という天体にまつわる「重力レンズ」である。

これまで、何の疑いもなく「空間は曲がる」ということが信じられ、天文観測において、中心に何らかの天体があり、その周囲に少し離れて、円弧状の天体が見つかると、「これこそ、アインシュタインの一般相対性理論が予測する重力レンズの現象だ」と主張され、世の中の注目を浴びてきた。

ところで、観測技術が発展し、世界中の大きな天体望遠鏡での記録媒体がCCDによるデジタル画像になった。これに黒月解析研究所が開発したデジタル画像の解析プログラムを適用すると、これまでは分からなかった細部の情報を引き出すことができる。こうして、この問題に、ひとつの答えを提案できるようになった。

具体例を紹介することにしよう。

 図1は、ヨーロッパ南天文台(ESO)の巨大望遠鏡(VLT)によるアインシュタインリング J0332-3557の画像[2]を、コンター装備ゴブリンブリンクgoc15に取り込んで、アインシュタインリング部分を、×16の窓で指定したものである。この画像が紹介されてあったサイト[3]に、「アインシュタインリングJ0332-3557の距離は、およそ120億光年」で、中心にあってレンズの役目をしている「銀河の距離は80億光年」であると記されている。ものすごく遠い距離であり、年周視差の測量で求められるような値ではない。おそらく、何らかの推定値であろう。中心銀河までが80億光年で、リング部分が120億光年だと見積もられているのは、重力レンズの模式図からの判断なのだろう。中心銀河の、さらに40億光年遠くにある銀河か何かが、中心銀河のレンズ作用によって、周囲に弧状のパターンを描いているという考えだ。はたして、そうなのだろうか。


1  ヨーロッパ南天文台(ESO)の巨大望遠鏡(VLT)によるアインシュタインリング J0332-3557の画像[2]を、コンター装備ゴブリンブリンクgoc15に取り込んで、アインシュタインリング部分を、×16の窓で指定

 図2、図1の赤色領域を拡大クッキリン処理した画像である。「拡大クッキリン処理」は、すでに、Windows 2000OS時代のコンピュータに付属していたPicture Gearという画像解析ソフトが行っていた。画像をマウスでドラッグすると、引かれてきた領域の画像が、ただちに解析されて現れてくる。しかし、ここまでのことである。現在まで、この段階から進むことができた画像解析ソフトは、ほとんど無い。

 黒月解析研究所のoz906, go55, goc15のゴブリンアイを装備したソフトは、この壁を乗り越える。oz906では一回だけであるが、go55goc15のゴブリンブリンクでは、同じ画像に対して、何度も繰り返してゴブリンアイの処理を行うことができる。ただし、このとき、この処理の、「コントラストの変化」と「色のごみ取り」という、二つの効果のうち、前者の効果が邪魔をして、実際に何度も繰り返すことができなかった。つまり、明るくする方でコントラストを変化させてゆくと、色値の上限値である255へと近づき、それに至ってしまう部分では、255の一様な色となってしまい、情報量を失うことになるからである。そこで、go55 Ver.1.03, goc15 Ver.1.01では、このゴブリンアイの処理において、「コントラストの変化」を極力抑えた、「弱」のモードを組み込んだ。これにより、数多く繰り返すことができて、「色のごみ取り」機能を強化することができる。図3〜図5は、このようにして解析したものである。「Hホーン弱双ゴブリンアイ」は記号でHwbothとあらわすこともある。「Hホーン」は、処理をペンでなぞらえたときの「ペンの太さ」に対応する。「w」は「week」の頭文字である。「both」は「双ゴブリンアイ」を表わす。


2  1の赤色領域を拡大クッキリン処理した画像

3  2に対してHホーン弱双ゴブリンアイ×4回処理

4  2に対してHホーン弱双ゴブリンアイ×7回処理

5  2に対してHホーン弱双ゴブリンアイ×9回処理

 図4や図5を見ると、中心銀河とリング天体は、共通のハローで包まれていることが分かる。また、これらの背後に、不思議な形をしたものが、複雑にからみあって存在している。これらは、赤いハローの向こう側に位置しており、リング天体の背後にもある。中心銀河とリング天体は、ほぼ同じ距離にあるものと考えられ、重力レンズとは無縁であると考えられる。

 図6は、このような、不思議な背景天体の部分だけを指定したところである。図7は、その拡大クッキリン画像。そして、これにゴブリンアイ処理を施したものが図8。背後の天体の形と色が鮮やかに浮かんできた。これらは星雲の「幼生」なのだろうか。


6  アインシュタインリング J0332-3557の画像[2]の暗い部分を×16の窓で指定

7  6の解析領域を拡大クッキリン処理したもの

8  7Dホーン双ゴブリンアイで7回処理したもの(Dbothx7)

 図9は、アインシュタインリング J0332-3557の画像[2]において、何かが弧状になっているように見える部分を指定したものである。


9  アインシュタインリング J0332-3557の画像[2]のある部分を×16の窓で指定

10  9Jホーン双ゴブリンアイを1回行ったもの


10は、その拡大クッキリン処理後に、Jホーン双ゴブリンアイを1回行ったものである。ここにも弧状になった天体が存在する。ただし、中心にレンズの働きをしそうな天体は見あたらない。もっとも明るい天体が一つあるが、これが中心へと移動しようとしているところなのだろうか。このような、星雲の幼生たちには、重力レンズとは無関係に、どのようなメカニズムかは分からないが、弧状に並ぶ性質もありそうだ。

(2009.010.28 Written by Kinohito KULOTSUKI )

参照資料

[1] 「幽霊変換」

http://www.treeman9621.com/PHANTOM_TRANSFORMATIONS_Japanese.html

[2] Einstein Ring FOR J0332-3557 by European Southern Observatory (ESO) Very Large Telescope (VLT)

http://www.astronomy.com/asy/objects/images/for_einstein_ring_image_400.jpg

[3] http://teamcanada.freeforums.org/post1864.html