ゴブリンライスの「色紋」解析の能力 (4) 人工物の色紋パターンは浮いている
Ability of Iromon Analysis @ Goblin Rice (4) Artifact Iromon Patterns are Isolated

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 はじめに

 色紋解析の能力を調べるため、自然な風景として、建物群や樹木、あるいは土砂による地面のようなもの調べてきた。建物群といっても、土壁や瓦屋根の建物が主であったため、自然な造形材料で構成されていた。このページでは、あるていど自然な風景の中に、部分的な人工物の色が混じっているケースでの、撮影画像の色紋解析を示す。

 「道を作っています」

 通勤している、森の緑に囲まれた山中の細い道のそばに、「道を作っています」と記された看板が立った。やがて、ささやかな峠を守っていた山にあった針葉樹が切り倒されはじめた。その峠を越えた左手は、少し谷となっていて、そこにも針葉樹が生えていたのだが、それも切り倒された。峠の隣斜面が削り取られ、隣の谷へと、その土砂が運ばれ、すこし平らな谷が出来上がってゆく。今はまだ、その平らな谷底の中央部分に排水のための溝が作られているところ。峠はまだ、ぜんぜん低くなっていない。
 朝夕通るたび、その変化を観察しながら、細いカーブの山道に沿って車を走らせた。意外に思ったのは、山の斜面をユンボなどで削っても削っても、赤茶色の風化した土砂しか現れなかったことである。このあたりの地下には、岩盤らしきものが見当たらないのだろうか。
 そういえば、このあたりは、現在でこそ、標高も高い山になっているものの、かつては、古い琵琶湖があったところだ。すなわち「古琵琶湖層群」という名の地層を削っていることになる。かつては、周囲から雨によって削り取られてきた、風化中の土砂が堆積したわけである。
 ある日私は、仕事が早く終わったので、このあたりへと近づいたとき、道端に車を停め、デジタルカメラを持って、これらの風景を撮影した。



図 1 「道を作っています」現場風景

 色紋解析

 図 1の「道を作っています」現場風景のそれぞれについて、ゴブリンライスにおいて「色紋解析」を行った。
 図2の解析原画像には、@電柱 Aコーン B鉄骨 C赤い木の棒 Dアスファルト道路 などの人工物が含まれている。
@電柱 の色は、よく分からない。灰色は「(存在)色紋グラフ(Exist)」の中心軸あたりに分布するので、分離するのは難しい。
 Aコーン と C赤い木の棒 は、いずれも赤色なので、どちらに由来するものかは、これらを片方ずつ切り取った画像をつくって色紋解析することにより明らかにできる。「(存在)色紋グラフ(Exist)」のRGグラフとBRグラフのところに、赤色のプロットが「浮いている」(他のプロットと異なるパターンとなっている)ことが分かる。RGグラフにおいて、木にとまっているセミのように、少し離れている赤色のプロットが Aコーン に由来するもので、その右にある、木の皮のようにくっついている赤色のプロットが C赤い木の棒 に由来するものであることが、上記の切り取り法で分かった。
 B鉄骨 については、よく分からない。この鉄さびの色は、自然なものに基づいているので、あまり「浮いていない」のだろう。
色値表の濃淡値(Gray)212と193としてとらえられている。たとえば、Gray=212, Red =202, Green=222, Blue=194 となっているが、3色の値が同じくらいになっている。これが「灰色」の特徴である。
 (存在)色紋グラフ(Exist)」のGBグラフとBRグラフに、オリーブ色に近い緑色のプロットが「浮いて」見える。これが何に由来するものか調べたところ、右下にある草であることが分かった。自然な草のプロットでも「浮く」ことがあるようだ。



図 2 「(a) 道路工事現場開始地点」の色紋解析

 図3(1)と図3(2)を見比べることにより、赤味のある葉と、鮮やかな黄緑の葉を切り取った図3(2)の解析原画像での色紋解析で、図3(1)の「(存在)色紋グラフ(Exist)」で「浮いていた」赤色プロットと緑色プロットがほぼ消えた。このような自然物に関するプロットも「浮く」ようだ。



図 3 (1) 「(b) 近くにある廃田に生える草」の色紋解析(1)



図 3 (2) 「(b) 近くにある廃田に生える草」の色紋解析(2)

 図4(1)の「(存在)色紋グラフ(Exist)」では、RGグラフでG軸側に緑色のプロットが「浮いている」。これを調べたところ、次の図4(2)と図4(3)の解析原画像を作ってもとめた色紋解析のパターンと見比べ、原画像の右下にある、小さな草に由来するものであることが分かった。ここでも「自然物」が「浮いて」しまった。
 図4(2)の色紋グラフのパターンは、特別な特徴をもったものとして、典型的なものとして記憶しておく必要がある。その特徴とは、RGグラフで右側、GBグラフで右側、BRグラフで左側の、それぞれの領域にほとんどプロットがないことである。
 図4(3)として、切り取った「小さな草」(周囲の粘土も少し含む)の色紋解析を示した。色紋解析が、非常に敏感な解析能力をもっていることが分かることだろう。



図 4 (1) 「(c) 風化した赤土の粘土」の色紋解析(1)



図 4 (2) 「(c) 風化した赤土の粘土」の色紋解析(2)



図 4 (3) 「(c) 風化した赤土の粘土」の色紋解析(3)

 図5と図6は「赤色におそらくペンキで染められた木の棒」の色が「浮いている」ことを示している。



図 5 「(d) 削り取った斜面と背後の林」の色紋解析



図 6 「(e) 赤色の棒がある斜面」の色紋解析

 次の図7では、@車 Aプレハブ現場事務所 B工事看板 などの人工物が含まれている。  @車 は黒色と白色なので、色紋解析では分離しにくい。
 Aプレハブ現場事務所の色は、色値表の最上段に、Gray=244 Red=232 Green=251 Blue=247 として示されているものだろう。BRグラフで、やや「浮いて」見える。
 B工事看板 の色は、向かって左のやや薄いほうが、Gray=165 Red=192 Green=160 Blue=121で、右のやや濃いほうが、(プログラムのアルゴリズムのため2つに分かれてしまったが、その一つで代表させると)Gray=129 Red=171 Green=123 Blue=32となるようだ。これらの色は、いずれも、「(存在)色紋グラフ(Exist)」で、非常によく「浮いている」。いずれもペンキで塗られたものだろう。GBグラフとBRグラフで検出されている「レモン色」は、向かって左の看板に掲示されているプレートに由来するものである。これも、よく「浮いている」。



図 7 「(f) 現場事務所と工事看板」の色紋解析

 まとめ

 図7の解析結果を見て、このページのタイトルを決めたのだが、プロットパターンとして「浮いている」のは、何も人工物に限られたことではないようだ。もちろん、人工物に塗られたペンキの色は、他の自然な色のパターンから、はっきりと「浮いて」示されるものの、異質な明るさをもった「草」や、紅葉ぎみに色が変化した「草」、そして、自然の植物に由来するものとはいえ、「花」の色が「浮く」ことがある。これらのことを注意しながら解析すれば、画像から人工物の「候補」を探すことができるだろう。

 (Written by KULOTSUKI Kinohito, as treeman9621@ 9621 ANALYSIS, July 7, 2012)

 

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