幻想の定常系

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito)

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 はじめに

 ここまでの黒月樹人は、10年前に「幽霊変換」という解析ページを作っていたころに比べると、ずいぶん「正気」に近くなってきたのかな、と思えています。
 10年前に、アインシュタインの特殊相対性理論が幻であるとか、いろいろ書き込んでいましたが、今から思うと、勝手に反論の主張を繰り返していただけではないかと思えます。
 「正気」ではなく「誤気」あるいは「乱気」と言ってもよいかもしれません。
 さて、ここまで考えたことから、思いついて、いくつかまとめてみようと思います。
 しかし、それほど確かな論理で考えているかどうかは、よく分かりません。
 まあ、「ちょっと正気」で「ちょっと乱気」ぐらいの、あいまいなところかもしれません。
 (以下の文体は変わります)

 ローレンツ変換における定常系と運動系

 ローレンツ変換においては、定常系と運動系が不可欠である。
 ローレンツ変換というのは、定常系と運動系の時空が異なるとして、これらの座標の変換をするものだからである。

図1 ローレンツ変換における定常系と運動系

 運動系に対する定常系モデル

 アインシュタインの特殊相対性理論 [1] [2] においては、静止系(定常系)の中に運動系があって、運動系の中で走る光と、運動系を動かす速度を、定常系で組み合わせて表現することができると考えている。

図2 運動系に対する定常系モデル

 定常系Kの光は運動系kの光と同じものではない

 アインシュタインの特殊相対性理論において、運動系の光が定常系で表現されたとき、これらの光の走る時間が異なることになる。
 定常系での光は、運動系で光が走る区間(x’)に加えて、運動系の速度(v)による移動距離(vt)を加えた距離を走ることになる。

図3 定常系の光と運動系の光

 アインシュタインは、このときの、運動系の光と、定常系の光とを同じものとみなしている。
 しかし、これらの光は、同じものとみなすことはできない。
 なぜなら、これらの光は、その総振動数が異なるからである。

図4 定常系の光と運動系の光の総振動数(v=0.1cとしたときの数値計算)

 定常系と運動系は重なることができるか

 定常系と運動系は、同じ空間で重なることができるのだろうか。

図5 定常系と運動系は重なることができるか

 これは、できそうもない。
 なぜなら、もし、この共通空間で一つの光が走ろうとするとき、この光は、定常系で走るか運動系で走るかによって、走る時間を変えなければならない。
 その結果、この光は、振動する回数(サイクル)を変えなければならない。
 しかし、このような判断が、ただの光にできるとは考えられない。

図6 共通部分の光

 光は異なる座標系を移ることができるか

 定常系と運動系が重なって、共通部分を生み出すことができそうもないというのなら、定常系と運動系は離れていたのだろうか。
 このとき、光は異なる座標系を移ることができるだろうか。
 もし、そのようなことができるとして、定常系から運動系に光が移ろうとするとき、この光は同じ状態ではいられないはずである。
 そのとき、光はどのようになるのだろうか。
 これに応えるのはむつかしそうだ。

図7 光は異なる座標系を移ることができるか

 定常系はどこにある

 マイケルソン・モーリー実験が行われたとき、太陽系として静止しているエーテルに対して、運動系としての地球の動きが調べられようとした。しかし、光を使った観測実験では、このときの地球の動きを見出すことはできなかった。
 よくよく考えてみると、太陽系も銀河系の腕に所属して、銀河系といっしょに動いている。
 銀河系も、他の銀河系との関係で、どうやら動いているらしい。
 それでは、定常系という座標系は、いったいどこにあるのだろうか。

図8 銀河系(モデル)-太陽系―地球系(いずれもフリー画像)

 この世界に異なる座標系はいくつあるのか

 宇宙のはてにある星から生まれた光は、この宇宙の中をとおって、地球へとやってくる。
 このとき、ローレンツ変換のようなものを必要とする、異なる時空の性質をもつ座標系は、どことどこにあるのだろうか。
 この宇宙にある座標系は一つだけで、その中で動いているものが、それとは時空の性質が異なる空間であると思うのは間違っているのではないだろうか。
 定常系とか運動系というのは、単なる視点と基準のために考えただけであり、それらの座標系ごとに、空間の性質が異なるとしたら、それらを渡ってくる光は、そのつど、何度もローレンツ変換で、長さや時間や、振動数を変えなければならなくなる。
 宇宙の果てからやってくる光が、それほど複雑に変化してきたとは、とても考えられない。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, Aug 1, 2018)

図9 宇宙を走る光(宇宙のフリー画像より)

  参照資料

[1] 「運動している物体の電気力学について」、アインシュタイン選集1、湯川秀樹(監修)、中村誠太郎・谷川安孝・井上健(訳編)、共立出版(刊)、昭和46年3月1日
[2] 「アインシュタイン 特殊相対性理論」、内山龍雄訳・解説、岩波文庫、井波書店刊 1988-11-16

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