流体力学としての電磁気学
Electromagnetics as Fluid Mechanics

Frank M. Meno

Physics Essays, volume 7, number 4, 1994, pp450-452
(日本語訳と赤ゴシック文字の注釈は黒月樹人による)

PDF 流体力学としての電磁気学

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◇要約 電磁場ポテンシャルは、流体力学における類似としてモデル化される。
◇キーワード 古典的電磁気主義(classical electromagnetism)、マクスウェル方程式(Maxwell equations)、エーテル(ether)

 電磁気の現象が、スカラーポテンシャルVとベクトルポテンシャルAの意味において表現されうるということは、見事に確立している。しかしながら、それらの物理的な解釈は不確かなものにとどまっている。次に示すことの中において、これらの現象が、ある基礎的な特徴をもつかもしれない、力学的な類比と結びついていることの、ひとつのモデルを示す。
 電磁場ベクトルEBは、次のように定義される。

   E=−∇V−∂A/∂t          (1)
   B=∇×A               (2)

そして、これらの定義が自己矛盾のないものであるようにするため、VとAの間に、次の付加的な関係を導入する必要がある。

   ∂V/∂t+c2∇・A=0          (3)

ここで、cは光速度であり、tは時間である。この関係は、分析的な考慮によって、歴史的に持ち出されるものであり、ローレンツ条件(the Lorentz gauge)と呼ばれるものであって、純粋に物理的な考慮に基づく、流体力学における、等価な数学的関係であるがゆえのものであるので、電磁気現象が流体力学に基づいているという仮説を強めることになる。詳細な関係、マクスウェル方程式(the Maxwell equations)の由来、波動方程式、ラグランジュ密度(the Lagrangian density)は、さまざまなテキストブックに見出しうる。たとえば、参照1(Ref.1)の中にある。
 流体力学のオイラー構成(the Eulerian formation)は、質量、運動量、エネルギーに関する保存方程式から導かれる(参照2と参照3)。

   ∂ρ/∂t+∇・(ρv)=0         (4)
   ∂(ρv)/∂t+∇・(ρvvΣ)=f      (5)
   ∂(ρw)/∂t+∇・(ρwvΣvq)=f・v   (6)

ここで、ρは質量の密度であり、vは速度場ベクトル、Σは応力テンソル(the stress tensor)、qは熱流ベクトル(the heat flux vector)、fは外力の密度(the external force density)であり、そして、wは総空間的エネルギー(the total specific energy)であり、w=e+(1/2)v2 として定義される。ここで、eは空間的な内部エネルギー(the specific internal energy)である。
 上記の3つの方程式は、完全性のため、単に示されたものである。電磁気の場合、流体の粒子間に力は存在していないのであり、仮定的な「粒子」(gyrons, 直訳→「盾形の中心を一頂点にした、盾形の四半分の、その半分に等しい三角形), 後に「粒子(particles)」の後に(gyrons)として添えている)は、接触によってのみ相互に作用するからである(Appendixを参照せよ)。
 熱均衡の状態にある、粘性の無い圧縮性流体に対して、方程式(5)は、次のように簡略化される。

   ∂(ρv)/∂t+∇・(ρvv)+∇P=0    (7)

これに対して(6)は余分なものとなる。上記において、Pは圧力を表わし、ストレステンソルに対して、Σ=τ−PIとして関係づけられる。ここでτは粘性応力テンソルを、Iは単位テンソルを表わす。
 電磁スカラーポテンシャルとベクトルポテンシャルは、次のように表わされるので、

   V =γc2              (8)
   A =γv               (9)

方程式(3)と方程式(1)は、次のようになる。

   ∂γ/∂t+∇・(γv)=0        (10)
   ∂(γv)/∂t+E+∇γc2=0      (11)

したがって、(10)と(11)は、それぞれ、仮にγ=ρ, γc2P ,

   E=∇・(γvv)            (12)

であれば、(4)と(7)のものと、同じ形をもつことになる。
 結局、電位場の強さEは、力学的流体の類比において、対流加速度(the convective acceleration)を表わし、磁気流密度(the magnetic flux density)Bは、表現(2)の方程式を通して、渦度(vorticity)や循環(circulation)と、次のように関係していることになる。

   B=∇×(γv)             (13)

しかしながら、これらの類比関係は、次のような、適正な物理上の次元が一致できたときのみに成立するものである。つまり、仮にγが質量密度(mass density)を表わすのではなく、代わりに、数値的な占有密度(numerical occupation density)を表わしており、占有されているところと、占有されていない空隙との比によって、次のように定義されるとしよう。

   γ=vol0 / (vol−vol0 )       (14)

ここで、vol は空隙の体積を、vol0 は流体を構成している粒子群(particles(gyrons))の体積を表わしている。この占有密度は、もちろん、場所から場所にかけて変化し、流体における力学的な条件に依存している。連続の方程式 (4) は、(3) に対応しているものであるが、任意の保存されたスカラー場の量に対して妥当なものである。このようなわけで、γは、流体の粒子群の数に比例しており、保存量であって、その均衡値でγ0 として表示されるものは、およそ重力対数Gに対応したものとなるだろう。仮にこのようなケースが成立するとき、ポテンシャルVに対する絶対値は、次のようになろう。

   V0 =γ0 c2 =0.667×10-7×2.9982×1020
     =5.995 × 1013 (cm/s)2        (15)

運動量に対する連続の方程式 (5) は、空間における粒子分布密度と、粒子群の速度との間の、相互の干渉作用のため、さらに複雑な状況を表わしている。これらの干渉作用は、流体を構成している粒子群(particles(gyrons))の形状に強く依存しており、後に示す (16) にある、応力テンソルT に反映されている。仮に流体の類比が結局は正しいこととなるとき、方程式 (1) は、単なる圧力ではなく、応力テンソルに対応した、他の項を、おそらく含むことになるだろう。
 これは私の推測であるが、マクスウェル方程式は線形流体力学方程式を表わしており、非線形に依存するものは観測されない状態となっていて、そのことは、圧力に加えて応力テンソルが1/r のクーロン依存性よりも、より急速に減衰するという事実の中にあるのだろう。かくして、短い範囲での力学は、「電荷をもつ粒子群」の内部が考えられるが、短い範囲での核力に対して記述されるものであり、それは応力テンソルによって支配されている。仮にこのようなケースが成立しているとすると、(1) は次のように修正されるだろう。

   E=∇・T−∂A/∂t           (16)

ここで、T=τ−PI である。その一定状態において、(1) の発散は次のようになる。

   ∇・E=−∇・∇V            (17)

そして、定義によって、次のようになる。

   ε∇・E=−ε∇2 V =ρ        (18)

ここで、εは誘電率、ρは電荷密度である。力学的な類比において、εは粒子群(gyrons)の平均自由経路に関連する、無次元のスカラー要因であり、一方、ρは[1/t2]という次元を持っている。このようなわけで、「電荷密度」と名づけられたものは、対流加速度(convective acceleration)による応力の密度(concentration)に対する、力学的な類比に対応していることになり、粒子群(gyrons)の循環による、物理的な源もしくは「流し(sinks)」は何も存在しないということになる。結局、「電荷密度」は、次のようになる。

   ρ=ε∇・∇・T =ε∇・∇・(γvv) (19)

それゆえ、ひょっとすると

   T=f(γvv) (20)

このテンソルの不変量は、電荷の現象を生み出す、動力学的な構造(dynamic structure)を表わしている。さらに、上記の観点から、マクスウェル方程式 ∇・B=0 は、∇・∇×(γv)=0 に対応しており、任意の回転の発散がゼロとなる数学的事実(div curl A=0, Aは任意のベクトル関数)によって成立するものである。同様に、方程式 ∇×E +∂B /∂t=0 は、∇・∇×(γvv)+∂∇ ×(γv)/∂t=0 に対応しており、(11) の回転をとることによって導かれるものであり、任意の勾配の回転がゼロとなること(curl gradΦ=0, Φは任意の関数)を考慮したものである。残りの二つのマクスウェル方程式 ∇・D=ρ と ∇×H−∂D /∂t=J 、それと、このモデルの他の結果は、それに続く数々の発表において示されることになろう。
 かくして、電磁気学と他の物理的現象は、空隙の、動力学の幾何学的な調整として見なされ、その真空は均衡条件を表わしているものである。乱された真空の中に現れている様々な現象と、それらの物理的な次元に関する関係群は、より初期に示されたものである(Ref.4)。このモデルにおいて、cは流体粒子群の二乗平均平方根(rms, Root Mean Square)の速度を表わしており、それらと、可能な動力学的な構造などは、ローレンツ不変量(Lorentz-invariant)である。これらの対比群は単なる奇妙な一致ではなく、マクスウェル(Ref.5)や他の者(Ref.6)によって予想された者としての、基礎的な過程群を示す要点である。

Acknowledgment
The author thanks D.L.Bonaddio for inputting the manuscript and express gratitude for support by Dr. R.J. Sclabassi. The helpful comments and suggestions from the reviewers and the editor are also appreciated.

APPENDIX
 仮想的な粒子群(gyrons)と、それらの動力学(kinetics)の描写は、参照(Ref.)4に示されている。その論文についての読者の関心は、なじみの薄い物理的ユニットや、私がこの論文で取り扱っているエーテル(ether)の型に親しむところにある。
 しかしながら、要するに、この流体は、極端に小さな、長方形の硬い粒子群で構成され、その粒子群は、宇宙の広がりにわたる空隙の中で互いにぶつかりあっているものである。それらのサイズは、プランク長(Plank length)のオーダーであり、それは、およそ10-33cmである。
 これらの対象物は、互いの衝突において、線形の運動量と回転の運動量とを、ともに保存し、詳細な形状と、それに伴う、この性質は、電磁気現象と重力を説明するものである。これらの場を維持する、空間的な力学構造群は、電子群としてのものとしてのものであるが、提出された論文の中において取り扱われている。

1993年8月31日受理

References
1. J.A. Stratton, Electromagnetic Theory (McGrow-Hill, 1941)
2. R.B. Bird, W.E. Stewaet, and E.N. Lightfoot, Transport Phenomena (John Wiley and Sons, 1960)
3. G. Enanuel, Analytical Fluid Dynamics (CRC Press, 1994)
4. F.M. Meno, Phys. Essays 4, 94 (1991)
5. J.C. Maxwell, A Treatise on Electricity and Magnetism (Dover, NY, 1954)
6. E.T. Whittaker, Aether and Electricity (Thomas Nelson and Sons, 1953)

F.M. Meno
University of Pittsburgh
365 S. Atlantic Ave.
Pittsburgh, Pennsylvania 15224 U.S.A.

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