ChMd102 ぼんやりUFOの形をレリーフ解析で探ること
To investigate the Form of Darkly UFO by Relief Analysis

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito)

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 はじめに

 ウェーブレット関数をいろいろと工夫改良してUFO画像の細かな部分をどれだけ明らかにできるかという、ひとつの極のようなところを目指してきました。このような取り組みにより、さいしょに作ってきた3×3画素をベースとした高周波ウェーブレット解析に比べ、もう少し多い画素での、5×5画素や7×7画素の中周波ウェーブレット解析のほうが、取り扱っているUFO画像のデータ量に対して、うまく調べることができるということが分かってきました。また9×9画素から15×15画素による低周波ウェーブレット解析についても、関数を考え、いろいろな視点をもつことができるようになりました。
 ウェーブレット解析による技法は多様な発展をしてきたのですが、ときどきふとレリーフ解析でチェックしてみると、こちらのほうが、逆によく分かると思えるときがありました。でも、レリーフ解析はT解析とX解析の2種類だけでした。T解析とX解析の2種類あるとはいえ、その違いはほとんどありません。これらをレリーフ解析と呼ぶことにしたのは、描かれる解析画像が、壁から少し膨らんだ半彫刻のレリーフのように、少しばかり立体的に見えるからです。このような特性をもった解析法がほかに何かないのだろうかと、ときどき考えてはいたのですが、そこのところでいつも袋小路につきあたっていたのでした。
 あるときふと、これまで使ってきたレリーフ解析としてのT解析とX解析は、3×3画素をベースとした高周波のレリーフ解析だということに気づきました。それなら7×7画素や11×11画素や15×15画素へと拡張することができるのではないか。ようやく、進むべき道が見えてきました。3×3画素をベースとした高周波レリーフ解析だったときは、細かなノイズのようなものまでをふくめて詳しく調べていたわけですが、これを中周波数や低周波数に変えることで、細かなノイズ成分が平滑化され、ある程度無視されることになるはずです。
 また、このようなプロセスを具体的にプログラミングするとき、ウェーブレット関数を使うアルゴリズムをレリーフ解析にも使うことができるということに気づき、レリーフ解析は(ウェーブレット解析における)ハール関数のパターンに対応しているということが分かりました。つまり、レリーフ解析はハール関数の拡張バージョンで、ウェーブレット解析と呼んでいたものはメキシカンハット関数の拡張バージョンにすぎず、いすれも、数学で規定されているウェーブレット関数の分野におさまるものだったのです。
 ここ最近の解析手法開発物語のあらすじは、おおよそ、このようなことでした。
 このページでは、新たに構成した7×7画素から15×15画素までのレリーフ解析で、UFO画像がどのように見えるかということを示したいと思います。

 解析対象UFO(malta031913)


図1 画像[13] (malta031913)(画像をクリック → ウェブの原画像ページ)

 2013年3月
 この写真はマルタのマルサシュロック(Marsaxlokk)にある海岸から撮られたもので、もともと撮影の対象となっていたのは、発電所の煙突からもくもくと高くわきだしているものでした。
 撮影しているとき、お役人たちは、肉眼で何か見慣れないものがあるとは気づかなかったのですが、その写真を見たときに、ようやく、それに気がついたのでした。私はその写真に目を近づけてみたのですが、それはきっと飛びゆく鳥か何かだろうと、軽くあしらうことができないほどの、はっきりとした輪郭をあらわしていたのです。
 ウィリアム・アタード・M がサムスンGT S7500 というカメラで撮影したもの
[13] (黒月樹人訳)

 なかなか難しい英文でした。発電所の煙突からのぼる煙を撮影したら、鳥とは思えない形のUFOが偶然写っていたという内容のようです。
 次の図2は、画像[13]のUFO部分を拡大なめらか補間した画像について、さらに拡大するための領域を指定したところです。そして、図3が、その拡大なめらか補間画像です。これを画像Aと呼ぶことにします。図1のウェブでの原画像はかなり大きなものですが、それでも、UFO部分だけを切り取って拡大してみると、図2のように、全体的にぼんやりとしたものとなっており、鳥ではないように見えるものの、翼のない飛行物体なのか、空を飛ぶ龍のような生き物なのか、あるいは、細長い風船や飛行船なのか、はっきりと特定できるというものではないように見えます。


図2 ゴブリンクォーク4の [マップ] ページでの拡大領域の指定


図3 このあとの解析の原画像(画像A)(画像をクリック → 拡大原画像)

 メキシカンハット関数に応じたウェーブレット解析(テキスタイル解析)

 図3では、ぼんやりとした薄くて黒い雲のようなものとして見えています。
 これをまず、これまで色々と作りあげてきたメキシカンハット関数に応じたウェーブレット解析で調べます。のちに説明するレリーフ解析と区別するため、このような解析をテキスタイル解析と呼ぶことにします。
 これらの解析コードは 解析名を###としてcode = onAnt(Gry)I(###)64(64)となります。
すなわちAnt(白黒反転)で、対象はGry(濃淡値)を使い、色モードはIで、振幅が64の、基礎が64です。
 $の記号がついているのは7×7画素のウェーブレット関数で構成されているものです。H15解析とΧ(カイ)15解析は15×15画素のウェーブレット関数による低周波解析です。


図4 画像Aの$f解析(画像をクリック → 拡大原画像)


図5 画像Aの$g解析(画像をクリック → 拡大原画像)


図6 画像AのH15解析(画像をクリック → 拡大原画像)


図7 画像AのΧ(カイ)15解析(画像をクリック → 拡大原画像)

 これらの解析法をまとめてテキスタイル解析としたのは、いろいろな模様が描かれることになるからでした。まるで絨毯や民芸の布地のような、細かく複雑なパターンとして描かれることになります。
 図4から図7の解析図を見比べ、そこに潜んでいる共通点を抽象すると、これらの模様を上下にへだてて分けている、細い、まるで峡谷の底にある川のような、パターンの空白領域が見られるということでしょうか。これが実際の何に対応しているのかということは、正解を知らないものについて調べているので、あまり詳しく語ることができませんが、ともあれ、このテキスタイル解析による、ひとつの成果であると見なせます。

 ハール関数に応じたウェーブレット解析(レリーフ解析)

 次にハール関数に応じたウェーブレット解析(レリーフ解析)で調べてゆきます。さいしょに3×3画素でのT解析とX解析のものを見ましょう。


図8 画像AのT解析(画像をクリック → 拡大原画像)


図9 画像AのX解析(画像をクリック → 拡大原画像)

 レリーフ解析の結果としての画像の意味を読みとくため、解析のアルゴリズムを少しばかり明らかにしておくことにします。
 3×3画素は、次のa〜iを記した図のような位置関係をもっています。中心となる画素はeです。
 このeの画素位置の色値color(e)=(b(e), g(e), r(e))のところへ、濃淡値Gryをつかって、g(e) = Gry(h) - Gry(b), r(e)=Gry(f) - Gry(d)とするのが、実はT解析です。b(e)には基礎色の値を入れておきます。



 X解析では、g(e) = Gry(i) - Gry(a), r(e)=Gry(g) - Gry(c)とします。Xという文字を使った意味が分かりますか。こちらのb(e)にも基礎色の値を入れておきます。
 レリーフ解析の基本的なアルゴリズムはこのようなものでした。
 3×3の画素領域では、色値の差に関する組み合わせのパターンは限られていますが、5×5や7×7になると、さまざまな可能性が生まれてきます。テキスタイル解析では、このような条件をうまく使って、多様な模様として現れるものを見出してきたわけです。
 しかし、レリーフ解析においては、もっとシンプルにすすめてゆくことにしました。7×7画素のとき、aのところを3×3画素として、それぞれに-1を入れておきます。また、iのところの3×3画素には1を入れます。他は全て0です。このようなウェーブレット関数で計算してゆき、その結果を(成分数の9で割って)eに入れるのです。これが(この後説明する)X7BOLDの1色目の決め方です。2色目はcとgで同じようなことをします。3色目をどうするかで、いろいろと変化が生じます。
 理論的なことを解説してゆくと、終わりが見えなくなってしまいますので、このあたりで切り上げ、このあと7×7と11×11と15×15の画素領域を利用してのレリーフ解析だと、解析結果の画像が、どのように見えるのかを示します。
 7B解析と簡略化して表わしていますが、これの正式名は7×7画素X解析ボールド(大胆なタッチ)(記号としてはX7BOLD)となります。ハール関数としてのウェーブレット関数の組み立て方の違いで、ボールドやファインの違いが生じます。また、これによって、色合いも違ってきます。


図10 画像Aの7B(X7BOLD)解析(画像をクリック → 拡大原画像)


図11 画像Aの7F(X7FINE)解析(画像をクリック → 拡大原画像)


図12 画像Aの11B(X11BOLD)解析(画像をクリック → 拡大原画像)


図13 画像Aの15B(X15BOLD)解析(画像をクリック → 拡大原画像)


図14 画像Aの15L(X15LINE)解析(画像をクリック → 拡大原画像)

 レリーフ解析におけるタッチの違いを見るために、UFOの左端部分だけを拡大して解析し、これらを比べています。
 ファインよりもボールドのほうが、また、7×7画素から11×11画素へ、さらに15×15画素に向かうにつれ、細かな部分が無視されてゆき、共通する色が一様に広がってゆきます。
 テキスタイル解析では、細かなところまでどのようにすれば見えてくるのかという「極」を目指してきました。こちらのレリーフ解析では、その反対に、細かなところに、どのようにすればとらわれないで、よりおおまかな骨組みのような構造を見ることができるかという「極」を目指しているわけです。ただし、写真で記録したぼんやり画像のままではなく、おおまかではあるものの、違うところは確かに違うということが、くっきりと現れることを目指しているのです。

 UFOの全体像を見る

 次の図15のように拡大したUFO部分の画像Bについて、ウェーブレット画像解析の、テキスタイル解析($n, fgzai)とレリーフ解析(11L, 15B)を示します。


図15 画像B(画像をクリック → 拡大原画像)


図16 画像Bの $n解析(画像をクリック → 拡大原画像)


図17 画像Bの fgzai解析(画像をクリック → 拡大原画像)

 図15のぼんやりとした画像Bに対して、図16「画像Bの $n解析」では、UFOの周囲の空間までもが詳しく調べ上げられて、何か煙幕のようなものに取り囲まれていているような描写となっています。かすかに広がっているものまで、敏感に感じ取りすぎてしまっているのです。
 これに対して、図17の「画像Bの fgzai解析」では、周囲の煙のような部分が、背景の空のパターンと同じレベルとして現れ、UFOと見なされるものが、やや塗りつぶされたものとして表現されています。まさに「円盤(と限定することはできませんが)」状の何かが存在していることが分かります。
 次の図18と図19はレリーフ解析です。上下の2枚の円盤部分(と推定しているもの)が、X解析によって、異なる色で表わされています。ここに示した色の変化を生み出すための、もともとの画像における濃淡値のパターンが異なっているということを意味します。


図18 画像Bの 11L解析(画像をクリック → 拡大原画像)


図19 画像Bの 15B解析(画像をクリック → 拡大原画像)

 ほかに分かることとして、上下に分かれる色部分の間に、色の無い部分が細く存在しているということ、向かって左のほうに赤の空間変化が、同右のほうには緑色の空間変化が見られます。図16の「画像Bの $n解析」では、その部分が濃く現れていますが、これらの図17と図18では異なる色をつけて表現されているわけです。
 また図17「画像Bの fgzai解析」と見比べると分かりやすいのですが、背景の空にあるジェーペグ画像化にともなって組み込まれた水平線と鉛直線の偽像の影響がかなり小さくなっています。

 まとめ

 これまでウェーブレット解析リレーフ解析と呼び分け、レリーフ解析はウェーブレット解析ではないと述べてきましたが、よく調べてみると、これらは、ウェーブレット関数のメキシカンハット関数とハール関数の、平面画像領域においてのウェーブレット関数と見なすことができ、いずれもウェーブレット画像解析と呼べるものでした。
 メキシカンハット関数タイプのテキスタイル解析とハール関数タイプのレリーフ解析のいずれにおいても、ウェーブレット関数を構成する領域の大きさにより、高周波、中周波、低周波を区別することができます。
 これらのウェーブレット関数のユニークさや構成画素領域の周波数の違いにより、解析対象の見え方がいろいろと違ってきます。細かく見たときに分かることもありますし、大胆に眺めるとき、はっきりとしてくる構造というものもあります。また、同じレベルの解析法でも、関数の構成法の微妙な違いによって、見え方はいろいろです。
 このように、できるだけ多様なパターンの解析法を生み出しておくことで、ぼんやりしたものについても、何かが見えてくるという可能性を高めることができるわけです。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, Jan 22, 2015)

 参照資料

[13] http://www.ufocasebook.com/2013/malta031913.jpg
 March, 2013 Photo was shot from the coast in Marsaxlokk in Malta, and the original scope and subject was the high emissions coming out of the power plant chimney.
 At the time of shooting, the officers did not notice anything unusual with the naked eye... they only noticed the object once they had a look at the photo. I have had a close look at the photo, and the object is too defined to brush off as a passing bird or other object.
 Camera Samsung GT S7500 by William Attard M.

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