ChMd129 三角形のUFOは実在するか(3)
Does the triangle UFO exist? (3)

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito)

ブランチページへもどる

 はじめに

 前回の「ChMd128 三角形のUFOは実在するか(2)」では、黒い三角形の中央に光が一つあるものについて解析しました。
 その結果、このUFO画像は異なる由来の画像加工をされてきた、黒い三角UFOのベースと、まるで恒星のように明るい光が、それぞれの「(色加工の)旅」を終えたところで、ひとつの画像としてふるまうために合成されたものと分かりました。そのような歴史の痕跡は、画像そのものの中に残されていて、ずうっと昔に開発してあった画紋解析のデータの中に潜んでいたのでした。
 今回取り扱うUFO画像は、これによく似たものですが、光の数が4つに増えています。ウェブ上ではかなり有名なUFOらしく、いろいろなものが見つかります。いわば、三角形UFOの代表的なものと言えるでしょう。

 解析対象

 今回取り扱うUFOの画像を次にまとめます。探し出してつけた画像[1]〜[18B]を見比べ、よく似たものを横に並べました。画像のところどころに空白の箇所があるのは、サイト名などが上書きされてあったところをカットしたからです。


図1 光が4つある三角形UFO

 [1]の解析

 [1]の画像からサイト名などを切り取ったことの記号Cをつけ、拡大倍率としての[2]を添えたものが[1]C[2]です。図2(i)は図2(h)についてのテキスタイルVA解析です。これによると、三角形の機体や4つの光について何の情報も現れていません。これは、映し出されているものが立体的な構造を何も持っていないことを示しています。


図2 [1]の解析

 [13]の解析

 [1]とよく似た[13]では図3(k)にレリーフeel解析を示しました。eel解析はレリーフ解析の一種なので、立体的な情報に応じて、レリーフ壁画のように、やや膨らんで見えるような解析結果を生み出すものです。しかし、ここでも三角形のUFOは立体的なものとして現れていません。この(k)を見ると、このUFOは三角形のところで終わっているのではなく、それをつつむ、やや大きな、少し変形した丸いせんべいのような領域で、背景と区別されているようです。


図3 [13]の解析

 [2]の解析

 [2]の画像については、図4のように分解したものを作り、それぞれについての画紋解析を試みました。


図4 [2]の分解


図5 画像Aの画紋解析 code = [2]AGamon


図6 画像Bの画紋解析 code = [2]BGamon

 光が1つだけあるUFOの分解データにおける画紋解析と同じく、黒いベース機体の画像と、明るい4つの光の画像は、それぞれ異なる加工履歴をもっています。それらが同じ画像の[2]にあるということは、合成されたものであると見なすことになります。そうでなければ、一つの画像の中で何らかの条件に見合った部分だけに、まるで人に歳をとらせるかのように、多くの時間をかけて、色の変化の「皺」を染み込ませなければなりません。でも、そのようなプログラミングのアイディアは私には想像できません。

 [11]と[12]の解析

 [11]と[12]の画像ではUFOの向きが異なっています。いかにも信憑性がありそうな設定ですが、テキスタイルNslash解析を行ってみると、光の情報だけが浮かび上がってきます。Nslash解析というのはテキスタイル解析の中でも3×3画素で構成された、もっとも基本的な関数によって成り立っているものです。細かな変化に敏感でありつつ、ジェーペグ変換に伴う縦横線については鈍化な性質をもっているものです。それが作用して調べているのに、斜めになっている三角形UFOの輪郭より、背景ごとのジェーペグ色分割線のほうが強く現れているというのは、おかしな話です。いったいベースとなるUFOのボディはどこへ消えてしまったのでしょうか。


図7 [11]と[12]のテキスタイルNslash解析

 [18A]と[18B]の解析

 [18A]と[18B]の解析では、いずれもかなり暗いものなので、機体の様子が分かりにくいため、まずピーチ解析を試みました。ピーチ解析というのは、狭い範囲に集められていた色のヒストグラムを、全体の色バランスを保ちながら、もっと見やすくするために再配置させるアルゴリズムであるフルーツ解析で、もっとも基本となるものです。
 図8(p)では機体の姿がかすかに見えているようですが、テキスタイルGZ解析(q)の結果を見ると、機体についての情報が何も浮かんできません。向かって左のピーチ解析でうっすらと見えている三角形の辺のところは、平面的なキャンバスの上で、わずかに色が変えられているだけで、そこに背景との空間的なギャップは存在しないということです。もし、背景と三角形UFOとに深度のような差異があれば、そのことは、テキスタイル解析によって必ず現れてくるはずだからです。
 図8(r)も[18B]のピーチ解析なのですが、この段階で三角形UFOの形が確認できません。(s)のテキスタイルVA解析でも、光の情報だけが浮かび上がっています。光だけのデータと背景の暗い空とが合成されたのかもしれません。おそらく、そのようなことだと考えられます。


図8 [18]Aと[18]Bのピーチ解析とそれらのテキスタイル解析

 まとめ

 三角形UFOの代表格として多くのサイトでとりあげられてきた、この、4つの光をもつUFOは、いずれも真っ赤な偽物でした。
 そもそも、UFOの底部に、これだけ明るい光が4つもあるのですから、それらに照らされて、UFOの輪郭なり表面の情報が何か浮かんでくるはずなのです。しかし、テキスタイル解析の(描写のための)振幅値をいくら大きくしても、何の情報も浮かび上がらないのですから、これらの画像は、この地球における物理法則を無視しています。このように調べて見ると、「なんと稚拙な偽物画像だったのか」とあきれてしまいます。このようなものが、今まで、実在するUFOとして信じこまれてきたのです。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, Apr 22, 2015)

 参照資料

[1] http://www.ufocasebook.com/belgium1990.jpg
[2] http://www.ufocasebook.com/walloniabelgium.jpg
[11] http://www.iwasabducted.com/ufogallery/belgiumtriangles.htm(このページはもうありません)
[12] http://www.iwasabducted.com/ufogallery/belgiumtriangles.htm(このページはもうありません)
[13] http://www.iwasabducted.com/ufogallery/belgiumtriangles.htm(このページはもうありません)
[18] http://www.ufoevidence.org/cases/case1126.htm

 

ブランチページへもどる