ChMd131 「genuine UFO」検索画像は本物か(1)
Are the "genuine UFO" search images genuine? (1)

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito)

ブランチページへもどる

 はじめに

 「genuine」(本物)と「UFO」を検索のキーワードとして幾つかの画像を選び出しました。おや、見たことがあるな、と思ったものの幾つかはtreeman9621.com由来のものでした。それらを除いて、さらに、明らかに解析対象外だと考えられるものを無視して、調べてみる価値がありそうなものを幾つか選びました。その中の一つについて、今回は解析します。
 いきなりですが、結論を述べてしまうと、これは「偽物UFO画像」です。これが偽物UFO画像だということを示す証拠について、最初、「画紋解析」を使って、「異なる色部分の変換履歴が異なることで明らかだ」としようと思いましたが、この方法は複雑なので説明にも手間取ります。もっとシンプルな方法はないかと考えているうちに、画像を合成するときにともなう現象を、もっと明確にとらえる方法があるということに気がつき、その方法を具体的にプログラミングすることにしました。
 このページでは、このようにして新たに生み出した、ハロー解析というアルゴリズムの中の、キング(King)解析とクイーン(Queen)解析と、これらをさらに発展させたジョーカー(Joker)解析について説明することにします。

 解析対象

 今回解析するのは次の画像です。


図1 解析対象 カラフルな皿形UFO [1]([4][2]は拡大率)

 ハロー解析(halo analysis)について

 ある背景画像(P)に別のところで作った画像(Q)を合成するとき、実は、さまざまな方法があるのですが、一般的に用いられている方法というのは、QとPの境界あたりに色の勾配をつけて、境界あたりをくっきりしすぎないようにするというものです。
 (x, y, z)の3次元空間を用意して、これらの画像を(x,y)平面に貼りつけるとします。このとき、z次元には、これらの画像の色値を、高さ0から255の段階で対応させます。3色についてそれぞれ考えてもいのですが、かんたんのため、これらの3色(r, g, b)から決められる濃淡値(Gray= 0.299*r+0.587*g+0.114*b)で考えることにします。


図2 合成テスト画像A

 図2は暗い背景画像(P)にやや明るい4つの図形(Q)を一般的な方法で合成したものです。これを「合成テスト画像A」とします。(x,y)平面の真上から見ていることになります。z軸の「高さ」を考慮して説明しますと、これらの図形は、よくあるビルディングのように、垂直に立った壁をもって立っているのではなく、このときの壁は、まるでピラミッドの斜面のように、斜めになっているのです。次の図3は図2についてのレリーフX解析です。図2では背景と識別しにくい斜めの壁のところが、赤と緑に色づけられていますので、このような合成法にまつわる「斜めの壁」の様子がよく分かることでしょう。


図3 合成テスト画像AのレリーフX解析

 レリーフX解析で、このようにくっきりと現れるわけですが、これはもともとの形が分かっているテスト画像だからです。実際のUFO画像などでは、もっと複雑な色構造になっていますから、ビルディングではなく、「山」のような盛り上がり方をしているわけです。このような「山」が自然に形成されたものか、それとも、人工的に作ったものかということを調べようというわけです。
 色の斜面を横断するときは、進むごとに色の値が大きくなるか小さくなります。しかし、同じ斜面について、この斜面の同じ「標高」のところを進むとしたら、色の値は変わらないわけです。このような特徴を考慮して、ハロー解析というものを色々と作りました(図5と図6)。
 実は、これまでに作ってあるクリスタル解析により、合成画像の周辺の色の斜面のところに、明るいカラ―ハロー(collar halo)が現れることが分かっています。これによっても合成画像かどうかを判定することができるのですが、実際のUFO画像に適用したとき、本物と合成の偽物との違いが微妙な表現となってしまうので、使い方がむつかしいものでした。


図4 ◆のクリスタル解析

 斜面を横断するときは色値が変化し、斜面の同じ「標高」をたどるときには色値が変化しないという性質を考慮して作りあげた、初期のハロー解析として、duck解析、owl解析、swan解析、crow解析があります。上記のクリスタル解析よりカラ―ハロー(collar halo)のところが強く現れるようにしたわけです。


図5 ◆のハロー解析(1)(この他にswan解析とcrow解析があります)

 合成にともなう色の斜面であるカラ―ハロー(collar halo)のところが、より強く現れましたが、赤や緑の組み合わせが複雑になっており、判別が難しいという問題点があります。
 このことをクリアーするには、(北向きとか南向きのような)色の斜面の向きに関係なく、斜面そのものを識別するという考え方でアルゴリズムを構築する必要があります。このようなアイディアによって生まれたのが、次のハローKing解析とハローQueen解析です。Kingという名の由来は、チェス(や将棋)での駒の動かし方にあります。全方位に少しずつ動くことができるのがKingや王将の動きです。このような特徴を象徴してKing解析と名づけました。Queen解析のほうは、Kingのペアという意味にすぎません。色味が緑から赤へ変化しています。
 このアルゴリズムを少し変化させ、さらに敏感にカラ―ハロー(collar halo)だけに対応するものを構成することができましたので、KingとQueenをチェスではなくトランプのほうで連想して、Joker解析と名づけることにしました。King解析とQueen解析とJoker解析の違いは、実際の(合成された)UFO画像に適用すると、よく分かります。これらの解析法はおそらく世界初のものでもあり、詳しいことは(黒月解析研究所はまだ本格的な企業とはなっていませんが)「企業秘密」に属するものとなりますので、説明の深さは、このあたりでとどめることとなります。あしからず。


図6 ◆のハロー解析(2)

 カラフルな皿形UFOについての解析

 図1(b)の「解析対象 カラフルな皿形UFO [1]4][2]」について解析します。
 図7は「カラフルな皿形UFOのレリーフX解析とテキスタイルlambda解析」です。(b)の「テキスタイルlambda解析」を見て、これは「描かれたものだ」ということは(熟練すると)分かりますが、誰もが納得できるものではないかもしません。


図7 カラフルな皿形UFOのレリーフX解析とテキスタイルlambda解析

 図8は「カラフルな皿形UFOのクリスタルkeel解析とハローcrow解析」です。
 このUFOの輪郭部分にカラ―ハロー(collar halo)が確認できますが、UFO本体にも現れていて、かなり複雑なことになっており、これだけで判別するのがためらわれてしまいます。


図8 カラフルな皿形UFOのクリスタルkeel解析とハローcrow解析

 図9は「カラフルな皿形UFOのハローKing解析」で図10は同Queen解析です。このUFOは「色の斜面」だらけの「創作物」だということが、これで分かります。UFO機体を包むように、合成画像をジェーペグ化したときに生じてしまう、四角いバリ(あるいは、フランジとかヒンジと呼んでいますが)が背景より緻密な領域として現れています。自然に撮影されたワンショット画像では、ジェーペグ画像を経験しても、このようなものは現れません。


図9 カラフルな皿形UFOのハローKing解析


図10 カラフルな皿形UFOのハローQueen解析

 King解析とQueen解析が判別する「色の傾斜」は判別条件がゆるく、逆に言うと敏感すぎますので、真っ白になりましたが、このときの「色の傾斜」に関する判別条件をもっと厳格なものとしたのがJoker解析です。
 次の図11は「カラフルな皿形UFOのハローJoker解析」です。厳格な意味での「色の傾斜面」が生み出す白いところがくっきりと浮かんでいます。完全な「作りもの」であることが、これによって分かります。複雑な作り方をしてある「力作」のようですが、これは「やりすぎた感」があります。Joker解析のJoker(愚か者)の名にふさわしい作品だと言えるかもしれません。


図11 カラフルな皿形UFOのハローJoker解析

 本物UFO画像におけるハロー解析

 上記の解析のようなイメージが本物UFO画像でも同じように現れるとなると、このようなハロー解析の意味がありません。本物UFO画像ではどのようになるのかということを確認しておかねばなりません。
 本物UFO画像のサンプルとして、ドイツ着陸UFOが空に帰ったあとの画像[112]を使うことにします。次の図12は「ドイツ着陸UFOが空に帰ったあとの画像[112]とそのテキスタイルΧ15解析」です。これについては光核解析を行ってから調べると、このUFOについての詳しい様子を見ることができるのですが、ここでは、機体周辺の雲によるノイズパターンを含めた解析を行います。


図12 ドイツ着陸UFOが空に帰ったあとの画像[112]とそのテキスタイルΧ15解析

 次の図13は「ドイツ着陸UFOが空に帰ったあとの画像[112]のハローQueen解析」です。このように、本物のUFOにおいては、ハロー解析で詳しい情報を得ることができません。それは、これが本物であって、本物においては、色の斜面のようなものが生まれる可能性がなく、色は細かく変化しているのが自然だからです。


図13 ドイツ着陸UFOが空に帰ったあとの画像[112]のハローQueen解析
code = [112][64]_onAGI(Queen)8(64)

 次の図14は「ドイツ着陸UFOが空に帰ったあとの画像[112]のハローJoker解析」です。((Joker)32(0)のところの)ベース色(0)や振幅(32)で工夫して、かろうじて何か浮かんでくるようにしましたが、図11「◆のハローJoker解析」で見られたような、(人工的な描写や合成にともなう)太い白いラインはどこにも見られません。


図14 ドイツ着陸UFOが空に帰ったあとの画像[112]のハローJoker解析
code = [112][64]_onAGI(Joker)32(0)

 まとめ

 合成画像においては、合成にともなう「色の斜面」というものが、わずかな領域ですが、輪郭部分のところに隠れています。逆に、このような「色の斜面」がないと、あまりに輪郭がくっきりしすぎて、合成であることがバレバレとなります。
 ハロー解析は、このような「色の斜面」がもつ、斜面を横断する方向と、これに垂直な斜面に沿う方向とでは、ウェーブレット画像解析における関数のふるまいが異なることを利用して、これを検出するために構成したものです。初期のハロー解析では、斜面の向きによって表現される色が異なっており、この解析結果を解釈しづらかったのですが、これらにつづくKing解析とQueen解析では、あらゆる方向の「色の斜面」をほぼ均等にとりあつかっていますので、識別と解釈が容易になりました。
 さらに工夫して、より厳密な条件のもとで「色の斜面」を調べることができるJoker解析を生み出しました。
 本物UFOの自然なワンショット写真(ビデオ画像を含む)では、これらのハロー解析はほとんど反応しませんが、描かれたものや合成された偽物UFO画像では、くっきりと「色の斜面」に対応したパターンが現れます。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, Apr 29, 2015)

 参照資料

[1] http://static.dezeen.com/uploads/2008/07/ufo-by-peter-turosq.jpg#UFO
(From) http://www.sodahead.com/fun/if-youve-experienced-unusual-happenings-somewhere/question-1626989/?link=ibaf&q=&esrc=s

 

ブランチページへもどる