ChMd165 ビリー・マイヤーのUFO画像は偽物です(15)
UFO Images of Billy Meier are Fake(15)

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito)

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 はじめに

 ビリー・マイヤーの本 [B] に掲載されているものを中心に、ビリー・マイヤーのUFO画像の真偽を調べてきました。
 それらの結果は「すべて偽物UFO画像」だということです。
 このことについての判定理由の多くは、私が開発したウェーブレット画像解析法による解析結果としての画像から導かれたものですが、ときどき、このような手法から外れて、これらの写真が撮影された1975年や1976年でも調べてゆけるものを見出したものもあります。その方法の大部分は、太陽の位置が、背景のものとUFOのものとで異なるというものです。背景の太陽がどこにあるのかということは、その画像に太陽が写っていなくても、晴れていれば分かるのです。なぜかというと、空の明るさにグラデーションが生ずるからです。UFOを照らしている太陽の位置は、UFOの表面の明るさによって、おおよそ推定することができます。
 このほかに、1975年ごろでも分かる方法として、「14mの樅の大木」と言われているものの「先端部分の枝のパターン」が「大木のもの」ではなく「普通の木」か「若木」のものであるということがありました。
 ビリー・マイヤーのUFO画像の中に「樹木の周りをデモ飛行するセミヤーゼのビームシップ」と解説されているものが、あまりに多く、いろいろな状況のもとでのものがあります。いったい、なぜ、生命体である樹木に機体を押しつけて飛ばなければならないのか、よく分かりません。
 もうひとつ、よく分からないのは、なぜこのようなことが起こっているのかということです。「このようなこと」というのは、数多くある、「撮影ビリー」と添えられたUFO画像が、ことごとく偽物なのに、ビリー・マイヤーが異星人とのコンタクトを行ってきたということが、数多くの著作によって紹介され、テレビなどでとりあげられ、世界中で知られていったのか、ということです。

 画像の真偽についての判断について

 ビリー・マイヤーの本 [B] の「その後起こったこと/その後のコンタクト」という章があります。「その後」の「その」というのは、「初めてのコンタクト」「第2回の(スファートとの)コンタクト」「第3回の(アスケットとの)コンタクト」「アスケットの説明」などです。これらの後に「セミヤーゼ」と呼ばれている女性宇宙人とのコンタクトが始まり「セミヤーゼのビームシップ」を撮影することになったようです。
 「その後起こったこと/その後のコンタクト」という章に「セミヤーゼの宇宙船を撮影する」という節があります。
 ここの記述を読みました。セミヤーゼは(浮かんでいたということになる)ビームシップの下へと行ったらしいが、そこで「突然、彼女の姿が消えた」とあります。何も、そのような高等技術を使わなくてもよさそうなものです。ビームシップの真下でなければ転送できないというのでしょうか。
 「5枚目の写真のシャッターを切ったあと、ビームシップは木々の梢をかすめ真っすぐに射放たれたように上昇し」とあるところが、樹木に触れるように飛ぶところの記述でしょうか。
 この節の次に「様々な誹謗と中傷」という節があります。ここに、ビリー・マイヤーの第2の使命として、「宇宙から来たビームシップの写真を撮り、マスコミを通じて一般及び世界各国のありとあらゆるUFOグループにそれを提示する」ということがあったと述べています。
 ここに「私にうそ、詐欺、欺瞞の罪を着せるために一般人を買収して、偽造写真を作ったり、フィルムをすり替えたり、また私の正真正銘のフィルムや写真資料を修正、偽造し、詐欺であると誹謗したのであった」と記載されています。
 このような可能性があるので、ウェブに現れたビリー・マイヤーのUFO写真を解析した結果を、そのまま直ちに評価するのは危険なことだと考えました。そこで、ビリー・マイヤーが立ち上げた情報管理団体としてのFIGUのマークが入った画像を探して、これについて解析することにしました。
 「記録」とタイトルづけられた章の中に「ブベール技師の証言」という節があります。ここに、マイヤーのUFO画像についての、マイヤーが好む評価についての記述があります。「アメリカの(UFOについての)専門家」である、陸軍大佐のウェンデル・C・スティーブンスという人が紹介されています。彼はのちに「エクアドルとポリヴィアの大使館に転任になる」と、UFO関連記事や写真を集めていったのだそうです。そして、スティーブンスはマイヤーのUFO写真とめぐり合い、これが撮影されたときの状況を知るために、スイスのマイヤーのもとを訪ねたということです。
 スティーブンスはかなり懐疑的な態度でマイヤーに接し、「うそ発見器を使ってのテスト」も行ったそうですが、「疑惑の理由となる手掛かり」は得られなかったようです。そして、アメリカに戻ったスティーブンスは「持ち帰った300枚の写真を科学的に検査させる決心」をし、アメリカ海軍などと契約をむすんでいる、ある写真ラボの所長に本物であるかどうかを調べるように依頼したのだそうです。この結果は、長くなるのでまるまる引用しませんが、「疑わせるようなものは何も発見されなかった」ということです。
 このあとに、別の人が調べたことについての記述があります。
 「NASAから委託される仕事を専門にするコンピューター・アニメーションの専門家、ジム・ディレットーソム」が「惑星の写真をすべて現像している写真ラボの所長に相談した」のだそうです。このときの結論の中に、「撮影の点からいえば、偽造を疑わせるものは何もない。驚くばかりだ。本物の写真のように見える」という表現があります。ここのところが「NASAが本物と判別した」と噂されることの源のようです。
 この2つの物語に現われる「写真ラボの所長」が同一人物かどうかは記されていません。別人であったとしてもかまいませんが、このあたりの情報が、その後ずうっと信じ込まれてきたようです。
 当時は、もちろんウェーブレット解析という数学分野は現われていませんでしたし、ウェブで多く使われるようになった画像のジェーペグ様式も存在していなかったはずです。そもそも、画像はまだデジタルで表現されるというものではなかったはずです。NASAは(宇宙の果てから情報として送られてくる)デジタル画像の技術はもっていたことでしょうが、一般人が取り扱うことは、まだできなかったと考えられます。
 私が個人的にコンピュータを手に入れたのは1980年代のことで、NECのPC8801でした。画像処理としては線を引くとか図形を描くということしかできませんでした。私がコンピュータを使いだしたのは、走り高跳びの踏切を力学的にシミュレーションするモデル計算を行うためでした。1990年代に私は地質調査の会社で、総務のような雑用っぽい仕事もこなしながら、新しい探査方法の研究という仕事もさせてもらい、コンピュータを駆使して採取してきた観測データについての、データ解析のシステムを構築していました。このころ、いっしょに仕事をしていた中国人のプログラマーのZさんがC++を駆使して、観測してきた地震波形を画面に表示するようにしていました。それを横目で見ながら私はF-BASICでよく似た物を作りあげ、高速フーリエ変換なども組み込んだりしていましたが、新たに出てきたウェーブレット解析の手法で周波数分析が明確にできることに驚き、これをデータ解析に取り込んで仕事に生かしていました。他の人々が何週間もかかる計算を数時間でかたづける方法を編み出したりもしていました。
 私がC言語を使えるようになったのは2000年代の後半になってからのことでした。高田美樹さんの「C言語スタートブック」をテキストとして独学で学びはじめ、粂井康孝さんの「猫でもわかる ゲームプログラミング」へとステップアップして、画像解析を始められるようになり、これらをベースとして、まずは、独自の技法として「ゴブリンアイ」を開発したのでした。
 かくして私は画像をデジタルデータとして取り扱うことができるようになり、拡大した画像のピンボケ状態をよりクリアーなものへと変換できる「ゴブリンアイ」を主要な「武器」として、ウェブで見ることができるNASAの宇宙探査画像などを詳しく調べるようになったわけです。
 分析のためのソフトが発達するより先に、偽物画像を作るためのソフトが発展していました。有名なフォトショップは、何が優れているかというと、商業的な使用目的に沿うための、合成画像をかんたんに生み出すことができるというところです。しかし、このようなソフトが一般人にも使えるようになったのは、早くても1990年代のころのことだと考えられます。
 ただし、一般人ではなく、NASAのような国家機関なら、1970年代か1980年代あたりから、すでに偽物合成画像を作ってきていますから、そのような技法が不可能だったと考える必要はありません。
 でも、やはり、ビリー・マイヤーのUFO写真が撮影されて公開された1975年や1976年あたりの技法としては、暗室における二重露光というものでしょうか。
 私は最初の仕事が中学校の理科の教師でしたので、理科の準備室に付随してあった暗室を使い、月賦で買ったペンタックスでとった写真を、その暗室で引き伸ばして焼き付けていたことがありました。
 写真の焼き付けは一瞬というほどのものではなく、黒いカバーを工夫して使えば、おそらく、いろいろな合成画像を生み出すことができるはずです。例えば、偽物UFOを試しに焼き付けてみるとします。次に、そのUFO部分だけを残した型紙を作って印画紙に乗せて、まずUFOのみを焼き付け、次に、そのUFOに合わせた型紙を乗せて、周囲の背景画像を焼き付ける。基本的には、この技法を磨き上げてゆけば、かなりの偽物UFO画像を作ることができると思われます。
 背景と偽物UFOの境界をぼやけさせたれば、おそらく、型紙を少し震わせるという手法を組み込むことができるはずです。露光時間は、ライトの強さなどを調節すれば、変化させることができたと思います。
 最近私はufocasebook.comのUFO画像を調べていますが、デジタル画像の技法が存在していなかったころの、フィルム写真によるUFO画像なら偽物は少ないだろうと思っていたのですが、とんでもない、フィルム写真によるUFO画像のほうが、本物率はきょくたんに小さくなっているのです。このことから、フィルム写真の時代でも、偽物UFOをつくって、人々の目を欺くことは可能なことであったと考えられます。

 まとめ

 ビリー・マイヤーの本 [B] を少し読みすすめ、この「ビリー・マイヤーUFO事件」あるいは「地球外知的生命プレアデス人とのコンタクト事件」の真相について考察しようとしました。
 この「事件」の問題点は、@UFO画像、A地球外知的生命プレアデス人とのコンタクト、これらの内容が、いずれも本当であるか、いずれも偽物であるなら、とても分かりやすいのですが、Aは本当らしいのだが@はまっかな偽物、というような見方をすることになるので、かなり難解なものとなっています。  「Aが本当らしい」と考えざるをえないのは、ビリー・マイヤーが「地球のオゾン層とフロンの問題」を指摘して世界中にその危険を訴えたからです。
 この問題に関する「私なりの解法」についてのアイディアが少しあります。しかし、まだしっかりとした証拠固めができていないので、これについては保留しておきたいと思います。
 ビリー・マイヤーの本 [B] を読み、ふと、思いついた疑問点などがあります。
 これらについて、上記と同レベルでの考察をしてゆこうとすると、とても膨大なものとなってしまいますので、ここではテーマのメモのみを記しておくことにします。
 1) 樹木に寄り添うUFOがなぜ多いのか
 2) 1975年ごろの本物UFO画像との比較すると
 3) 身長5.5mの地球外知的生命アンドロンは地球で歩けるのだろうか
 4) セミヤーゼの事故のこと
 5) ワイヤーでつるされたUFO画像はあるか
 6) ビリー・マイヤーはアインシュタインの特殊相対性理論を信じているのかいないのか
 7) 地球のオゾン層とフロンの問題を指摘したのは何故?
 8) ビリー・マイヤーの予言はまるでオラフ・ステープルドンのSF小説のよう
 9) 気候兵器とはどのようなものか
 10) 太陽は核融合で輝いているのか
 11) 地球人は遺伝子欠陥種族なのか
 12) ロボット人間や半人間とは
 13) 木星や土星を点火すると小さな太陽となるのか
 14) Πの計算の間違いが正されたら何が変わるのか
 15) 水星が太陽に激突して何が変わるというのか
 15) タイムトラベルはどのようにして実現できるのか
 16) 古い放浪惑星とは何か
 17) 別の次元の発見とは何のことか
 18) 異次元の知性体とは
 19) プレアデス人はコザール界の知性体からの知識を知っているか
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, July 20, 2015)

 参照資料

[B] 「宇宙の深遠より 地球外知的生命 プレアデスとのコンタクト」(<ビリー>E.A.マイヤー=著、フィグ・ヤーパン=監訳、(株)徳間書店、2001)

 

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