ChMd29 日蝕観測時に月の大気は観測されている
Moon Atmosphere is observed at Solar Eclipse Observation

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito)

ゴブリンクォーク4 [0] 入手から、準備・解凍・ライセンスキー・起動まで

PDF ChMd29 日蝕観測時に月の大気は観測されている

ブランチページへもどる

 オイラーが観測した月の大気

 1988年にNASAの関係者であるPotter, A. E.と Morgan, T, H.が月にナトリウムとカリウムの蒸気が存在することを発見し、それが「月の大気の発見」となっている。
 しかし、これは、月には大気が存在しないという「誤った考え」が広まっていたために生じたことだと考えられる。
 「月の大気」は、この文明において、1748年のオイラーによる観測[1] 以来、何度も確認されてきている[2] はずである。ところが、それらは正しく評価されなかった。
 複雑な事情について考察するのは止めよう。人類は、政治的にも、宗教的にも、また科学的にも、非論理的な盲信状態に陥っているらしいから。かく言う私も人類の一人であり、間違っているのか正しいのかは、あまり確かなことではない。
 「月の大気」の考察へと戻ろう。
 1748年の日蝕において、数学で有名なオイラーは太陽を観測し、日蝕時に、太陽の像が膨らむということに気づいたそうだ。この現象を理解するには、太陽と地球の間にあった月が大気をもっていて、太陽からの光を曲げたと考えることができる。間接的な論理ではあるが、私は、これで正しいものと考える。
 オイラーが望遠鏡を使って、「月の大気」を直接肉眼で観察したかどうかは分からない。
 私も、望遠鏡ではなく、双眼鏡で月を観察して見たが、肉眼では、月の「海」のパターンが分かるように、自動的に光の調整が行われてしまい、月の縁につながる空間は、背景宇宙と同じように見えてしまう。
 ところが、カメラで撮影してみると、月の縁にくっついて、「緑」や「青」や「赤」の、光るゾーンが記録されるのである。この「緑」や「青」や「赤」の違いは、カメラの露光の状態によって違ってくる。これらの光るゾーンは、月の縁から自然に広がっているのではなく、ある幅をもって強く輝く。これは、実際に月の周囲に何らかの特徴をもったゾーンが存在していることを示している。
 このような光特性をもったゾーンを「月の大気」と見なすのは、ごくごく自然な考えだと思える。
 1748年にオイラーが気づいたように、月には、地球の大気とよく似たものが存在しているはずである。その「証拠」を示そう。

 

  日食の観察画像(1)

 ウェブを探索して、特殊な日蝕観測画像が公開されていることに気づいた。何が特殊化というと、地球上で観測されたものではなく、月の空にある探査衛星の「かぐや」によって、ほぼ月の位置から観測されたものである。地球上での観測では、「太陽」→「月」→「地球(観測者)」という並びになって光が進むが、「かぐや」による観測では、「太陽」→「地球」→「月(観測衛星)」という並びとなる。
 この画像と、その解説文を引用しよう。



[3] 太陽の地球食
  http://www.jaxa.jp/press/2009/02/img/20090218_kaguya_1L.jpg
 この画像は、平成21年2月10日(日本時間)に「かぐや(SELENE)」ハイビジョンカメラ(望遠)で撮影された動画の一部を静止画像として切り出したものです。
 右下の明るく光っている部分は太陽、細いリングで囲まれた黒い部分が地球です。ちょうど地球の夜の側を見ているため真っ暗です。太陽の大部分は、地球、そして赤い点線で示された月面によって隠されています。
 地球がリング状に輝いているのは、大気があるためです。太陽の光は地球の大気によって散乱を起こすため、太陽光の一部は地球の縁を回り込むようにして月に到達します。そのため月からは地球の大気が青く、リング状に光っているように見えるのです。これは、太陽光の散乱が、青い色の光で起きやすいためだと考えられます。

 この画像が紹介されているページのURL
  http://www.jaxa.jp/press/2009/02/20090218_kaguya_j.html
 月周回衛星「かぐや(SELENE)」のハイビジョンカメラ(HDTV)による半影月食時の地球の撮影の成功について
 平成21年2月18日 宇宙航空研究開発機構/日本放送協会


 ここで読みとっておいてほしいところは、「地球がリング状に輝いているのは、大気があるためです」の部分。

 日食の観察画像(2)

 やはりウェブを探索して、通常の日蝕観測画像を調べた。何が「通常」かというと、「太陽」→「月」→「地球(観測者)」という配置になっていることである。
 たとえば、次のような画像がある。



[4] Film_eclipse_soleil_1999
  http://blog-imgs-29.fc2.com/d/o/b/dobermann/Film_eclipse_soleil_1999.jpg
  画像掲載ページ/つぶやきもんじろ〜
  http://dobermann.blog19.fc2.com/category5-1.html




[5 ] sunpic4
  http://content.edu.tw/senior/earth/tp_ml/stu/106_7/sunpic4.htm

 図2と図3の、太陽のコロナが強く見えている前後の観測画像では、図1の太陽の地球食と同じように、太陽を隠している天体の周囲に、半径の数パーセントほどの幅で「光るゾーン」が現れている。図2と図3から、それらの画像を切りだして、下に並べる。



 図4を図1と比較してみると、「地球の大気による光のゾーン」に比べ、「月の大気(と考えられるもの)による光のゾーン」は、強く輝く部分と、その外に広がる、やや弱く輝く部分との、二つの構造をもっているように見える。強く輝く部分は、ある程度の高度に限定されているように見えるが、外に広がる部分は、一定の高度を持っているようには見えない。

 大気の高度

 図1の画像から、「太陽の地球食」に関して光っている地球の大気が、どれくらいの高度までのものかを求めた。これによると、画像の読み取り位置により値が異なり、188kmから216kmと見積もることができた。およそ200kmの高度までの地球の大気が、「太陽の地球食」に関して、太陽光を曲げる効果があることが分かる。
 理科年表で確認したところ、地球大気において高度200kmというのは、密度において、10のマイナス10乗くらいに相当する。



 月の大気の高度について調べよう。図4(c)の画像を用いることにする。これによれば、月の地表から、およそ100kmの高度までの大気が、太陽光を強く通過屈折させていることになる。



  2011年9月12日の満月画像

 私(黒月樹人)が、2011年9月12日の満月をPENTAXで撮影した画像が、次の図7である。月の縁に赤く輝くゾーンが写っている。これは、月の大気による、太陽光の散乱のために色づいたゾーンと考えられる。地球での「夕焼け」や「朝焼け」と同じメカニズムによる現象だろう。







 これらの画像の拡大倍率に基づいて、図9に現れている、赤く輝くゾーンの高度を求めたところ、108kmとなった。図6の画像から得られた値と、ほぼ一致する。



 図10は、横線の位置での、色の成分を調べたものである。緑成分が減少し、赤成分が突出しているゾーンの様子が定量的に示されている。これについての詳しい解析は、ページタイトルを変えて、改めて解析することにする。

 まとめ

  日蝕時において、月に隠れている太陽の光を通過させる「大気」が月に存在することが観測されており、そのような効果を生み出す「月の大気」の高度は、月面から、ほぼ100kmにわたる。
 この月の大気は、地球の高度200kmまでの大気と同じような効果を生み出す。

(Written by Kinohito KULOTSUKI, Aug 25, 2011)




 参照資料
[1] 月の「大気」
  http://www.mis.hiroshima-u.ac.jp/~hiroki/major/euler5.html
[2] ChMd16 月には大気があるのではないか
  http://www.treeman9621.com/ChimeraMind/ChMd16/ChMd16_MoonAtmosphere.html
  ダニエル・ロスの分析
 ファーソフは1957年の3月に、6.5インチ反射望遠鏡を用いて、月の後ろを通る2つの恒星の様子を調べ、「どちらの星も、月の縁に接触してすぐに消 えたのではなく、急速にぼんやりとして、次に強く輝きながらチラチラし、またぼんやりとして最後に見えなくなった」という。
[3] 太陽の地球食
  http://www.jaxa.jp/press/2009/02/img/20090218_kaguya_1L.jpg
  この画像が紹介されているページのURL
  http://www.jaxa.jp/press/2009/02/20090218_kaguya_j.html
[4] Film_eclipse_soleil_1999
  http://blog-imgs-29.fc2.com/d/o/b/dobermann/Film_eclipse_soleil_1999.jpg
  この画像が紹介されているページ(つぶやきもんじろ〜)のURL
  http://dobermann.blog19.fc2.com/category5-1.html
[5] sunpic4
  http://content.edu.tw/senior/earth/tp_ml/stu/106_7/sunpic4.htm

ブランチページへもどる