ChMd179 フランス南部のUFO(2)
UFO in southern France(2)

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito)

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 はじめに

 「フランス南部のUFO」ビデオに現われるUFOについては、ChMd176で解析しました。このときの結論は「これが本物UFOである可能性は、かなり大きい」というものでした。
 しかし、このような判断は早計だったかもしれません。
 UFO画像の解析という、この分野は、まだ黎明期にすぎません。本物か偽物かということを、いつでも確実に決めることができるとするには、まだまだ、やらねばならないことがたくさんあります。
 もちろん、画像解析についての技法を発展させるということが研究の主軸になるわけですが、もう一つの視点のことも忘れてはならないようです。その視点というのは「状況証拠」です。
 探偵物語などでは、ストーリーの初めのあたりで、この「状況証拠」を手掛かりとして、いろいろな捜査の「枝」を伸ばしてゆきます。そして、さいごに、裁判においての「決め手」となる、「物的証拠」や「動かしがたい事実」などに基づいた、「確かな証拠」のようなものを見出して完結します。
 UFO画像の解析においても、このような流れを見習って、物語のさいしょのところで、対象となる画像やビデオについての「状況証拠」を集めて、それについて考察するべきです。

 状況証拠

 「フランス南部のUFO」というビデオを、もっと詳しく観察することにしました。何度も見てゆくうちに、気になることが浮かんできました。
 このUFOはとつぜん(向かって)左から画面に入ってきます。このときは、少し大きな速度ですが、すぐに遅くなって、ゆっくり、ちびちびと動いてゆきます。そして、画面の中央あたりまで進んだあと、びゅっとばかりの猛スピードになって、右のほうへと進み、そして、画面から出て行ってしまいます。
 このときの動きを、YouTubeのモードを調整して、4倍速(速度が0.25とあるもの)のスローで眺め、いくつかのポイントの画像を採取しました。
 左から画面に入ってくるときの、やや速い動きは3コマで、4コマ目からは突然スピードダウンします。図1は、この3コマのUFOの位置を、背景の樹木などのパターンを基準として合成して見やすくしたものです。3コマでの速度はほぼ同じです。これに対して4コマ目のUFOは、3コマ目とほとんど重なるくらいなので、ここには合成しませんでした。


図1 UFOが画面に入ってくるときの3コマ

 このUFOは@中速度、A微速度、B猛速度の、3種類の速度で移動します。ふらふらと揺れることなく、一直線に進んでいます。速度が変わるのは、わずか1コマです。
 多くのUFOビデオで、これによく似た、猛加速の現象が(本物かどうかは検証されていないとしても)記録されています。だから、UFOの動きというものは、このようなものだと思われているのかもしれませんが、A→Bへと変化するときは、そうだとしても、@→Aへと減速するのも、わずか1コマですんでしまうというのは、なぜなのでしょうか。
 UFOが私たちの物理法則では理解できないことをやっているとしても、このように、きっちり3種類に分けられる速度だけしか使っていないというのは、どうも変です。A→Bへと加速するときには、もちろん大きなエネルギーをつぎ込んで当然でしょうが、@→Aへと、ほぼ停止に近い状態へと減速するために、このような激しい変化を組み込む必要がなぜあるのでしょうか。停止線があるわけでもないし、人が飛び出してきたわけでもありません。ゆっくり飛びたいなら、もう少し自然な減速で、なめらかにスピードを落としたほうが合理的だと考えられるわけです。
 このときのUFOの動き方が、まるで、撮影者の心の中を読み取っているかのようです。「さあ、画面に入ってあげました」「ゆっくり飛びますからしっかりと撮影してください」「もういいでしょうから飛び去ります」と、テレパシーで伝えているかのようなドラマチックさを想像してしまいます。
 もうひとつ気がかりなことがあります。
 Bの猛スピードで飛び去っているときのUFOが、@やAで撮影されたUFOと、ほとんど同じようなレベルで写っているのは、少し不自然なのではないかと思われるのです。
 このUFOのサイズは不明ですが、背景から想定して、1コマの間に、Bでは、数十メートル移動しています。たいていの市販されているビデオの1コマは、たぶん1/30秒だと思われます。1秒間に30コマがふつうなのです。1秒間に200コマとか500コマの、とくべつに速いビデオもあるかもしれませんが、市販されている機器で、これだけ長時間撮影することができるものはないでしょう。
 さて、1/30秒間にUFOが50m移動しているとすると、秒速1500mとなります。時速にすると5400km/hです。これがレースカーや新幹線などの200km/hあたりのスピードに比べ、とてつもなく大きいということを心にとどめてください。
 それでは、このように大きな速度の物体を、通常のビデオで撮影したとき、はたして、移動する物体のスキャンをうまくおこなうことができるでしょうか。
 たぶん、無理なはずです。ビデオカメラが全体像をスキャンして記録しようとしている間に、物体が動くので、もっと細長く伸びて記録されるはずなのです。
 ところが、図2にまとめましたが、A→Bのスピード変化前(223a)と後(223d)とで、撮影されたUFOの姿が、ほとんど変わっていないのです。
 まるでUFOが、撮影者のビデオのコマにあわせて、ストロボ撮影のように、一瞬だけ止まって姿を現し、その間は猛スピードで、次の撮影ポイントまで移動して待っているかのような、そんな不思議な画像だということになります。


図2 A→Bのスピード変化前(223a)と後(223d)

 解析対象

 図3として「採取した原画像」の一覧図を示します。


図3 採取した原画像

 115とはビデオの1分15秒での画像を示します。アルファベットの小文字を添え字として使っています。0.25スピードで少しずつ動かしては止めるという方法で、ほぼ、添え字の順に1コマずつ採取できたはずです。
 115aから115cは@中速度の3コマです。
 115dと119aはA微速度のはじめと、最後あたりです。  120aから120dはB猛速度のところです。120a-とあるのは、これらを合成したものです。下の図4です。
 200aから200cは300パーセント拡大画像の@中速度の3コマです。
 200d, 201a, 223aは300パーセント拡大画像のA微速度のコマです。
 223dは300パーセント拡大画像のB猛速度のコマです。
 228bと228cは600パーセントの拡大画像の@中速度です。
 228dから232aは600パーセントの拡大画像のA微速度です。
 600パーセントの拡大画像でのB猛速度はビデオにありませんでした。


図4 120a-(120aから120dの合成)

 確かな証拠の候補

 状況証拠について検討してゆくと、このUFOが偽物であるという疑いが高まってきました。だからといって、このような状況証拠だけでは、仮に何らかの裁判を起こしたとしても勝ち目はありません。
 もう少し「確かな証拠」といえそうなものを見出す必要があるわけです。
 UFO画像の解析としてやるべきことは、「資料」としてあがっている、この画像から、偽物だということを証明する、何らかの「証拠」を見出すことです。
 「確かな証拠」となるかどうかは、まだよく分かりませんが、その候補となりそうな解析法が2つあることに気づきました。
 その1つ目は図5(c)のジョーカー(Joker)解析です。これはハロー解析の一種で、King解析やQueen解析の少し後に組み上げたものです。これまで、King解析の陰にかくれてしまい、あまり使ってこなかったものですが、振幅値や基礎色の値をいろいろと変えて試みているうちに、「UFOの輪郭のような白いライン」が見えていることに気がつきました。
 もう一つは図5(d)のキング(King)解析です。通常、King解析のモードは、振幅8と基礎色64で使っていましたが、振幅を200とし基礎色を0としたところ、「UFOの輪郭のような白いライン」が比較的うまく浮き出ることが分かりました。


図5 200a[16]のジョーカー解析とキング解析

 しかし、早計は禁物です。このように現われた「UFOの輪郭のような白いライン」が、ほんとうに「本物UFOの機体の輪郭」であるかどうかは、まだ、よく分かりません。
 この「白いライン」については、これとは別の仮説を考えることができます。その仮説とは「偽物UFOの描写のための輪郭線」だというものです。


図6 200a[16]_onAGI(Joker)32(0)


図7 200d[8][2]_onAGI(Joker)32(0)


図8 201a[16]_onAGI(Joker)32(0)


図9 223a[8][2]_onAGI(Joker)32(0)


図10 223d[8][2]_onAGI(Joker)32(0)

 図8のものが、もっとも円盤型UFOに見えますが、他は、少しずつ変形しています。
 図10における白いラインの構成は、UFO機体の輪郭というより、UFOの形状を決めるためのラフスケッチのように見えます。

 「ドイツ着陸UFO」のジョーカー解析とキング解析


図11 ドイツ着陸UFOのUFO拡大 115[64]


図12 ドイツ着陸UFOのJoker解析 


図13 ドイツ着陸UFOのKing解析

 ドイツ着陸UFOではジョーカー解析(振幅32, 基礎色0)でもキング解析(振幅200, 基礎色0)でも、白い輪郭線のようなものが現われません。
 この「ドイツ着陸UFO」は、手の長い宇宙人がUFOに戻ったあと、突然離陸したのですが、着陸脚が出しっぱなしだったり、離陸途中に閃光を放つなど、少し古風なSF映画のようなストーリーだったため、「ニュースな晩餐会」で解析していた人が、解析するまでもないと、相手にしなかったものです。
 しかし、何も解析しないで、偽物の証拠を示すことなく、偽物だと決めつけるのは科学的な態度ではないので、これを詳しく調べたところ、離陸するところの1コマに、機体の周辺で回転しつつ何か帯のようなものが生み出されているところが見つかりました。これは何かと考えはじめ、一部の先進的な科学者が想定している、反重力を生み出すための、機体周辺の磁場の変化ではないかと思いつき、解析手法を工夫してゆくことで、機体周辺に「渦状パターン」が現われたのです。。
 このような証拠を積み重ねてゆくと、このUFOが偽物としてつくられた可能性は、かなり小さなものであると考えられます。
 図11と図12を見比べてみると、機体の輪郭あたりには、白い輪郭線が現われないということだけではなく、黒っぽい隙間のようなものがあることが分かります。

 「チリ銅山上空UFO」のジョーカー解析とキング解析


図14 チリ銅山上空UFO のUFO拡大 3[64]


図15 チリ銅山上空UFO のJoker解析


図16 チリ銅山上空UFO のKing解析

 この「チリ銅山上空UFO」はチリ政府の機関によって本物だと認定されたものです。そのような「権威づけ」がなくても、いろいろ解析してゆくことで、偽物の可能性がとても小さいことが分かります。
 これも、白い輪郭線のようなものが現われません。しかも、ドイツ着陸UFOのジョーカー解析で見られた黒い隙間と同じように、UFOの機体の輪郭あたりに、黒い隙間が見られます。

 白い輪郭線がジョーカー解析で現われるUFO

 次に示すのは、白い輪郭線がジョーカー解析で現われるUFOの幾つかの例です。


図17 スウェーデンUFO code = 044[8][2]_onAGI(Joker)32(0)


図18 ニュースな晩餐会のお釜型UFO code = 5(1125)[16]_onAGI(Joker)32(0)


図19 韓国の小学生UFO code = 1[16]_onAGI(Joker)32(0)


図20 日本武道館UFO code = [1][2][8][2]_onAGI(Joker)32(0)

 スウェーデンUFOとニュースな晩餐会のお釜型UFOについては、まだ詳しく解析して示していません。
 韓国の小学生UFOと日本武道館UFOは、偽物UFOの(弱い)証拠となるものが、他の解析などで示されています。

 まとめ

 「フランス南部のUFO」は、状況証拠について検討してみると、偽物UFOではないかという疑いが現われてきました。
 振幅値の大きなジョーカー解析やキング解析で調べたところ、UFOの輪郭あたりに白い線のようなパターンが現われました。
 本物UFOとしての可能性が大きな「ドイツ着陸UFO」と「チリ銅山上空UFO」においては、UFOの輪郭あたりに白いラインは現われず、逆に、黒い隙間が認められます。
 「スウェーデンUFO」と「ニュースな晩餐会のお釜型UFO」では、「フランス南部のUFO」とよく似た白いラインが現われています。
 本物の可能性がほとんどない「韓国の小学生UFO」や「日本武道館UFO」では、UFOの輪郭あたりに、太い白帯がくっきりと認められます。
 それでは「フランス南部のUFO」がどのように位置づけられるかというと、これはまだ微妙な問題となりそうです。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, Oct 14, 2015)

 参照資料

[フランス南部のUFO] https://www.youtube.com/watch?v=Q1QOZ8OLWOU
[ドイツ着陸UFO]  German UFO Landing Dec 6, 2013
[チリ銅山上空UFO] http://www.ufocasebook.com/2014/chile3.jpg
[スウェーデンUFO] スウェーデン・ストックホルムUFO
[ニュースな晩餐会のお釜型UFO] ニュースな晩餐会 最新UFO映像徹底解析 c
[韓国の小学生UFO] http://karapaia.livedoor.biz/archives/51586209.html
[日本武道館UFO] http://humanity-japan.com/ufo/conts_photo_detail/index/11

 

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