ChMd180 ロンドン上空UFOの謎(1&2)
The mysteries(1&2) of the UFOs over London

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito)

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 はじめに

 「UFOs Over London Friday 2011」[BBC1]というビデオがあります。
 正式なタイトルは「UFOs Over London BBC Radio 1 Building」(ロンドンBBCラジオ1ビルの上のUFO)だそうです。2011年にアップロードされています。
 このビデオのシーン構成は、およそ、次のようになっています。

 (a) 都市の歩道を走りながら前方の交差点を撮影している。
 (b) その交差点では二人の男性がすでに空を見上げて撮影している。
 (c) ビルの間にある空を撮影すると小さな光点UFOが3つや2つの編隊を組み猛スピードで飛んでいる。
 (d) 空に何も見えなくなって交差点に視点を下すと、携帯電話をかけながら歩いていた男性も、何が見えるのかと、空を見上げる。
 (e) 道路を隔てた側の交差点の歩道でも2人が立ち止まって空を見上げ、一人は携帯で撮影している。
 (f) 再び上を撮影しだすと、小光点UFOが空を横切る。
 (g) 少し大きめの、卵型の光るUFOが雲間からふわりと姿を現し、向かって左から流れるように飛んできた小光点UFOが、卵型UFOのやや下方を横切る。
 (h) ズームアップにより卵型UFOが拡大撮影され、姿勢を変えたのか、卵型から円形や、細長い円盤型などに変わりつつ、ゆらゆらと漂ったあと、すーと速く動いて雲の向こうへと隠れてしまう。
 (i) そのまま拡大モードで空と雲を写していると、(h)で隠れた地点の、少し下のあたりから、同じくらいのサイズで卵型のUFOが現われ、姿勢を変えて漂い、再び雲の向こうへと隠れてしまう。
 (j) 拡大モードをやめ、少し視野を広げて空を大きく写している。このとき、やや暗い雲の中を、卵型の白い斑点が移動している。(1分31秒あたり)
 陰った雲の中で卵型UFOが移動しているかのような、白い斑点は1分34秒まで観察できるが、撮影者は気づいていないのか、あきらめて下へと視野を下げて交差点を写し始める。
 (k) 交差点では空を見上げている人が4人で、他の1人が、こちらを向いて、空を見ている人々を撮影している。
 (l) 空が撮影される。3つの小光体UFOが、異なるスピードで、異なる軌跡を描いて、雲間の青い空をバックにして飛んでゆく。
 (m) しばらく間をおいて、小光体UFO の1つがゆるいカーブを描いて飛んでゆく。
 (n) 視線を下げて交差点を写すと、近くにいた人は消えているが、道路向こうの交差点で男女2人が空を撮影している。

 謎1

 このビデオを見直して、このように詳しくメモをとってみると、さいしょ思っていた以上に登場人物が多いということに気づきました。空を見上げた人の数は10名くらいになるでしょうか。もしこれが偽物画像だとして、(UFO画像合成前の)このベース画像を作るために、これだけのエキストラを配置しておくというのは、かなり難しいことのように思えます。
 さいしょ見たときは、(h)や(i)の、拡大モードで撮影された、姿勢を変えることによって卵型や円形に変化する、白く輝くUFOに注目して、あるいは、何回も現われる、小光体UFOの、流れるような動きに気をとられ、雲の中で白い斑点が移動する、(j)の現象のことには、まったく気がつきませんでした。
 今回0.25倍速でゆっくり観察し、暗い雲の中を、白いものが右斜め下のほうへと移動していることに気づいたのですが、おそらく、撮影しているとき、撮影者は、そのことに気づかなかったのではないかと思われます。
 なぜかというと、もし気づいていたら、その白いものを詳しく見るために、拡大モードにして、それを追っただろうからです。
 また、その白いものが画面の中に写っているのに、何も写っていないとあきらめたように視野を下へと下げてしまっています。この行動も、気づいていないことを示唆しています。
 もし、このビデオが「いたずらで作られたもの」だとしたら、きっと、雲の向こうで移動する白いUFOについても、ズームで拡大し、それが見えなくなるまで追跡するというシナリオを組み込むのではないでしょうか。
 ところが、そうはなっていません。
 これが謎1のあらましです。

 謎2

 このビデオは最近下火になって、あまり見られないようになっています。これはおそらく、はやし浩司という人が、このビデオの評価を下したことが大きく作用していると思われます。
 747B UFOs over London いたずらか本物か(ロンドン上空のUFO)byはやし浩司 [Hayashi]
 ここで紹介されているのは、このビデオでたびたび現われる小光体UFOの1つが、空を横切るように飛んでいたあと、地表にある建物に近づき、その向こう側の空へと消えるのではなく、建物のこちら側の壁を少し飛んで消えたというシーンです。
 このことをふまえ、はやし浩司さんは、「このビデオはインチキだ」と判断しています。
 たとえば、このビデオが「いたずら」で作られたとしましょう。そのとき、このUFOビデオは、どのようにして作られたのでしょうか。
 小光体UFOの1つが建物のこちら側を少し飛んで消えたということですが、ビデオの製作者は、なぜ、そのようなミスを見逃したのでしょうか。
 これが謎2のあらましです。

 おことわり

 「ChMd178 ロンドン上空のUFO」において私は、雲に隠れるところや、雲から現われるところのUFOについてレリーフ解析を試みたところ、UFOの中央部が凹んでいるように見えることにもとづいて、「このUFOには立体的な実体が存在していなかった」と判断しています。
 この判断は早計だったかもしれません。
 「レリーフ解析で中央部が凹んで見える」ということと「立体的な実体をもつものを撮影していない」ということが、一意につながるかどうか、詳しく検証していないのに、これらの間を「論理上の等号」がつなげていると判断しています。
 このような判断は、いましばらく保留にして、他のことがらについての検証を加えていきたいと思います。

 謎1についての解析

 「UFOs Over London Friday 2011」の1分31秒から同34秒の何コマかについて、右下に向かって斜めに移動してゆく、雲の中の白いものがあることを、まず示しておきます。


図1 雲の向こうで動く白いもの131a(赤枠の中)


図2 雲の向こうで動く白いもの132b(赤枠の中)


図3 の雲の向こうで動く白いもの134e(赤枠の中)
(このあと撮影者は下方へと視野を移し白いものを枠外へと出してしまう)

 これらが一定の明るさの白い斑点として斜めに移動してゆくところは「UFOs Over London Friday 2011」で確認することができます。
 これらの白い斑点を拡大して解析すると、次のようになります。


図4 131b画像のUFO拡大 code = 131b[16][2]


図5 131b[16][2]の3Cモードのcat解析(振幅32, 基礎色0)


図6 134e画像のUFO拡大 code = 134e[16][2]


図7 134e [16][2]の3Cモードのcat解析(振幅32, 基礎色0)

 これが本物か偽物かということは、いまは考えないことにしますが、このビデオに写っているUFOの仲間であると考えられます。
 青空を背景にしてズームで撮影された卵型のUFOと同じものかどうかは、これらの画像からは確認できませんが、それが雲の向こう側に消えた後、撮影者がパンして、広く空を写したときの、そのUFOが飛んでいそうな位置で、卵型を保って現われています。
 これは、この撮影ストーリーにとって、注目に値するシーンであるにもかかわらず、ズームにすることもなく、さらに図3のあと、撮影者は地表の交差点へと関心を向けています。
 このとき、撮影者が、この雲の向こうのUFOのことにまったく気がついていなかったとしたら、このビデオが本物であるという可能性が大きく高まります。
 しかし、あえて考えてみると、この撮影者は、UFOが写りこんでいない、ベースの画像を作る前に、交差点でのエキストラのシナリオを書いておき、それを役者たちに指導しておいて、さらに、UFOが雲間から現われたり隠れたりするという、ハイライトのシーンのあと、このUFOを見失ったので、パンして広く写しておくということまで、事前にシナリオを決めておかねばなりません。
 ひょっとしたら、そうではなくて、UFO抜きで撮影したベース画像を収録したあとから、思いつきで、このあたりの黒っぽい雲の向こうをUFOが飛んでいることにしようと決め、白い斑点が移動するように合成したのでしょうか。
 そのように意図して組み込まれたのなら、UFOの白い斑点がまだ画面に存在しているのに、突然、それを画面から外すように、視野を下げて交差点の風景の撮影へと向かったのは、かなり不自然なことです。
 また、右端の暗い雲の中を白い斑点が移動していることに気づいていたら、それを画面の端っこにおいておくのではなく、中央にとらえられるようにしたのではないでしょうか。ズームするのを忘れたとしても、中央に持ってくるというのは、気づいていれば、かんたんにできることです。それはまるで、自動車の運転でレーンを守ろうとするようなもので、ほぼ自動的にやってしまえるものです。でも、そうはしていません。
 このような考察から、このときの撮影者は、雲の向こうで動いているUFOの白い斑点のことに気づいていなかったと考えられます。
 このビデオが本物の現象を撮影したものだという可能性が高まってきました。
 ところが、これに対する反例が見つかっているわけです。それが謎2です。

 謎2についての解析

 はやし浩司さんが解説しているビデオは、次にあります。
 747B UFOs over London いたずらか本物か(ロンドン上空のUFO)byはやし浩司 [Hayashi]
 ここで示されている問題のシーンは次のようなものです。


図8 [Hayashi]ビデオの923b


図9 [Hayashi]ビデオの936b

 このようなシーンを「UFOs Over London Friday 2011」[BBC1] で探したところ、1分51秒のところにありました。


図10 [BBC1]ビデオの151a[16]


図11 [BBC1]ビデオの151d[16]

 151d[16]をさらに[4]倍した画像をつくり、これについてswan解析(振幅32, 基礎色64)を試みました。


図12 (図11の[4]倍)code = 151d[16][4]


図13 (図12)151d[16][4]のswan解析(振幅32, 基礎色64)

 このときのUFOは建物のこちら側にあります。そして、このあとすぐに消えてしまいます。
 はやし浩司さんが、この現象をとらえて、「このビデオはインチキだ」と判断していますが、このような論理の前提条件として、「このUFOは空高く飛んでいる」という仮定があります。しかし、そのような仮定は、どのようにして検証されるのでしょうか。
 このように観測されるということを、そのまま受け入れるという解釈は可能でしょうか。つまり、このUFOは、空高く飛んでいたのではなく、もっと低いところで飛んでいて、建物より近いところであった。そして、この物理世界の空間から、ぱっと消えるか、観測できないほどの速さで、瞬間的に視野の外へ飛んでいった。
 しかし、このような解釈には無理がありそうです。なぜかというと、他の小光体UFOは雲の向こう側に隠れてしまっているわけです。そのような高度で飛んでいるのに、この一つだけが、地表の建物の高さくらいなのは、やはり不自然です。

 考察

 謎1は、このビデオが本物であることを支持しています。
 (h)と(i)で卵型UFOをズームして拡大モードで撮影したあと、これを見失って、パンして空を広くとらえていますが、実際に撮影しているとき、右のほうの雲の中に白い斑点があって、それが斜めに動いていることに気づくのは難しいと思われます。この白い斑点に合わせてズームしていないことと、最後まで写しきらないで下方の交差点風景へと画面を自ら変えていることから、この白い斑点には気づいていないと考えられます。
 このように解釈してゆくと、撮影者の意図とは無関係に偶然撮影されたものであり、このビデオが本物であると考えられます。
 逆に、疑いだしたらきりがありませんが、このビデオが偽物として作られたものだとすると、(h)と(i)のあとパンして写した雲の景色を見て、このあたりの雲の向こう側を卵型のUFOが飛んでいることにしようと思いつき、そのようなイメージを合成したと解釈することもできます。しかし、上記で考察したように、突然画面を下方へと動かしており、それによって白い斑点が画面から外れてしまうことまで、演出の中に組み込んでおくというのは、なかなかやれることではありません。


図14 ゴブリンクォーク9のマップで134jに×16領域(赤枠)を指定


図15 134jの赤枠UFO部分のさらに[4]倍


図16 (図15の)ダック解析 code = 134j[16][2][2]_onAGI(duck)32(0)

 この134jはこの白い斑点が画面から外れてしまう前の、最後の1コマです。
 赤枠部分が[16]倍ですが、これをさらに[2][2]倍していますので、[64]倍となるものです。これをダック(duck)解析したところ、卵型UFOの形が浮かび上がっています。原画像でここまで小さな、ただの、ぼんやりとした白い斑点に、これだけのパターン情報を人工的に組み込むことが、はたして可能なのかと考え込んでしまいます。
 このUFO解析パターンには、中央に文字Lのようなもの、そして、その上下と向かって左に、六角形か八角形をベースとした「UFO紋」が現われているのです。もっとランダムなパターンなら、人工的な光源からの加工でも生み出せるようですが、何種類もの幾何的なパターンを組み込んでおくというのは、難しいことであると考えられます。

 謎2は、このビデオが偽物であることを支持しています。
 次の図では、建物の角が黄色い帯で示されています。向かって右が建物の壁、左が空となります。小さなUFOは丸みをもって現われており、建物の壁のこちら側にあります。空を飛びつづけるはずだと考えていたところ、壁の手前側にやってきた。しかも、このあと突然消えてしまうのです。


図17 (図12の)ダック解析 code = 151d[16][4]_onAGI(duck)32(0)

 ここで早急に結論を出すのはひかえておきます。
 実は、何かほかに、疑問に思うようなところはないかと、このビデオをスローモーションで観察したところ、調べておくべきところが、幾つか見つかりました。
 それらについても、ここで解析すると、ページ量があまりに増えすぎてしまいます。よって、あらためてタイトルをつけて、まとめることにします。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, Oct 17, 2015)

 追記

 このビデオにある、ロンドン上空のUFOについて、これが偽物UFOである証拠がいくつか上がってきました。
 RaN228 ロンドン上空UFOをテクスチャーBOON解析で調べる
 (1) BOON解析での標準偏差プロット
 楕円形や円形に変化する大きく写っていたUFOについてBOON解析したところ、いずれもhop解析やrye解析で強く反応しすぎており、これらの結果、これまで調べた偽物UFOのプロット位置となった。
 (2) swan解析での凹み
 これらの大きなUFOについて、レリーフ解析としてのswan解析で、UFOの中央部分が凹んだように見えている。
 (3) 陰った雲のところのUFO
 陰った雲の向こう側を飛んでいたと見えていたUFOについて調べたところ、雲のパターンを変化させることなく、それらの手前に重ねられたものであった。
 (4) 建物の手前を飛ぶUFO
 地表の建物の壁の手前を少し飛んで消えた小光体UFOの画像がある。
 今回の解析で新たに分かったのは(1)と(3)で、(2)と(4)については、これまでに分かっていました。
 4つもの否定的な証拠が分かってきましたということから、ロンドン上空のUFOが本物である可能性は、とても小さいものとみなされます。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, Jan 18, 2016)

 参照資料

[BBC1]「UFOs Over London Friday 2011」
「UFOs Over London BBC Radio 1 Building」(ロンドンBBCラジオ1ビルの上のUFO)
https://www.youtube.com/watch?v=QDIF-ZwJbF0
[Hayasi] 747B UFOs over London いたずらか本物か(ロンドン上空のUFO)byはやし浩司
https://www.youtube.com/watch?v=TYFniLuAAwk

 

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