GA01 芸術・美術・デザインのためのゴブリンアート開発中

黒月樹人(◇田中タケシ)@ 黒月解析研究所

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 ゴブリンアイズからゴブリンアートへ

 医療白黒画像に「うまく色をつけると、患部のようすが、よく分かります」というキャッチフレーズで、ゴブリンアイズを販売しています。
 あるとき、「医療白黒画像には、もう色がつけられるようになっている」ということを知りました。
 このホームページでは公開していませんが、ゴブリンアイズ解析サービスのお客さまの医療画像でした。
 それを見てみましたが、色の区分けは、ほぼレインボーカラーで、色のスペクトラムに沿った変化でした。
 このような配色は、ゴブリンアイズを開発してゆく初期のころに、効果がないと判断して捨てたものです。
 なんでもいいから色をつければよいというものではないのです

 たまたま私は腹部の疾患で入院してしまい、そのときの検査で撮影してもらった、何百枚にもわたるCTスキャン画像、それよりは少ないですが、MRI画像、エコー画像、もちろん何枚かのX線画像があります。
 ゴブリンアイズの色加味解析の配色は、そのような医療白黒画像において、内臓の組織や、それとかかわっている細菌群のコロニーなどが、ただの微妙な濃淡値の違いによってではなく、明らかに異なる色で塗り分けられるようにしたものです。
 これは、ちょっとした技術革新だと思われるのですが、まだセールスが、そんなに行えていないので、うまく拡がってゆきません。

 医療白黒画像のための、色加味解析だけを、画面いっぱいのガイドページで紹介していたのでしたが、このソフトの底力は、10年にもわたる科学画像解析ソフトのゴブリンクォーク(現在は9、これは市販していません)でつちかってきた、光核解析、フルーツ解析、ゴブリンアイ解析、などなど、多くの基礎解析にあります。
 そこで、これらの基礎解析においても、ガイドページを作れば、もっと使いやすくなるということに思い至りました。

 これらの広域ガイドページのタイトルは基礎です。
 小さなサンプル画像を並べたガイドページを眺めれば、おおよそ、どのような変化が起こるのかが、一目瞭然となります。
 さらには、ゴプリンクォークから引き継いで、ゴブリンアイズにもそなえていた平均合成暗明合成も、応用という広域ガイドページのタイトルでまとめることにしました。
 UFO画像の解析のために開発してあった、96種類のウェーブレット解析の関数について、これまでのゴブリンアイズでは、(本解析のページへと進めば、すべて利用することはできていましたが)わずか7種類ほどしか、ガイドページで紹介していませんでした。
 そこで、これらのウェーブレット解析を見直し、空にちっぽけに写っているUFOではなく、もっと解像度の高い、生の画像そのもので、どのように使えるようになるか、振幅値や基礎色、あるいはGrayと3Cのモードも色々と変えて、それらについての、新たな応用ガイドページを作ることにしました。
 このようなわけで、高分解能版のゴブリンアイズ84では、広域ガイドページが、基礎、医療(色加味)、応用1、応用2(美術)の4つに増えました。
 このような流れの行く先として、色加味解析を医療白黒画像だけに限定しないというコンセプトのもとで、芸術・美術・デザインのためのゴブリンアートが生まれたのです。

 ゴブリンアートには色紋解析を加えました

 色紋解析についての詳しい説明は、やりだすと、たいへんなことになるので、ここでは控えておきます。
 おおよそのことをいうと、色紋解析とは、画像の各画素の色を、特殊な分析法でグラフにしたものです。そして、そこから輝度色や平均色を調べます。

図1 ゴブリンアートの色紋解析(原画像は映画の「アバター」よりの1シーン)
(画像をクリック → 拡大画像へ)

 ゴブリンアートの色加味解析では百色マットと百色クリアーが加わりました

 ゴブリンアートでは、ゴブリンアイズで設けていた、医療白黒画像を識別しやすくするための、いろいろな工夫と制限条件のことを、いちど、すべて忘れることにしました。
 そしてまず、歴代の(といっても、その多くは印象派以降の近代絵画ですが)絵画から何点かを選び、それらを色紋解析にかけることによって、そこで主に使われている色を、濃淡値順に16色ずつ選び出しました。ただし、1つ目は黒で、16番目は白としました。
 そのようにして構成した16配色の色加味解析による、サンプル画像のガイドページが、次の図2です。

図2 ゴブリンアートの広域ガイドページ 色加味 のArt(2)
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 このあと、いろいろと考えたのですが、16色配色では、まだ色数が不足しているようなので、色鉛筆にあるように、24色もしくは48色にしてみようかと思っていました。
 版画の材料を求めて、自転車で近江八幡市の画材店へ向かっているとき、ふと、これまでの色加味解析のアルゴリズムに、ある種の制限を設けていたことに気がつきました。
 そのとき思い浮かんだアイディアを、私自身が開発した、思考言語コアで、まるで複雑な物理学の数式のようにも見える、図式でまとめました。
 そして、サイクリング移動を続けている間に、必要なアルゴリズムの詳細な部分が、どんどん思い浮かんできましたので、自転車を停め、まだ土も掘り起こされていない、早春の田んぼのそばで、思考言語コアを使って記録しました。
 翌日、さっそく、ゴブリンアートの改造を行い、ほぼ一日で、アルゴリズムのあらすじをまとめることができました。
 そして、生まれたのが、図3や図4に示した、百色色加味解析です。HCは Hundred Colors の頭文字です。なぜ百色かというと、16配色のマトリックスを7つ使っており、それらの1と16は、共通して黒と白ですが、間の2から15までの14色が独立した配色で7組ありますから、14×7=98 [色] 、そこに黒と白の2色を加えて、ちょうど100色です。
 この百色解析には、MatとClearの2つのタイプがあります。Matはいわゆる塗り絵です。Clearは原画像の濃淡値をキープするものです。
 そして、OとPとQの、3つのモードがあります。

図3 ゴブリンアートの広域ガイドページ 色加味 のHC(Clear)P
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図4 ゴブリンアートの広域ガイドページ 色加味 の HC(Mat)O
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 次の図5と図6は、図4のサンプル画像をクリックして本解析に進んだ解析画像です。

図5 ゴブリンアートHC(Mat)O1(原画像は映画の「アバター」よりの1シーン)
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図6 ゴブリンアートHC(Mat)O7(原画像は映画の「アバター」よりの1シーン)
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 O1のモードと配色では、原画像の3原色が、より鮮やかなものとなります。
 他のモードと配色においては、いろいろな工夫を盛り込みました。ただし、各配色で用いたマトリックスは、歴代絵画から色紋解析で採取した色によって構成してあります。
 このような方針により、それぞれの百色解析で生まれる画像には、歴代画家の色の遺伝子のようなものが組み込まれたものとなります。

 図2は、そのような色の遺伝子が、それぞれ一つずつ表されたものです。絵の具の数を100もそろえるということが困難だということや、人間の芸術的な意識のようなものによる、ある種の「制限」があって、これまでの絵画には、なんとなく「色のまとまり」のようなものが生じていました。分析してみると、ゴッホの絵画でも(きっと、絵の具が自由に買えないという事情もあったのでしょうが)、こんな程度の配色なのだ、と思うことになりました。

 ある種の「制限」を、どのようにしてとりはらい、これまで誰も見たことのない絵画作品を、どのようにして生み出すかということが、近代から現代に向けた絵画の大きなテーマの一つでした。
 現代でも、職業的な画家たちは、このような、目に見えないバリアーのなかで描いています。
 これに対して、ある種の精神疾患をもつ患者(ゴッホもその一人だったことでしょう)が描いた絵画のなかに、これらのバリアーを潜り抜けたものがあることがあります。
 この百色解析の作品は、そのような人の絵画に通じるものがあります。
 私は精神疾患の経験があるためか、このような、より自由な絵画は好きです。

 これらの配色による画像をベースとして、さらに、エンボスだけではない、さらに大きく変化した数多くのウェーブレット解析の画像を使って、平均合成、暗明合成、ハイブリッド合成(機能合成)を行えば、これまで誰も見たことのない、まったく新しい画像を生み出すことができます。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, March 15, 2017)

 付録

 上記コメントの内容を、ちょっとやってみました。
 次の図7は、図1に小さく埋め込んである原画像です。
 この画像をクリックすると、この原画像についての拡大画像が現れます。
 さらに、それをクリックすると、色加味百色マットや各種合成機能を組み合わせて生み出した、おそらく、これまで誰も見たことのない、まったく新しい(主に配色に狙いを絞っていますが、タッチやパターンへと展開してゆくこともできます)画像が現れます。
 どうぞ、お楽しみください。

図7 原画像
(画像をクリック → 拡大画像へ → いろいろな解析画像へ)

 (Written by KLOTSUKI Kinohito, March 15, 2017)

 

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