GA10 なめらか補間拡大とゴブリンアイで第3のレンズ効果

黒月樹人(本名 田中 毅)@ 黒月解析研究所

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 「マップ」と「現像」で「なめらか補間拡大」

 ゴブリンアート(やゴブリンアイズ)には、画像を部分的に拡大する機能があります。
 ひとつの解析ページという形ではなく、「マップ」というページで拡大領域を指定して、そのページの「実行」をクリックすると、「現像」というページに移って、その拡大画像を表示します。「マップ」のところの「実行」をクリックする代わりに、拡大領域をしていたあと、上にあるバースイッチの「現像」ページをクリックしてもかまいません。
 このときの拡大形式は、2倍、4倍、8倍、16倍、32倍、64倍となっていて、他の画像ソフトな途にある、任意の倍率の形式とはなっていません。
 ゴブリンアート(やゴブリンアイズ)にある「サイズ」のページには、小さな画像を規定のサイズに収まるようにするため、ある種の、任意の倍率による拡大機能があります。
 これは、医療CTスキャン画像などの、もともと解像度も高く、ち密な情報に満たされている画像を拡大することを想定しています。
 このため、任意の拡大率のため、データの処理上、いくらか偏りが生じたとき、それにともなうノイズは、あまり気になりません。
 しかし、10年ほど前に組み上げはじめた、ゴブリンクォークという科学解析用のソフトでは、宇宙の探査画像や、空に小さく写っているUFO など、きわめて小さく写っている対象を、できるだけ正確に、そして、できるかぎり、くっきりと浮かび上がらせることに、ノウハウのすべてをつぎ込んできました。
 このとき、拡大にともなって、処理にともなう、「偽像」としてのノイズが入り込まないような工夫を組み込んであります。
 このような処理をなめらか補間拡大と呼んでいます。
 10年ぶりに、このアルゴリズムを調べたところ、なかなかこうみょうな工夫がなされていることを(あらためて)知りました。ただし、詳しい仕組みのアルゴリズムについては秘密です。

図1 タイタン着陸地点の風景

図2 中央やや左付近のデジタル拡大
(なめらか補間なし、そのままの画素での拡大、色は変更)

図3 中央やや左付近の「なめらか補間拡大」

 このようなことのため、より正確な科学解析に用いるためにゴブリンアートを使うときには、2の倍数ずつ拡大領域が設定してある、「マップ」と「現像」の機能を使うことをおすすめします。

 「マップ」のスイッチ

 次の図4に「マップ」解析ページのスイッチを示します。

図4 「マップ」のスイッチ

 「緑色の図形」はリセットマークです。
 「画像呼出」は、解析対象画像を指定するダイアログボックスを呼び出します。このとき、ビットマップ画像だけが呼び出されます。ジェーペグ画像は使えませんので、ウィンドウズOSに付属している「ペイント」ソフトでビットマップ画像に変更しておいてください。
 「視野(窓)」を指定すると、表示画像に、その領域を指定する長方形の枠が現れます。表示画像上でマウスを左クリックすると、(原則として)その位置を中心として枠が表示さます。
 「微動」を使えば、「視野(窓)」のサイズに応じて、枠が少しずつ動きます。
 「拡大」の「実行」をクリックすると、「なめらか補間拡大」を行って、「現像」ページとして表示されます。ソフト上部にあるバースイッチの「現像」をクリックしても、「実行」されます。
 「窓の色」はデフォルトが赤色ですが、ここのスイッチで、枠の色を変えることができます。ただし、これは表示されるだけで、原画像に組み込まれるわけではありません。領域が描かれた画像は、Prt Scペイントを組み合わせて作っています。
 「窓のモード」はトップページのDisplayに従ってデフォルトが決まりますが、ここで変更することもできます。

 次の図5は「現像」のスイッチです。
 「現像」ページでは、「なめらか補間拡大」の結果が表示されますが、さらに、これらのスイッチで「色の変換」を行うことができます。
 ここでよく使うのは、色の全反転12 (R)(G)(B)です。

図5 「現像」のスイッチ
(これらの機能は、色の変換のためのもの)

 ゴブリンアイ解析

 「なめらか補間拡大」であろうとなかろうと、一般にデジタル画像を拡大するときには、何らかの方法で色を補間して、新しい画素の色を決めています。
 たとえば、2倍の拡大を考えると、もとの画像の1画素に対して、拡大画像では4画素の色を決めなければなりません。
 このときの新しい4画素の色をどのように決めるのかというと、もとの1画素の周囲に隣接する画素の色を考慮して、それらのデジタル画像を撮影するときの、ほんもののものを想定しつつ、それにできるだけ近くなるように考えてゆくわけです。
 ところが、このような処理をするとき、新しく想定した4画素の色は、周囲の画素の色を使って、ある種の(一般的な方法も特殊な方法もありますが)重みづけ平均の処理を行うことになります。
 これにともなって、色々な画素に「ある種の平均値にまつわる色のカスミ」のようなものが重なってゆくことになります。
 このような「色のカスミ」を、どのようにしたら取り除くことができるか。
 このような考えで生み出したのがゴブリンアイ解析でした。
 このアルゴリズムは、まるで「魔法」のように、かんたんなものではありません。
 10年たった今でも、すべてのデジタルカメラが、デジタルズームとして2倍しか組み込んでいません。かつては、もう少し大きなデジタルズームの機器もあったのですが、どうしてもピンボケ画像のままとなるので、デジタル倍率はあきらめて、光学倍率を競うようになっています。
 ゴブリンアイ解析にも技術的な限界というものがありますが、小さな画素でとらえられた対象をデジタル拡大するときにともなう「色のカスミ」を、ある程度とりさってゆくことができます。
 10年前の、もっとも大きな成果は、NASAなどが土星あたりに送ったホイヘンス探査機が、土星の衛星タイタンに着陸させて撮影した、小さな画素数の「風景写真」を、拡大し、くっきりと再構成したことでした。

図6 タイタン着陸地点の風景の
(1)なめらか補間拡大 → (2)ゴブリンアイ解析 → (3)フルーツ解析
(画像をクリック → 拡大画面へ)

 このことから始まって、さらにフルーツ解析などの技術が確立してゆきました。
 解析対象を空に浮かぶUFO としたとき、偽物画像を識別するため、ウェーブレット解析の技法を大きく発展させ、さまざまな解析法を生み出しましたが、それらの解析へと進むときの基本は、あいかわらず、ゴブリンアイ解析光核解析、あるいはフルーツ解析でした。
 どんなときでも、拡大画像の「色のカスミ」をとりさるゴブリンアイ解析は、とても役立ってくれました。

 ゴブリンアイ解析のスイッチ

 次の図7は「ゴブリンアイ(G.アイ)」のスイッチです。

図7 「ゴブリンアイ(G.アイ)」のスイッチ

 「Guide」のスイッチは、ゴブリンアイのガイドページへ進むものです。
 ゴブリンアイの「種類(実行)」の明ゴブリンアイでは、「色のカスミ」を取りながら、色を明るいほうへ移動させます。しかし、255の明るい限界から飛び出さないようにしてあります。AからDに向かって、効果が強くなります。
 暗ゴブリンアイでは、「色のカスミ」を取りながら、色を暗いほうへ移動させます。こちらも、0の値のほうへ近づきますが、0より下回ってしまうことがないようにしてあります。
 双ゴブリンアイでは、明ゴブリンアイ暗ゴブリンアイの、両方の効果をもっています。「色のカスミ」を取りながら、コントラストを高めます。
 これらの「種類(実行)」スイッチでは、毎回画像をキープするようにしましたので、連続して変化させてゆくことができます。
 最初の画像へリセットするときは、左上のリセットマークをクリックしてください。

 なめらか補間拡大とゴブリンアイで第3のレンズ効果

 (自画自賛となってしまいますが)ゴブリンアイ解析の「すごさ」をあらためて認識することとなったのは、ソマチットという微粒子の存在を知って、その姿を明らかにしようと試みたときです。

図8 ソマトスコープによる血液(赤血球とソマチット)
ビデオ(Gaston Naessens - The Somatoscope)の7分51分の一コマ [5](に拡大領域を入れて)、751a[ ]

図9 751a画像の領域Aの[32]倍拡大 751a[32]A

図10 (図9に)暗ゴブリンアイX解析を6回 751a[32]A_GE(X6)

図11 さらに[4]倍拡大(の縮小)

図12 (図11に)暗ゴブリンアイX解析を6回

図13 (図11において)コンター解析(濃淡値223から242のみstep2で)
751a[32]A_GE(X6)[4]_Cntr(223-242)step2

 図9では、ひとつの小さな「雲のかたまり」のように見えていましたが、ゴブリンアイ解析で図10とすると、光って見える「中心体」が2つ見えてきました。
 しかし、さらに拡大して、ゴブリンアイ解析で「色のカスミ」を取り除いてゆくと、強く光っている部分が3つあるということが分かってきました。
 これを、模式的な配色となりますが、図13のようなコンター解析で色づけると、青色で色づけられる小領域が3つあることが分かります。
 どうやら、ソマチットの本体としては、2つではなく、3つ存在していたようです。

 光学顕微鏡にプラスできる第3のデジタルレンズ

 光学顕微鏡は対物レンズ接眼レンズの2つのレンズによって、もともとの対象のイメージを拡大しています。
 たとえば、対物レンズが40倍で、接眼レンズが25倍なら、倍率が1000倍となるわけです。
 ソマチットを見つけて研究を重ねているガストン・ネサンが生み出したソマトスコープも倍率は、それほど大きくないようですが、分解能が3万倍ということだそうです。
 どうやら、従来の光学顕微鏡は、波長が異なる赤色から青色までの可視光線をすべて使おうとしているので、分解能が低下していたようです。
 蛍光顕微鏡では、もっと周波数の高い紫外線を、狭い周波数領域で使っているようです。このため、分解能が高くなっています。
 また、可視光線をすべて使うのではなく、ある程度制限して使う暗視野顕微鏡というものがありますが、その分解能も、比較的高いものとなっています。
 このように、機械的な技術も進んできましたが、さらに、顕微鏡を直接目で見るのではなく、画像を撮影して、大きな画素数のディスプレイで見ることにより、肉眼で観察するときの分解能の制限を取り外すことができるようになりました。
 そして、そのようなデジタル画像を記録してから、画像解析のソフトを使って、より大きく拡大し、そこにかかってくる「色のカスミ」をゴブリンアイ解析で取り除くことにより、さらに(飛躍的に)分解能を高めることができるのです。
 このようなことから、顕微鏡の画像をデジタル画像として記録してから、なめらか補間拡大ゴブリンアイ解析で、より大きく、しかも、くっきりとした画像を生み出して観察するということは、これまでの光学顕微鏡の2つのレンズに対して、第3のデジタルレンズとみなすことができます。
 いったいどれだけの倍率で、どのような分解能に相当するのかということは、まだはっきりとはしませんが。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, August 21, 2017)

 参照資料

[5] ガストン・ネサン博士によるYouTube 動画
 Gaston Naessens - The Somatoscope

 

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