GA11 ゴブリンアートの色加味128解析と色加味256解析
Add128 Analysis and Add256 Analysis of the goblinart.exe

黒月樹人(本名 田中 毅)@ 黒月解析研究所

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 色加味解析のスタートは7色から

 色加味解析は、すでに世の中に存在していました。
 科学分野の画像として、撮影された、そのままの色ではなく、意図的に色が変えられているものです。
 たとえば、人間の表面温度の違いを色に置き換えるというものがあります。
 天気予報では、雨量の分布が色分けされて表現されています。
 10年ほどまえに私が作っていた画像解析ソフトのゴブリンォークの解析の一つとして、色を意図的に置き換えるものをつくり、その解析法について「色加味解析」という名称をつけました。最初に設定した色は7色でした。濃淡値の0から255について、ある幅で区切って7色をあてはめたわけです。
 ずいぶんと永い間、色加味解析は、そのままでした。
 これが変わってゆくきっかけとなったのは、歯のX線画像に適用したことでした。
 それまで(そして現在でも)歯医者さんたちは、(ネガである)X線画像をそのまま治療代についてあるディスプレイに表示して説明していました。
 しかし、私たち患者は、「それでは何がどうなっているのか分からない」と思います。
 一般の写真について、ネガフィルムを見ても、ピンとこないのと同じように、歯医者さんの(ネガである)X線画像では、どこがどうなっているのか分からずじまいなのです。
 そこで、試しに、自分の歯についてのX線画像を持ち帰り、ゴブリンアイズでの色加味解析で表現してみました。
 歯茎の中にあった空洞部分が、直感的に浮かび上がってきました。

図1 歯茎の中の空洞

 その次に取り組んだのはCTスキャン画像でした。
 たまたま私は内臓疾患で入院することとなり、検査してもらったときのCTスキャン画像がたくさんあります。
 これらの白黒CTスキャン画像も、色加味解析で調べることにより、細かな特徴が浮かび上がってきます。
 そのような技術を磨きあげるため、色加味解析の配色数を、8色、16色、32色と増やしてゆき、そのひとつずつの色の決め方によって、内臓にあるそれぞれの臓器のこまかな違いの見え方が違ってくるということが分かってきました。
 そして、32の倍である64色の色加味解析を生み出すことにより、CTスキャンの画像における分解能を大きく高めることができました。
 コンピューターが扱っている画像の色は最大で256段階です。色の値としては、0から255までの整数値として規定されます。(白黒の濃さである)濃淡値についても、0から255です。
 ですから、技術的には、64配色で終わる必要はなく、128配色や256配色も可能でした。
 しかし、医療のCTスキャン画像においては、あまりに色数が多すぎると、細部が複雑になりすぎて、かえって分かりづらくなりました。

図2 肝臓(黄色)の炎症部分と胆のう(赤紫)
4枚のCTスキャン断面を並べて解析したもの

 128配色の色加味128解析や、256配色の色加味256解析というものが必要であり、そのほうが見やすくなると考えられるようになったのは、まったく違ったものを観察するようになったからです。
 それはソマチットという小さな粒子です。
 これがいったいどのようなものであるかということは、まだよく分かっていません。
 しかし、血液の血漿の中に、単なるブラウン運動によってではなく、まるで生物としての意図をもって動いているとみなせるような、自由な運動をしている粒子があります。
 ただ、あまりに小さいということと、光学顕微鏡の分解能の問題によって、詳しい形状が分かっていません。
 従来の光学顕微鏡の分解能を1桁以上上回る(とされる)ソマトスコープによれば、もうすこし大きなサイズとして見えてきます。
 ところが、このような装置が世界に1台しかないので、それを使えない研究者たちは、追試をすることができず、この分野の認識が広まってゆきません。
 ここのところの突破口となるのが、実は、色加味128解析や色加味256解析です。

 色加味128解析と色加味256解析の科学的な効果

 次の図3は、ガストン・ネサンのYou Tube画像 [1] から採取した、7分51秒あたりの1コマに映っているソマチットを5つ、色つき枠で指定したところです。
 ここでは、ピンク色の枠について解析します。

図3 ソマトスコープで見た血液(色つき枠の中にソマチット)

 次の図4はピンク色の枠を拡大したものです。
 このように、一般に画像を拡大すると、雲かカスミがかかったように、ぼんやりとしたものになります。
 その次の図5は、ゴブリンアイ解析で処理して、このときの「色のカスミ」をいくらか取り去ったものです。
 すると、狙っていたソマチットの「中心体」(あるいは本体)らしき、白く輝いて、周囲から識別できるものが浮かび上がってきました。

図4 ピンクの枠の拡大(画像P)

図5 画像Pの暗ゴブリンアイX解析(5回)(画像PX5)

 ところが、この図5をよく見ると、斜めに見えている、赤血球の縁のあたりにも、小さなヒルのような形で、光る「中心体」が見えています。
 このような、かすかに光るものの正体を見るために、図5としての画像PX5について、色加味128解析(E配色)を行いました。次の図6です。
 すると、サイズの違いはありますが、画像の中心に浮かんで見えるものがソマチットであるなら、赤血球の縁で光っていたものも、ソマチットであるとみなせるパターンを持っています。
 さらには、いくつもの画像を調べていて判断できるようになるのですが、赤血球の縁には、まだ2つほど、ソマチットと考えられるパターンがあります。図5では気づかなかったものと言えます。

図6 画像PX5についての色加味128(E配色)

 さて、図6は、ソマチットが少し見えてきていた図5について色加味解析したものでしたが、ぼんやりとしていて、どこにソマチットの「中心体」があるのか分からない、図4(画像P)について色加味128解析(E配色)してみました。次の図7です。
 同じ配色とはなりませんが、ソマチットがどこに存在しているかが分かるパターンとなっています。

図7 画像Pについての色加味128(E配色)

 ここまでは色加味128解析でしたが、もっと拡大して、ぼんやりと見える画像においても、究極の分解能が期待できる、色加味256解析を使うと、さらに細部が浮かび上がってきます。
 次の図8が色加味256解析(A配色)ですが、ここでは、色加味を行う濃淡値の範囲を166-255([166, 255]の意味)としています。ソマチットの「中心体」の存在と、その形状が描写されています。

図8 画像Pについての色加味256(A配色)(濃淡値範囲166-255) Code=751f[32]e_Add256(A)(166-255)

 このように、まったくゴブリンアイ解析を行っていない、たんに拡大しただけの画像においても、色加味128解析や色加味256解析によって、ソマチットに固有の、強く輝く性質に基づいて、狭い間隔の「周囲線」に囲まれて、まるで、小さなヒルか虫のような、あるいは結晶のように固まってしまったかのような、ソマチットの「中心体」を識別することができるわけです。
 これは、雲かカスミがかかったようにぼんやりとしていても、もともとの形状に応じた濃淡値のグラデーションが保たれているということから生じることだと考えられます。  そのような、かすかな濃淡値の変化は、私たちの目ではとらえることができないわけですが、こうして、色を置き換えることにより、変化のパターンを見ることができるというわけです。
 ここで使った画像は世界に1台しかないというソマトスコープによるものでしたが、実は、世界に何台でもあるという、蛍光顕微鏡や暗視野顕微鏡による画像においても、これらのゴブリンアイ解析や色加味解析を使えば、画像の中の対象について、これまでの分解能を大きく上回ることができるのです。
 これが(上記の)「突破口」の意味です。

 蛍光顕微鏡画像

 図9は、「培養できない菌」を調べるため、蛍光染色をおこなったあと、蛍光顕微鏡で観察した画像を拡大したものです。このときの黄色は、あとから加えられたものだそうです。いわゆる、1色の色加味ということになります。これを画像Fとします。
 図10は画像Fについての色加味128解析(Y配色)です。この色パターンから、これらの「培養できない菌」が「細菌」ではなく、ソマチットであることが分かります。「細菌」の画像も調べたことがありますが、このような「中心体」と私が呼ぶようなものは浮かび上がってきません。
 図11は画像Fについての色加味256解析(A配色)です。さらに分解能が高くなります。

図9 蛍光顕微鏡で見た「培養できない菌」(画像F)

図10 画像Fについての色加味128解析(Y配色)
(画像をクリック → 拡大原画像へ)

図11 画像Fについての色加味256解析(A配色)
(画像をクリック → 拡大原画像へ)

 暗視野顕微鏡画像

 図12は、珪藻などのプランクトンを観察するために撮影された暗視野顕微鏡画像の片隅に、小さく写っていた「微生物のコロニー」の拡大画像です。これを画像Dとします。
 図13は画像Dについての色加味128解析(Y配色)です。
 図14は図14 画像Dについての色加味256解析(A配色)です。
 これらを見ることにより、この「微生物のコロニー」が、「細菌」や「酵母」のようなものではなく、ソマチットであることが分かります。
 このように観察してゆくと、ソマチットは、画像上、ぼんやりと光っている、その中心に、小さな「中心体」と認められるものが存在している、という特徴があることが分かってきました。

図12 暗視野顕微鏡で見た「微生物のコロニー」(画像D)

図13 画像Dについての色加味128解析(Y配色)
(画像をクリック → 拡大原画像へ)

図14 画像Dについての色加味256解析(A配色)
(画像をクリック → 拡大原画像へ)

 (Written by KLOTSUKI Kinohito, September 6, 2017)

 参照資料

[1] ガストン・ネサンのYou Tube画像
   Gaston Naessens - The Somatoscope

 

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