GA17 ストライプ変換解析で見るとウイルスがいっぱい
Stripe transformation analysis indicate full of viruses

黒月樹人(本名 田中 毅)@ 黒月解析研究所

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 ゴブリンアートに新しい解析システムを組み込みました。
 これまで、ソマチットのような、微細な対象が写り込んでいる科学画像に立ち向かってきたのはなめらか補間拡大と、「色のカスミ」を取り除くゴブリンアイ解析が中心でした。
 これを補助するつもりで、医療画像に適用してきた色加味解析を、色加味64からさらに発展させて、色加味128や色加味256を生み出して、いろいろと工夫して使ってみると、ゴブリンアイ解析をおこなわない、もとの、拡大しただけの画像に適用して、そのまま、そこに何が写っているのかが分かるということに気がつきました。
 しかし、一般に、色加味解析の配色は、意図的なものですから、ほんものの色ではありません。また、分かりやすさを追求するために、自由な配色で構成すると、ただの「塗り絵」のようにも見えてしまい、もとの画像から、大きく印象が離れてしまいます。
 このような問題をクリアーするには、もとの画像の色合いをできるだけ残して、区別がつくような、濃淡値に応じた色の変換を行えばよいということに気がつきました。
 このような方針で生まれたのがストライプ変換解析です。

図1 ゴブリンアートのトップページ
(画像をクリック → 拡大原画像へ)
(対象画像は暗視野顕微鏡によるもの [1])

 ストライプ変換解析のガイドページ

 図2はストライプ変換のガイドページです。
 上段中央(A)は、ストライプ変換の [zebra] (step8) です。これは、濃淡値で決めたストライプ部分の色を、もとの画像の反転色としているので、かなり異質なものとなります。
 BからEで何が起こっているかは、拡大原画像を見ないと分からないかもしれません。
 もとの原画像の色をできるだけ残して、濃淡値で決めたストライプ部分を、もとの色からの編集によって、微妙に変化させているのです。

図2 ストライプ変換のガイドページ
(画像をクリック → 拡大原画像へ)

 ストライプ変換解析のメインページ

 次からの図は、ストライプ変換解析のメインページにおけるものです。
 Stripe Mode を決める上に、Stepを選ぶところがあります。このステップ数が2ということは、分解能としては、色加味256と同じです。ステップ数が4だと色加味128と対応しており、ステップ数の8が色加味64に相当します。ステップ数6に対応する色加味解析はありません。
 Stripe Mode では、全体の色やストライプの色を選びます。いろいろと試しているうちに、このようなものになりました。

図3 ストライプ変換の本ページでの [sky] (step4)
(画像をクリック → 拡大原画像へ)

図4 ストライプ変換の [zebra] (step4)
(画像をクリック → 拡大原画像へ)

図5 ストライプ変換の [pearl] (step4)
(画像をクリック → 拡大原画像へ)

 蛍光顕微鏡画像をストライプ変換解析で見ると…

 ストライプ変換解析の能力をテストするため、これまでに集めた、微生物を撮影した画像を解析してみました。
 次の図6は、蛍光顕微鏡で見た「培養できない菌」[2] のストライプ変換のガイドページです。
 上段中央の、ストライプ変換 [zebra] をクリックして、本解析へ移ったものが、図7です。このときのステップ数は8で、色加味64解析に相当する分解能です。
 このステップ数を2として、分解能を高めたものが、その下の図8です。
 図7では黒い点として描かれていたものの細部の様子が現れました。
 図8の拡大原画像から切り取ったものが図9です。
 中心部に、同じパターンが見えます。そして、それを取り囲む「殻」のようなものが8角形です。このようなパターンをもつ粒子を見たことがあります。

図6 蛍光顕微鏡で見た「培養できない菌」のストライプ変換(ガイド)
(画像をクリック → 拡大原画像へ)

図7 「培養できない菌」のストライプ変換 [zebra] (step8)
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図8 「培養できない菌」のストライプ変換 [zebra] (step2)
(画像をクリック → 拡大原画像へ)

図9 (図8の)「培養できない菌」の
ストライプ変換 [zebra] (step2)の部分切り取り

 色加味解析で見たウイルスらしきもの

 ウイルスかもしれないと着目して解析した粒子は、蛍光顕微鏡で撮影された「培養できない菌」(図12)の、他のコロニーのところにありました。
 図12にある領域Bの、右上あたりのところです。次の図10は、領域Bの右上部分の拡大図について、色加味128解析したもの(ガイドページ)です。
 図11が、ウイルスかもしれないと注目した小粒子の色加味解析です。

図10 「(他の)培養できない菌」の色加味128解析
(画像をクリック → 拡大原画像へ)

図11 ウイルスと考えられる部分

 図9にある小粒子は、とても暗いところにあったものなので、その情報量は少なく、中央にあるものの形と、「殻」のようなものの形くらいしか分かりませんが、その特徴と同じものを、図11の小粒子ももっています。

 ストライプ変換解析で見るとウイルスがいっぱい

 ソマチットと考えられる「培養できない菌」のコロニーの中に取り込まれている小粒子と同じパターンをもった小粒子が、それらのコロニーの周囲から、たくさん見つかりました。
 このようなサイズ、幾何的な「殻」の形状、ごくごく短いRNAの「むすびめ」のようにも見える中心部のもの、そして、数多くの同じ粒子が存在することから、(状況証拠のようなものに基づくだけですが)これらはウイルスとみなすのが自然だと思われます。
 電子顕微鏡で撮影したとしたら、外からの「殻」の姿が見えるだけなのが、通常の画像でしょうから、おそらく、サッカーボールのような多面体のように見えると思われます。
 少し調べたところ、アデノウイルスの形が正20面体のようです。プール熱の原因ともいわれているようです。通常の、野外の水の中にいそうです。

図12 蛍光顕微鏡で撮影された「培養できない菌」[2]

 この図12に描いた拡大領域の画像について、ストライプ変換解析の [zebra] (step2) とした結果を、次に示します。
 図12で強く光っており、図13からのストライプ変換解析で、何重もの線で取り囲まれているものは、おそらくソマチットと考えられます。
 細菌などでは、このような、中心にあるものが見えにくく、細胞にある何らかの器官のようなものもあらわれてきますが、これらには認められません。
 このようなソマチットのコロニーの周囲に、ぼつりぼつりと、同じ形状の小さな粒子が見られます。これらを観察すると、少しタイプの異なるものも存在するようです。

図13 L03[32]Aのストライプ変換 [zebra] (step2)

図14 L03[32]Bのストライプ変換 [zebra] (step2)

図15 L03[32]Dのストライプ変換 [zebra] (step2)

図16 L03[32]Eのストライプ変換 [zebra] (step2)

図17 L03[32]Fのストライプ変換 [zebra] (step2)

 もともとは蛍光顕微鏡という、光学顕微鏡によって撮影された画像です。
 これまで、そのような画像でウイルスが、あるいは、ウイルスサイズの小さな粒子の形状が観察されることはなかったことでしょう。
 これまでの技術では、ここまでの分解能を生み出すことができるとは、誰も考えなかったと思われます。
 しかし、こうやって、いろいろと工夫してやってみれば、こんなところまで、できるようになりました。
 これらの小粒子が、ほんとうにウイルスであるとしたら、ウイルスは電子顕微鏡を使わなくても見ることができるわけです。
 しかも、光学顕微鏡では、その内部を覗き見ることができるのです。
 電子顕微鏡でも、切断して撮影しているものがあるようですが、それでは、かえって、よく分からない、ということにもなります。
 ここで使っている対象画像は、ウェブで探してきたもので、小さなサイズであり、ジェーペグ化して、情報量が減ってしまっています。光学顕微鏡で観察して撮影したままの画像なら、さらに詳しい情報が得られるかもしれません。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, September 17, 2017)

 参照資料

[1] 「顕微鏡日記」の「アメーバの触手」(2006/09)
   Canon EOS 10D OLYMPUS CHBS Nikon アクロマート20X OLYMPUS WHK8Xで拡大
[2] 蛍光顕微鏡による全菌数測定

 

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