GA28 ウェーブレット解析(マニュアル)
Wavelet Analysis(Manual)

黒月解析研究所 & 西尾美術研究所

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 はじめに

 数学の分野でウェーブレット解析が現れるまで、さまざまな振動数の波形情報が混じっていた観測データから、目的の周波数範囲の成分を取り出すには、フーリエ解析というものを使う必要がありました。この技術は、それなりにむつかしいものでした。
 ところが、ウェーブレット解析が現れると、このようなことが、ごくごくかんたんに行えるようになりました。
 さいしょは、電磁波の信号のような、時間tと振幅aの2変数で変化する情報に対してウェーブレット解析が適用されました。
 このときの時間を、画像の画素の位置(i, j)へ置き換え、振幅aを画素の色値(r, g, b)に置き換えて応用したものが、画像におけるウェーブレット解析です。
 画像についてのウェーブレット解析のアルゴリズムを組み上げて、それの効果を調べるために注目したのは、インターネットの世界に数多く現われだしたUFO画像でした。そのUFO画像に写っているUFOが、どのようにして生み出された偽物かということを暴く技法として、ウェーブレット解析は強力な武器となりました。
 ここまでのストーリーは、ゴブリンクォークというソフトでのことです。
 もっとリアルで、情報量も比較的多い、光学顕微鏡で観察できる、微生物などの拡大画像を調べるために、ウェーブレット解析が、どのように適用できるのか、まだ、これは、はっきりとしていません。
 画像解析に対してのウェーブレット解析の、実用的な研究は、まだ始まったばかりなのです。

 ウェーブレット解析の入口

 図1はゴブリンアートのトップページにおける、ウェーブレット解析の入口スイッチです。
 上のバースイッチの「小波」は本解析へ進みます。
 中央の4行はいずれもガイドページへ進むためのものです。

図1 ウェーブレット解析の入口スイッチ
(画像をクリック → 拡大解析原画像へ)

 ウェーブレット解析のガイドページ(1)

 ウェーブレット解析のガイドページのスイッチカラム(柱)にあるスイッチを図2に示します。

図2 ウェーブレット解析のガイドページのスイッチ

 「小波」「小波(2)」「小波(3)」「小波(4)」をクリックすると、それぞれのガイドページに進みます。
 「fr」とあるのは「振幅」です。表現の強さを選べます。
 「bs」とあるのは「基礎」の指標を意味しています。ウェーブレット解析の種類によって異なりますが、全体の基礎色が明るくなったり暗くなったりします。ウェーブレット解析を開発しているとき、いろいろと試行錯誤していましたので、統一的な指針がありません。
 次の図3から図6として、「ヴォーリス設計の旧図書館」(私が撮影した写真)を対象画像としての、ウェーブレット解析のガイドページを示します。

図3 ガイドページ小波(振幅64, 基礎224)
(画像をクリック → 拡大解析原画像へ)

 最近、このページにあるウェーブレット解析のいくつかについて、その表現様式を変えました。これらのウェーブレット解析によってUFO画像を調べていたときは、色が複雑になっていても気にしなかったのですが、光学顕微鏡で微生物を観察するようになると、色収差が大きいと分解能が下がってしまうので、よくありません。そこで、ゴブリンアートのプリズム解析で用いた手法を応用して、色収差が少なくなるようなアルゴリズムを組み込みました。

図4 ガイドページ小波(2) (振幅1, 基礎64)
(画像をクリック → 拡大解析原画像へ)

図5 ガイドページ小波(3) (振幅1, 基礎64)
(画像をクリック → 拡大解析原画像へ)

図6 ガイドページ小波(4) (振幅1, 基礎64)
(画像をクリック → 拡大解析原画像へ)

 ウェーブレット解析のガイドページ(2)

 空の遠くに浮かんでいる(とされる)UFO画像を調べるときは、ウェーブレット解析で細部の様子を調べることにより、いろいろなことが分かってきますので、強力な武器となってきました。
 上記の風景写真のような、ち密な情報が詰まっているものに対しては、単なる表現の変化くらいの利用価値しかありません。
 光学顕微鏡で観察する微生物の画像は、ちょうどそれらの中間くらいの情報量です。
 次の図7から図10は、そのような微生物をあるていど解析して、色のカスミなどを取り除いたあとの画像を対象画像として、各ガイドページを示したものです。

図7 ガイドページ小波(振幅64, 基礎128)
(画像をクリック → 拡大解析原画像へ)

図8 ガイドページ小波(2) (振幅1, 基礎0)
(画像をクリック → 拡大解析原画像へ)

図9 ガイドページ小波(3) (振幅64, 基礎128)
(画像をクリック → 拡大解析原画像へ)

図10 ガイドページ小波(4) (振幅64, 基礎0)
(画像をクリック → 拡大解析原画像へ)

 ウェーブレット解析の本解析ページ

 ガイドページの各サンプル画像をクリックすると、それにほぼ対応した条件のもとでの、本解析のページに進みます。
 ただし、対象画像のサイズによって、各ウェーブレット解析の効果が異なってしまいますので、ガイドページと本解析とでは、振幅値を変えています。
 それでも、ガイドページと本解析とでは、かなり印象が異なることとなります。
 ガイドページのサンプル画像は、あくまで、参考として見てください。

図11 ウェーブレット解析の本解析ページ
(画像をクリック → 拡大解析原画像へ)

 ウェーブレット解析の本解析ページにあるスイツチカラム(柱)のスイッチを図12に示します。
 下段の「分類」で選択されたスイッチのグループは、それぞれ、別々に表示されます。
 それらの下に現れる「RT」から「17X」までの種類があります(もっとあったのですが、あるていど厳選しました)。
 3から17の数字は、ウェーブレット関数のマトリックスにまつわる数字です。3だと、3×3のマトリックスを使ってウェーブレット関数を構成しています。17のときは17×17となります。

図12 ウェーブレット解析の本解析ページのスイッチ

 Guide ガイドページに戻ります。
 呼出(off) 画像呼出のためのスイッチです。
 KEEP 画像をKEEP.bmp として一時保存します。ゴブリンアートが終わるときに削除されます。
 SAVE(on) 画像を保存するための予約スイッチです。解析前にクリックしておくと、解析後に、画像を保存するダイアログボックスを呼び出します。
 mixSAVE(on) ウェーブレット解析の結果と元の画像の平均合成(mix)を作ったときに保存することを予約するスイッチです。解析前にクリックしておくと、解析後に、画像を保存するダイアログボックスを呼び出します。
 off ここをクリックすると解析をしません。ウェーブレット解析の種類を選ぶときや、振幅や基礎などの指標を細かく設定するとき、ただちに解析を始めてしまわないための、解析保留のためのスイッチです。
 mix ウェーブレット解析の結果と元の画像の平均合成を作ります。
 on 解析保留のoffを解除して、解析を進めるためのスイッチです。画像を呼び出したときや、「分類」で下部ページを移動したときは、自動的にoffスイッチが入りますので、おや、解析が始まらない、と思ったときは、このonスイッチをクリックしてください。
 様式 Nor Ant Nor は正常モードで Ant は反転モードです。Nor を使うことはほとんどなく、通常は Ant のモードで進めています。
 分解 Not 対象画像を、赤版、黄色版などに分解するときに指定します。下にあるBlue … Mznt と組み合わせて使います。このウェーブレット解析を構成していたころには、色収差を調整する技法がなかったので、それぞれの色版でどのように解析できるかを、これらのスイッチで調べていたわけです。
 色版 3C Gray 基本はGrayで、ウェーブレットの解析結果を、濃淡値(Grayと記号化)を使って再構成します。3Cでは、赤緑青の色ごとにウェーブレット解析します。
 Blue … Mznt 青版、緑版、赤版、黄色版、水色版、藤色版を選びます。
 振幅 ウェーブレット解析の強さを指定します。
 基礎 基礎色を指定します。この基礎色の使い方は、ウェーブレット解析の種類ごとに異なっています。統一的な指針はありません。
 変化 T U V 解析結果の配色を変えます。
 分類 ウェーブレット解析の種類を選びます。3から17の数字は、ウェーブレット関数のマトリックスにまつわる数字です。3だと、3×3のマトリックスを使ってウェーブレット関数を構成しています。17のときは17×17となります。
 ウェーブレット解析の種類としては、RTから始まって17Xまで、たくさんありますが、これらについての説明は割愛させてもらいます。
 Χ15やΧ17など、大きなΧは、英語のエックス(X)ではなく、ギリシャ語のカイ(Χ)です。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, November 26, 2017)

 

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