GA29 光学顕微鏡とゴブリンアートで血液を見ると…
When I see my blood by optical microscope and goblinart

黒月解析研究所 & 西尾美術研究所

ゴブリンアートブランチページへ戻る

 はじめに

 ゴブリンアートの改良と、そのマニュアルページの編集などに打ち込みすぎて、ついついおろそかになっていた、ご先祖様のお墓の掃除に向かったら、もう枯れてしまっている草花の茎だけが残って、腐った汁のようになっていました。花生けの容器を取り外し、水で洗い、墓石の周囲に生えていた雑草を始末して、とりあえず、新たな榊の枝などを、自宅の中庭に取りに帰ろうとしたら、狭い墓石の隙間に指を突っ込んだためだと思われますが、左手の小指の爪の根元のあたりに擦り傷ができて、うっすらと血がにじみ出していました。この傷口が閉じてしまわないように、少し水道水で洗って、急いで家に帰り、準備してあったスライドガラスに、やや濃くなってきた血を一滴なすりつけ、カバーガラスをかけました。これでは新鮮ではないと考え、傷口の周囲を少しもんで、中から新たな血を絞り出し、別のスライドガラスに落とし、カバーガラスをかぶせました。
 こうして、私自身の指からにじみ出た血のサンプルが得られたので、さっそくそれを光学顕微鏡で観察し、撮影しました。

 血液の中にあるもの

 次の図1は、対物レンズx40として、1000万画素のデジタルカメラで撮影した画像の16枚目です。このモードで32枚記録しました。
 注射器で吸い出したのではなく、指の表皮の破れ目から絞り出したからか、赤血球が自由に動き回る状態ではなく、束ねたコインのように、ぎゅうぎゅうに集まっています。これが何らかの病気の兆候だったら、ちょっと心配になってしまいますが、とにかく、赤血球はたくさんあります。

図1 画像16(対物レンズx40, 1000万画素)

 赤血球が束になって集まっていますので、その隙間に血漿が満たされているようです。
 その血漿のところどころに、くっついていない赤血球があります。
 そのあたりをねらって、画像16から切り出したのが、次の図2です。図1も図2も、ここにおさめるために縮小しています。
 1000万画素もある画像16を、(縮小せず)通常に画素を表示するディスプレイで表示するとしたら、縦横66cm×85cmの大画面となります。図1の縮小率は0.2くらいです。
 次の図2では、縦横25cm×40cmの原画像として切り出したものを、ここに収めていますので、縮小率は0.4くらいです。

図2 画像16A(画像16からの切り出しのA)

 次の図3は、このスペースへ入れたとき、もとの画像に対して等倍になるよう、小さめに切り出したものです。

図3 16Aからの切り出し[1]B([1]は等倍)code=16A[1]B

 中央斜めに3つ並んでいるのは、赤血球のようです。中央にあってハローをもっているものは、ピントの深度があっていないための、ぼんやりとしたイメージだと考えられます。右下のほうにも、複雑に重なり合った赤血球があります。
 これらの赤血球より小さめで、球体のような形状であり、表面に明るい点をもっているものが2体あります。図2の下の左右に、さらに2体ありますので、次の図4と図5として切り出しました。
 どうやら、これらはリンパ球のようです。白血球の仲間として分類されるもののようです。T細胞とかB細胞と呼ばれるリンパ球があるということは、はるか昔の大学生のころ学んだ覚えがありますが、こうして、実際の写真を見たのは初めてです。



 光学顕微鏡で観察しながら撮影し、それらの粒子の動きを見ていましたが、アメーバ運動をしている白血球らしきものは見当たりませんでした。
 くっついてしまった赤血球の団塊は、ほとんど動きません。
 その隙間の血漿のところが、海峡のようになっていて、わずかに流れが生じていることもあり、粒子が、その流れに乗って動いているようでした。
 そのような、自然現象のような、全体的な流れがあると認識して眺めていましたが、ふと、これらの、ぐりぐり頭のリンパ球が、その狭い海峡を、一度向かった方向とは逆に戻ることがあるということに気がつきました。
 どうやら、このリンパ球たちは、全体の流れとは独立に、うろうろと移動しているようです。
 肉眼で観察するときは、対眼レンズx10を使っているので、ここにおさめた図1のイメージを見ているような状態です。血漿の中に小さな粒子があって、動いていないか、と目をこらして見たのですが、そのようなものは見えませんでした。
 ところが、対物レンズx1000に対応する、1000万画素の画像を見ると、0.4倍の図2や等倍の図3に、ごくごく小さな、白く光る粒子があると分かります。
 次の図6は、図2の右上のほうにある、小さな白い粒子のところを切り出したものです。
 これの正体は、まだ分かりません。探しているソマチットという可能性もありますが、別の何らかの粒子が光っているだけという可能性もあります。

図6 16A[1]E 

 赤血球

 実は、これ以外にも、いろいろなものが見つかりましたが、それらをすべて取り上げようとすると、終わりの見えないページとなってしまいます。
 ここでは、図2や図3に写っている赤血球を一つ取り上げて観察します。
 次の図7は、画像16Aでの[4]倍拡大画像のA(一つ目)です。中央にあるのが赤血球です。この画像の横幅は33ミクロンとなります。ここから、この赤血球の直径を求めると、8ミクロンとなります。

図7 画像16Aでの[4]倍拡大画像のA code=16A[4]A (この画像の横幅は33ミクロン)
(画像をクリック → 拡大解析原画像へ)

 ゴブリンアートの基礎的な解析法を利用して、画像の細部を分かりやすくします。
 次の図8は(図7の)プリズム4解析と光核(98-214)解析です。
 プリズム4解析で、色収差を減らしています。そして、光核(98-214)解析で、濃淡値0-97の暗い部分と濃淡値215-255の明るい部分を取り去り、その間にある、濃淡値98-214の部分だけを残して、0-255のもとのキャンバスに広げ直しています。

図8 (図7の)プリズム4解析と光核(98-214)解析 code=16A[4]Ap4_LC(98-214)
(画像をクリック → 拡大解析原画像へ)

 次の図9では、図8の赤血球部分をとらえつつ、[2] 倍拡大してから、双ゴブリンアイM解析を2回行っています。

図9 (図8の)[2]倍拡大の双ゴブリンアイM2解析 code=16A[4]Ap4_LC(98-214)[2]_GE(M2)
(画像をクリック → 拡大解析原画像へ)

 赤血球の中央のパターンは、外側の領域のパターンに似ていますが、少し大きいようです。なるほど、赤血球の内部には、核もミトコンドリアも無いようです。この赤血球の向こう側が見えていて、しかも、少し拡大されているのでしょうか。あるいは、この赤血球の底のあたりの様子なのかもしれません。
 横から見た他の赤血球のイメージから、ここで赤血球は、よくイラスト化されているような、中央が内側にへこんだ凹レンズのようになっているのではなく、ベレー帽のような形になって、凸レンズのような作用をしているようです。
 周囲の暗いリング部分は、こちらに光が届かず、外側へと曲げられてしまっており、その縁から少し内側の明るい部分は、光が内側気味に集められているのだと理解できます。
 この画像(図9の、できれば、拡大解析原画像)をじっと見ていると、まるで、台所で使う、透明のボールのような形状に見えてきます。ただし、内面はつるつるではなく、ざらざらした感じで、かすかな凹凸で満たされています。電子顕微鏡画像では、金属を吹き付けてから撮影することが多いため、赤血球の内部を見ることはできないと思います。核もミトコンドリアも無いとはいえ、内壁がこのようになっているということが分かったのは、ひょっとすると、初めてのことかもしれません。

 この部分については、ここでさらに調べたいところですが、内容が多くなりすぎてしまいそうなので、ここまでとしておきます。
 白血球、リンパ球、血小板、何らかの繊維物質、などなどについて、他の画像として記録してありますが、ここで説明しだすと、終わりが見えなくなりますので、分かりやすくまとめながら、別のタイトルのもとで示してゆこうと思います。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, November 23, 2017)

 

ゴブリンアートブランチページへ戻る