GA37 ゴブリンアートで ここまで 見えます(3)微生物
You can see it with goblinart so far(3)Microorganism

黒月解析研究所 & 西尾美術研究所

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 はじめに

 「微生物」とタイトルづけしましたが、具体的なサイズを述べると、数ミクロン以下の「微生物」です。「プランクトン」の多くは、数百ミクロンから数十ミクロンのあたりのサイズです。
 それでは、数ミクロン以下の「微生物」には、どのようなものがあるのでしょうか。
 代表的なものは、おそらく、細菌(バクテリア)だと思われます。有名なものとして、大腸菌、枯草菌などがあります。
 よく知られている「乳酸菌」について、光学顕微鏡で調べていたのですが、ヨーグルトに入っているという、特殊なコード名がついた「乳酸菌」は、確かに「細菌」の一種とみなせるサイズでした。しかし、「乳酸菌のお酒」として市販されているものに入っていた微生物は、「細菌」ではなく「酵母菌」ではないかと思えるものでした。
 おや、と思ってウェブで「乳酸菌」を調べると、この言葉は生物学上の分類名となっているものではなく、「乳酸を生み出す菌」というものについての、ある種の「あだな」のようなものだということでした。
 生物学上、「酵母菌」は「真核細胞」で、「細菌」は「原核細胞」です。おおきな違いはDNAが核膜でとじこめられた核に入っている(真核細胞)か、入っていない(原核細胞)か、ということです。光学顕微鏡で「酵母菌」を観察すると、細胞の中に「核」が見えてきます。
 「原核生物」の「細菌」を光学顕微鏡で見ると、その中にとくべつな構造が見えてこない、というのが、これまでの「常識」だったと思われます。「細菌」の内部を見るためには、電子顕微鏡を使うしかない、とも考えられてきたことでしょう。しかし、電子顕微鏡で観察するためには、事前の準備が必要で、そのため、その対象生物を殺してしまわなければなりません。
 光学顕微鏡で観察するときも、色々な染色法が開発されてきましたが、このときも、対象となる生物を殺してしまいます。
 これまで微生物学で、細菌について、生理学的なことがいろいろと調べられてきていますが、そのようなことができるのは、寒天培地の上で増殖して、コロニーとして分離できるものに限られてきました。
 ところが、細菌の中には「培養できないもの」が、まだまだ多くあって、それらをまとめて「雑菌」と呼ばれている状態です。
 実は、生きている微生物の中には、光学顕微鏡で観察しているとき、液体の流れやブラウン運動によるものではなく、みずから動くものがいるのです。
 おそらく、光学顕微鏡下で観察される、ウミヘビが泳ぐように動く、細菌サイズの微生物は、条件が満たされた寒天培地が生み出されたとしても、コロニーとしてまとまったりしないのではないでしょうか。
 ちょっと書き込みすぎました。
 動くか動かないかはさておき、核が(存在しないので)見えない、原核細胞の、細菌とみなせる微生物について、ゴブリンアートで、どこまで見えてくるのか、これから試みてゆきます。

 キムチ汁の連鎖桿菌

 図1は「2017-11-17, x40塩増キムチ汁(外)」の画像2です。
 「塩増キムチ汁(外)」の意味は、キムチの残り物に白菜などを加えて塩も振り、冷蔵庫ではなく、室内に放置したもの(内容物は食べましたが)の、残り汁です。
 画像2は、この汁を、対物レンズx40、1000万画素のデジタルカメラで撮影したものの2枚目ということです。ここに収めるため、およそ0.2倍に縮小しています。
 図2は、この画像2からの切り取り画像2Aです。ここに収めるため、およそ0.4倍に縮小しています。

図1 「2017-11-17, x40塩増キムチ汁(外)」の画像2

図2 (画像2からの切り取り)画像2A

 緑色で丸い微生物は、おそらく「酵母菌」だと考えられます。
 細長いものが「桿菌」と呼ばれる「細菌」のようです。2つ以上の桿菌がつながっているものは「連鎖桿菌」となります。
 もっと小さくて丸いものは「単球菌」と呼ばれるそうです。これが2つくっついていると「双球菌」、3つ以上つながっていると「連鎖球菌」、紐のようにつながっているのではなく、集まってくっついていると「ブドウ球菌」なのだそうです。
 単球菌より少し長細いものは「短桿菌」で、とても長いものになると「長桿菌」というそうです。
 図2には、「ブドウ球菌」と「長桿菌」は見られませんが、他のものはいるようです。
 ほかに、「らせん菌」というものがいるそうですが、ここでは見られません。
 もともとはキムチ汁なので、これらの細菌の中には、乳酸菌と呼ばれるものがいるのでしょうが、どれが乳酸菌なのか、そうではないのかは、よく分かりません。

 今回は、図2から、次の図3を取り上げます。
 図4は図3を右90度回転したものです。この連鎖桿菌の、2つの桿菌を、それぞれ調べるために準備しました。

図3 連鎖桿菌 code=2A[8]A
(この画像の横幅は17ミクロン)

図4 連鎖桿菌 code=2A[8]A(R) 
((R)は右に90度回転の意味)

 連鎖桿菌の桿菌2AABの解析

 図3で、少し曲がっていて、ウインナーのような形の桿菌について [4] 倍拡大したものが、次の図5です。この桿菌を「桿菌2AAB」と名づけておきます。この画像の横幅は4ミクロンなので、「桿菌2AAB」の長さは3ミクロンくらいです。

図5 連鎖桿菌の桿菌2AAB code=2A[8]A[4]B
(この画像の横幅は4ミクロン)
(画像をクリック → 拡大解析画像へ)

図6 桿菌2AABのサラダ6解析 code=2A[8]A[4]B_salad6

(画像をクリック → 拡大解析画像へ)

図7 桿菌2AABのサラダ6解析(×2) code=2A[8]A[4]B_salad6_salad6

(画像をクリック → 拡大解析画像へ)

 桿菌の内部が見えてきました。これはリアルな画像です。
 実際に撮影されたものは図5です。[8][4]=[32] 倍に拡大してあるので、この処理にともなって、ぼんやりとした「色のカスミ」がおおうことになります。また、光学顕微鏡のネックのひとつである、色の分散が生じて、多彩な画像になっています。
 クッキング解析では、その内容の一つにプリズム変換が含まれていますので、色の収差が少なくなります。
 クッキング解析のサラダ6解析を1回行って図6に、さらに1回行って図7としていますが、同じ解析を行ったのはたまたまで、他の組み合わせのほうが見やすくなるという可能性もあります。

 連鎖桿菌の桿菌2AAAの解析

 図4で、やや傾いてのびている桿菌について [4] 倍拡大したものが、次の図8です。この桿菌を「桿菌2AAA」と名づけておきます。この画像の横幅は4ミクロンなので、「桿菌2AAA」の長さも、ほぼ4ミクロンです。

図8 連鎖桿菌の桿菌2AAA code=2A[8]A(R)[4]A
((R)は右に90度回転の意味)(この画像の横幅は4ミクロン)
(画像をクリック → 拡大解析画像へ)

図9 桿菌2AAAのサラダ6解析 code=2A[8]A(R)[4]A_salad6
(画像をクリック → 拡大解析画像へ)

図10 桿菌2AAAのサラダ6解析(×2) code=2A[8]A(R)[4]A_salad6_salad6
(画像をクリック → 拡大解析画像へ)

 こちらの桿菌でも、内部の様子が見えてきました。
 まだまだぼんやりとはしていますが、内部に何か、まとまりのあるものが存在しています。
 これまで、このような微生物は、図5や図8のあたりか、何らかのコントラスト解析によって、図6や図9のような画像として見られていたはずですから、これらの微生物の内部について、光学顕微鏡の画像で調べられることはなかったのかもしれません。
 もっと詳しい画像なら、電子顕微鏡で調べられているはず、という考えで上書きされてしまっていたことでしょう。
 しかし、電子顕微鏡で撮影するためには、(あまり詳しいことは知りませんが)金属でコーティングするようですから、内部が見えるようにはならず、いちばん外側の形だけが見えるはずです。
 このような内部パターンを見せる、これらの微生物は、ほんとうに、これまで言われていたような、原核生物としての細菌(バクテリア)なのでしょうか。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, December 6, 2017)

 

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