GA58 ドーム領域をもたない2つのソマチットパターン
Two Somatid Patterns without Dome Area

黒月樹人(◇田中タケシ)黒月解析研究所

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 はじめに

 ソマチットについて調べています。
 ソマチットと名づけられたものの、確かな正体のようなものが、まだ明らかにされていません。
 操作的に確認できることと言えば、血液の血漿中に、ごくごく小さな粒子で、明らかにブラウン運動ではないパターンで動き回っているということでしょうか。
 もっと大きな粒子として、血漿中で自由に動いているものとして、白血球の仲間があります。マクロファージ、顆粒球、リンパ球などです。
 それらに比べて、ソマチッらしき粒子は、それらのサイズの1/10以下しかなく、通常の光学顕微鏡で観察しても、ぼんやりとした小さな粒子であるということぐらいしか分かりません。
 ソマチットについての研究を数多くこなしてきたガストン・ネサンが生み出したソマトスコープという、特殊な顕微鏡においてソマチットは数多く観察されてきましたが、それらの記録画像について調べてみたところ、ソマチットは依然ぼんやりとした小粒子でしかありません。
 ソマトスコープや通常の光学顕微鏡ではなく、もっと分解能の高い電子顕微鏡で観察すれば、というプロセスには大きな問題点があります。電子顕微鏡のシステムとしての手順として、対象物に金属蒸気を吹き付けて固定しなればならないのですが、このとき、ソマチットとしての対象物は、単なる小さなゴミのようになってしまいます。固定されてしまうため、動くことができず、それがソマチットとしてのゴミであるかどうか、確認することができません。
 もうひとつの問題点として、ひょっとすると、ソマチットが、他の小さな生物である細菌のような、外界との境界としての細胞膜を持たないのではないかということがあります。
 細胞膜を持って外界との境界をもつ細菌を電子顕微鏡で撮影すると、細長く丸みを持った風船のようなものが記録されます。繊毛などの外部の突起物が確認できることもありますが、細菌はただの袋として記録されているだけで、内部のことは何も分かりません。
 たとえば、私たち人間が寝袋の中に入っているところを撮影して、寝袋だけが写っているようなものです。
 細菌や血液の白血球などを光学顕微鏡で観察するとき、ぼんやりとではありますが、内部のことが分かることがあります。細菌や白血球を殺すことになってしまいますが、染色することで、核の様子が見えやすくなるようです。
 ただ単に目視するだけでなく、デジタルカメラで写真やビデオに撮影することができるようになっていますから、小さな対象物でも、かなり大きくして見ることができるようになってきました。
 このとき、解析システムの技術により、小さな画素をそのまま大きくしてモザイクパターンとするのではなく、フィルム写真の拡大のように、なだらかな変化をもつ画像として見ることができます。
 ただし、これまでの技術では、小さな対象物を大きくすればするほど、全体がピンボケ状態になってしまいます。
 ここであきらめてしまわないのがゴブリンアートです。
 人間の眼では識別できない、かすかに変化するグラデ―ションパターンの、各濃淡値について、意図的に異なる配色を指定することにより、そのグラデーションパターンの違いを見分けることができるようになってきました。
 このような解析法により、ソマチットと推定される小粒子や細菌、あるいは白血球などを観察すると、それらのぼんやりとした、まるでカスミか雲のようなものの中に、単なるグラデーションパターンとは思えない、複雑な形状が現れてきました。
 それが、ほんとうに、ソマチットの正体であるかどうか、まだ確認する手続きがないので、それらをソマチットパターンと呼ぶことにします。
 今回取り上げるのはドーム領域をもたない2つのソマチットパターンというものです。

 解析対象

 解析対象としたのは、2019年2月15日に、私の左手中指の、爪の少し後方の皮膚にできた傷からしみ出した血液です。あまり多く出たわけではないので、傷の周囲をもんで、絞り出すようにしてプレパラートに擦り付けたので、血液というより、リンパ液だったのかもしれません。
 観察して分かるように、赤血球はほとんど見当たらず、白血球の種類である、顆粒球(ぶつぶつがある)と、リンパ球(同じくらいの大きさで、ぶつぶつがなく丸い。赤血球に形は似ているが、赤血球はもっと大きい)だらけです。
 血漿中を自由に動き回る、自由ソマチットは確認できませんでしたが、写真撮影した後で、ゆっくり観察してみると、顆粒球にくっついているのか、それらの隙間にいるのか、ところどころに、赤みのある小粒子が見つかります。
 図1の原画像は、接眼レンズ×10、対物レンズ×40の×400で撮影してあります。図1の中に描いてある赤い枠は、ゴブリンアートの [16]倍の領域です。このとき、この赤枠の長方形の長いほうの辺(横の辺)の長さは、ほぼ8マイクロメートル(ミクロン)です。 

図1 2019-02-15撮影の血液(おそらくリンパ液) 対物レンズ×40
(ぶつぶつのあるものが顆粒球で無いのがリンパ球らしい。赤血球は見当たらない)

 図1の [16] の枠をゴブリンアートのマップで拡大したものが、次の図2です。このときの長辺の長さが8ミクロンでした。
 この画像において、さらに [8] 倍の拡大枠を、赤、緑、紺の3色で指定しています。
 図3から図5は、この部分を拡大したものです。
 このとき、さいしょの画像(図1)を基準とすると、[16][8]=[128] 倍となりますが、このときの長辺の長さは1マイクロメートルとなります。
 1ミクロンの下の単位はナノメートル(nm)で、1μm=1000nmとなります。図3から図5では、この単位は使いませんが、それについてゴブリンアートで解析した、図6以降では、現れてきたパターンのサイズを表現するには、ナノメートルという単位が必要となります。

図2 白血球(おそらく顆粒球)付近の赤い小粒子(赤い枠)と、
赤いぼんやりとした影のようなもの(緑と紺の枠)

 赤い粒子A(赤い枠)
 図2の [8] 倍の赤い枠の領域を拡大すると、次の図3のようになります。このとき、なめらか補間処理をほどこしているので、単純に拡大するだけなら、ほんとうは見えてくるはずの、モザイク状の画素は現れません。そのかわり、このような、ピンボケ画像のような、人間の視力としては、カスミか雲とでも表現するしかないものとして見えます。

図3 赤い粒子A(赤い枠)

 やや薄赤の粒子(うす緑色の枠)
 うす緑色の枠を拡大すると、図4のようになります。さらに、何が何だか、よく分かりません。

図4 やや薄赤の粒子(うす緑色の枠)

 ぼんやりと赤みのある領域(紺色の枠)
 図2の紺色の枠のところ拡大すると、次の図5となりますが、ここに何かがあるとは、おそらく誰も思わないことでしょう。
 ところが、これらの画像の中にある、かすかな色の違いをとらえて、人間の目で識別できる、意図的に異ならせた色へと変換すると、いろいろなものが見えてくるのです。

図5 ぼんやりと赤みのある領域(紺色の枠)

 ストライプ解析

 今から2年ほど前には完成してあったストライプ解析で、上記の図3から図5を調べたものが、次の図6から図8です。この解析法は、10年も前からあったコンター解析を一般化したものです。

 赤い粒子A(赤い枠)
 ストライプ解析で調べてみると、この赤い小粒子は、中心部分に何か複雑なパターンをもっていることが分かりますが、その周囲は、なだらかなグラデーションパターンとなっており、周囲の血漿部分との境界のようなものをもっていないということが分かります。
 ここでは取り上げませんが、腐った肉汁のようなものの中にいる細菌などでは、このような解析で、細胞膜らしき境界部分をもっていることが確認できます。

図6 赤い粒子A(赤い枠)(図3)のストライプ解析(ash-step2)

 やや薄赤の粒子(うす緑色の枠)
 この小粒子では、周囲のグラデーションパターンの一部に乱れのような部分がありますが、何らかの組織とみなせるものではありません。
 そして、中心部分に、小さいながらも、複雑なパターンが現れています。

図7 やや薄赤の粒子(うす緑色の枠)(図3)のストライプ解析(ash-step2)

 ぼんやりと赤みのある領域(紺色の枠)
 次のストライプ解析は、図5ぼんやりと赤みのある領域(紺色の枠)を調べたものです。
 図5からは、ここに、こんなに複雑で、ナノメートルの単位として巨大な何かが、しかも2体(と言ってよいものかは、よく分かりませんが)存在しているとは、夢にも思っていませんでした。
 図6から図8の枠は同じサイズで、横の長辺は1ミクロン、すなわち1000ナノメートルです。
 すると、図8に現れている、楕円のパターンの長軸は300ナノメートルくらいで、その右の細長いパターンの長軸は500ナノメートルほどもあります。
 図6や図7に見られる、中心のやや複雑なパターンの長軸は100ナノメートルくらいしかありません。これらは、周囲のグラデーションパターンの組み合わせで生まれた、何らかの偽像と見なされてもしかたのない存在感ですが、図8のパターンは、そのような解釈を許しそうにありません。

図8 赤い粒子A(赤い枠)(図3)のストライプ解析(ash-step2)

 フリーゾーン18HCXmat解析

 ストライプ変換に対して、そこからの流れで生まれた、各種(色の分割数)の色加味変換は、本質的に大きな違いはなく、単に色を意図的に変えて、一様な配色の画像から、何らかの意味を見出しやすくしたものです。
 これに対して、百色マットと百色アートから始まる解析法は、色の置き換えの基準を、単に濃淡値とするのではなく、もとの画像の色の傾向に応じたものにしようとしたものです。
 コンピューターで使う色の基準は0から255の256段階です。
 それを32分割でやりくりしようしたのが、百色マットと百色アートでした。
 この流れで、64分割 → 128分割 → 256分割 へと拡張してゆきました。このとき、配色のデータベースのサイズが大きくなりすぎたため、ゴブリンアートのプログラム内に抱え込むことができなくなったため、外部保存して、使うときだけ読み込む方式を取り入れることにしました。
 256段階の色を(そのまま)256分割として、7配色を同時に使うものが、千八百色ミックスマット(18HCXmat)解析です。そして、その頭にフリーゾーンがつくものでは、この変換処理を行うゾーン(濃淡値の幅)を自由に(フリー)指定できるようにしました。
 このフリーゾーン指定濃淡値以外の部分は、いろいろに指定できるようにしてあります。この後の解析では、もとの画像の状態としました。

 赤い粒子A(赤い枠)
 赤い粒子A(赤い枠)のフリーゾーン18HCXmat解析による中心の異質なパターンだけを、別の配色としたものが、次の図9です。

図9 赤い粒子A(赤い枠)の
フリーゾーン18HCXmat解析による中心の異質なパターン

 やや薄赤の粒子(うす緑色の枠)
 同様に、フリーゾーン18HCXmat解析による中心の異質なパターンを、別の配色で描きました。

図10 やや薄赤の粒子(うす緑色の枠)の
フリーゾーン18HCXmat解析による中心の異質なパターン

  ぼんやりと赤みのある領域(紺色の枠)
 ぼんやりと赤みのある領域(紺色の枠)のフリーゾーン18HCXmat解析による異質なパターンを、別の配色とした図11を見ると、これらの異質なパターンが、自然な何らかの物理現象として生み出されたとは考えられません。
 いったい何が何を表しているのかということは、まだ何とも言えませんが、これらの複雑なパターンが、どのようにして生み出されるのかということを思うと、これらのパターンが、生命現象として生み出されたと考えたくなります。

図11 ぼんやりと赤みのある領域(紺色の枠)の
フリーゾーン18HCXmat解析による異質なパターン

 全体として見た、これらの異質なパターンをもつ粒子の関係
 図2の右上で [2] 拡大領域を指定して拡大したものが、次の図12です。向かって左下に赤枠の粒子が、右上に緑枠の粒子と紺枠のカスミが含まれています。
 この図12を図Qと呼んで、フリーゾーン18HCXmat解析したものが、図13です。
 これを観察すると、赤枠の粒子と緑枠の粒子が、中心の小さなユニークパターンの周囲に、広いグラデーションのパターンをもっていることがわかります。これらは、おそらく、何らかのメカニズムでドームのようなもの(あるいは立体的なゼリーのような塊)が形成されていると思われます。
 これに対して、紺色の枠にあった、巨大で複雑なパターンのものたちは、そのような、支配領域としてのドームのようなものをもっていないように見えます。
 これが何故なのかは、まったく分かりませんが、何か、このあたりのところに、ソマチットパターンがもつ、謎のてがかりのようなものがあるのかもしれません。

図12 図2の右上[2]拡大画像(長辺は4マイクロメートル)(図Q)

図13 図Qのフリーゾーン18HCXmat解析

 (Written by KLOTSUKI Kinohito, Feb 24, 2019)

 

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