月のMURAエリアについて

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito)

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 「黒月樹人のホームページ」が何日か更新されなくなると、グーグルの検索ロボットから、ある種のメッセージが届く。もちろん、そんな命令はなされていないのだろう。ひょっとすると、何らかのバグなのかもしれないが、「黒月樹人のホームページ」のキャッシュの画面が、最新のものから、数日前のものへと戻ってしまうのである。ああ、また催促されている。私は、せっせと新しいページを生み出し、「黒月樹人のホームページ」に加え、そのツリーページ(トップページ)をリニューアルする。
 ここ最近、私が「黒月樹人のホームページ」をまったく更新してこなかったのには理由がある。お気づきの人もいるかと思われるが、別のサイトの構築に、エネルギーと、なによりも時間を注いでいるからだ。
 「エピソードMURA」というサイト[1] だ。このサイトの萌芽は、もちろん「黒月樹人のホームページ」にあった。ここで学んだことや、ここで芽生えたものが幾らか引き継がれている。
 「黒月樹人のホームページ」の中には、正確に数えたことはないのだが、1000〜2000の間の数のページファイルがある。これらは、幾つものパターンに分類できる。形式的に、ではなく、内容的に、である。それはまるで、「黒月樹人」が(意識の連絡がある)多重人格者であるかのような現象だ。しかし、実のところを言うと、「黒月樹人のホームページ」は、これでも、ずいぶん多くのものを削り落してきているのである。
 私自身が「黒月樹人のホームページ」で伸ばそうとしてきた「枝」の幾つかは、その成長を途中で止めている。私が使える時間が少なすぎるからだ。一人の人間として、(この星の)この世界の中で生きてゆかなければならないし、脳みそが難しいことを考えられる「生理的な限界時間」というものも、けっこう限られている。
 そこで私が考えたのは、これらの「枝」を、ほかの誰かにゆだねてしまおう、ということだ。この「枝」というのは、まったく私のものとは限らない。そのような「枝状突起」を伸ばせることができる、ほかの誰かに、同じような活動を勧めてゆこうということなのだ。つまり、ウェブ空間に「知的活動の森」を増やしてゆこうと考えたわけ。
 そんなこと、ほおっておいたら、勝手になるさ。そう思う人もいるかもしれない。そうかもしれない。でも、それでは、どこに向かってゆくのか分からない。自由主義経済システムでは「神の手」が働くと、誰かが言ったらしいが、実際には「人間の全体意識による手」が働いていただけのようで、バブルになって破裂してと、明らかに愚かな面が現れてきている。
 ウェブの世界にも「インターネットの神」がいるはずだと思われているかもしれない。しかし、おそらくそれは、私たち「人類の全体意識」が生み出す意志のようなものが、何らかのメカニズムで影響しているのだろう。ある本に、「インターネット神話世界」の「司祭」の役目をグーグルが行おうとしていると書かれてあった。ちょっと SF小説っぽい設定に見える。
 インターネットシステムのウェブの世界は、どんどん変化しているし、この星の何かを変えようとしている。グーグルは、その動きをなめらかなものとし、ある種の向き付けを行なおうとしているかもしれない。しかし、あくまで、「意志」となってゆくのは、「人類の全体意識」である。単なる個人や、部分的な集団だけで決まるものではないだろう。とはいえ、何かを「発言」し、行動することによって「参加」することはできるはずだ。
 グーグルは、ウェブ世界にあるページのコンテンツを、その「存在意義のようなもの」を評価できないかと、アルゴリズムを進化させようとしているように見える。これにより、これまでうずもれていた「考え」や「行動」のことを記したページが、検索ワールドの上位に浮かび上がるようになった。「これは、ひとつの変革の兆しだ」と、私は思った。
 こうして、「より深く強い意味をもつページ」が、これまでよりたやすく、正当に評価されるようになったのだが、かんじんの、「より深く強い意味をもつページ」というものが、まだまだ少なすぎるし、なによリ、それらは、バラバラになってしまっている。
 それらが集まり、次々と、新しく若い「芽」としてのページを生み出せるようにと、より多くの人が参加できるサイトを作ろう。ひとつ目は「エピソード MURA」。まだ、これだけしかないが、これがうまくいったら、他の人たちが、似たものを、別の名前で生み出してゆくかもしれない。それは良いことだ。私たちは、それなりに、世界が向かうところへと、意見を述べてゆくべきだし、生きてゆくリアルな活動の中で、そのような意図を実行して行くべきだから。
 「月の MURAエリア」というのは、「黒月樹人のホームページ」の中で、上記のような活動を行うところとしたい。これまでの「キメラミーム( Chimera Meam)」や「クールペッパーページ( CPP)」のエリア(構造的にはブランチページ , Branch Page)とは、主旨や内容が違うということを意識するための名称である。
 「エピソード MURA」でも、私は「黒月風物探査基地」というエリアを、「デザインエピソードムラ」の一人として担当するが、この「エピソード MURA」サイトにおける私のポジションは、「このサイトが発展してゆくためのサポートをする」というところにある。ある種の社会に参加するというのは、ある種のルールの中で活動するということでもある。これはこれで面白いものなのだ。
 ところが、日時用生活での不自由さの穴埋めをしようと、夜に眠って夢を見るように、人(の、おそらくタマシイ)には、もう少し自由にふるまうところが必要だ。私にとっては「月の MURAエリア」が、そのようになるかもしれない。


(2010.12.29 Written by Kinohito KULOTSUKI [@] KULOTSUKI ANALYSIS INSTITUTION)

参照資料
[1] エピソードMURA http://episodemura.com/

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