月食の空に現れた空気の精シルフ
(Oc2)Air Elemental Sylph in Moon Eclipse Sky

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito)

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 2011年12月10日の月食の空に現れた「暗い空気の精シルフ」

 2011年12月10日の深夜、月は地球の影に隠れ、そして、再び現れた。図1は、地球の影が月から離れようとしているところのワンショット(原画像は[1])である。月の大気を観察するときの習慣で、カメラの絞りは解放ぎみの状態にしてある。月面は真っ白に輝くことになる。いつもの月なら、この影のところが、もっと暗いのだが、月食時には、地球の大気を通ってきた、赤い光が、かすかに月面のパターンを浮き上がらせている。
 この図1を詳しく見ると、月の光に照らされ、少し明るくなっている夜空の中に、幾つかの「暗い斑点」があることに気づく。図1の赤色枠の部分を拡大したものが図2 (a) である。図2 (b) は、色のバランスを整えるPeach解析によるもの。


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 図2 (b) の画像をさらに拡大(+なめらか補間処理)し、これによって生じる、「色のかすみ」を取り除く、ゴブリンアイ処理をほどこしたものが、次の図3である。ここでは、図2 (b) における、上側の斑点をP、下側の斑点をQと呼ぶことにする。
 図3 (a) では分かりにくいが、図3 (b) では、斑点Qが、周囲の水色の領域に対して、明確な境界をもっていることが分かる。いずれも、よく似た形状と特徴をもっている。
 図4は、これらのコンター解析である。0〜255の濃淡値に対して、飛値(step)2で、人工的な色へと置き換えたものである。これによると、かすかなグラデイションの構造的な様子が分かるようになる。この暗い斑点の中心部分に、まるで、卵の「殻」と「黄身」に対応するような構造がある。黄色は人工的な着色である。本質的なことは、中心までグラデイションが続くのではなく、同じ濃淡値の領域が、「殻」や「黄身」のように広がっているということである。


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 このように現れたのは2体のみではない。図1の中には、数え切れないほどの暗い斑点が写っている([1]参照)。これらが、おそらく、かねてから「空気の精シルフ」と呼ばれていたものと考えられる。このような斑点を観察すると、他の領域に対して、ぼんやりとした楕円状のものとなっている。さらに、同じような楕円状のもので、暗いものと同じように、明るいものも、近くに存在していることが分かる([1]参照)。

 2011年12月10日の月食の空に現れた「明るい空気の精シルフ」

 図1は、次の図5(縮小してあるが)から切り出したものであった。この図5において、月の光の影響から遠いところにある、赤色枠の領域を拡大したものが、その右の図6である。この図6を詳しく調べてみると、数え切れないほどの、明るい斑点が存在していることが分かる([1]参照)。図7は、「図6 赤色枠領域R」の小領域を拡大したものである。ここの中央上部にある、2つの白い斑点を図8として取り出し、図9ではゴブリンアイ解析を、図10と図11ではコンター解析を施した結果を、それぞれ示している。


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 図10のコンター解析の結果を見ると、明るい斑点として現れた、「明るい空気の精シルフ」では、周囲に対する境界に近いところに、「外殻」のような、コンター色の密になったところがある。図4にある「暗い空気の精シルフ」では、もっと中心に近いところに「殻」のような構造が見られた。こちらを「内殻」と呼べばよいかもしれない。
 図11では、中心部のみをコンター解析で描いた。なにやら、中心に複雑な構造をもつものがありそうだ。このときの色の違いは、コンター解析による人工的なものであり、原画像に由来するものではない。原画像に由来する情報は、コンターパターンとして現れた形状のほうである。

 まとめ・考察

 月食の観測画像に、「暗い空気の精シルフ」と「明るい空気の精シルフ」が、数え切れないほど現れた。これらは、周囲の空間に対して、明らかな境界をもったものであり、何らかの独立体である。おおよそ楕円状のパターンとして現れている。ゴブリンアイ解析やコンター解析で詳しく調べてみると、「外殻」「内殻」や「核(黄身のような単一のパターンや複雑な形状の中心体)のようなもの」が見出された。「暗い空気の精シルフ」と「明るい空気の精シルフ」とも、おおまかには楕円状であり、これは似ているが、コンター解析で調べた内部構造のパターンは異なっている。このような違いが、何を示しているのかを調べることができるかどうかは、まだ、よく分からない。
 さまざまな状況において現れる、これらの「空気の精シルフ」を、画像として記録し、さまざまな方法で観察することによって、共通点や相違点を見出すことが、現在可能な研究方法である。
 これまでは、伝説的なものとして、特殊な能力をもった神秘主義者のほかは、誰も見ることができないものと考えられてきたことだろう。しかし、現代科学の観測機器の一つであるカメラと、解析機器の一つであるコンピュータ、それに、そこで活躍する画像解析ソフト(具体的にはゴブリンクォーク2)を使えば、誰でも観察できるようになった。
 肉眼で見えないというだけで、その存在を否定するのは愚かなことである。顕微鏡という道具がなければ、細菌やウィルスを見ることはできなかった。「空気の精シルフ」の利点は、細菌やウィルスより、はるかに大きなものとして「見える(画像として記録できる)」というところである。
 これまで、伝説的なものと考えられていたものが、実際に画像として記録できる、実在するものであったということが分かったということの意義は大きい。私たちは、このような、「伝説的なもの」を、頭から否定して、新たな知識のための「可能性の芽」をつむべきではない。
 (Written by Kinohito KULOTSUKI, Dec 19, 2011)

 追解析

 このあと、解析技術が発展し、より詳細な情報が得られるようになった。そこで、上記の解析対象であった「暗い斑点P」「暗い斑点Q」「明るい斑点T」「明るい斑点U」についての、追解析の結果を示すことにする。


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 のちの解析で、おおよそ、これらの暗い斑点(暗いシルフ)や明るい斑点(明るいシルフ)の、中心部にある、周囲の空間に対する境界が明らかになってきた。そのことを踏まえて、新しくゴブリンアイ解析を行い、コンター解析も、本体部分の構造が分かりやすなるようにと、範囲を制限して描いた。
 まだまだ解析数が少ないので、一般的なことを述べる状態ではないが、図15(a)の「左側の明るい斑点(T)」では、本体部分と、解析により緑色となっている光輝部分との間に、図15(a)のコンター解析では白く、図14(a)のゴブリンアイ解析では水色の、ほぼ同じ色になった部分がある。これは奇妙な構造である。また、本体部分の中に、さらに領域を制限して、何らかの構造体があるように見えている。図15(a)の中の、黒と白による、線が密集していないところのことである。
 少し奇妙なパターンのTに対して、P,Q, Uのパターンはよく似ている。ほぼ楕円形のような境界をもち、その内部に複雑な模様があり、やや均一な中心部分が存在する。
 (Written by Kinohito KULOTSUKI, Jan 28, 2012)

 参照資料

[1] 地球の影が月から離れようとしているところのワンショット


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