RaN23 魂の重さ
RaN23 Spirit Weight
黒月樹人のランダムノート (Random Note by Kinohito KULOTSUKI)

 魂の重さについて調べられたことがある。この知識は「霊魂だけが知っている」という本[1]の第三章「魂の重さ」から得ている。これはメアリー・ローチ(Mary Roach)というアメリカのサイエンス・ジャーナリストによるもの。

 計測にかかる実験が最初行われたのは1901年のことらしい。アメリカのマサチューセッツ州にあった結核末期患者のためのサナトリウムでのこと。実施者はダンカン・マクドゥーガル博士という医者。患者に説明し、この実験への協力をもとめ、6名の患者について計測した。患者をベッドごと秤の上に乗せ、死期の瞬間に、重さが変化するかを観察する。この結果、一人目の患者において、死の瞬間に、「棹の端が落ちてカタンと横木を打ち、そのまま跳ね返らなかった」とある。このときの体重の減少は21グラムだったそうだ。しかし、他の5名については、このように明確な結果が得られなかったらしい。この実験結果は論文にまとめられて、1907年に「アメリカン・メディシン」誌に発表されたという。あとは、批判と、それに対するダンカン博士の反論についての物語。マクドゥーガル博士は、さらに、15頭のイヌについて実験を行ったが、このとき、死んで軽くなったイヌは一頭もいなかったそうだ。

 ヒツジについて同様の実験を行ったのがルイス・E・ホランダー・ジュニアという人で、これは2000年のこと。この時代になると、精度の高い電子秤やコンピュータを組み合わせることができる。このときの12頭のヒツジによる実験では、死亡時に一時的に体重が増えた。およそ30グラムから200グラムの間の値だが、最大値の例として780グラムというものがある。この増加は1秒から6秒続き、そのあともとに戻った。「しかし、子ヒツジ3頭トヤギの場合は増えなかった」と記されている。

 メアリー・ローチが説明する最後の一人は、デューク大学医学部教授のゲリー・ネイハム。この取材模様が記されてゆく。ここでアインシュタインのE=mc2の公式があらわれてきて、およそ「意識→情報→エネルギー→質量」の流れで、精密な見積もり値が示されつつ議論が展開してゆく。ここまでくると、この物語は泥沼に向かってゆく。アインシュタインの特殊相対性理論は完全な空論であり、ここから導き出されたE=mc2については、何の根拠もない。仮にエネルギーと質量に変換式があるとしても、これとは別のものを新たに見つけ、それを検証しなければならないだろう。ところで、現在の装置を工夫すれば、さらに精密な質量の測定は可能である。ただし、ゲリー・ネイハムが実験に用いる生物は、ヒルなのだという。これがメアリー・ローチによる文章の「オチ」になっているようだ。

 ヒルの魂について考察し、議論して計測するというのは、あまりに問題が飛躍しているように思える。イヌやヒツジでの問題が、まだ何も理解されていないのである。

 このような科学実験をプランニングする前には、可能な限り、文献調査を行うべきである。もちろん、正当な科学者たちは、このようなことについての前例となる研究が、どこかに存在したと考えられないので、試しにやってみようとしているのだ。

 魂についての文献調査を、これらのアメリカの人々は、およそキリスト教の知識の中でしかやっていない。しかし、インドやチベットの古い宗教文献や、現代数多く公開されている、幾つかのチャネリング文献も調べておくべきである。たとえ、正式な論文の参照資料のリストに加えられなくても、研究や実験のためのアイディアのヒントにはなるかもしれない。

 このようなヒント文献の一つは、RaN22で述べた「アフ」の言明。「輪廻を超えて」[2]の中で、アフは「魂の身体は実際に存在し、平均5060グラムほどの重ささえある」「手足を切断したときなどは、この魂の身体がまだ無傷なため、その手足を感じることがある」と述べている。

 「ハトホルの書」[3]の中で、ハトホルたちは、物質体としての肉体から、魂にいたるまでの、幾つかのエネルギー体について、かなり詳しく説明している。肉体に続く二番目のエネルギー体はハトホルたちが「カー(Ka)」、地球人が「プラーナ体」と呼んでいるもの。このほかにも、私たちには「感情体」「コザール体」「アストラル体」というエネルギー体があるそうだ。これらの知識は、エジプトやチベットやインドで、ハトホルたちから、地球の私たちの先祖に伝えられたようである。宗教的な空想の知識として、何もかも無視してゆくのではなく、これらの中に、新しい科学のためのヒントを読み取るべきだと私は思う。

 魂の重さを測るということについて私ができることは、ほとんど無いように思えるが、このようなカー体やプラーナ体については、これを観測できるようにできるかもしれないと私は感じている。私が開発している画像解析プログラムにおいては、これまで見えていなかったものを「見える」ようにするというのが、目的の大きな柱となっている。その試作品における解析ページの中で、どうやら、これは「カー体やプラーナ体」なのかもしれないというものを幾つか示してきた。まだ、系統的な実験と観察を行って、正式な論文のようなものへとまとめあげてはいないが、手掛かりのようなものは得ている。

 さらに私の開発目的の一つが、私たちが存在している、この空間についての、これまで知られていなかった状態を、直接観測するというものである。夜空だけでなく、昼間の風景においても、デジタル画像で色々と撮影し、これを分析してみると、これまでの科学的な知識では説明できないような、不思議なものが、幾つも写っていることが分かり出してきた。宇宙空間においては、明らかに「ダークマター」と考えられるものが、色と形をともなって、複雑な構造体の姿を見せている。これとよく似たパターンのものが、私たちの周囲の平凡な空間風景においても、分析すると、現れてくるのである。

 私は、これまで、特別な能力をもっている人だけが見ていたものを、現代のデジタル画像の撮影機器による情報と、それを様々に調べる、コンピュータにおける画像解析ソフトを組み合わせることにより、誰でもがかんたんに見られるようにしたい。アフやハトホルの言葉を、これまでも、宗教的な人々や神秘学の人々が信じて、いろいろなことを実践してきただろう。しかし、これらの人々が信じてきた知識というものが、信じるか信じないかの区別なく、単純に「見る」ことができるようになれば、この世界におけるいろいろなことが、もっとおおきく変わることだろう。実際に、いろいろなことが変わってきている。そのとき、これらの変化の由来や流れが分かるようになり、より正しい方向へと、みんなでコントロールしていってほしい。そのための情報を描きだせるようなものを、私は生み出したいと思っている。(2010_02_09)

 参照資料

[1] 霊魂だけが知っている, メアリー・ローチ著, 殿村直子訳, NHK出版2006.6.25

[2] 輪廻を超えて, ジュティー・ラドン◆著, 片桐すみ子◆訳, 人文書院, 1996.6.30

[3] ハトホルの書, トム・ケニオン&ヴァージニア・エッセン著, 紫上はとる訳, ナチュラルスピリット2003.3.23