かな入力初心者のためのキーボード配列記憶法(2)

黒月樹人(Kinohito KULOTSUKI, Tree Man on Black Moon)

RaN46 かな入力初心者のためのキーボード配列記憶法(2)

 RaN43では、かなーキーの配置を完全に覚えるための方法として、まだまだギャップがありました。そこで、このRaN46では、そのギャップを埋める工夫をしました。@〜BはRaN43と同じです。Cは少し変えました。Dが新しいアイディアです。

 @かなキーの配列を紙に書き写します。

書くことによって、少しは記憶のきっかけとなりますから、手書きでかまいません。ワープロソフトを使える人は、その方法でもよいでしょう。ただし、このとき、キー配列の「位置のずれ」を、きちんと反映してください。つまり、図1のように、「ぬ」の行に対して、「た」の行を、半分ほどずらします。さらに下の行についても、そのようにします。「を」の位置は、「わ」の上で近くにあれば、微妙な位置は問いません。

 A色鉛筆でグループ分けをします。

 「あいうえお」「かきくけこ」「さしすせそ」「たちつてと」「なにぬねの」「はひふへほ」「まみむめも」「やゆよ」「らりるれろ」「わをん」の区別で、適度に色を変えて、これらのグループの領地を囲います。余力があれば、その領地を共通の色で塗りつぶします。

 B領地図を観察し、それぞれのグループの特徴を考えます。うまくいきそうなら、その特徴を表すキャッチフレーズを作ります。

 「あいうえお」は、近くにまとまっています。特に覚える必要はないかもれませんが、私は、この状況を「愛飢え男は、上におり」と詠みました。

「かきくけこ」では、「かきく」までつながっていますが、「け」が遠くに離れています。しかし、「こ」になると、再び「かきく」の近くへと戻ってきています。「け」だけが遠くにいるのは、「けんかわかれ」したからかもしれません。そこで、「柿食えば、けんか別れの子もどる」と詠みました。

「さしすせそ」では、やはり、「せ」だけが遠くへと飛んでいて、「そ」は、再び「さしす」の近くに戻ってきています。「かきくけこ」のグループとよく似ています。違いは、と言うと、「かきく」が、左上から下と右へと、水が流れるように、自然な動きとなっているのに対して、「さしす」は、下から上へと登っています。重力による視点からは、「さかさま」の向きです。「せ」は、「せかいのはて」に行ったのだと思っておきましょう。記憶歌は「さかさまに、世界のはてゆき、そっと戻る」です。

「たちつてと」は、左端にまとまっています。「たちつ」の3文字と「てと」の2文字で、二列になっています。長いダイコンと短いダイコンのようにも見えます。「立ちつ鉄塔、たちつてと」

「なにぬねの」でも、「ぬ」が仲間はずれです。単に離れているたけでなく、かなキーの左上に位置しています。つまり、そこにいて、左の世界からの魔物を防いでいる「ぬし」となっているのです。残っている「なに」と「ねの」は、自然に近くにいるのではなく、「なに」と「のね」と読みたくなります。「なに」の向きと、「ねの」の向きは、逆になっているのです。「何?」と聞いても、「のー(NO)ね」と、拒否しているのでしょうか。「何ぬくのーね、なにぬねの」

「はひふへほ」は、もっと悲惨なことになっていて、「はひ」と「ふ」と「へほ」が、遠く離れ離れになっています。この状況を私は「はなればなれの、はひふへほ」と憐れんでいます。「ふ」は「父」の字をあてはめると、単身赴任であると理解できます。「は」を「母」とし、「ひ」を「ひよこ」とすれば、「へ」と「ほ」は何でしようか。組み合わせるなら、「へ」と「ほうひ」ですかね。これは、遠くへ行ってもらったほうがよいかもしれません。

「まみむめも」は、さらに状況がひどくなっています。「まみ」「む」「め」「も」と4分割です。この状況を見て、私は、「まみむし、目を見て、戻る」と歌いました。「む」が離れているのは、「虫」となって飛んで行ったからです。「め」を見て、こっちだと分かり、「まみ」の近くへ「も」どったということです。

「やゆよ」は、意図的にまとめられているような気がします。これらの用法が独特なものだからです。私は「屋根にある湯よ、やゆよ」とイメージしました。屋根の上にある、太陽光を利用した温水器のことです。

「らりるれろ」は、うまくまとまっています。この領地の形が「人」の文字に似ているので、「人のかたちの、らりるれろ」と詠みました。

「わをん」の「を」は「Shiftキー」+「わ」で表示できます。そこで「Shiftをつかう、わをん」と詠みました。「ん」は、かなキー配列の中心あたりにあります。「まんなかにあるんじゃ」と覚えます。

ここに、ながながと書いた、キー配列のグループごとの特徴については、私の発想では、いまいちだと思える場合、いいのが思いついたら、それを使ってください。記憶や連想のベースというものは、一人ずつ違うので、私の記憶法は、私にとって、しっくりゆくものです。参考にしてもらうのは、ここで述べたような、何らかの意味づけをするということです。論理的な物語が思い浮かべば、それが強く印象に残ります。しかし、何でも論理的に説明できるとは限りません。そのときは、SF物語のように、嘘をつきます。あるいは、童話でも、ジョークでも、漫才のネタでもかまいません。自分や他の人が聞いて、なんとか笑えるとか、なんとか理解できるというものができたら、かなりの成功です。そこまでゆかなくても、何らかの物語ができたら、それでも合格です。印象が弱くても、何度か繰り返せば、覚えられるものです。

記憶を助けるためのキャッチフレーズを、ここにまとめておきます。

 

グループ

キャッチフレーズ

あいうえお

愛飢え男は、上におり

かきくけこ

柿食えば、けんか別れの子もどる

さしすせそ

さかさまに、世界のはてゆき、そっと戻る

たちつてと

立ちつ鉄塔、たちつてと

なにぬねの

何ぬくのーね、なにぬねの

はひふへほ

はなればなれの、はひふへほ

まみむめも

まみむし、目を見て、戻る

やゆよ

屋根にある湯よ、やゆよ

らりぬれろ

人のかたちの、らりるれろ

わをん

Shiftをつかう、わをん

まんなかにあるんじゃ

 

単独で、もとのグループから離れている文字の「むりやりの理由」をまとめます。

 

グループ

離れ文字

むりやりの理由

かきくけこ

けんか別れ

さしすせそ

世界の果てへと飛ばされた

なにぬねの

ぬしとなって守っている

はひふへほ

ふ→父→単身赴任

わをん

ちゅうしんへと戻った

 

Cかなキーの配置を覚えます。

もっと細かな位置について覚えるとき、直接覚えられないなら、何らかの「むりやり理由」を考えます。

「ん」は、「か」と「な」の間にあるので、この3つで「かんな」となります。

「す」→「か」→「ん」↓「く」ともたどることができます。

「く」→「ま」→「の」

「め」は、「人のかたちの、らりるれろ」の、脚の間にあります。そこに目があるというのは、「天の橋立を見るときのポーズ」でしょうか。このようにして、「め」→「?」→「人のかたちの、らりるれろ」の間をつなぐ「?」の「むりやり理由」のイメージを考えます。

完ぺきに記憶しなくても、キーボードを見ればよいのです。ただ、どのあたりにあったのかということや、どのようにまとまっているのか、あるいは、離れているのかということが浮かんでくると、キーボードを見て探すときに、迷っている時間が短くなります。

しかし、ここでは、試しに、完ぺきに記憶することを目指してみましょう。次の図形の、白くなっている、かなキーの位置を埋められるかどうか試してください。

 次のようなパターンなら、どうでしょうか。

他にも記憶する方法は、いくつもあります。もっと完全に行うなら、横たわって目つむり、頭の中で図2のイメージを思いうかべます。はっきりしないところがあったら、目をあけて確認します。覚え方の「むりやり理由」を繰り返します。うまく連想できなかったら、もっと良いものを考えます。自分流の「むりやり理由」が見つかったら、それだけを反復します。

Dグループの先頭文字の配置を覚えます。

次のように、色よるグループ分けのヒントがない場合は、どうでしょうか。

私もトライしてみました。しかし、ここまでの記憶法では、最上段の一行と、そこについている「煙突」のところが「を」であることと、左のところに「たちつ」「てと」が並んでいることは、なんとか思いだせたのですが、これらの下のところは、色々なものが入り組んでいて、はっきりしませんでした。

もう少し詳しく観察して、グループの配置を覚える工夫を考えます。

うすい緑の線の外側は、私がなんとか思いだせたところです。これを「屋根」と見なし、線の内側を「家屋(かおく)」と呼ぶことにします。

「屋根」の左はしのところには「ぬ」があります。これは、鬼がわらやシーサーのように、外からの魔物を追い払うために、ここで外を見張っている「ぬし」でした。次に「ふ」があります。「ふ」→「父」と連想して、「単身赴任」だと思うことにしました。この「お父さん」は、屋根の上に、テントを張って、ここで暮らしているわけです。その右に、「あいうえお」の「あうえお」があります。「い」だけが下にあるのは、「胃ぶくろ」だからです。きっと「胃下垂」なのでしょう。そして、「やゆよ」があります。「屋根の湯よ」でした。屋根の上にある太陽光でお湯をわかす装置です。「わ」と「を」は、「煙突」のようなものです。煙が「輪」になって、浮かびあがる準備をしているところです。最も右端に、は行の「ほへ」があります。左のほうは「ぬし」が守っていました。右のほうは「歩兵 (ほへい)」が守っていると考えると、うまくバランスがとれます。防人のようなものです。

右の二段目には「せ」があります。「世界の果て」の「せ」でした。これでは、近すぎるかもしれません。さらに、右の三段目には、「け」と「む」があります。「け」は「かきくこ」と「けんか別れ」しているところでした。「む」は、「虫」となって飛んで行ったからでした。「無視」されて、一人ぼっちになっていると考えることもできます。ところで、ここでは「けむ」とまとめてから、「し」を添えて、「毛虫」とイメージします。この毛虫が、煙突の中の「せ」まいところを通って、煙の「わ」をくぐって、空へと飛び立つ物語を考えます。煙突の中を掃除する道具は、このような毛虫から生まれたものでした。

屋根の左のほうは、「たちつ」「てと」と「い」が、3文字→2文字→1文字と並んでいます。

ここまでは、私が思いだせた部分です。ところが、屋根の下にある家屋のところが、ごちゃごちゃしていて、それぞれのグループの位置関係が、よく分からなかったのです。そこで、これらのグループの位置関係を、グループ先頭の文字の並びで覚えることにしました。

この家屋の領域には、グループ先頭の文字の「か」「さ」「な」「は」「ま」「ら」があります。これらを見て、何らかの「むりやり意味」を考えようとしました。青色の下線を引いてある「かんな」の並びは分かりやすいものでしたが、他との組み合わせがなかなか見いだせません。そこで私は、幾何学の証明で補助線を入れるように、「補助記号」の「゛」と「補助文字」の「ん」を使うことにしたのです。

家屋領域の左下に「さ」があります。ここをスタートして、「は」ではなく、補助記号の「゛」をつけた「ば」と読みます。その右上に「か」があって、補助文字の「ん」へと続きます。これで、「さばかん」となりました。「鯖」の「缶詰」のことです。

「かん」の右には「な」があるので、ここを「かんな()」で結びつけます。

「な」と「ま」と「ら」をつなげて「なまら」です。これは、北海道の方言で、「非常に」という意味を持っているようです。「さばかん、なまら旨い」と覚えれば、家屋領域の、グループ先頭の文字の並びを記憶できそうです。

これらのことを覚えたとします。すると、次の図のようになります。空白部分にあてはまる文字を書き込んでください。

グループごとの配置パターンを覚えるのが、もっとも役立ちます。

まとまっている文字と、離れている文字について、それぞれのグループについて覚えます。

最後に、もう一度、次の図をつかって、かなキーの配置が覚えられているか試してみましょう。

 (2010.05.03 Written by Kinohito KULOTSUKI [@] KULOTSUKI ANALYSIS INSTITUTION)