「かってに語源」法でイタリア語の単語を覚えよう(1)

黒月樹人(Kinohito KULOTSUKI, Tree Man on Black Moon)

RaN49 「かってに語源」法でイタリア語の単語を覚えよう(1)

 まえがき

 英単語を覚えるとき、単語がどのような語源から成り立っているかということを知って、それらの語源の意味から、現在の単語の意味へと結びつける方法があります。日本語や中国語での漢字は、部首などの意味を知って、それらの組み合わせで意味が生まれていることが多いので、これは、有効な方法です。しかし、英語は、ある種の混合語で、色々な外国語を吸収してきたものです。あまりに変化の歴史が長くなり、語源をたどってみても、意味がよくわからないというものが、最後には、幾つも残ってきます。英単語をたくさん覚えなければならない、高校生のころには、私の脳みそのコンディションは、何でもかんでも直接記憶で覚えられるほど、やわらかいものではなくなっていました。それでも、大学に受かるには、弱点の英語を、せめて普通レベルへと引き上げなければなりません。そこで、思いついたのが、「かってに語源」法というものです。これは、ほんとうの語源を利用してもなお、うまく覚えられない単語があるとき、「自分かってに語源」を決めて、「むりやり理由」で、ほんとうの意味へと結びつけてしまおうというものです。

 最初に覚えた単語がrustでした。これには「錆(さび)」という意味があります。これを覚えるため、私は、ruが「ラッパ」を語源としているものだと、かってに考えることにしました。そして、stは、stand(立つ)の短縮形の一種だと考えることにしました。このとき、「ラッパを使わずに、ずうっと立たせておいたら、錆が出る」と、「むりやり理由」を思いつきました。これらはすべて空想の産物です。ほんとうのことではありません。しかし、私の脳みその中では、「rust」→「rust」→「ラッパ」・「立つ」→「ラッパが立ったまま、ほうりだしておかれると」→「錆がでる」→「錆」と、かなり長くはなりますが、はっきりとつながることになります。いくら長くても、脳みその容量は、私たちの想像以上のものなので、いつしか、小さなチップとして整理され保存されてしまいます。心配することはありません。

 「かってに語源」法は、ひとたび、このようなことが可能だと分かると、どのようなものにも適用できます。かくして、私は、英単語をどんどん覚えてゆき、なんとか平均レベルの成績をとれるようになって、得意な理科や数学や国語で得点を伸ばして、大学へ合格することができました。その後も、社会に出るときや、出てからも、色々な試験を、この技術も使って、なんとかクリアーしてきました。

 私は、色々なことを抽象化して書き下す癖があります。おそらく、「かってに弟子入り」した、スタニスワフ・レム師匠やオラフ・ステープルドン師匠の影響でしょう。

 「かってに語源」法と「むりやり理由」で、いろいろなものを覚えることができるということを、もう少し具体的に示しましょう。実用的には、英単語に適用するとよいのでしようが、英単語については、もう30年か40年ほどの「つきあい」がありますので、どんどん忘れてゆくものの、いつかどこかで、一度目にしたとか、覚えたことがある、というものが多く含まれており、今さら、この方法で覚えなおす必要も感じられません。

そこで、ここでは、これまで私が一度も覚えようとしてこなかったイタリア語の単語を記憶しようと思います。文法書も辞書も買ってあって、手元にあるのですが、他にすることが現れて、これまで学習する時間がとれなかったものです。

文法書の手順については、まったく目をくれず、辞書を開いて、どのような単語があるかということを見てゆこうと思います。正しいイタリア語を、間違いなく話そうと考えるのは、受験と資格の世界にはびこる病気の一種だと、私は考えるようになってきました。言葉の違う人たちと、交流するとき、最初にすることは、たがいの言葉での、単語の交換だと思います。このような気持ちで、私は、イタリア語の辞書を開き、まず、L l(エッレ)のところを眺めました。大きな活字で印刷された単語で、他の品詞については無視することにして、まずは名詞だけをとりあげることにします。

[] <> 男性名詞、[] <> 女性名詞 とします。以後、<> < > と略します。

L l (エッレ)

  labbro [] lab(ラブラブ)bro(兄弟) (キスのしすぎで)(腫れる)

  laboratorio [] lab(ラブラブ)ora(オラ < > オイラ)torio(鳥男)に変身

→ どこで? 実験室

  lacrima [] la()cri(クリクリ)ma(< > つまりクリクリの目)から流れ出る →

  ladro [] la()dro() → 裸の棒に・泥ぬって → 泥棒

lago[] la()go(ゴー) → どこへ飛びこむ?

lampada [] lamp(ランプ)ada(aが目dが鼻aが目, この目は女性の形) ランプ

lana [] la()na(納豆) → 裸(メス)に納豆のネバネバを巻きつけて → 羊毛

lato [] la()to() 脇腹 (に装置収納戸がついている鉄人男型ロボット)

latte [] la(裸の)tte(手を添えた手でしぼる) ミルク

lavoratore [] la(裸で)vora(ボラ)tore(採れ) 労働者

lavoro [] la(裸で)voro(ボロボロになる) 労働

legge [] leg()ge(ゲーム) (脚のゲームにも)(ルールがある)

legno [] leg()no(無し) (脚無しでつけた義足は)木材(のもの)

lenzuolo [] len(連なる)zu(ズボン)olo(降ろして) シーツ(巻く)

leone [] leo(レオ)ne(ネコ) ライオン(はネコ族)

leonessa [] leo(レオ)ne(ネコ)ssa(巣探す) メスライオン

lettera [] letter(レター)a(女性語尾) 手紙

letteratura [] letter(レター)at(@)ura(紙の裏) 文学

letto [] let(冷凍)to(戸板) (ひんやり)ベッド

lettura [] let(冷凍)tura(つら < > 表情) (凍った表情から、心の中を)読むこと

lezione [] le()zi()one(ひとつ) (レという字をひとつ書く)授業

liberta [] lib(ライブラリ)er(得る)ta(たくさん) (本をたくさん手にする)自由

libreria [] lib(ライブラリ)r(ある)eria(エリア) 本屋

libro [] lib(ライブラリ)ro(ローマ字)

liceo [] lice(ライス)o(大食い) 高等学校(の男子)

limite [] limit(限界)e(世界) 境界

limone [] li(リンゴ)mone(モネ) (リンゴをモネが描くと)レモン

linea [] linea(リニア) (リニアは)(路の上で走る)

lingua [] lingu(リング)a(あっ) (リングであっと言って)(をかむ)

linguaggio [] lingu(リング)aggi()o(大食い) (舌を動かせ)言語機能(の訓練)

linguistica [] lingu(リング)is()tica(地下) (舌の下の意味を調べる)言語学

lira [] (貨幣単位の)リラ

lista [] list(リスト)a(女性語尾) リスト

litro [] litr(リットル)o(男性語尾) リットル

livello [] livell(レベルの方言)o(男性語尾) 水準

lotta [] lot(たくさん)ta(叩く) 格闘

luce [] lu(ルナ < > )ce(世界)

luglio [] lu(ルナ < > )gl(ぐるぐる)io(イオ) → イオの周りをグルグル回る月

  → (でも、なぜ?)7

この単語に現れるgligl部分の発音は日本語にも英語にもない発音です。なんでも、日本語の「ニ」を発音するつもりで、舌の中央部を硬口蓋におしつけつつ、唇を左右に開いて、「リ」と発音するのだそうです。「リ」と「ギ」と「ジ」が混ざったような音だそうです(「イタリア語のABC(長神悟, 白水社刊)より)。ここでのgliは、日本語でやむなく表わすと、「リ」ということになりそうです。すると、この単語の発音をカタカナでなぞってみると、「ルリオ」となりそうです。白水社のテキストによると、「ルッリョ」とあります。1月から12月までの単語を見ると、どうやら、英語の単語と対応しているようです。もちろん、これらの名前は、確か、ローマ時代に変えられたものなので、イタリア語のほうが先にあったと思われます。英語での7月はJulyです。このluJuへと変化しているようです。歴史の中の誰かが、書き間違えたのでしょうか。それとも、イタリア語から英語へと移植されるときに、luJuに変化するという、日本の「方言」で見られる現象が起こっているのでしょうか。

luna [] (ルナ)

lunghezza [] lung(longのなまり, oがはじけてu)hezza(減った)

(oからuへと書く)長さ(が減った)

luogo [] lu()o()go(ゴー) (旗を立てて)場所(取りに)

lupo [] lu()po(ポー変換) オオカミ(男へ変身)

lupa [] lu()pa(パー変換) メスオオカミ(へ変身)

 どうでしょうか。苦しいところもありますが、「むりやり理由」というのは、このようなものです。「正しい理由」なんて、めったにありません。luglio7月なのは、うまく説明できていません。あと少し、嘘のつきかたが下手なようです。

名詞の末尾文字がoだと男性名詞で、aだと女性名詞のようです。eのときは、どちらか決められません。男性名詞と女性名詞を、どのように記憶しておくか、まだ、うまい手は思いつきません。文法書によれば、aの末尾をもつ男性名詞や、oの末尾をもつ女性名詞があるようです。eの末尾をもつものには、男性名詞のものも、女性名詞のものもあるということです。これらの詳細な分類と記憶については、ページタイトルを変えて述べることにします。

 poポー変換と表現しました。これは、エドワード・デボーノが導入しようとした接続詞poを意味しています。poは、水平思考を呼び込むための言葉なのでした。残念ながら、定着していないようですが。

(2010.05.06 Written by Kinohito KULOTSUKI [@] KULOTSUKI ANALYSIS INSTITUTION)