「プレアデス 人類と惑星の物語」を読んで

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito)

 ラーとアモラ・クァン・イン

 「プレアデス 人類と惑星の物語」[1] はアモラ・クァン・イン(Amorah Quan Yin)によって記された。この「クァン・イン」という名は「観音」に由来するらしい。「かつて瞑想中に観音が姿をあらわし、マンダラをさずけられた」というエピソードがあるという。私たちのような、ごくごく平凡な人間には、めったに、お目にかかれないような体験のようだ[2][3]

 「プレアデス 人類と惑星の歴史」の内容は、「ラー」からのものであると、アモラ・クァン・インは述べている。「ラー」というのは、「ラー文書」[4] の情報原である、未知の存在と同じなのだろうか。このことを確認する手段を、私たちはもたない。しかし、そのようなことは、ここで議論してもしかたがない。どうやら、私たちの知らない世界があって、そこでは、このような肉体の、短い寿命とは無縁の、とても永い記憶をもつものたちがいるのかもしれない。

 これから私は、「プレアデス 人類と惑星の歴史」の内容を、かんたんに要約しようと思う。ほんのあらすじだけである。この本は、「ラー」から「アモラ・クァン・イン」への情報伝達が、他のケースのような「チャネリング」の物とは異なって、まるで、「アモラ・クァン・イン」も「ラー」と同じように「生きて」きて、そのときの記憶を確認しているかのように、淡々と述べられてゆく。

 考察とか批判をするのは、しばらくやめて、「ラー」もしくは「アモラ・クァン・イン」によって語られていることを、そのまま、まとめてゆくことにしたい。

 この物語は舞台を「金星」→「火星」→「マルデック」→「地球」と移してゆく。おおよその主人公たちは「自意識にめざめた肉体をもつ生命体」である。「地球」においては、私たちのような「人間」である。あるいは、私たちの「先祖たち」だと考えてもよい。この物語では、地球の、この文明でよく知られている「ダーウィンの進化論」を忘れてしまわなければならない。現代の科学文明の知識は「ぜったいに正しいものだ」と考えているなら、この本の物語も、このページも読み進めてゆくことはできないだろう。私は現代の科学文明の知識をすべて否定しようと思っているわけではない。ただ、これまで、問題として取り上げてこなかったことが幾つもあって、そのことを確認するためのヒントのようなものが、このような物語の中にあるのではないかと考えているだけだ。

 記号植物

 かつての太陽系には、まず、バクテリアやアメーバや植物が生息していた。物語の舞台は、このような説明から始まる。これを語っているのは「ラー」である。現在の私たち地球人が「ハーブ(薬草)」といっているのは、ラーたちが「記号植物」と呼んでいるものだという。「地球だけでなく、ほかにも、さまざまな惑星の大地が、繁殖と実験のために利用されてきました」という記述がある。この太陽系に生命が増えてゆくという現象の、すでに、そのおおもとには、意識をもったものたちが存在していたらしい。そして、この太陽系の惑星群は、生命の「繁殖と実験」を行うために整備されてきたようだ。もし、このようなことが事実であるとしたら、地球の科学者たちは、ばかげたゲームをしていることになる。つまり、そのような、私たちの文明に先行した、太陽系そのものを「実験」のためのフィールドとするような、高度な「科学」もしくは「意識」をもったものたちがいて、それらの「意志」が加えられていたとしたときに、そのようなことはありえないとして、頭から否定し、その上で「ほんとうのこと」を探そうとしていることになる。これでは、決して、「ほんとうのこと」は分からない。この宇宙の「物理定数」を調べたものや、生物の、あまりに複雑なメカニズムを知ったものは、これらにおいて、何らかの「意志」や「意図」のようなものが存在するという可能性について気づき始めている。

 アンドロメダの大群

 物語における、ここの記述で、すでに、高度な知性体による関与があったということが、まるで、「神話」か「おとぎ話」のように語られる。この解釈は間違っているかもしれない。これらは間違いなく「神話」なのである。ただし、ここでの「神話」は、これまでの「神話」とは違って、はるかに「ほんとうらしい」ものとして語られている。

 太陽系での「自意識にめざめた肉体をもつ生命体」のスタートを切ったものたちというのは、「アンドロメダからの天使の集団」であるという。「天使」である。それも、「アンドロメダ」からの。肉体を持たない「天使」のほうが、「肉体をもつ生命体」より前に存在したというわけだ。それでは、そのような「天使」たちは、どのようにして生まれたのか。このことについては、この本では語られていない。確か、もう一つのラーたちによる情報源である「ラー文書」で語られていたと思う。しかし、その現象を説明しようとしても、あいまいな表現しかもたらさない用語と比喩を使うしかないので、これについて問うのは避けよう。

 「アンドロメダからの天使の集団」が「みずからの進化のための学びの体験」をするため「物理的な生命体」として出現したいと「選択」したとき、このことを容認し、このことを統治するための、より進んだ、霊的指導者たちがいたという。このような設定というか仮定そのものを、私たちの現代科学は認めようとしない。わずかに、SF小説の作家たちが、このような状況の可能性について考察し、そのような物語を作り上げているだけである。この物語では、より進んだ、霊的指導者たちとして、「この銀河の霊的指導者層」「アンと呼ばれる両性具有の至高存在」「エロヒムたちの十二人高等評議会」などがリストアップされている。かなり具体的であり、詳しい。

 「アンドロメダからの天使の集団」たちが金星で肉体をもって出現するため、「すでに金星の軌道や大気の状況は決められて」いたという。このようなことができる存在たちが、全体の「実験」をコントロールしていたというわけだ。まさに、現代の神話を書くことのできるSF作家たちだけが思いつく状況である。いや、ひょっとすると、正当的な科学者の中にも、このようなことの可能性について考察しているものがいるかもしれない。

 このときの、「この太陽系における計画」がユニークなものであったことが、ここで確認されている。それは、「それらの天使存在たちが、霊的指導者層や化身した存在などが、自分たちを統治することに同意しなかったということ」である。このことが、このあとの、幾つもの失敗や間違いを生み出す遠因になっているようだ。しかし、それこそが「進化」のためには必要だったということなのだろう。

 金星における物語について

 「天使の集団」が金星で「物質としての肉体」をもって出現した。つまり、私たちのような「人間」として、金星の地表に現れた。正確な数について詳しい記述は見当たらないが、初めは、何十人とか何百人とかの値だったようだ。「金星人」たちは、私たちと同じようなヒューマノイドであり、男性と女性の区別があって、生物としての遺伝をコントロールするDNAなどのメカニズムも存在していたようだ。すると、「物質としての生命の仕組み」は、太陽系では金星から始まる「天使から変化した人間の歴史」の前から、すでに存在していたことになる。そういえば、バクテリアや植物などが、すでに存在していたというのだから、「物質としての生命の仕組み」は、それらの以前から存在していなければならない。少し、脱線しそうだ。この本の内容へと戻ろう。

 「金星人」たちは「音楽」に夢中になった。すると、この「音楽」というものに関して、「作曲家」「歌い手」「楽器の創作者」などへと、金星人たちの能力が振り向けられた。このような音楽の才能は、みんな同じというわけではない。金星人たちの社会において「音楽」という価値体系が組み込まれることになり、これを基準もしくは指標として、「上流階級」「中流階級」「下層階級」という社会的階層が生まれた。

 これらとは異なる「もうひとつの階級」が現れた。金星人たちは、自然なこととして、身近なものと交配した。現在の私たちならタブーとしている「近親交配」の問題が、このときには、まだ、よく分かっていなかった。これを禁じるような「社会的な法律」も「倫理的な掟」も、まだなかった。このような状態であったため、生物学的なメカニズムとして、近親交配により「奇形の子供」が生まれた。じわじわと「完全なバランスをもたない金星人」が増えてゆき、「もうひとつの階級」となった。やがて、これらの人々は、「バランスのとれた金星人」たちの社会からはなれて、べつのところで暮らすようになる。

 「バランスのとれた金星人」たちの社会では、音楽だけでなく、絵画や彫刻なども発達しはじめ、これらの芸術作品をとおして「美を創造する」ことが、「理想的な業績のひとつ」となった。このことが、「新たな競争と階級区分」を生み出した。「貨幣による流通形態」が発明され、このような芸術にかかわるものが「高い報酬」を得るようになり、「富」や「財産」を相続する家系を生み出し、いわゆる「特権階級」となっていった。

 階級による分化が進むことにより、やがて、下級階級の人々に「不平」や「不満」がたまる。このことが、何らかのきっかけにより、「暴力」や「けんか」を生み出す。上層階級の人々は、下の階級の人々を服従させるため、「忠実な者」と「忠実ではない者」とに、経済的な差異をつけてゆく。すると、下の階級の中で、さらに細かく違いが生じるようになり、「不平」や「不満」を持つ者たちは、どんどん追いつめられてゆく。

 罪を犯した「反逆者の集団」は、もとの社会を出て、新天地を求めて旅立つ。そして、かつて分離していた「完全なバランスをもたない金星人(ミュータントと書かれている人々)」の居住地を見つける。「反逆者の集団」は「ミュータントの社会」へと混ざってゆく。「反逆者の集団」は、うまくとけ込めた者たちと、とけ込められなかった者たちに分かれてしまう。とけ込められなかった者たちは、「暴力や盗み」により「憎悪や恐怖に満ちた空気をまき散らした」。

 ミュータントの種族は、「大多数の人々の要請」があれば「聖なる介在」があるという「約束」があったことを思い出し、「暴力的な反逆者たち」がミュータントたちの土地と「この惑星から」追放されるようにと要請した。すると、「反逆者たちが家を建てた付近一帯に巨大な竜巻が襲いかかり」、反逆者たちは全員死んでしまった。ミュータントたちは「もっと慈悲深い結末を期待していた」のだが、起こったことにショックをうけた。

 この後も、色々なトピックがあり、金星人たちの物語が展開してゆく。

大きく二つに分かれていた金星人たちは、「高等評議会」へ「指導と援助」を要請した。「高等評議会」は代表団として「光の使者たち」を、それぞれの金星人社会へと派遣し、二つの社会が融合するように導いた。

金星に「新しい種族」が導かれた。その「新しい種族」は「高度に進化した知能」をもっているものの「右脳的機能がほとんど発達していない」集団であった。彼らが作る建築物は、機能的ではあるが、それほど美しいものではなかった。従来からの金星人たちは、芸術的な美しさにこだわっていた。

やがて、これらの異なるタイプの種族の人々が、少しずつ結婚して、「個性がつよく」「右脳と左脳の両方が発達した」子供たちが生まれた。かくして、金星人たちは、目や髪の毛の色も、多様なものとなっていった。

その次に金星へと導かれたのは「動物」であった。

人口増加の問題から、一部の金星人たちは「探検の旅」へと出かけ、ミュータントたちが作った古代都市を発見し、そこに住みついた。

金星人たちは、いろいろな問題に取り組むことにより、意識を高めていった。

「高等評議会」らは、金星人たちに、次の成長のために、次の中から何を選択するかと聞いた。

@高次の世界へと移行し、物理的な肉体を持って生活するという体験を終える。

 A進化のより遅れた惑星へ行って、これまでの体験を生かす。

 B金星にとどまって、何らかの方法で、新しい試練を果たす。

 金星人たちが選んだのはBであった。「高等評議会」らは、金星人たちの課題にふさわしい存在たちとして、「乙女座からの追放者たちの集団」を金星に送り込んだ。

 どうやら、金星人たちの課題は、うまく果たされなかったようだ。新たな「問題集団」を癒して導くことができずに、金星人たちのほうが、「問題」に染まってしまった。

 金星人たちは「敗北」を認め、「みずからを金星から一掃すべきだ」と結論づけた。

 このあと、金星は激変し、「それ以来、金星には肉体をもつ存在が住みついたことはない」。

 私の感想およびまとめ

 「プレアデス 人類と惑星の歴史」にある「金星」の章について、ものすごい「駆け足」で、内容を要約した。原文では、もっと詳しく、ものごとの原因と結果の流れが語られてゆく。「金星における物語について」では、私の感想やコメントを入れることを避けた。そのようなことをしていると、いつになったら終わるのか分からないからである。

「神話」と呼ぶには、あまりにも具体的であり、登場する金星人たちの考え方や行動のパターンも、ほとんど、私たち地球人のものと似ている。もともとは「天使の集団」だったというが、肉体をもって、物理的な世界で暮らしてゆくという体験をすると、このような、幾つもの問題が現れ、それらに取り組んでゆかなければならない。

私の生活や、これまでの人生を振り返ってみると、ここに書かれているような問題と同じようなことを、この地球という世界で、やってきているということに気づく。

私たちは、目の前に現れる問題を、なんとかして解決してゆかなればならない。問題があるからといって、嫌いな人々と離れてしまって、それで「問題なし」と思ってしまうことはできない。うまく成長することができたとしても、それだけで慢心して、うまく成長することができずにいる人のことを、ほおっておいてはいけない。

そのような「宇宙の法則」のようなものがありそうだということは分かるが、この地球の現実で、それではいったい、どのようにしてゆけばよいのか。その答えは容易に見つかりそうもない。

上記の「要約」では記さなかったが、金星人として生きていた存在たちの一部は、「死んで」肉体をもたない状態になり、途中で、活動場所を火星へと移している。「プレアデス 人類と惑星の歴史」の「火星」の章では、そのような存在たちの物語が語られる。肉体が滅びても、魂たちは消えることがなく、「火星」の次は「マルデック」へと、さらには「地球」へと物質世界を変え、抱え込んでいる問題を、どのようにして解決してゆくのかということを学び続けているようだ。

タイトルを変え、次は「プレアデス 人類と惑星の歴史」の「火星」の章について「要約」しようと思う。

(2010.06.18 Written by Kinohito KULOTSUKI)

 参照資料
[1] 「プレアデス 人類と惑星の物語」アモラ・クァン・イン(Amorah Quan Yin)著、鈴木純子訳、太陽出版2005



[2] 「古代神聖幾何学の秘密」という副題がついている「フラワー・オブ・ライフ(The Ancient Secret of the Flower of Life)」を書いたドランヴァロ・メルキゼデク(Drunvalo Melchzedek)は、瞑想について知りたくなって練習していたとき、「二人の天使」が現れたと記している。身長が3メートルもあって、一人は緑色で、もう一人は紫色で、透き通って見えたという。ドランヴァロ・メルキゼデクは、その「天使たち」から、求める知識を得るために誰に会いに行けばよいかなど、数々の「教え」を授けられている。
 ドランヴァロ・メルキゼデク「フラワー・オブ・ライフ」脇坂りん訳、ナチュラルスピリット2001



[3] 幽体離脱により「(地球や他の惑星の)霊界」を見て、数々の本を記したエマニュエル・スウェデンボルグ(エマヌエル・スヴェーデンボリ)は、イギリスの食堂で夕食をとっているとき、不思議な体験をしたそうだ。食事をとっていた部屋に、突然、気味の悪い生き物が出現して驚いたあと、これらの生き物は消えて、今度は、「異様な雰囲気をただよわせた人物」が現れた。そのときは、「食べ過ぎてはいけない」と述べて消えたそうだ。翌日の夜、ベッドのそばに現れて、「人間の死後の世界へとつれてゆくので、その世界のことを記し、人々伝えよ」と述べたらしい。
 エマニュエル・スウェデンボルグ「スウェデンボルグの霊界からの手記」今村光一抄訳・編、株式会社経済界 RYU BOOKS 1985



[4] ラー文書 「一なるものの法則」第一巻, ドン・エルキンズ、カーラ・L・ルカート、ジェームズ・マッカーティ著, 紫上はとる訳, ナチュラルスピリット2008
http://www.lawofone.info/