ゴブリンクォーク4のカメレオン解析とゼブラ解析
(RaN183)Goblin Quark 4’s Chameleon Analysis & Zebra Analysis

黒月樹人(Kinohito KULOTSUKI, treeman9621)

ゴブリンクォーク4 [0] 入手から、準備・解凍・ライセンスキー・起動まで

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 ゴブリンクォーク2

 ゴブリンクォーク2の中心機能は、なんといってもゴブリンアイだった。このような解析法を装備した画像解析ソフトは、おそらく存在していなかった。ゴブリンアイの解析アルゴリズムは、黒月解析研究所の「企業秘密」である。とれるものなら、特許をとっておきたかったが、なんらかの物質的な形のあるものとして、新たな発想によるものなら、特許が降りる可能性があるが、物理的な形のない、アルゴリズムが特許として認められたことは、ほとんどなかった。また、特許として出願し、それが認められるということは、このときのアルゴリズムを公開するということになる。すると、有能なプログラマーなら、これを見て、ほとんど同じ機能をもつ、少し変形したアルゴリズムを開発することができるだろう。また、このような特許制度は、その国の内部だけのものだ。有能なプログラマーをたくさん生み出している国の誰かが、特許の書類を読んでしまうかもしれない。おまけに、特許として管理してゆくには、維持費もかかる。
 ゴブリンアイの機能は強力なものであるが、解析にかかる時間がネックとなっていた。スイッチをクリックして、ぱっと解析画像が現れるというようなものではなく、何秒か、あるいは、十何秒かを待たなければならなかった。
 ゴブリンクォーク2の、もうひとつの解析機能である拡大なめらか補間は、秘密にするほどのアルゴリズムではない。他の画像解析ソフトでも、この機能を組み込んでいるものがあった。Windows OSに装備されているペイントフォトギャラリーは、この機能をもっていないので、拡大すると、最小単位のピクセルモザイクパターンが見えてくる。画像解析ソフトを開発しはじめていた2008年の時点でも、ワード(Word 2007)は、画像の貼り付け後の「拡大」で、なめらか補間を実行していた。解析アルゴリズム上でのライバルは、このワード(Word 2007)だった。
 2012年の現在、拡大なめらか補間の機能は、いくつものブラウザが組み込んでいる。中でもOperaブラウザの画面はきれいだ。拡大率は300%までであるが、大きな画像でも拡大して見せてくれる。ちなみに、ゴブリンクォーク2の拡大なめらか補間の拡大率は1600%まで用意してある。これを使いたくなるのは、星の光核画像を観察したいときくらいのもので、通常の対象の場合、400%をよく使う。


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 ゴブリンクォーク3

 ゴブリンクォーク2の「フィルタ」ページに、「ピーチ」と「ベリー」という名のスイッチがある。これらは、画像を構成する、赤緑青の3分布のバランスを強制的に整え、より見やすい画像を再構成するための機能である。「ベリー」のほうは、「ピーチ」に比べ、少し、どんよりとした画像になってしまうことが多く、利点が見いだせず、ほとんど使わなくなった。
 あるとき、この「ピーチ」解析画像を「画紋グラフ」で眺めていたとき、より自然な画像では、暗点(0, 0)や明点(255, 255)のところで、色のプロットが収束するようになっていることを思いだし、「ピーチ」解析を改良することを思いついた。こうして生まれたのが「アンズ解析」である。
 ひとたび、このような改良が可能であり、それによって生まれた解析画像は、それなりに利点をもつ、ユニークなものであった。ここから枝葉がのびて、「キウイ解析」「キャロット解析」「オニオン解析」「キャンディ解析」「メロン解析」などが生まれた。
 これらの解析法を総称して、(一部、そうではない名称も含まれているが)「フルーツ解析」と呼ぶことにした。これらを1ページとしてまとめたゴブリンクォークを3.01バージョンとして、このゴブリンクォーク3をvectorで市販するため、サンプルフログラムを作り、かんたんなマニュアルを編集しようとした。


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 ゴブリンクォーク3からゴブリンクォーク4へ

 マニュアル作りの参考になるかとも思い、隣町の電器量販店へいったとき、今どきのデジタルカメラのパンフレットを何種類か、もらって帰った。Nikon, Canon, SONY, OLYMPUS, Panasonic, FUJIFILM, CASIO などのパンフレットである。これらを、仕事の合間に眺めた。今どきのデジタルカメラは、単に写真を撮るだけでなく、いろいろと手の込んだ加工を、内部で行って、購買者の関心を引きつけようとしているようだ。
 これらのデジタル加工された画像を眺め、科学画像解析ソフトとしてのゴブリンクォークにも役立つものが幾つかあるということに思い至った。
 かくして、vectorで市販する予定だったゴブリンクォーク3のための作業を中断し、再び、新たな解析法を開発するということに、関心と時間とエネルギーを向けることとなった。

 ゴブリンクォーク4

 ゴブリンクォーク4としての、ゴブリンクォーク4.01バージョンに、新たに付け加えたページは、「染色」と「明暗」である。どこにでもありそうな、簡単な言葉で言い表しているが、これらのページには、これまで無理だと思っていた機能が、あれこれと含まれている。
 「染色」ページでは、画像に、ほのかな色を加えるという機能を中心としている。このような機能は、これまでのゴブリンクォークでも、「フィルタ」のページで、実行できるようにしていたのだが、「赤」と「緑」と「青」の「色の強さ」を、自由に変更できるというのでは、いったい、どのような割合で組み合わせればよいのかが、よく分からない。すると、いきおい、極端な値の変更ばかりを行って、微妙な色の変化というもののもつ効果を実感することができなかった。
 この「染色」ページでは、何種類かの色を具体的に準備しておき、かすかな色の変化を、かんたんな操作で生み出すことができるようにした。
 ところで、この「染色」だけだと、これまでの画像に、かすかな色づけをするだけであり、なんとなく、その解析結果が予測できる。あるとき、ふと、「色を加える」ことができるのなら、アルゴリズムの中の、ある変数の符号を変えるだけで、「色を引く」こともできるということに気がついた。
 かくして、この「染色」ページには、「染色」の対として、「抜色」というものを並べることとなった。これは、科学画像解析ソフトとしてのゴブリンクォークにとって、力強い機能の一つとなる。意図的に色を加えられて、変な状態になっている画像があったとき、加えられた色を推定して、その色を、かすかに「抜く(アルゴリズム的には引く)」ことができるのである。この判断が間違っていないときには、より、ほんとうの色へと近づいてゆくことができる。
 「染色」機能と「抜色」機能を、総称して「カメレオン解析」と呼ぶことにした。内容が分かりやすい呼び方だと、「染色抜色解析」や「色の染め抜き解析」などと呼ぶことになるかもしれない。


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 もう一つの目玉である「明暗」ページでは、単なる画像の明暗ではなく、色についての0から255の値の分布において、局所的に明暗を変えることができるようにした。このような技術が可能だと気がついたのは、「フルーツ解析」を生み出していたからである。
 実は、「フルーツ解析」において、すでに、この「局所的な明暗変化」を組み込み、画像の質を高めていたのだ。
 しかし、「フルーツ解析」の中心的な機能を作用させない、単なる画像について、この「局所的な明暗変化」を適用させると、それなりに、画像をユニークに変化させることができ、それらの中から、より質の高い画像を選ぶことができるはずである。このように考えて、「フルーツ解析」の中に潜んでいた、新たな枝葉を大きく育てることにした。
 「明暗」ページの中にあるスイッチで、「■■■■」とあるのは、0-255の全領域を暗くすることを意味している。0-255を4分割し、■を「暗く」、□を「明るく」として、各種のパターンを表わしている。すると、「 ■□ 」のように、両方が含まれていて、左に■、右に□があるときは、(局所的に)コントラストを高めていることになる。他に「■□  」「  ■□」「■ □ 」「 ■ □」「■  □」というパターンを用意した。
 デジタルカメラのパンフレットには、「白飛び、黒つぶれ」をさけるデジタル加工モードがある。このことを考え、新たに「□  ■」を導入した。
 このような構成をページ化しているとき、アルゴリズムのバグがきっかけとなって、このような機能を「単独」で行うときとは別に、「連続」で行えるようにすれば、あらゆる組み合わせが実行可能となるということに気がついた。つまり、「単独」での「□  ■」の画像を得るためには、「連続」で「□   」と「   ■」を実行すればよいのである。
 単なる「明暗」だけでなく、「コントラスト」も調整可能とし、それが、0-255の色分布において、あるていどの局所にのみ作用させることができるわけである。これを分かりやすく言うと、「局所明暗コントラスト解析」となろうか。これでは長すぎて、かつ、覚えにくい。色の変化について「カメレオン解析」と名づけたことに準じ、この「局所明暗コントラスト解析」を「ゼブラ解析」と呼ぶことにした。


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 ゴブリンクォーク4の、他の変更点として、次の@とAがある。
 @「ゴブリンアイ」の操作をよりかんたんになるよう整理した(図5)。
 A原画像を100としたときの、「色の強弱」についての「クイック」スイッチとして[ 1 ][ 50 ][ 200 ][ 400 ]の4つを付け加えた(図6)。


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 ゴブリンクォーク4は、このあと、サンプルプログラムを編集し、「メモ帳」で読める、かんたんなマニュアルを作り、vectorで市販する予定である。

 (Written by KULOTSUKI Kinohito, as treeman9621, April 13, 2012)


 参照資料

[1] 聖アンナと聖母子(画稿・習作)
 (Sant'Anna, la Madonna e il Bambino con l'agnllo)
 1499-1500年頃 | 141.5×104.6 | 厚紙・木炭・鉛白
 ロンドン・ナショナル・ギャラリー
 この作品の解説が下記サイトにある。
 http://www.salvastyle.com/menu_renaissance/davinci.html

  

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