「月面巨大都市というのは本当ですか」と問われたら

黒月樹人(Kinohito KULOTSUKI)

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 「月面巨大都市というのは本当ですか」とネットの某サイトで聞いた人がいます。私のページをとりあげての質問でした。
 それに対する「ベストアンサーに選ばれた回答」を読みました。結論は「嘘デタラメです」ということで、その根拠は、次の2点のようです。

 @ 月は地球の1/4ほどの重力しかない
 A 大気がほとんどないので隕石が地表に衝突する

 おや、月のことを、この「ベストアンサーに選ばれた回答」では、「そんな危険な惑星」と記しています。これは、ちょっと意味深な誤解です。もちろん、月は「惑星」ではなく、地球の「衛星」なのですが、地球と月との質量比が、他の惑星とその衛星に比べ、異質な値となっているため、地球と月とは、共通の重心を回りながら公転している「姉妹惑星」と見なされることがあるようです。本論に戻りましょう。
 たしか「月は地球の1/6ほどの重力しかない」と習ったのではないでしょうか。いつから、1/6から1/4へ変わったのでしようか。実は、月の重力については、もっと大きくて、地球の60パーセントほどもあるという説があります。ほんとうの値はNASAが知っているはずなのですが、たぶん、これについては無視されているようです。なぜNASAが知っているはずかというと、地球から月へと探査機などが航行するとき、地球の重力と月の重力が同じになる瞬間を観測することができ、その位置を求めることもできて、ここから計算できるはずだからです。1/6は17パーセントです。17パーセントと60パーセントでは、アポロ月面探査の「物語」が、かなり変わってきます。もし、月の重力が地球の60パーセントもあるとしたら、あの、ちゃちな、月着陸船では、着陸はできたとしても、月から飛び立って、地球へと戻ることは不可能なはずです。しかし、たとえ60パーセントだとしても、月の近くへとゆき、月の周回軌道を回ってから、地球へと戻ることはできそうです。
 「大気がほとんどない」というのは、かつての学説を覆しています。「月には大気がまったくない」と信じられていたはずですが、ここ最近、NASAの研究によって、水星に希薄な大気が存在するということが、ナトリウム原子の反応を手掛かりにして突き止められました。同じ手法で月を調べたところ、ナトリウム原子が月の周囲に存在し、月にも「ナトリウム大気」があるということになりました。それでは、酸素とか窒素はと問いたくなります。これらについては、おそらく、「観測出来ない」のだと考えられます。
 月の写真を、さまざまな露出で地球から撮影して、その画像を調べると、月の周囲に、光を散乱させている「層」があることが分かります。「月の大気」が存在するのは、このことによって確認できます。問題は、その成分や濃度ということなのでしょうが、ナトリウム原子の濃度は調べられたということですが、他の成分については、調べる方法が見つかっていないということなのでしょう。
 仮に、月では隕石が地表に衝突するので危険だというのなら、地下深いところに生活場所を設けるという方法があります。自然現象の危険については、地球だって、かなりなものです。地震や津波、あるいは、火山噴火などで、大きな被害が出ています。小さな隕石は大気中で燃え尽きてしまうようですが、オスプレイなどがひんぱんに墜落して山火事や人身事故を起こしています。
 本論からどんどんはずれてしまいます。最初の質問は、「月面巨大都市というのは本当ですか」というものでした。ベストアンサーに選ばれるかどうかは、撰者の科学的な知識や考え方などに影響されるので、まったく分かりませんが、仮に私が回答するとしたら、次のようになります。

 「月面巨大都市が本当に存在するかどうかということは、現時点のデータを調べて考えたところ、よく分かりません。これは、論理的な問題ではなく、科学的な観測上の問題なので、もっと詳しい観測データが現れるまで、かんたんに判断することはできないのです。黒月樹人は、インターネットのサイトで公開されている、月面巨大都市のビデオ画像を、特殊な画像解析の技法で調べていますが、確かな証拠のようなものは、まだ見いだせていないようです。現在の手がかりは、このビデオ画像だけです。また、画像解析の方法については、他の技法が見つかっていないというだけですから、新たな手法が開発されて、判断できる証拠のようなものが見つかるかもしれません。あるいは、このビデオ画像の出所についての、新たな情報がつきとめられるという可能性もあります。なんにしても、現時点の判断としては、嘘とも本当とも断言できないということなのです。」

 (Written by KULOTSUKi Kinohito, Aug 29, 2013)

 

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