RaN223 アポロ月面探査画像の再解析(1)

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito @ 9621 ANALYSIS)

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 はじめに

 アポロ月面探査画像のいくつかについて再解析します。
 この解析ページでは図1を取り上げます。この原画像をかんたんに [1] と呼ぶことにします。
 この画像は次のページで一度取り上げています。
 Apollo 17 の宇宙飛行士たちの後ろにある山はなぜ明るいのか
 ウェブでの原画像は次のところにあります。アポロ17号のときのもののようです。
 http://apod.nasa.gov/apod/image/0012/lunarscape_apollo17_big.jpg

図1 原画像 [1]

 光核解析

 図1の原画像 [1] について、前回の解析(cpp208)では光核解析を行っていますが、今回は、これをもう少し微妙に調整したものを作り、これについて考察します。
 図2は[1]のフリーキャンバス光核解析です。フリーキャンバス光核解析というのは、ただの光核解析が、ある濃淡値の幅で選択した色情報を、0-255へと広げ直していた(これをキャンバスと呼ぶことにします)のに対して、いろいろな範囲のキャンバスへと広げ直すものです。図2の画像コードは [1]LC(e)Wing(32-224)ですが、[1]のあとにあるLC(e)は、e番目の選択幅(128-192)での光核解析で、Wing(32-224)が32から224の範囲のキャンバスという意味です。
 フリーキャンバスの種類には、このほかに、Bottom(0-a)とTop(a-255)があります。Wing(a-b)というのは「aが0でなくbが255ではない」というスタイルです。
 図2には説明のための指示線と記号を入れてあります。

図2 [1]のフリーキャンバス光核解析(指示線と記号入り)
code = [1]LC(e)Wing(32-224)

 AとBの遠景としての山がなぜ明るいのかという疑問に対して、月の表面はレゴリスという細かな砂でおおわれているので、太陽光線と山の斜面との関係が、月の平らな面との関係より好ましい状態となっているから明るいという主張があるようです。
 なるほど、この画像では、AやBを照らしている太陽が、向かって右のほうにあると考えれば、そのような説明がつくかもしれません。
 しかし、ここでこまかく領域を指定しましたが、CとDとEのあたりは、太陽との角度としては、同じような状態にある、いわゆる平地であるのに、どうして、このように、明るさがきょくたんに違うのでしょうか。
 AとBの斜面が明るいのが、太陽にうまく照らされていると考えたとき、それなら、月面のDが同じくらい明るいのは、どう説明すればよいのでしょうか。
 また、Hのクレーターが、入り口の周囲の壁面が、すべてぼんやりと明るいのはなぜなのでしょう。もし、太陽が向かって右のほうにあるのなら、右の壁面は暗くなるはずです。
 ひょっとすると、これらの違いは、すべて月面の地質の違いだと説明されるかもしれません。でも、そのような仮説は、どのようにして検証できるというのでしょうか。
 すこしごちゃごちゃと述べ立ててしまいましたが、最初のところにもどって、これらの月面を照らしている太陽の方向を確認しておきましょう。たしか、向かって右のほうでしたね。
 それでは、Gの宇宙飛行士と月面車のあたりをよく見てください。これらが異常な白さで光っているということも謎なのですが、それも、素材の違いによると説明されるかもしれません。
 Gの部分の、原画像 [1] からの拡大を図3とします。
 このとき、月面車や宇宙飛行士を照らしている光源はどちらの方向にあるでしょうか。

図3 宇宙飛行士と月面車 code = [1][4]O

 くっきりとした黒い影が月面車の下にあります。また、宇宙飛行士の両脚の陰はむかって右のほうにあります。これらのことから、宇宙飛行士と月面車を明るく照らしている光源は、向かってやや左の、上のほうにあることが分かります。月面車の傘のようなアンテナの影が月面に映っていないことから、かなり真上のほうだとみなせます。
 この画像も、多くの小さな写真を組み合わせたことを示す、十字線がたくさん入っています。でも、宇宙飛行士と月面車の、すぐ近くの月面である図2のFあたりを照らしている光は右のほうからのものです。
 かりに、この原画像 [1] に写っている、山や平地や、宇宙飛行士や月面車などが、すべて月面で実際に撮影されたものとしても、それらが撮影されたときの太陽の位置が異なっており、連続した時間のもとで連写されたものとは考えられません。
 さらに、@遠景の山と、A平らな月面と、B宇宙飛行士と月面車とを撮影したときの、太陽の光の強さが異なっています。

 ウェーブレット解析

 ゴブリンクォーク9にあるウェーブレット解析による解析結果を、次の図4と図5として示します。これは3Cモードのレリーフ5F解析というものです。
 図4は原画像 [1] についてのものです。JからNは、この解析において、異質な画像が接しているときに現われる太線(黒と白)を示したものです。
 Kのラインが最も明確なものとして現われています。空と地表の境界に、これほどくっきりとしたラインがあるということから、このときの空が別の画像であるという可能性があります。
 「このときの空」をよく見ると、「小さな白い点」が散らばっていることが分かります。これらは「星」なのでしょうか。図1では見えなかったものですが、この解析で浮かび上がってきました。

図4 原画像 [1] についての3Cレリーフ5F解析
code = [1]_onACI(5F)8(64)

 次の図5は「宇宙飛行士と月面車のあたりについての3Cレリーフ5F解析」です。
 あまりに多くあって混乱するので、指示線と記号は入れていませんが、異質な画像が接しているときに現われる太線(黒と白)が現われています。とくに、月面車の下にある影と月面の境界のところに、くっきりとした太い黒線が現われています。
 画像を切り貼り合成したという意味の十字線については、横線しか浮かび上がっていません。縦線のところには何の痕跡もありません。これも不思議な現象です。

図5 宇宙飛行士と月面車のあたりについての3Cレリーフ5F解析
code = [1][4]O_onACI(5F)8(64)

 まとめ

 アポロ17号での月面探査画像の1つについて再解析しました。
 この画像における謎の一つ目は、背景の山と、宇宙飛行士と月面車とが、他の領域に比べ明るすぎるということです。
 二つ目は、背景の山を照らしている太陽の位置(向かって右側)と、宇宙飛行士と月面車を照らしている太陽の位置(真上に近い左側)が異なるということです。
 三つ目は、異質な画像が接しているときの、白黒の太線が、問題となる明るさが異なる部分の境界に現われているということです。
 これらのことから、仮にこれらの画像が、月で撮影されたものだとしても、連続した時間で連写されたものではないと考えられます。
 また、図4でのJラインより手前の、宇宙飛行士と月面車を含む画像と、それより奥の画像群とは、画像の質も違いますし、明るさも違います。かなり異質な画像が組み合わされたものと考えられます。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, Sep 3, 2015)

 

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