RaN232 フランス南部UFOをBOON解析とBOONA解析で調べる

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito @ 9621 ANALYSIS)

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 はじめに

 テクスチャーBOON解析というシステムは、あるとき、ぱっと完成品が得られたわけではなくて、ぐずぐずと改良なり変更を加えているものです。
 さいしょに設定した参照UFO画像は901から909の9つでした。このうち901から908までは本物と思っていたもので、そこへ偽物としての909を加えると、解析結果にどのような違いが生ずるだろうかということを調べようとしていたのです。

図1 参照UFO画像

 やがて、これでは本物グループと偽物グループを明確に分離することができないと分かり、参照するUFO画像については、できるだけ本物として想定できるものを使うことにしました。
 このようなわけで、さいしょに組み込んでいた909のTri013を取り下げ、代わりに使う909のUFO画像を探しました。
 そして、フランス南部UFOのFrS120という画像についてBOON解析したところ、仮想本物UFOグループに相当する標準偏差プロットが得られたので、これは仲間に加えてもよいだろうと考え909としたのでした。

図2 仮想本物UFO画像

 それではフランス南部UFOが(仮想)本物UFOであることを論じようと、プールしてあった、何コマもの、それらのUFO画像をBOON解析で調べたところ、FrS120とはまったく違うプロット位置になってしまいました。これは変です。どこかで何らかの手違いがあったようです。
 この問題については、あとで詳しく論じますが、とりあえず、仮想本物UFOとしての909のデータは、これまでの909のものと類似した値で、かつ、信頼できそうな他のUFO画像のものに置き換えました。

図3 修正後の仮想本物UFO画像

 ここで言い添えておきますが、905と906として使っていた、光芒の中のUFOのAとBについても、本物なのか偽物なのか怪しいということが分かってきましたので、これらについても、本物としての評価が高いものを探してきて置き換えました。
 それでは、フランス南部UFOが、本物UFOのように見えたり、偽物UFOの疑いが生じたりしたという問題について、これから詳しく説明します。

 フランス南部UFOの状況について

 フランス南部UFOのビデオは、次のサイトで見ることができます。
 [FS] https://www.youtube.com/watch?v=Q1QOZ8OLWOU
 このビデオにおける状況について、私は次のページで考察しています。
 [ChMd179] ChMd179 フランス南部のUFO(2)

 フランス南部UFOのビデオは、なんとなく偽物っぽい構成になっています。
 まず怪しげなのは、このビデオが「世界のUFO動画」であるということです。このサイトのUFOビデオで、本物らしいものは、めったにありません。偽物とか本物とかの区別なく、なんでも受け入れられるところのようです。何らかの経済的な見返りがあるのかもしれません。
 次に疑問となるのが、このビデオにおける内容の構成です。フランスの農村地帯と思われる風景が撮影されます。逆光で、暗く、夕暮れの風景のように見え、しばらく、構図を決めるような操作がつづきます。やがて、牧草をまとめた大きな円柱形の塊がたくさん置かれているところに画面が固定され、露出も調整されて明るめになります。そのように、舞台の設定が終わったばかりのようなシーンで、向かって左のところに、突然に、小さな米粒かアーモンド粒のようなUFOが現われます。そのUFOは、すぐにスピードを落として、ちびちびと右へと進み、丘の中央にある立ち木のところまで来たかと思うと、突然高速モードになって、3コマか4コマの画像を残して、右のほうへと消えてしまいます。この後の画面の変化が、まったく不自然なもののように思えます。
 画面はUFOが消えた右のほうへと移ってゆくのですが、じつにゆっくりです。UFOが飛び去ったスピードのことが分かっているのなら、もっと素早く、UFOがいそうなところを探そうとするのではないでしょうか。私だったら、カメラのことは忘れて、すぐに肉眼でUFOを探し、もし、それが見つかったら、あらためてそれを記録しようとします。ところが、このビデオでは、Uターンして戻ってきていないかぎり、そんなところにいるはずがないと思えるあたりを、ゆっくりとスキャンしたあと、こんどは左の空へと向かって、やはり、ゆっくりと空を調べてゆきます。UFOは右のほうへ消えたのです。なぜ、左の空を調べる必要があるのでしょうか。
 UFOをとらえているシーンも不自然です。もっとズームできるはずなのに、なぜだか、同じ倍率のままで、まるで三脚にカメラをセットして、自分はカメラから離れているかのように、UFOを画面の中央にとらえることなく、まるでそのシーンが演劇の舞台であるかのように、同じ風景を固定しておいて、このUFOの演技を記録しようとしています。あっと驚いて、すべてのことを忘れ、そのままカメラを持ち続けたというのでしょうか。
 このような構成を見る限り、どうやら、これは偽物UFOビデオだろうと判断したくなります。
 ところが、このビデオに写っているUFOを、これまでのいろいろな解析法で調べたところ、間違いなく偽物UFOだという証拠がほとんど現われてこないのです。

 フランス南部UFOをテクスチャーBOON解析で調べると

 次の画像として挙げてあるFrS120は、ほぼ固定された、UFOドラマの舞台シーンの中で、このUFOが高速モードとなって、右半分の広い空を、わずか数コマで移動してゆくところです。FrS120[64]は、そのUFO部分の拡大です。[64]倍に拡大すると、これくらいの、ぼんやりとしたイメージとなります。

図4 FrS120の(a)原画像と(b)UFO拡大

 次の図5はFrS120[64]のBOON解析の全景です。4×3の植物解析ユニットにある下の棒グラフの色において、えんじ色や黒色が現われていません。大きなほうの偏差値異常はないようです。上段右端のdaikonと下段左から3つ目のryeで、小さな値を意味する紺色が認められます。しかし、他の10の植物解析での偏差値グラフの色は、やわらかな中間色で、標準的な範囲におさまっています。
 これくらいの値なら、図6の標準偏差プロットでは、ほのかに色づいているプロット群がひしめく、仮想本物UFOグループの近くに、赤い、この対象画像のプロットが現われることになります。
 このような解析により、FrS120[64]画像の中のUFOは、仮想本物UFOの仲間と考えられることになります。

図5 FrS120[64]のBOON解析の全景
(画像をクリック → オリジナル拡大画像へ)

図6 FrS120[64]のBOON解析の標準偏差プロット

 このビデオの画像が、このような倍率のものだけで終わっていたら、あまりに疑わしいビデオ構成となっていましたが、BOON解析の結果、本物UFOの確率が大きなものとみとめることになっていました。
 ところが、このビデオには、300%拡大のシーンと、さらに大きな、600%拡大のシーンが編集されています。次の図7は600%拡大のシーンの一コマで、丘の中央の立ち木の右側に位置していますから、すでに高速モードで移動しているときのUFOです。
 ここで少し述べておきますが、このUFOが高速モードで移動しているときのスピードはたいへん大きなもので、このように高速で移動している物体を、通常のビデオカメラが、このようにくっきりととらえているということが、実は驚くべきことなのです。
 ビデオカメラもスチールカメラも同じ原理ですが、これらはもちろんフィルムカメラではなく、デジタルで画像を記録しておくカメラのはずです。今どき、映画の撮影ですら、フィルムカメラは使わないことでしょう。デジタルカメラで撮影される画像というのは、一瞬に画像が記録されるのではなく、水平に走って下へと動いてゆく走査線のようなもので、データが集められてゆきます。その時間的な幅が、私たちの感覚ではとらえきれないので、ビデオカメラはなんとか市場で売れてゆくわけです。
 何年か前のこと(10年以上前のこと)ですが、テレビがハイビジョンになっていったとき、それに合わせて、ビデオカメラの画面の画素数もハイビジョン対応に変化することになりました。そのときの技術的な変化がむつかしいようで、ハイビジョン対応になったばかりのビデオカメラは、問題だらけのものとなってしまいました。そのとき私は、ランニングフォームの研究をしていたのですが、ハイビジョン対応のビデオで撮影したランナーの像において、速く動いている足先などが2つも写っているので、とても困ったことがあります。
 エピソードが永くなりすぎたかもしれません。デジタル機器のビデオカメラも、魔法を使っているわけではなく、それなりのメカニズムを工夫して、技術的な限界をなんとかしようとしてきたわけです。1枚だけの画像を撮影すればよいスチールカメラでは問題にならないことも、1秒間に30コマ撮影しなければならないビデオカメラでは、この時間間隔がネックとなってしまうわけです。
 300%拡大のシーンや600%拡大のシーンから、1コマずつ取り出して調べてみると、このUFOが水平に大きな速度で移動しているという形跡が、どこにも見られません。1秒間に30コマ撮影する通常のビデオではなく、100コマとか200コマを撮影するビデオもあるにはあるのですが、そのようなもので撮影されたものでないことは、単位時間のコマ数を数えてみれば分かります。もし、高速撮影されたものであれば、0.25倍のスローで見たとき、もっと滑らかな変化をするはずですが、そうはなっていません。変化は、ぱっ、ばっ、ぱっと、細切れに飛んでいます。通常のビデオのはずです。

図7 FrS228の(a)原画像と(b)UFO拡大

 疑うことだけで議論を終えてしまうわけにはいきません。解析によってどのような結果が出るのか調べることにします。
 次の図8はFrS228[8]のBOON解析の全景です。棒グラフの下側の偏差値のほうで、えんじ色が現われています。中段左から3つ目のhopとその下のryeです。小さすぎることを意味する紺色も4つあります。12のうち6つも異常があるわけです。
 図9のFrS228[8]のBOON解析の標準偏差プロットを見ると、この対象画像FrS228[8]についての、赤色のプロットは、(かすかに色づけてある)仮想本物UFOグループでもなく、これまで調べてきた(灰色の)偽物UFOグループのどちらでもなく、微妙な位置となっています。
 このような現象は、画像の拡大率が小さいことによって生じているのかもしれませんが、はっきりと、そうなるものだと理論づけて説明できることではありません。

図8 FrS228[8]のBOON解析の全景
(画像をクリック → オリジナル拡大画像へ)

図9 FrS228[8]のBOON解析の標準偏差プロット

 このような違いが生じるのは、ひょっとすると、このようなBOON解析の感度が良すぎるからではないかと、ふと、疑問に思うようになりました。
 そこで、もう少し工夫して、違うシステムの解析法を生み出してみれば、どのようになるだろうかと考えました。

 テクスチャーBOON解析から生み出したテクスチャーBOONA解析

 テクスチャーBOON解析をベースとして、これとは少し異なる視点で解析してゆくことになる、新しい解析システムを構成することができるかもしれないと思いつきました。そのアイディアのエッセンスは、次の図10に示されています。
 テクスチャー植物解析と、かなり一般的な名前を付けてありますが、具体的には、algae, bean, cactus, …, rye, wheatというコード名をつけた、12のウェーブレット関数による解析で求めた、ある条件のもとで計算する出現率という値からスタートするものでした。その出現率の平均値が50となるように正規化するという手順を組み込んだものがBOON解析でしたが、それ以外の手続きは、BOO解析もBOON解析も同じです。
 これらの植物解析のためのウェーブレット関数を構成するとき、私はいくつかの条件を課すことにしました。@値をもつ画素の数を赤(-1)と青(+1)とも3つずつにする、Aばらばらに12種類とするのではなく、6種類のパターンと、その90度回転のものをペアとして並べる、この2つだったと思います。

図10 BOO Pair Wavelets

 このようにして設定した12種類のウェーブレット関数による植物解析では、仮想本物UFOにおいて、特定のもので、出現率がとても小さいということが分かってきました。BOON解析は、仮想本物UFOと明らかなものを含む偽物UFOとで、プロット位置が明瞭に分離することを見いだせたのでしたが、これらがうまく分離してくれると、まことに分かりやすく、便利なツールです。しかし、ここで考えているフランス南部のUFOでは、それらの中間位置という、微妙な位置になってしまいました。そのことをどう考えたらよいのか。とりあえず、これは、考えるために必要な、別の視点からの情報を得ることが必要となります。
 このような考えで、図10に対応する解析結果を眺め、Aの90度回転となっている、2つずつのペアについての出現率を平均してみようと思い立ったわけです。
 このような処理をすることにより、2次元の画像について、90度変化している、2つの解析方向で調べることになります。つまり、(いくらか全体的に回転するものもありますが)上下の変化と左右の変化を組み合わせようというアイディアでした。
 このような変化をプログラムに組み込むのは、ほんのわずかな修正ですませることができました。1つ目のalgaeの出現率をAR(algae)とし、2つ目のbeanの出現率をAR(bean)とすると、これらの平均値AR(ave)を求め、もとのAR(algae)とAR(bean)に代入してしまえばよいだけです。もちろん、他のペアについても同じようにします。
 このようにして、(1, 2), (3, 4), …, (11, 12)の6つのペアの出現率について、それぞれ平均値(Average)をとって進めてゆく解析法には、もとになった解析法の名前の後ろにAをつけることにしました。BOO解析についての、出現率のペアを平均して進めるものはBOOA解析で、BOON解析だったらBOONA解析となります。
 次の図11は228[8]のBOONA解析の全景です。そして図12はBOONAマップを、図13はBOONAグラフを、それぞれ切り出したものです。

図11 228[8]のBOONA解析の全景 code=228[8]BOONA
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図12 228[8]のBOONA解析のBOONAマップ code=228[8]BOONAmap

 ペアの出現率を平均する前のBOON解析では、下側の偏差値棒グラフの異常が6つだったわけですが、このBOONA解析では12のすべてが異常となりました。ペアの解析結果は同じなので6つの異常です。
 ここでまず注目したのは、(1, 2)=(algae, bean)のペアのところです。偏差値のバーが8しかありません。なぜこのような結果になるのかというと、参照のためのデータも、もちろん、これらのペアごとに平均しておくのですが、この操作によって、この(1, 2)=(algae, bean)のペアのところが、次の図13を見て分かるように、ごく狭い範囲に集まっているからです。
 図13の上側のグラフ、APPEARANCE RATE を見ると、この対象画像228[8]の解析値を示す赤い線の位置が、(algae, bean) と (cactus, daikon) では左のほうに外れています。下3つのhopからwheatでは右のほうに位置しています。なんとか仲間に入っているのは (fern, garlic)だけです。
 これらの出現率についての、他の参照データに対しての偏差値が、下のDEVIATION VALUE のグラフで示されますが、50から遠く左右に離れています。これは明らかに異常なパターンです。

図13 228[8]のBOONA解析のBOONAグラフ code=228[8]BOONAgraph

 図13の上のグラフにおける赤線の広がりを示す標準偏差SD(AR)=12.0と、下のグラフにおける赤線の広がりを示す標準偏差SD(dv)=27.6について、X=SD(AR), Y=SD(DV)のグラフに、赤丸でプロットしたものが図14です。かすかに色づけてある仮想本物UFOや、灰色の偽物UFOのプロットも、BOONA解析の手続きにより、さいしょのところで、出現率をペアごとに平均してから処理してありますから、BOON解析での位置とは違うものとなっています。
 このBOONA解析では、912(人工的に作られた小光点UFO)と919(レンズについたゴミの影GBO)が、仮想本物UFOグループの中に紛れ込んでしまいますが、それ以外のものは遠くに分離されています。
 このときの対象画像(228[8])は918(ロンドン上空の奇妙なUFO)の位置に近いところにあります。
 これらの解析結果から、この228[8]は人工的に作られたイメージと疑うべきです。さらに詳しく、他の解析結果と突き合わせる必要があります。

図14 228[8]のBOONA解析の標準偏差プロット code=228[8]BOONAsgm

 このような解析のプロセスが、ほんとうに科学的なものとして成立するかどうかということは、もっといろいろなデータで検証してゆく必要があります。
 図14の参照プロットとして、仮想本物UFO群は安定してひとつのグループを作っています。
 拡大する前のFrS120ではBOONA解析はどうなるかというと、異常な結果とはなっていません。このことが謎として残ってしまいます。ウェブのビデオ画像から採取した100%としてのFrS120に対して、300%や600%の画像のほうが、もともとの画像の性質を残しているものと考えられます。ですから、もともとの画像の特徴を強く残しているほうの、300%や600%の画像についての解析結果のほうが、信頼性の高い情報となります。その結果、このUFOは、これまで調べた偽物UFOの仲間とみなすことになったわけです。100%の画像で白旗でも、300%や600%の画像で赤旗なのですから、やはり、偽物UFOと考えるべきでしょう。この関係が反対であれば、100%のほうでは縮小のプロセスで情報が欠落したとみることで、こちらの結果を切り捨てることになります。

 まとめ

 テクスチャーBOON解析でフランス南部UFOを調べたところ、100%画像から拡大したUFOについては、仮想本物UFOの仲間と判定されました。
 ところが、このビデオには300%画像と600%画像が組み込まれていましたので、試しにこれらの画像について調べたところ、仮想本物UFOからは微妙に離れてしまい、かつ、これまで調べてある偽物UFOのプロット位置からも離れていました。
 このような解析結果について判断するため、BOON解析とは少し視点の異なる解析体系のものとして、あらかじめ設定してあった、たがいに90度回転となるウェーブレット関数のペアによる出現率を、この段階で平均化して処理を続けるシステムを組み上げ、これをBOONA解析と呼ぶことにしました。
 このアイディアは、2次元の画像について調べるとき、一つの軸に沿った解析だけを独立にしておくのではなく、90度回転した二つの軸に沿った解析を考慮したほうが、より本質的なものに近づくことができるのではないかということです。
 新たに構成したBOONA解析で調べたところ、100%の画像では相変わらず仮想本物UFOグループと判定されましたが、300%や600%の画像で、明らかに偽物UFOとして判定される結果が出ました。
 このケースでは、もともとのビデオ画像があったと仮定できます。そのとき、100%の画像はウェブで公開されるために、いくらか縮小され、それにともなって情報が失われたと考えられます。それに対して300%や600%の画像のほうが、もとのビデオ画像の情報を多く残しているものとみなされます。
 このような状況と600%の画像で明らかになった解析結果により、フランス南部のUFOは人工的に制作されたものとみなされます。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, Jan 27, 2016)

 参照資料

[FS] https://www.youtube.com/watch?v=Q1QOZ8OLWOU
[ChMd179] ChMd179 フランス南部のUFO(2)
 http://www.treeman9621.com/ChimeraMind2/ChMd179/ChMd179.html

 

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