RaN234 鎌倉上空の不思議な雲

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito @ 9621 ANALYSIS)

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 はじめに

 鎌倉上空の不思議な雲については、これまでに、次の2つのページで調べています。
 ChMd111 鎌倉の空に浮かぶ白い雲はUFOか (Written by KLOTSUKI Kinohito, Feb 8, 2015)
 ChMd148 麒麟は実在した (Written by KLOTSUKI Kinohito, May 26, 2015)
 これらのページで解析した画像は、次のサイトにあります。
 鎌倉に家を建てる
 鎌倉の空でUFO撮影(初めから9つ目の画像のところ)

図1 鎌倉上空の不思議な雲

 UFO画像を調べていて、この画像(K1)にたどり着き、これは調べてみる価値がありそうだと考え、このサイトへコメントを書き込み、研究のため原画像のコピーを譲ってほしいと依頼しました。
 図1(a)の、ウェブで公開された原画像を見ると、完全な晴天の中に、ぼんやりとではなく、ずいぶん密度の高そうな、不思議な雲が、ぽつんとひとつだけ写っています。図1(b)は送ってもらったオリジナル写真のコピーから、この雲のところを拡大したものです。そして、図1(c)が[16]倍に拡大したところです。
 この画像のお礼をとりあえず述べるとき、「まるで孫悟空のきんと雲(筋斗雲)のような」と表現してしまいました。ほんとうに何かがその上に乗れそうな感じがします。
 送っていただいた原画像のコピー(K2)に写っている雲を、その時点での、いろいろな解析法で調べました。2015年の2月と5月のことです。その時点から解析法も発展し、新たなものが生まれています。

 鎌倉上空の不思議な雲のBOON解析

 図1(c)の画像A(code=K2C[16])を対象画像としてテクスチャーBOON解析を試みました。そのBOON解析の全景、BOONマップ、BOOグラフ、BOONプロットを次の図2〜図5に示します。

図2 画像AのBOON解析全景 code=K2C[16]BOON
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図3 画像AのBOON解析のBOONマップ
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 図3はBOON解析のBOONマップですから、12種類のテクスチャー植物解析をそれぞれ独立に取り扱っています。4×3の植物解析小マップの下段左端がウェーブレット関数、そのやや右上にalgaeなどのテクスチャー植物解析名、その下にある棒グラフの上段が正規化した出現率で、下段がその偏差値です。偏差値を求めるときのベースデータは仮想本物UFOグループのものを使っています。偏差値の最小値はlimeでの38で、最大値はpineでの68です。大学入試前の予備校時代に、こんな偏差値のテスト結果をもらっていたような気がします。これくらいの偏差値は異常とは言えないものです。通常の統計量としてしばしば現われます。
 次の図4は画像AのBOON解析のBOONグラフです。上段が出現率APPEARANCE RATEで、下段が偏差値DEVIATION VALUEです。上からテクスチャー植物解析の種類が並べてあって、その右に縦線で示したグラフがあります。これらのグラフにおいて、赤色以外でかすかに色づけある細い縦線は、仮想本物UFOによるものです。そして、赤い太線が対象画像として調べているものです。この赤い縦線の位置が、左の植物解析名隣に赤文字で示してあります。
 もともとの出現率は0〜100までの値でしたが、平均値を50として拡大するときの操作で100を超えるところも出てしまいますので、このときの0, 50, 100は単なる指標の数字です。
 出現率APPEARANCE RATEのグラフでは、それぞれのテクスチャー植物解析により、分布の様子が異なります。出現率の大きいところに分布しているものや、小さいところに集まっているものがあります。これが実際の本物画像の性質だったわけです。ところが、人工的に制作された偽物画像においては、目で見るとぼんやりしているように見えていても、細かな画素のところの色の要素において、しっかりと何らかの値が組み込まれているらしく、自然な出現率の分布パターンのことなぞお構いなしに、正規化すると、平均値の50の近くに集まって分布してしまいます。
 偏差値DEVIATION VALUEのグラフでは、仮想本物UFOグループとよく似たものは、偏差値50を中心として、ある程度の幅で左右に分布することになります。しかし、人工的に作られた偽物画像のときは、50に近い出現率をキープしようとしているので、異常な偏差値となってしまうわけです。

図4 画像AのBOON解析のBOONグラフ

 上段出現率のグラフにおいて、赤色の縦線で示されている解析対象のばらつきの程度を標準偏差(STANDARD DEVIATION)という値で求めます。これを記号としてSD(AR)としてあります。赤い文字で記してあるSD(AR)=24.9というのが、このときの解析対象K2C[16]についての値です。
 同じように、下段偏差値のグラフにおける赤い縦線のばらつきぐあいが、SD(DV)と記号化した標準偏差で求めています。SD(DV)=8.7です。
 出現率の標準偏差SD(AR)が比較的大きな値で、偏差値の標準偏差SD(DV)が比較的小さな値となるのが、仮想本物UFOグループ画像の特徴です。
 これに対して、人工的に作られた偽物UFO画像のばあいは、これと逆の傾向をもつことになります。出現率の標準偏差SD(AR)が比較的小さな値で、偏差値の標準偏差SD(DV)が比較的大きな値となるわけです。
 このような関係を見やすく表したものが次の図5として示した、BOONプロットです。仮想本物UFOのデータには(赤色以外の)色がつけてあります。偽物UFOのデータはすべて灰色です。解析対象画像のものが赤色です。
 灰色のプロットは、どうやら2つのグループに分けらけるようです。919とその左下にある912は、仮想本物UFOグループとよく似たSD(AR)を持っていますが、それ以外のものはSD(AR)=20のラインより左側です。
 それ以外の916から921を経由して920あたりまで、一直線に並んでいます。いろいろと調べてゆくと、これは偽物UFO画像に固有の性質のようです。
 919と912も偽物UFOなのですが、これらは自然な光源や自然な影を使っているものです。次に説明するBOONA解析では、仮想本物UFOグループと区別することができなくなります。

図5 画像AのBOON解析のBOONプロット

 鎌倉上空の不思議な雲のBOONA解析

 この解析対象については、その画像が得られた状況だけでなく、上記のBOON解析によっても、実際に空に浮かんでいた実体を撮影したものであるということが分かりました。偽物UFO画像であるという可能性は、ほとんどないとみなせます。
 ここで解析したBOONA解析は、BOON解析で微妙なプロット位置に解析結果が現われたものについて、少し異なる視点から調べてみようと考えて開発したシステムです。
 (algae, bean), (cactus, daikon), (fern, garlic), (hop, lime), (moss, pine), (rye, wheat)の6つのペアは、ウェーブレット関数の構成が、(回転の向きは任意なのですが)90度回転すると重なるようにしてあるものです。このようなペアを合わせて考えると、2次元の画像を、90度回転した2つの軸に沿って、同じパターンで調べていることになります。X軸とY軸をベースとして、30度とか45度とか回転させて調べるようなものです。
 このような一般性をもちつつ、6種類のウェーブレット関数は、少しずつ違うわけです。説明をかんたんにするため、6種類のウェーブレット関数に名前をつておきます。(algae, bean)→AB, (cactus, daikon)→CD, (fern, garlic)→FG, (hop, lime)→HL, (moss, pine)→MP, (rye, wheat)→RWです。回転することを無視して、AB, CD, FG, HL, MP, RWの6種類のウェーブレット関数を設定したということになります。
 これらのペアによる解析は、AB, CD, FG, HL, MP, RWの一つずつに関して、対象画像を2つの軸から調べたものです。個々のalgaeやbeanの解析値ではなく、ABというウェーブレット関数に対する解析値を求め、同様に、CD, FG, HL, MP, RWについても調べ、これらの6種を比較すると、どのような結果となるのかと考えました。
 このような処理を具体的に数値化するには、いろいろな方法が考えられますが、もっともかんたんなものとして、これらのペアによる出現率を平均化して、もとの植物解析の値へと入れ直すという方法を採用することにしました。
 これだと、プログラムの改良がかんたんに行えます。ペアの出現率の平均値(AVERAGE)をとるので、この頭文字のAを添えて区別することにしました。BOON解析において、ペアの出現率の平均値として値を置き換え、その後の解析を続けてゆくものがBOONA解析です。実は出現率の平均値が50となるような正規化を行う前のBOO解析についても、ペアの出現率を平均化して解析してゆくものについてプログラムが実行できるようにしてあります。BOOA解析です。これは、プロットデータの分離が弱いものなので、あまり注目されるものとはならないようです。

図6 画像AのBOONA解析全景 code=K2C[16]BOONA
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図7 画像AのBOONA解析のBOONAマップ
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 図7のBOONAマップでも、異常な様子はほとんど見られません。
 このBOONA解析のBOONAグラフを次の図8として示しました。これを図4のBOONグラフと見比べると、BOONA解析ではペアにおける分布が比較的狭い範囲に集まっているということが分かります。
 たとえばalgaeとbeanは、同じABというウェーブレット関数で、90度異なる軸に沿って調べたものです。そのとき、解析対象の中に、仮に円盤状UFOがあるとしても、それが常に水平状態を保って飛んでいるとは限りません。さらに、撮影者のカメラの向きによって、UFOの軸が傾くこともあります。円盤状ではなく、少し曲がっていることもありますし、今回の解析対象のように、まったく円盤状ではないというケースもあります。このように、ランダムに中心軸のようなものが変化する対象に対して、algaeやbeanのような、特定の軸に沿った解析値を求めて、それについて議論するというのでは、解析結果を解釈しようというとき、いろいろなパターンが生じることになり、データの解釈がむつかしくなります。
 このような難点が、algaeとbeanの出現率の値を平均化することにより、解析対象の軸にかかわる、データのばらつきが打ち消されるという現象によって、かなり解消されることになるわけです。ある画像に対しては、algaeが大きくてbeanが小さいという組み合わせになり、別の画像に対しては、algaeが小さくてbeanが大きいということになっていたのです。それらの平均値をとってみると、正規化した出現率で、60から70あたりのところに集まったということになります。
 このようなことが、他のペアについても起こっており、BOONA解析の出現率APPEARANCE RATEのグラフでは、仮想本物UFOのデータによる、色づいた細い縦線の分布が、比較的狭い固有の領域に集まることとなりました。
 このような現象が作用して、このBOONA解析では、BOON解析とは少し異なる視点でデータを調べることができるようになりました。

図8 画像AのBOONA解析のBOONAグラフ

図9 画像AのBOONA解析のBOONAプロット

 図9のBOONAプロットを見ると、灰色で示した偽物UFOの中で、912(自然な光を使って作られた小光点UFO)と919(レンズについてゴミによる影と推定されるもの)が、かすかに色づけてある仮想本物UFOグループの中に紛れ込んでいます。これらの2例が分離できないという難点がありますが、それ以外の偽物UFOは、916から920まで、遠くに離れており、しかも、ほぼ直線に沿って分布しています。
 BOON解析とBOONA解析の結果を合わせて考え、このときの対象画像K2C[16]が人工的に作られた偽物画像であるという可能性は、ほぼないとみなせます。

 鎌倉上空の不思議な雲の他の解析

 ここからは、もっと直感的で分かりやすい解析へと進みます。
 図10は画像AのフルーツPeach解析です。フルーツ解析というのは、赤と緑と青の色分布を再構成するものです。ここではもとの画像Aが自然な撮影画像ですが、これの色のバランスを変えて、色ごとに強調したものとなります。
 図1は画像Aの光核解析(画像ALC)です。光核解析というのは、0〜255として規定されている色の値に基づき、特定の値の幅(ここでは192〜255)のものだけを取り出して、もとのキャンバス(0〜255)に広げるというものです。
 図12は画像ALCのフルーツPeach解析です。光核解析とフルーツ解析を見合わせたものです。

図10 画像AのフルーツPeach解析 code=K2C[16]Peach
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図11 画像Aの光核解析(画像ALC)code=K2C[16]LC(192-255)
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図12 画像ALCのフルーツPeach解析(画像ALCP)
code=K2C[16]LC(192-255)Peach
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図13 画像ALCPのゴブリンアイ解析
code= K2C[16]LC(192-255)GE(1eY)
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 この雲は、まるで神話か伝説の中で取り扱われるような、不思議な構造をもっています。それは「しっぽ」と「角(つの)」です。「胴体」と「頭部」のような形状も確認できますが、これらは偶然そのように見えるだけなのかもしません。しかし、これが自然現象としての、気候上の「雲」だとしても、これらの「しっぽ」と「角(つの)」についての説明は、とても苦しいものとなるでしょう。
 「しっぽ」については、図1(b)あたりの、原画像でも、なんだか違うものがくっついているということが分かります。上記の図10から図13の解析で、この部分の色が微妙に違っていると分かります。しかも、詳しく調べてみると、胴体とつながっている細い部分もきちんとあるのです。
 「角(つの)」については、このように詳しく解析してみないと分からなかったものです。かなりかすかなものとして現われています。もっと違う表現のほうがよいのでしょうか。たとえば、光輝とか、雲のジェット(噴出)。
 「胴体」と「頭部」の部分は、これらの解析で分かるように、強い光を放つもので、しかも、ぼんやりとした境界ではなく、一定の領域のものとして観測されます。何かがそこにあるとみなせます。ただ、これ以上詳しい、何らかの構造は見えません。
 とにかく不思議なものです。自然現象としての雲ではなさそうですし、これまで観測されてきた、他の(仮想本物の)UFOとも異なるパターンです。
 おそらく、このようなものが空に浮かんでいたとしても、これをUFOとみなして撮影するということは考えられず、ただの奇妙な雲として見過ごされてきたのかもしません。
 たとえば、今回撮影されたのは、あまりに空が晴れあがっていて、そこに、これほど濃く、塊のようになっている雲があるのはおかしいと気づかれたためと推定できますが、ほかにもう少し自然の雲があったとしたら、おそらく見逃されてゆくのではないでしょうか。
 違っていました。このUFO画像は偶然撮影されたようです。不動産関係の仕事をされている方が、仕事に関係のある画像として、図1(a)を撮影してから、あらためて空を写真として見たところ、不思議な雲が写っていたので、ブログの一コマとして取り上げたということのようです。撮影したときは気づいていなかったので、この不思議な雲が動いていたのかどうかは確認していないとのこと。おそらく、ブログやホームページを多くの人が生み出している、現在のような世界でなかったら、きっと、どこにも出てゆかなかったものかもしません。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, Jan 29, 2016)

 参照資料

[ChMd111] 鎌倉の空に浮かぶ白い雲はUFOか
http://www.treeman9621.com/ChimeraMind/ChMd111/ChMd111_KamakuraUFO.html
[ChMd148] 麒麟は実在した
http://www.treeman9621.com/ChimeraMind/ChMd148/ChMd148_Kirin_UFO.html
[鎌倉に家を建てる] http://sumai.cocolog-nifty.com/kamakura/2009/12/
[鎌倉の空でUFO撮影] http://sumai.cocolog-nifty.com/kamakura/2009/12/ufo-45cb.html#comments

 

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