RaN272 地球人はどこにいるのか(26)意志の操作「二本の一方通行の橋」
Where is the earthian?
(26)Control of Will " Two Bridges of The One Way"(※)

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito @ 9621 ANALYSIS)

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 はじめに

 カルロス・カスタネダの「沈黙の力」[1] の第六章「意志の操作」は、「第三の点」と「二本の一方通行の橋」と「外見を意図する」の三つの節から成っています。
 ここでは「二本の一方通行の橋」について考えます。
 (※)意志の操作「二本の一方通行の橋」をControl of Will " Two Bridges of The One Way"としましたが、原文で確認していないので、ほんとうは違う表現となっているかもしれません。

 準備

 ここのところで中心的なものとなる物語は、とても印象深いもので、私が若いころ、ここのところを読んでいたということを思い出すにはじゅうぶんなインパクトがありました。「臨死体験」か「幽体離脱」に関する、どこか別の本の中に記されていたことと混乱していたのかもしないと、ぼんやり思っていましたが、ここで読んでいたことだったようです。
 ここでの物語に進む前に、ドン・ファンによるいくつかの解説を拾い上げておきます。

 意志とのつながりによって、戦士は四つの段階を通り抜ける。一番目の段階は、さびついた、あてにならないつながりを意志とのあいだにもっているときだ。二番目はそれを掃除するのに成功したとき。三番目はそれを操ることを覚えたとき。そして四番目は抽象の企図を受けいれることを覚えたときだ。(p276)

 無欠性とはわしらのエネルギー・レヴェルのもっとも有効な利用法にすぎない。もちろんそれはつつましさや、思慮深さ、素朴さや無垢を必要とする。そしてとりわけ、内省をなくすことが要求される。(p278)

 争いや欠乏、緊張や疲れ、悲しみ、無力感といった、自然だが劇的な環境のために人間の集合点はときおり大きな変化をこうむることがある。(p278)

 ほんとうにむずかしいのはエネルギーをもちつづけることだ。エネルギーをもっていて集合点がひとたび動けば、求めるだけで想像もつかないことが手に入るんだ。(p279)

 二本の一方通行の橋

 いよいよ物語が始まります。できれば、ここのところは、原文を読んで、ゆっくりとイメージを思い浮かべながら、テレビドラマか映画のように再構成してゆくことをおすすめします。pp279-292の、わずか14ページに濃縮された物語ですが、映像に変化すれば、1時間から2時間の作品へと仕上げることができそうです。
 やはり、ここのところの物語についての要約や説明はやらないことにします。
 ただ、このドラマの主要な展開が終わったあと、ドン・ファンが「祖父」のような位置づけとなるナワール・エリアスのところに行って、このときに起こったことについての、いろいろな説明を受けるところがありますので、ここのところを、少しまとめようと思います。

 ナワール・エリアスは、ナワール・フリアンの深い一貫性を、未熟な若きドン・ファンに説明します。
 ナワール・フリアンはすべての人を操り、自分の影響下におきました。「彼の命令には川までもが従った」とされています。
 ナワール・フリアンがほんとうにしようとしていたことは、ドン・ファンを沈黙の知の場所におくことでした。
 ドン・ファンは川の流れと闘っているあいだに第三の点にたどり着いたのだそうです。
 ナワール・エリアスは「おまえはすばらしいことをなしとげたのだ」と言うと、「まるで子供にするようにドン・ファンを抱きしめた」とあります。このあたりもずいぶんとドラマチックです。

 まだまだここのところのナワール・エリアスの説明は続きますが、ここの節につけられた「二本の一方通行の橋」についてまとめておきます。
 次の引用は、ナワール・エリアスがドン・ファンに語ったことです。

 沈黙の知から理性へと渡された一方通行の橋は「関心」と呼ばれている。つまり、沈黙の知の位置にある真の人間が、自分の知っていることの源について抱いている関心のことだ。そしてもう一本の一方通行の橋は理性から沈黙の知へと渡されたもので、「純粋な理解」と呼ばれる。それはつまり、理性というものが無限の海に浮かぶ島々のなかのひとつの島でしかない、と理性的人間にさとらせる認識のことなのだ。(p291)

 まだ少しナワール・エリアスの説明が続きますが、ここでそれを取り上げるのは冗長なこととなりそうなので、やめておきます。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, March 20, 2016)

 参照資料

[1] 「沈黙の力」意識の処女地、カルロス・カスタネダ(著)、真崎義博(訳)、二見書房(刊)、1990

 

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