RaN341 グルテンアウト(12) 薬をやめれば病気は治る
(8) 抗生物質は飲まないほうがいい

黒月樹人(◇田中タケシ)@黒月解析研究所

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 はじめに

 「薬をやめれば病気は治る」[1] という本は、このタイトルがとても挑戦的であり、「ただのはったりか」と思いきや、一般論へと進む前に、現実問題として、私たちがなってしまう病気に関係することの、一つ一つについて、具体的な理由が示されてあります。
 それらをすべて説明してしまったら、もう、この本を読む必要がなくなって、この本が売れなくなっても困りますから、このあとは、もうすこし簡潔に要約して、この本へのガイドとなるようにしたいと思います。

 睡眠薬・精神安定剤は免疫力を下げる

 このことの理由を述べている箇所を引用します。

 睡眠薬や精神安定剤を常用すると、白血球の機能が低下して、著しく免疫力が落ち… つまり寿命を縮めかねないのです。([6] p134, …は中略の記号とします)

 不眠の4つのパターンについての分析がされています。
 もうひとつ、睡眠薬を飲まないほうがいい(最大の)理由があると説明されます。
 この理由は、ちょっと複雑です。しかも、「あまり公言されない」ものだそうです。

 それは、なかなか本人にぴったり合う薬がないということです。([6] p136)

 不眠のタイプがいろいろである。
 睡眠薬が下手に効きすぎると、目覚めが悪くなる。
 耐性という現象が起こり、だんだんと聞かなくなってゆく。
 睡眠薬に依存して、その落とし穴から、抜けられないようになる。
 このような点をすべてクリアーして、睡眠薬をうまく調合するということは、とても困難なことのようです。
 そして、睡眠薬を、効かないのに、どんどん飲み続け、上記のように、免疫力を低下させてゆく。まるで麻薬と同じではありませんか。おお、こわい。

 胃薬で命をなくすことがあるかもしれない

 まず、胃薬が原因で、「いつもは穏やかなお年寄りが、急につじつまの合わないことを言いだし、… 大声でわめき出し、大暴れする」([6] p142)ということの物語が示されます。
 胃薬として、胃液の分泌を抑える、プロトンポンプ阻害剤が、よく飲まれていますが、これの副作用に、つぎのようなものがあります。
 (1) 胃酸が慢性的に少なくなり、消化機能が低下し、栄養素の吸収が阻害される。
 (2) 胃酸の消毒機能が失われて、感染症になりやすくなる。
 (3) 腸内の免疫力が低下し、消火器がんが増える。
 (4) 骨代謝に影響し、骨粗鬆症が増え、骨折しやすくなる。([6] pp144-145)

 私が夏に失敗したのが、この(2)です。
 腐っていた天ぷらを食べて胃もたれし続けていたので、薬局へ行って胃薬を買い求めて飲んだわけです。
 しかし症状は消えず、3日後に入院したときのCTスキャン検査で、胃袋の中にまだ、ばい菌スープが残っていたことが、ゴフリンアイズで解析した画像の中に記録されています。
 胃薬を飲むことにより、胃液を少なくしてしまい、ばい菌の繁殖を助けてしまったのです。今思うと、馬鹿だったとしか言えません。
 このとき、すべき、だったことは、のどに指を突っ込んで嘔吐し、胃の内容物を口から出してしまう、ある濃度の(少し辛めの)塩水を大量に飲んで、腸を通過させ、腸の中を下痢として洗い流してしまう、こんなところでしょうか。
 すぐに119で電話し、救急車で搬送してもらって病院に行けばよかった、とも考えられます。アホでした。土日でも、救急の窓口は開いていたのだから、さっさと、歩けるうちに、病院へ行っていれば、3日も腹部の激痛に耐えて、(今から思うと)死にかけなくてもよかったのです。
 まあ、結果的に死にませんでしたが。

 最後に、このような胃酸を飲んでしまう人の病気である、胃食道逆流症を(薬にたよらずに)根本的に治す方法について説明されています。

 抗生物質は飲まないほうがいい

 ここのところの内容は、ちょっと小難しくなります。
 要点を取り出すことにします。

 抗生物質には…2つの種類があります。
 狭域抗生物質広域抗生物質です。
 狭域抗生物質とは、ある特定の細菌にしか効かないものです。
 広域抗生物質は、さまざまな細菌に効きます。

 ここで、素人でも分かる、簡単な疑問として、広域抗生物質だけでいいのではないか、ということについて、著者が、なぜ狭域抗生物質というものがあるかということを説明しています。
 ここのところは、引用します。

  狭域抗生物質に比べると、広域抗生物質は
(1) 効果も大きいぶんだけ副作用も大きく
(2) 抗生物質に効かなくなる耐性菌を生み出す危険性が高い([6] p149)
(3) 病原細菌を抑える働きをしている、有益な細菌たちも、同時にやっつけてしまう。([6] p149)

 少し離れたところに、(3)が記されていました。
 この(3)に関して、特定の細菌にしか効かない狭域抗生物質は、ほかの有益な細菌までやっつけたりしない([6] p149)ということです。

 広域抗生物質はマイクロバイオームを壊してしまう

 マイクロバイオームとは、私たちの体の中に同居している、膨大な数の細菌が、私たちの細胞と情報を交換して作っている、ネットワークのことだそうです。
 このような細菌たちの働きが述べられています。

(a) 消化吸収を助ける
(b) 私たちが作れない栄養素(ビタミンB2、ビタミンB12、葉酸など)を作る
(c) 病原細菌の侵入を拒む
(d) 人間の神経系と相互に作用する可能性のある化合物を作る
(e) ((d)により)感情や性格などを微妙に変えている(のでははないか)
(f) 記憶や学習に関係する、脳の発達に影響している
(g) いくつかのタイプの抑うつ状態の治療に影響する([6] pp150-151)

 広域抗生物質は、私たちの健康維持にとって、とても大切な腸内環境、つまりマイクロバイオームを壊してしまうのです。
([6] p151)
 この前のところに、この「結果」が記されています。

 マイクロバイオームを作っている、有用な腸内細菌が、
(h) ストレス過多のライフスタイル
(i) 広域抗生物質の多用
によって減ってしまい、
(j) 自己免疫疾患
(k) 肥満
(l) うつ
(m) がん
などが増加している…([6] p151)

 そういえば、この間入院していたとき、医師の指示で、私は抗生物質を毎朝2錠ずつ飲んでいました。クラビットという名前の抗生物質 [12] です。[12] で調べてみると、やはり広域抗生物質のようです。
 なるほど、そうだったのか、って感じです。
 私は入院3日目か4日目に、断食状態だったところで重湯を飲んだため、宿便をずるずると出しました。

 これによって、腸内細菌の状態が大きく変わった。
 ちょうどそのころから、広域抗生物質のクラビットと、ミヤBMという新たな腸内細菌の錠剤を飲むことになった。
 上記の(e)により、私の感情や性格が、がらりと変わってしまった。

 そういう可能性はあります。
 確かに、入院していたころの私は、現在の私とは、かなり違っていました。
 まるで、病院を舞台とした、大きなスケールでの、演劇に参加している役者のように、ドラマチックな役割を、次々と演じていたような気がします。

 だからこそ、「黒月樹人闘病記」のようなものが生まれた。

 現在の静かな生活では、このようなものは、どこをしぼろうとしても出てきません。

 骨粗鬆症の薬を飲み続けたら…

 ここのところも、かなり専門的なことが述べられています。
 骨粗鬆症の薬は、骨を破壊する、破骨細胞を壊死させる([6] p152)ものだそうです。
 これは一見論理的で正しいことのように思えますが、著者の危惧を読んでください。

 骨は造る働きと壊す働きとを、同時に行いながらバランスを保っている、生きた組織であって、人為的に壊す働きだけを一方的に止めてしまうと、ゆくゆくは、不自然な結果を招来するのではないか([6] p152)

 骨粗鬆症の薬を飲んだあとに、骨が逆に悪くなったのではないかと考えられる症状が報告されていることが、最後に添えられています。
 ここのところが強く主張されないのは、もとから、患者の骨粗鬆症がそれほど進んでいた、というような反論が予想されるからでしょう。
 でも、私は著者の危惧を、無視すべきではないと考えます。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, January 25, 2017)

 参照資料

[1]「長生きしたけりゃ パンは食べるな」、フォーブス 弥生(著)、稲島 司(監修)、SBクリエイティブ株式会社(刊)2016-11-15
[2]「いつものパン」があなたを殺す、Grain Brain、デイビッド・パールマター&クリスティン・ロバーグ(著)、白澤卓二(訳)、三笠書房(刊)2015年1月
[3] 小麦は食べるな! 原題WHEAT BELLY(小麦腹)、Dr. ウイリアム・デイビス(著)、白澤卓二(訳)、日本文芸社(刊)2013-7-10
[4] 白米中毒、白澤卓二(著)、アスペクト(刊)2013年2月5日
[5] 食べ物を変えれば脳が変わる、生田 哲(著)、株式会社PHP研究所(刊)2008-10-29
[6] 薬をやめれば病気は治る、岡本 裕(著)、株式会社幻冬舎(刊)2013-3-30
[7] ウィキペディアの「薬害」
[8] 連載 薬害事件ファイルE 陣痛促進剤(子宮収縮薬)
[9] 薬害エイズの前史(3) クロロキン事件
[10] ソリブジン事件からの教訓
[11] コエンザイムQ10のウソホント
[12] クラビット500mg(レボフロキサシン)が効かない病気は?副作用はあるの ...

 

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