RaN343 「ガンを消す食事」の原典(済陽高穂)

黒月樹人(◇田中タケシ)@黒月解析研究所

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 「ガンを消す食事 完全レシピ166」[1]

 この本を買い求めたのは、私自身の胆のうがガンだと、主治医から言われたからでした。
 そのころ私は、病院の中でトラブルを起こしているという「言いがかり」のおかげで、異例ともいえるケースとして、毎日、夜だけ「外泊」して、自分の家に帰ることができていたので、病院での夕食をとったあと、自転車に乗って病院を離れ、その帰り道にあるスーパーへ寄って、夜食などの食材を買うついでに、その2階にある本屋によって、確か、ガンを消すための食事の本があったはず、抗がん弁当の本を図書館で借りたこともあるし、と、料理本の棚を探したものの、そのような本はなく、しかたなく、もう少し眺めてゆくと、健康という棚があって、そこに、そのような関係の本が、たくさん並んでいました。
 「ガンを消す食事 完全レシピ166」[1] ともう一冊、よく似た内容の本(今は他の人に貸しているので手元にありません)を買って、病院のベッドへ置いて、暇なときに読もうと思っていました。しかし、暇はたっぷりあったのに、けっきょく何も読まずに、「仮退院」のとき、自宅へと持ち帰りました。なぜかと、今考えてみると、そのころ私は、ほんとうに私がガンになっているということが信じられなかったからだと思います。

 私はどんどん健康になってゆくし、異常を示す血液検査の数値も、ほとんど健常人のレベルになってゆきました。入院中に主治医から、「田中さん、糖尿病ですよ」と言われたこともありましたが、そんな判断のもととなった数値や兆候なんか、この病院を出て、家での、以前の生活にもどり、陸上競技場でスプリントランニングをこなし、山に行ってコケやシダを採取し、川や池に行って、魚や貝やプランクトンを採取して、ほとんど原始人のような、活動的な日常をやれば、あっというまに消えてしまうと、かんたんに考えていました。そして、それは、当たっていました。

 私の胆のうはガンではなかったし、糖尿病というのは、常に血糖値が200を越えるような人のことです。尿に糖が出るというのは、余分な糖をたくさん摂取していたからで、それは、入院生活のストレスを和らげるために食べていた、夜食のパン類や、間食のグミなどのせいだと分かっていました。なぜ、そんなことが分かるかというと、血糖値を自由自在に減らすことができていたからです。たまたま間食の時間が測定時間に近づいていて、血糖値が200を超えていたとしても、30分あるだけで、160や110くらいに落とせたのです。このような夜食や間食をしてないときの血糖値は、いつも110くらいでした。これのどこが糖尿病なのでしょうか。

 まあ、「(甲賀病院での)仮退院」と「(滋賀医大での、入院なしの)退院」のあと、私は、パンを食べることを止めて、玄米をきちんと食べるようになってから、(かつて患っていた結核もしくは)肺炎気味の喘息の症状も消え、ゴブリンアイズのセールスのため、朝の8時から夕方の5時まで自転車に乗って、案内チラシの入った封筒を、病院などへ配りまくる、という仕事をこなせるようになり、精神もふくめて、私の身体のどこにも、病気として問題視するようなところは見当たらなくなっていました。
 この間に私は、病院で入院していたころの私が、いったいどのような理由で、ちょっとハイになっていたのかという謎を解くため、私たちの身体と食事が大きく関係しているだけでなく、私たちの精神も、食事の内容に大きく影響されていた(可能性がある)ことに気がつきはじめました。

 たまたま私はガンではなかったわけですが、入院中に、外のベンチなどで顔を合わせ、そのたびにおしゃべりした人は、体の中にいくつもガンを持っているそうです。外への出方を教えてくれた人は、食道のところにガンがあって、うまく食事ができないそうです。また、入院した最初の部屋の隣のベッドにいた人は、たまたま実家の近所のかたで、やはり食道のガンで、まったく食事をとることができず、「点滴だけで生きているようなもんだ」が口癖で、自分が死ぬということの覚悟ができている、という様子でした。
 入院して気が付いてみると、こんなにたくさんの人がガンになっている。まあ、そこは病院なので、治療のために集まってきているので、当然のことかもしれません。
 そして私も、ガンが進行してしまわないうちに手術する必要がある、と何度も言われてきたのです。
 だから、図書館の書棚に、次のようなタイトルの本があって、それを見過ごすことはできません。

 「日本人だけ なぜ、がんで命を落とす人が 増え続けるのか」[2]

 この本はタイトルが長すぎます。補題がまた長く、「消化器外科の 権威がすすめる 驚異の 栄養・代謝療法」となっています。
 著者が問いかけたかった問題をストレートに表しているのかもしれませんが、インターネットで検索しづらいものです。
 でも、この時点では、ほかに適当なフレーズが見つからなかったのかもしれません。
 今だったら、「ガンを食事で消すことができる」とか「食事が変わってガンが増えた」などの、もう少し短いフレーズのタイトルになったのかもしれませんが。

 この本のプロローグ「なぜ外科医の私が食事療法を取り入れたのか」のところに、このようなテーマへ突き進むことになる前の、著者の苦悩が示されています。
 その苦悩とは、ガンの外科治療のための手術をした患者の「五年生存率」を調べたところ、48パーセントの患者さんが、手術は成功したものの、五年以内に再発して亡くなっていた([2] p3)ということだそうです。
 この事実を、どうとらえるか。
 著者は驚くべき結果([2] p3)と表現しています。とてもショックだったようです。
 手術、抗がん剤治療(薬物療法)、放射線治療の限界を改めて感じざるを得ませんでした([2] p3)とも記しておられます。
 ガンの治療のための手術をした、およそ半数の人が、5年の内に亡くなってしまうのです。余命「数ヶ月」を「何年か」に伸ばすことができただけということになります。
 このことを、「くやしい」と思うか、「しかたがない」と思うか、それは、私は医者ではないので、何とも言えませんが、著者は「くやしい」と思っていた、だからこそ、何か、この問題を解くための方法を探した、ということなのでしょう。
 著者が気づいたヒントは、十三年前の肝臓がんの患者さんでした。
 この患者さんのガンは根本手術が不可能なまでに進行していたので、がんの病変を部分的に切除し、多くの病変を残したまま手術を終え、著者は余命数ヶ月と判断し、患者さんの家族の強い要望に応じて、自宅療法を許可したのだそうです。([2] p4)
 すると、その患者さんは、奥さんの強い意志と行動力で、徹底した食事療法を行い、取り残したがんの病変が、なんと、一年半で、すべて消失し、完治してしまったのだそうです。([2] p4)

 なぜ毎日食べている食べ物でがんが治るか

 著者はそれから、晩期がんの治療率を高めるための研究を始めたそうです。
 海外の情報としては(100年の歴史をもつ)ゲルソン療法を、日本の情報としては(50年来の実績がある)甲田療法というものがあることを知り、それらの内容に触れていったそうです。
 その内容について、ここにまとめようかとも思いましたが、ひかえておきます。
 そのような食事療法というものが、すでにあって、その実績も上がっているのだけれど、それが世の中に広まっていず、がんで亡くなってゆく人が、どんどん増えている、このようなことが分かったら、著者のように、このことをしっかりと説明し、現在の状況を変えてゆこうとするのが、良心的な人のすることだと考えられます。
 著者は太文字で記していませんが、この本 [2] のプロローグのところに、次のような説明があります。

 なぜ毎日食べている食べ物でがんが治るか
 食べ物によってがんになるケースが多い
 逆もまた真なり
 食べ物でがんが治ると考えるのは当然のこと([2] p6)

 もう一か所、引用します。

 スーパーやコンビニで買う加工食品には、長持ちさせるために、なんらかの添加物が使用されています。
 このような、栄養価も低く、農薬、添加物の多いものを食べていて、病気になるな、というのは無理なことです。
 これらのものを常食することは、人間の生命維持の力、免疫力を低下させていくものだからです。([2] pp6-7)

 このような「考察」により、著者は新たな治療法として、次の3つをとりあげ、それらをまとめてゆくということへと進んでいったようです。

 (1) 免疫力を上げる
 (2) 食事療法
 (3) 手術・薬物療法([2] p7)

 おおよそ、このあたりまでが、この本 [2] の9ページしかない、プロローグの、かんたんなまとめです。
 この本はp18から本文が始まり、p198まで続きます。
 それらの要点をまとめたいところですが、ここのところのリーフページがまとまらなくなりそうなので、これは、と感じるような「節」のタイトルの一部を、ここに引用しておくにとどめておきます。

 化学療法と食事療法の併用で生存率が格段にアップする
 なぜ、がんは代謝異常で起こるのか
 細胞ががん化するメカニズム
 クエン酸回路を正常にさせると病気(がん)は治る
 トランス型脂肪酸で代謝障害を起こす
 動物性たんぱく質の発がん性が怖い
 病気を治すのも、病気になるのも、自然治癒力の問題
 栄養・代謝指導は、これからの医療の基盤になる
 なぜ日本の食生活が変わったのか
 病気になるのは、毎日の食生活で決まる
 からだは生活習慣病になりたがっている
 植物性食材は、世界的潮流になっている
 玄米菜食のすばらしい効果
 食物アレルギーの真犯人が分かった
 リンゴのペクチンは発がんを阻止する
 大根は強力に「がん」と「血栓」を防止する
 強力な免疫増強作用があるキノコ
 シーフードベジタリアンは健康長寿
 縄文時代から食べられていたカキは健康食品
([2])

 あとがき

 私が滋賀医大で、私の胆のうはガンではありえない、という画像の証拠を見せて説明しようとしたとき、「私がガンになる可能性が(かなり)低い」ということを述べるための引用として、[1] の本のことを取り上げようとしました。
 そのとき消化器内科の医師は
「いま、はやりの」
と、一言だけ発しました。
 それだけで、この医師の考えや意識のありようが分かりました。
 この人は、食事とがんの関係や、その重要性についての認識が乏しい、と。
 たんなる「はやり」で片づけられる問題ではないと思います。
 これらの本に記されている「本質的なことがら」が、ある種の「意味」をもっているからこそ、人々のなかに「流行って」ゆくのだということが、どうやら、分かっていないようです。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, February 4, 2017)

 参照資料

[1] 「ガンを消す食事 完全レシピ166」、済陽高穂(監修)、主婦と生活社(刊), 2014-2-3
[2] 「日本人だけ なぜ、がんで命を落とす人が 増え続けるのか」、済陽高穂(著)、主婦と生活社(刊)、2007年12月31日

 

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