RaN350 植物や細菌には意識があるらしい

黒月樹人(◇田中タケシ)@黒月解析研究所

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 はじめに

 映画の名作「レオン」では、殺し屋レオンが、まるで動物のペットに対するかのようなふるまいを、一つの観葉植物(アグラオネマ)に対して行っています。
 子役時代のナタリー・ポートマンが演じるマチルダが、レオンに、その植物の何がいいのかと聞いたとき、レオンは、無駄なことを何も言わないから、とか(記憶が正しければ)言っていたと思います。
 植物はみんな、何も言わないものです。
 大きな樹木に耳をあてたら、何か聞こえるかと思っても(そんな童話があったかも)、私には何も聞こえませんでした。
 これも映画で、しかも、6本脚のオオカミや馬のような動物が登場するSF映画なので、地球人の勝手な想像ですが、まるで木星の衛星であるかのような、不思議な衛星パンドラに住んでいる(しっぽのある)原住民のアバターの世界では、「生命の木」だったかの、まるでしだれ柳の葉のようなものに耳をあてると、生きていた人々(ここではアバターのこと)の「声」が聞こえるのだそうです。
 ところが、クリーヴ・バクスターという人が、「レオン」に登場した観葉植物のような、室内に置いてある植物(ドラセナ)に、ウソ発見器を接続して、その反応を観察したところ、いつもは平静なレベルのグラフなのですが、突然ぴょんと振幅が大きくなり、何らかの反応を確かにするということが分かりだしてきたのです。
 植物は、声は出せないけど、その体内の何らかの反応として、叫びや言葉に対応するものを示すことがあるのです。

 ドラセナの実験

 クリーヴ・バクスターの「植物は気づいている―バクスター氏の不思議な実験」[2] の「はじめに」の章では、バクスター氏の経歴から語りはじめられます。
 10代の若いころ、バクスター氏は催眠術にのめり込みます。
 催眠術が使えるようになっていったのだそうです。
 それから、海軍で士官として働き、一度退官したのち、今度は、アメリカ陸軍の対敵情報活動部(CIC)で働くことになります。
 軍事的な作戦の中で、彼の得意とする催眠術を使うことを提案したりしていたのだそうですが、やがて、そのような催眠術にかかっている、スパイのような敵側の人間に対して、ポリグラフを使えば、本人が催眠術で意識が変わっていても、ほんとうのことを突きとめられるのではないか、と考えて、これの実用的なポリグラフ事業を起こしていったのだそうです。
 そして、人間を相手としていたポリグラフを、1966年からは、まったく異なる種類のものへ適用することになったのです。
 最初の不思議な実験については、1966年2月2日の午前7時すぎのことだった([2] p18)と記されています。
 夜中ずうっと、ポリグラフ研究所で仕事をしていたバクスター氏は、コーヒーを入れて休憩し、研究所の室内に置いてあったゴムとドラセナの鉢植えに水をやりながら、ふと、次のように思ったのだそうです。

 水が根から吸い上げられて葉まで上昇する速度を測定することは可能だろうか([2] p18)

 ポリグラフ検査官養成学校の校長だったバクスター氏は、ポリグラフを使えば、その疑問の答えが得られるかもしれないと思い、これまでは人間の皮膚に取り付けていたポリグラフの電極板を、根のところから長い茎が伸びて、その先に広がるようにしてついている葉の先端に取り付けたのです。
 そして、いくらか実験をしてゆくうちに、予想に反する反応が現れたことと、まるで、人間が調べられているときと同じような波形があらわれたことから、バクスター氏は、この植物が人間のように反応するというのなら、同じことが繰り返し起こるかどうかを調べることにしました。
 そして、ふと、次のようなことを考えたのだそうです。

 「植物を脅かすには、マッチを持ってきて、電極を取り付けた部分を焼いてみるのが一番だな」([2] p22)

 そのとき、不思議なことが起こりました。
 ドラセナの葉に取り付けていたポリグラフのペンが、とつぜん大きな振幅で動いたのです。

 何も話していないし、植物に触れてもいない、マッチをつけたわけでもない。ただ、葉に火をつけてみようという明確な意志があっただけだ。ところが、植物の記録には、葉が劇的に興奮したことを示していた。([2] p23)

  [1] には、このように記されています。
 このときバクスター氏は、この植物がバクスター氏の心を読んでいるのかもしれないと、とっさに考えたそうです。
 このときは1966年のことです。
 このドラセナの木は、(著者がこの本を書いている)2002年にも、彼の研究所の室内にあって、3m以上ある高さの天井のあたりまで大きく育っています。

 植物は(人だけではない)いろいろな「心」を感じ取る

 バクスター氏のこの本 [2] では、まるで、バクスター氏ではない誰かがまとめたかのような、第三者的な視点から、淡々と、さまざまなことがらが記されてゆきます。
 その、さまざまなことがらのいくつかを、私の理解に基づいてまとめておきます。

 (1) 植物は、熱湯が台所のシンクの排水管に流れ込んだ瞬間に、強い反応を示した。([2] p34)

 このことからバクスター氏は、排水管の中に生息していた、全体としてぬるぬるした状態になっている、数多くの微生物が熱湯で殺されることに、何かを感じ取って反応したようだと推測しています。

 (2) 植物は、壁の向こうにあるトイレで、男子用の小便が強い消毒液で流されるときに、強い反応を示した。([2] p35)

 このことも、小便の中に含まれる微生物が消毒液で殺されることについて、何かを感じ取って反応したと考えられています。
 そこでバクスター氏は、目に見えない微生物ではなく、もうすこし大きな生物では、どうなるかということを調べようと考えました。
 あまり人間に近いものだと非難されるおそれがあるので、バクスター氏が選んだのは、小エビでした。川エビのようなものです。もちろん生きていますが、(食べるためには)熱湯につけて茹でられてしまいます。

 (3) 植物は、小エビが熱湯で死ぬことに対して、強く反応した。([2] pp47-53)

 この実験のあたりから、人間の意図や意志が植物に「読まれてしまう」という現象を何度も観察しているので、このような実験のために、ある時間がきたら、小エビが入っている水入り容器をひっくり返して、下にある熱湯へと落とす装置を組み上げたそうです。
 そして、植物にポリグラフの電極板をとりつけておき、その装置の、実験開始のスイッチをいれます。ただし、いつ容器がひっくりかえるかは、実験をする人には分かりません。
 このようにしくまれた自動実験で、やはり植物は、遠くに離れている小エビの死に反応したのだそうです。

 さらに実験は続きます。
 明確な微生物として、生きた乳酸菌が選ばれて、いろいろな実験が行われました。
 あるいは、ニワトリの卵です。これは、とても大きな細胞です。
 それから、不思議なのは、口内からサンプリングした白血球が、そのもとの人の行動に対して反応するということです。
 このとき、その白血球と、それが所属していた人間とは、どんなに離れていても、その人のふるまいにおいて「事件」と呼べるようなことがあったとき、研究室に保存して電極を付けてあった白血球の液が反応するというのです。
 人間といっしょに行動している多くの細胞と、そこから分離された白血球という細胞とが、どんなに距離が離れてしまっても、ポリグラフで調べることによって、つながりが確認できるというわけです。
 このような現象について、この本ではバイオコミュニケ―ションという言葉が用いられています。
 でも、このような現象については、もっと有名な言葉があります。
 テレパシーです。

 人間どうしのテレパシーのことは、まだ、はっきりとした現象としてとらえられていないかもしません。
 しかし、植物は、おそらく植物どうしや、植物と微生物との間で、あるいは、小エビのような小動物と植物とで、さらには、私たち人間のものである、体の細胞と、そこから一時的に分かれた白血球では、テレパシーとして理解できるバイオコミュニケ―ションが存在しているのです。
 この本の中でも考察されていますが、(光を含めた)電磁波や、音、あるいは匂いなどの可能性は、いろいろな観察によって否定されています。
 この本 [2] を読んで、このように、実験者としての人間の意図が、観察される植物などに「読まれる」可能性があるので、慎重に計画した、人間の意図がかかわらないような、自動的な実験を行わないで、従来の手法のままだと、はっきりとした結果が得られないということが、何度も示されていることに強く印象づけられました。
 とくに生物がかかわってくる実験では、人間の意図が強く関係してくるようです。
 たとえば、病気と薬の関係なども、人間と薬の間に、腸内細菌などの微生物が入ってくることになるということを、現代科学に基づいた医療は、ほとんど無視しているようにみうけられます。
 私たちの体の細胞と、それとは別の生き物である腸内細菌とが、バイオコミュニケ―ションによって、何らかの情報を交換し合っているという可能性があるのです。
 ただし、このことはまだ実験的に確認されていないようですから、仮説段階の考えです。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, March 14, 2017)

 参照資料

[1] あなたの体は9割が細菌 原タイトル10% HUMAN、アランナ・コリン(著)、矢野真知子(訳)、河出書房新社(刊)、2016-8-30
[2] 植物は気づいている、バクスター氏の不思議な実験、クリーヴ・バクスター(著)、穂積由利子(訳)、日本教文社(刊)、平成17(西暦2005年)年7月20日

 

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