RaN368 ソマチットは水の中でゆっくり動く
The somatides move slowly in the water

黒月樹人(◇田中タケシ)@黒月解析研究所

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 光学顕微鏡に慣れるまで

 もし、このような、研究用と呼ばれるような、ちょっと大きめの光学顕微鏡 [1] を使うとしたら、たいていは、その大学や研究所の、先輩や先生などの指導者から、使い方を教わる、というのが、ごくごく普通のことでしょうから、そんな世界から遠く離れて、まったく単独に使い始めようとする、私のような人間がいるというのは、おそらく、想定外のことだったのでしょう。
 私はまだ、この光学顕微鏡の目視によるピントと、デジタルカメラによるピントが、うまく合わないということに悩んでいました。
 接眼レンズで対象物にピントを合わせて、それで、デジタルカメラのスイッチを、コンピュータのソフトのスイッチで入れて撮影すると、少しピントの甘い画像になってしまうのです。
 コンピュータでの画像をビデオモードにして、そちらを見ながらピントを合わせると、接眼レンズを覗いたときの画像のピントが甘くなります。
 ははあ、これは、接眼レンズのところのネジで調節するのだろう、と思ってやってみたものの、このネジの範囲は少しだけです。これは、左右の目の視力の違いを調節するだけのもののようでした。
 それでは、光学顕微鏡の筒の長さを変えるしかないと考え、そのようなことができるネジが付いてないか調べました。それらしきネジが2つあったのですが、それらを使っても、まったく改善されません。それらは、調整のためのものではなく、固定のためのもののようでした。
 だったら、デジタルカメラの高さを変えればよい。このように考えて、手で持って、高さを変えてみると、なるほど、ピントが合う状態がありました。
 光学顕微鏡の3軸目の穴にデジタルカメラをつけるための筒の横のところに、縦長のスリットが入っています。これはいったい何のためについているのだろうかと、疑問がわき、この理由を知りたくて、この筒を動かすと、スポンと上にとれてしまいました。内側の筒の上の方に、何やらネジ穴のようなものが見えます。
 これは、陸上競技のハードルのバーの高さを調節するときの仕組みのようなものかもしれないと気がつき、木の小箱に残しておいた、これまで使わなかった部品を調べました。
 そして、ビニールの小さな袋に入っていた、部品を固定するためのネジとワッシャーを見つけました。
 つまり、外側の筒を内側の筒にさしこみ、そのスリットの外からネジの脚を入れて、内側の筒にあるネジ穴にくるくると入れ、最後に外の筒を、そのネジの大きな頭で押さえるということのようでした。
 それで、外の筒を1センチばかり上に浮かせて固定すれば、接眼レンズでの像と、デジタルカメラでの像を、ほぼ合わせることができるということになりました。
 最後の微調節は、接眼レンズの調整ネジで行うようにしておけば完了です。

 ソマチットの見つけ方

 これから調べるソマチットでも、これと同じようなことが起こります。ソマチット研究の盲点は、これまで、そんなサイズの生物がいるということが、知識として教えられていなかったということと、通常の能力の光学顕微鏡で見ることができるということに、誰も気がつかなかったので、ずうっと見過ごされていたことです。
 このページで紹介するソマチットは、もともと、プランクトンの体内にいたもののようです。そこは安住の地だったので、動く必要がなかったのでしょう。
 しかし、水の中の何かを調べようと、平たいスライドガラスに池の水をスポイトで吸い込んで落とし、カバーガラスをかけて、染み出る水をテッシュで吸い取って観察したところ、意図的ではなかったのですが、プランクトン(おそらくミジンコ)を押しつぶすこととなって、その体内の成分を、水の中に押し出してしまうことになりました。
 緑色の、小さくて丸い、カラヒゲムシの仲間 [2] は、狭くてもすいすい動いていました。ミドリムシも、やはり小さいので動いています。ワムシも、小さなものなら、平気なようでした。
 それらの間に、ホールスライドガラスで観察していたときに見ていた、ミジンコの体内にあった、赤色の丸い球 [3] のようなものがありました。おそらく、金魚の餌に含まれている、金魚の色づけのための成分が集められているのでしょう。完全な球体のように見えます。

図1 原画像126

 それらから離れて、もうすこし小さなサイズで、白い粒子が見つかります。
 小さいけれど、明るく輝いています。
 なぜかは、まだよく分かりませんが、まるで輪郭線を描いたような、暗い領域に取り囲まれています。
 図1では、向かって左上の、濃い黄色の球体の、やや右上にあるものです。
 じっと見ていると、それが動いているということに気がつきました。
 赤色などの球体は静止しています。流れのようなものがあるわけではありません。

図2 ゆっくりと動く粒子(中央下ほか) code=126A

 小さなプランクトンのようなスピードではありませんが、ゆっくりと動き回っています。
 近くをプランクトンが通ると、その波の影響で、くるくると飛ばされますが、落ち着くと、自分のペースで動いてゆこうとします。
 ぶるぶるっと細かく振動するとか、何かに跳ね飛ばされて、あっちこっちと飛ばされる、というものではなく、ある方向を決めて、ゆっくり動こうとしています。
 単体のものもありますが、何個かで群体をつくって動くものもあります。
 あるていどスピードのあるものは、うまくとらえることができませんでしたが、静止ぎみのものは、うまく撮影できました。この顕微鏡用デジタルカメラのシャッター速度を調整する方法があるのかどうか、まだよく分かりません。
 カメラで記録できないとしても、目でおってゆけば、それがいくつかの光る粒子であることは分かります。
 このサイズで、この動き、これは、間違いなくソマチットでしょう。
 対物レンズの倍率はx40です。X4やx10では、ほとんど見つけられません。X100では追えなくなってしまいます。

 ソマチット(らしき小粒子)を調べる前に、ケンミジンコの体内にあったと思われる、赤色や黄色の球体について調べておきます。
 図3は赤色や黄色の球体についての切り取り画像126Bについての、 [2] 倍拡大画像です。このとき、この画像の横幅は67ミクロンとなります。大きなほうの赤色の球体の直径は、およそ20ミクロン、小さな黄色のほうは10ミクロンです。
 この図3について色加味32解析(配色G)を行ったのが図4です。

図3 赤色や黄色の球体 code=126B[2]
(この画像の横幅は67ミクロン)

図4 赤色や黄色の球体についての色加味解析 code=126B[2]_Add32(G)
(この画像の横幅は67ミクロン)

 図4では青色になっていますが、もともと赤色の球体の中に、小さな粒子が2つ認められます。これについて少し調べたところ、ソマチットの可能性が見えてきましたが、まだソマチットについての詳しい情報が分かっていませんので、ここでは、深入りしないことにします。黄色の球体のほうにも、小さな粒子が認められますが、これらについても、ここでは深入りしません。

 次の図5は、図2の中央下の粒子について [8] 倍に拡大したものです。このときの画像の横幅は17ミクロンとなります。
 この図5について色加味32解析(配色H)したものが、図6です。
 このときの配色は、明暗のストライプ状となっていますので、とくしゅなイメージとなります。このように区別されて、へこんでいるわけではありません。「形」を知るための工夫です。
 たとえば地形としての山を、上空から見ても、樹木の色で平坦に見えてしまいます。しかし、別に測量してある地形図の、等高線を加えて見れば、その山の形が分かってきます。
 このときの等高線に似ています。げんみつには等濃淡値線(あるいは領域)を見ようとしていることになります。

図5 ゆっくりと動く粒子(図2の中央下を拡大)code=126A[8]A
(この画像の横幅は17ミクロン)

図6 ゆっくりと動く粒子の色加味解析 code=126A[8]A_Add32(H)
(この画像の横幅は17ミクロン)

 図2の左中央あたりに、中央が明るい粒子と、暗い粒子が、混じっているところがあります。この部分を [8] 倍に拡大したのが、次の図7です。
 そして、この図7について色加味32解析(配色H)したものが、図8です。
 少し見づらいですが、明暗の粒子で、その解析パターンが違っています。

図7 着色粒子とソマチット code=126A[8]B
(この画像の横幅は17ミクロン)

図8 着色粒子とソマチットの色加味解析 code=126A[8]B_Add32(H)
(この画像の横幅は17ミクロン)

 もうすこし分かりやすい画像が得られていますので、次に、それについて調べます。

 速く動くソマチットと動かないソマチット

 自ら動く小粒子の画像を、もうひとつ紹介します。
 次の図9は2017-10-23に撮影した画像の48枚目です。原画像は1000万画素ですが、ここにおさめるために縮小しています。
 この画像の左上に、ぼんやりとした影のようなものがありますが、これは円形のカラヒゲムシが動いたための像です。
 この画像を写真として記録するとき、注目していたのは、緑色のエナガウチワヒゲムシの近くを動く小粒子群でした。少し細長くなって、曲がって写っているものですが、小さな粒子がいくつかよりそっていました。残念ながら、動いていたので、ぶれてしまっています。
 この画像を、あらためて見ると、左の中央あたりに、光る小粒子が記録されていました。
 ここでは動かないので、ピントがあっていたわけですが、このような粒子はすべて静止しているわけではなく、ゆっくり動いて、また止まる、というものも見られました。
 ソマチットと考えられます。

図9 原画像48 
(2017-10-23の)48(枚目、接眼レンズx40, 1000万画素)
 (左上)動いているカラヒゲムシ(静止していると円状に見える)

図10 画像48A 
(右上)エナガウチワヒゲムシ、(左下)動くソマチット(数粒の集団)

図11 画像48B ほとんど動かないソマチット

図12 画像48B[4]A
(48Bの[4]倍画像のB, この画像の横幅は33ミクロン)

図13 (図12の)色加味解析 code=48B[4]A_Add64(H)
(48Bの[4]倍画像のBの色加味64(H配色), この画像の横幅は33ミクロン)

 背景のパターンとは異なる、この粒子の支配領域のサイズは、縦が6.2ミクロン、横が4.7ミクロンでした。

 図14 (図13の)[4] 倍拡大 code=48B[4]A[4]A_Add64(H)
(この画像の横幅は8ミクロン)

 この解析画像の中央に、白く縁取りされ、黒い線に取り囲まれているものが認められますが、縦が0.91ミクロンで、細めの横幅は0.28ミクロンでした。

 つづく

 このようにして、観察して撮影したソマチットについて、このあと、それらを列挙すると、たいへんな分量となってしまいますので、このページでの説明は、ここまでとして、あらためて、それらを紹介したいと思います。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, October 26, 2017)

 参照資料

[1] 誠報堂科学館
[2] 卵をもっているカイミジンコと周囲のカラヒゲムシ
(接眼レンズx10の画像よりのカット)

図A 卵をもっているカイミジンコと周囲のカラヒゲムシ code=32A[080]A 

図B 図Aのフルーツ解析 code=32A[080]A_Fruit(sharp)Onion

[3] ケンミジンコの中の赤い球(接眼レンズx10の画像よりのカット)

図C ケンミジンコの中の赤い球 code=12[040]A 

図D 図Cのライス解析 code=12[040]A_Rice(basic)Soybean

 

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