RaN369 韓国産キムチは生きている

黒月樹人(◇田中タケシ)@黒月解析研究所

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 キムチにはいろいろある

 自分でキムチを漬けるような技術はないと納得してから、スーパーでキムチを選んで食べるようになっていました。
 はじめ、大量に安く売られていた、国産のキムチを買っていましたが、いつしか、少し割高ではあるものの、韓国産のキムチを買い続けるようになっていました。
 なぜかというと、美味しいと思えたからです。なんというか、コクのようなものがあって、しっかりしているものを食べていると感じられたからです。

 キムチは発酵食品

 キムチは発酵食品です。
 腸内細菌の様子を、健康的な状態にするためには、せっせと発酵食品を摂るべきだということが分かり、キムチをはじめ、納豆や漬物なども食べ続けるようになりましたが、なんといっても、キムチだけは常備して、暑い夏のころ、ご飯や他のおかずなど何も食べられないというくらいにバテていたときも、とりあえず、キムチを少しばかり食べて、気分を落ち着かせていたものです。
 キムチの中の何が発酵しているのでしょうか。
 乳酸菌だそうです。
 乳酸菌の大きさをウェブで調べてみると、0.5〜10ミクロンとありました[1]。
 これなら、私の顕微鏡で観察することができます。

 乳酸菌はどこにいる?

 キムチについて観察する前に、まったく異なるサンプルですが、以前イワシをさばいて、酢に浸しておいた残り汁があったので、それを顕微鏡で観察し、酵母菌らしきものを観察しました。

図1 酵母菌らしきもの code=4A[4]A
(この画像の横幅は33ミクロン, 大きな粒子は直径5ミクロンほど)

図2 酵母菌らしきものの色加味128解析 4A[4]A_Add128(N)
(パターンの違いから、これらの粒子は2種類が混じっていると分かる)

 酵母菌は、あるていど大きいことと、明らかに細胞膜を持っており、ところどころで、小さな娘細胞を出芽させているので、ここに写っているものだろうと思われます。
 乳酸菌は、それよりは小さくて、細胞膜に包まれているので、表面がのっぺりしているもののはずです。
 ウェブで調べた乳酸菌の画像は、いずれも電子顕微鏡によるもので、薬のカプセルのような形をしています[2]。電子顕微鏡で撮影するため、金属などでコーティングされたものらしく、外側の形が記録されているだけです。とりあえず、細長い、米俵状のもののようです。
 買ってあった韓国産キムチの赤い汁を少しばかりスポイトで吸い込んで、ホールスライドガラスに落とし、カバーガラスをかけて観察しはじめました。
 ところが、0.5〜10ミクロンで、米俵のようなものは、なかなか見つかりません。
 乳酸菌はどこにいるのでしょうか。

 あとで「追記」としてまとめようかとも思いましたが、印象が薄れてしまいますので、ここで述べておくことにします。
 図1に写っている大粒のものの中に、娘細胞らしきものを出芽させているものがありますので、それらは酵母菌だと思われます。図2の色加味解析のパターンを見ると、これらの酵母菌の内部は、かなりごちゃごちゃしています。ところが、これらの上に3つほど、内部のパターンに統一性があって、色も黒っぽいものがあります。図1に戻って、これらの3つの粒子を見ると、内部の輝きが、下の酵母菌より強いようです。これらのことから、この図1には、同じくらいのサイズの粒子の中に、異なる2種類の生物が写っているのではないでしょうか。そうすると、より強く輝いている3つの粒子は、いったい何なのでしょうか。これが乳酸菌なのでしょうか。しかし、細長い米俵状ではありません。あるいは、殻のようなもの持ったときのソマチットなのでしょうか。判断は保留しておくことにしましょう。

 動く微生物発見!

 韓国産キムチの汁を、接眼レンズx40として観察しています。
 キムチの汁なので、赤い小さな球体がたくさん見られます。おそらく、ラー油でしょう。
 小さな球体もありましたが、あまりに小さすぎるので、これはターゲット(乳酸菌)ではないと考えられます。
 こうして観察してゆくと、とつぜん微生物の集団に巡り合いました。

図3 動く微生物(小さな白っぽいもの) code=2A

 ピントを合わせて観察していると、その微生物が動いていることに気づきました。
 スライドガラスとカバーガラスの間にある水分が乾燥で少なくなってゆくときに、この小さな水圏にも、水流が生じることがあります。水の中の小さな粒子が、その流れに乗ってしまって、まるで、自由に動いているように見えることもあります。
 このようなタイプではありませんでした。
 全体の流れのようなものは感じられず、個々の微生物が単独に動いています。
 ブラウン運動と結びつけられるような、かすかな振動のような動きではなく、その微生物の中での、やや細長く伸びているものでは、「くねくね」という表現があてはまります。
 これが乳酸菌なのかもしれないぞ。そう思いながら、ホワイトバランスを確認し、視野のイメージと、コンピュータディスプレイに写っている(デジタルカメラによる)ビデオモードのイメージとの、どちらもピントが合うように調整し、何枚か、静止画像として記録しました。
 次の図4は、上記(図3)画像2Aの一部を[8]倍に拡大したB(2つ目)です。このとき、この画像の横幅は17ミクロンとなります。
 この図4について色加味64(配色H)としたものが図5で、色加味128(配色N)としたものが図6です。この図6は、上記図2と同じ配色です。ただし、拡大率が図2は[4]倍、図6は[8]倍となっています。

図4 動く微生物の[8]倍拡大のB code=2A[8]B
(この画像の横幅は17ミクロン, 小粒子は1ミクロンほど)

図5 図4の色加味64解析(配色H) code=2A[8]A_Add64(H)
(この画像の横幅は17ミクロン)

図6 図4の色加味128解析(配色N) code=2A[8]A_Add128(N)
(この画像の横幅は17ミクロン)

 ここに写っている小さな粒子が乳酸菌なのでしょうか。これらの小粒子のサイズは1ミクロンほどです。しかし、図4〜図6で見ている小粒子は、周囲に細胞膜を持っていないように見えています。内部の様子も、とてもシンプルで、本体もしくは中心体ともよべそうな、何かがあります。

 他の静止画像を解析してみると

 ひとたび見つけてしまえば、この、自らくねくねと動く微生物の一群は、顕微鏡のステージを移してゆくことにより、いくらでも見つかります。接眼レンズx40で、デジタルカメラ1000万画素の画像を10枚記録したのですが、その中の1枚目が、次の図7です。これを画像1とします。
 このままだとゴブリンアートで取り込みにくいので、とりあつかいやすいサイズに切り取ります。その1枚が図8の画像1Aです。
 図9は、図8から[8]倍拡大画像を作ったもののA(code=1A[8]A)です。

図7 画像1

図8 画像1A(画像1からの切り出しA)

図9 画像1Aの[8]倍拡大のA code=1A[8]A
(この画像の横幅は17ミクロン)

図10 図9の色加味64解析(配色H) code=1A[8]A_Add64(H)

 おそらく、これまでは、上記画像が光学顕微鏡の視野にとらえられたら、「連鎖球菌」や「桿菌」と判断されてきたことと思われます。
 しかし、それらは細菌の一種なので、細胞膜に取り囲まれているはずです。上記図1と図2は、そのような細胞膜をもつ細胞が、どのように解析されるかを示しています。
 図10は、このようなパターンではありません。
 この色加味64解析(配色H)を見ると、この微生物が細胞膜のようなものをもっていないことが分かります。
 どうやら、これらの動く微生物は、乳酸菌ではなく、ソマチットのようです。
 あるいは、これまで、これらは乳酸菌として取りあつかわれてきたという可能性があるかもしれません。
 なぜ、そのように考えられるかというと、これまで、ソマチットという言葉も知らなければ、そのような生命体が存在するということも、ほとんどの人は知らなかったのです。
 さらには、仮にソマチットという言葉を知っていたとしても、そのような小粒子は、血液の血漿の中に存在すると認識していたことでしょう。
 ソマチットが血漿中だけでなく、赤血球の(中心という意味での)中に入り込むことがあることは気づかれていたようですが、赤血球の壁の中や、赤血球どうしがくっつく間に入り込んでいることを明らかにしたのは、私が初めてのことでしょう。
 プランクトンの体内に入っていそうだということや、池の水そのものの中から見つかるということなどは、まだ正式に公開していませんが、確かな証拠としての画像は、ウェブのどこを探してもなかったようです。

 ソマチットの正体が見えるか

 色加味8-256解析は万能ではありません。
 画像の分解能を高めようと工夫してきましたが、このようなストライプパターンは、意図的につけたものです。上空から撮影した山の写真に、測量して知られている、その山の等高線を描き入れるようなものです。
 それでは、ほんものの画像のまま、もっと細部をくわしく見るためには、どのような方法があるのか。このような課題を考え続けているので、このゴブリンアートは、なかなか完成しません。
 このような、韓国産キムチの中に見つかった、自ら動く微生物の拡大画像と、ゴブリンアートの(解析手法のリストが並べてある)トップページを見比べ、次のような手順を試みることにしました。
 (1) (拡大した)画像@
 (2) 画像@の光核解析で、明るい部分を取り出す → LC(192-255)→ 画像A
 (3) 画像Aのフルーツ解析(Kiwi)→ Kiwi(Br) → 画像B
 (4) 画像Bのウェーブレット解析(17X)→ 17X → 画像C

図11 画像@ code=1A[8]A[4]A

図12 画像A code=1A[8]A[4]A_LC(192-255)

図13 画像B code=1A[8]A[4]A_LC(192-255)_Kiwi(Br)

図14 画像C code=1A[8]A[4]A_LC(192-255)_Kiwi(Br)_17X

 なんとも、むつかしい手順でしょうが、このような手順を踏ことによって、この小粒子の中に、いくらか異質なものが隠れているということが浮かび上がってきます。
 ここの手順(2)〜(4)においては、(2)光核のガイドページ、(3)フルーツのガイドページ(のFr.sharp)、(4)小波(ウェーブレット)のガイドページを、それぞれ開いて、ひとつずつ分岐の解析を選んでいって、つなげてゆきました。
 このあと、この手順によって、他の小粒子がどのように見えてくるかを示します。
 スペースの関係で、途中の画像Aと画像Bは省略します。

図15 2A[8]B[4]A

図16 2A[8]B[4]A_LC(192-255)_Kiwi(Br)_17X

図17 2A[8]B[4]B

図18 2A[8]B[4]B_LC(192-255)_Kiwi(Br)_17X

図19 2A[8]C[4]A

図20 2A[8]C[4]A_LC(192-255)_Kiwi(Br)_17X

図21 6A[8]A[4]A

図22 6A[8]A[4]A_LC(192-255)_Kiwi(weak_d)_17X

図23 6A[8]A[4]B

図24 6A[8]A[4]B_LC(192-255)_Kiwi(weak_d)_17X

 他の粒子についても、いろいろと試みてみましたが、細胞膜を持っている微生物では、このようなパターンは得られませんでした。
 電子顕微鏡で酵母菌や乳酸菌の画像が得られているようですが、それらは細胞の外壁の様子を撮影したものばかりです。つまり、外側から見た形だけしか観察されてはいないわけです。だから、そこに写っているものには、ほとんど個性のようなものは見られません。
 現代科学は、電子顕微鏡による、このような問題点を棚上げにして、微生物における研究を進めてきたのでしょうか。
 ここに現れてきた、立体的なパターンは、それがそのまま、ソマチットの本体の姿なのかどうか、これもまだ、よく分かりません。

 キムチにはいろいろある(あとがき)

 まだ、ここでの研究は確かなものとして、論文などにまとめて発表できるものではないと思われますが、せっかくなので、少しまとめておきます。

 (1) ある韓国産キムチの中には、自ら動く微生物が群生しています。
 (2) その微生物を調べたところ、それらは細胞膜をもっている菌類やバクテリア(細菌類)ではなく、細胞膜を持っていないソマチットである可能性があります。
 (3) それらは、培養できない微生物と見なされていた可能性もあります。
 (4) その韓国産キムチは、よく売れており、歴史的にも、韓国や日本で、これまで食べられてきたもののようです。
 (5) すると、そのような、美味しいとされ、人間の食生活に良好な食材としてみなされてきた、原因として、そのようなソマチットがかかわって来たという可能性があります。
 (6) このような、ソマチットらしき、自ら動く微生物は、すべての韓国産キムチに含まれているわけではないようです。もう一品韓国産キムチを調べてみましたが、見つかりませんでした。
 (7) 日本産キムチの一品について調べてみましたが、微生物らしきものが、まったく見つかりませんでした。ウェブで調べたところ、日本産キムチには「キムチ風浅漬」と呼ぶべきものがあるそうです。それだったのかもしれません。ひょっとすると、日本産キムチの中にも、ソマチットが含まれているものがあるかもしれません。まだ、それを観察していない、という可能性もあります。
 (8) つまり、キムチにはいろいろなものがある、ということです。
 (9) そして、これまで「乳酸菌」や「培養できない細菌」と見なされてきた微生物の中に、これまでの微生物の分類になかった、ソマチットが存在する可能性があります。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, October 30, 2017)

 参照資料

[1] あなたの知らないヨーグルトの世界
[2] ピロリ菌の活動を抑制OLL2716株乳酸菌「明治LG21」

図A OLL2716株乳酸菌

 

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