アドバイス003 2016-09-25(日)KT HHMさんのトレーニング

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito @ 9621 ANALYSIS)

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 はじめに

 実際に行ったことを記します。
 10時から始める予定でしたが、私も本人も9時30分には競技場にいて、ハードルの用意などの準備をしました。
 ほぼ10時から、次の[1]を始めました。

 トレーニング

[1] ウォーミングアップのかわりに、速足ウォーク100m×(2〜4本)
 2本はゆっくりめで、3〜4本目は速く
 これは、かなりきついウォーミングアップでした。
 少し重心を下げ、重心直下で地面をとらえて歩きます。歩くというのは最初だけで、実際は少し低いところを飛んでいます。競歩では失格です。

[2] 体操とストレッチ(通常のもの)
 いつも学校でやっているものをやってもらいました。本日のトレーニングの本格的なハードルのためのストレッチは、もっと後できちんと、たっぷり行います。

[3] (a)(ここからスパイク)スキップA(足首で弾ける連続ももあげ)50m×2
  (b) スキップAゴーオン(水平スビードを上げてゆく)50m×2
  (c) スタンディングスタートから、
   ロケットスタート [→] ガトリンダッシュ [→] グリーン加速走
   50m×2
  (d) 軽いスタートから、
   グリーン加速走 [→] ハンマー振子走によるスピードアップ
   50m×2
 これらは、前回のランニングトレーニングのおさらいです。
 かんぺきにできなくてもしかたがありません。
 これらの運動の中で、注意するところを指摘し、より良い動きになるように指導しました。

[4] ハードのための補助運動
 (a) ハードルを使った柔軟運動(何種類かあります)
 ひとつめはハードルに抜き足を乗せて行う前屈運動です。これは簡単にクリアーしました。
 ふたつめはハードルに抜き足を乗せたまま、身体の正面に壁があるようにしておき、上体を起こして、抜き足側に、その上体を傾けるというものです。真横への腰の柔軟です。これはきついものです。私が大学生のころは、王子陸上競技場のサブグラウンドのスタンドに、ちょうどよい場所があったので、どんなトレーニングの日も、このハードルストレッチは欠かさずやっていました。
 これらのストレッチは、効き脚だけでなく、左右とも均等にやります。これは、腰の周囲の筋肉や腱のバランスを狂わせて、ゆがみを生じさせないため、必ず守らなければなりません。
 みっつめの運動はハードルを使いません。壁の前に立って両手で倒れ込み、その状態で 抜き足の膝を背中側の肩につけます。弾みをつけて行います。次に、肩の後ろではなく、わきの下を通して、胸の前に抜き足の膝を出します。このとき、下で支える脚をしっかりと伸ばし、腰を高く保っておきます。
 もちろん、左右とも行います。

 (b) リード脚の振り出しからの、ハードリングのイメージドリル
 ハードルの無い平地で行います。
 まず、リード脚の膝を胸の高さまで上げます。このとき、腰を高くしておくのは当然ですが、リード脚の膝を開かず、まるで膝蹴りのように、膝を折りたたんであげます。
 次に、この膝を開いて、前方に大きくスウィングします。
 さらに、このあと、抜き足の膝を、わきの下を通して、胸の前に引き出し、そのまま腰を入れて、高い位置を保って前進します。背伸びして、膝を伸ばし、腰を高くして行います。
 このようなドリルがきちんとできるまで、ハードルを越えるトレーニングには進みません。

 (c) ハードルを設置し、その横を使って、疑似ハードリングドリル
 中学女子のハードルは低いので、横でリード脚のスウィングをしても、このあとの抜き足でハードルにぶつけることは、かなり避けられます。このとき、上半身を少し前に傾けておけば、抜き足はとても楽に運べます。
 左右ともに行います。

 (d) インターバル5歩での、ハードリング
   踏切における腕の使い方について
   ハードリング中の動作について
   ハードリング後の接地フォームについて
  (ここで5分から10分休憩。体の疲れは回復させる。)
 いくらドリルをやっても、この5歩のハードリングでは、すぐにできなくて、リード脚を横から運んだりしてしまいがちですが、これを少しずつ慣らしてゆき、リード脚の膝がまっすぐ前に出るように心がけます。
 踏切における腕の使い方でシングルアームアクションをさせようと思いましたが、そのような余裕がなさそうなので、リード脚と反対の腕をしっかりとリード脚の先へと伸ばすことを意識してもらいました。
 この腕を真横に振るのではなく、翼のように肘で少し下に向かって曲げ(肘が上を向きます)、この肘の内がわが抜き足の膝と触るくらいにして、低い位置で、抜き足の動きと、水平方向で反対の動きになるように、前から横を通って後ろに動かします。
 接地1歩目の姿勢が大切です。腰の位置を高く、支持脚の膝が曲がらず、背伸びをして、接地します。これができるように、ハードルの無い平地で、この動きを繰り返してから、ハードルの5歩インターバルで練習します。
 ここまででほぼ1時間でしたが、初めてのトレーニングで3歩を目指すのは無理と判断し、次の[5]はやらないことにしました。
 しかし、左右とも同じようにトレーニングしましたので、4歩インターバルでは行えます。これで慣れてゆけば4歩インターバルで予選突破くらいは可能となります(レベルにもよるでしょうが、秋の試合くらいなら、これくらいでしょう)。
 以前指導した女子高生(2年生、東京都)は、このようなトレーニング段階でも、4歩でこなすことにより、東京都の20傑に入ったので、翌年(3年生の春)の都大会の七種競技に出場することができました。17秒台で始まったハードルも、やがて大学に進んで、15秒台14秒台と駆け上り、彼女は200mや800mでも大量得点がとれる、七種競技のトップクラスの選手となってゆきました。あるとき試合を見に行って、
 「まだ(ハードルのタイムを縮めるために)こんなことができるはずだ」
と言ったら、
 「田中さん、そんなこと教えてくれなかったじゃないですか」
 「初めてハードルをする選手に、そこまで教えて、すぐできるはずないやろ。あのときは、ごく基本的なことしか教えてへん」
というやりとりがありました。彼女が14秒5くらいで走れるようになったころのことです。

[5] ハードル技術(ハードルは3台)
 (ここのところは、次回以降にすることにして、カットしました)
 (a) やや低くして、インターバルを少し短くして、
   インターバルを3歩で走るハードルのリズムを身につける
 (b) ハードルの高さを正規のものにして、
   インターバルは短いままで、
   [→] インターバルを3歩で走るハードルのリズムを身につける
 (c) インターバルを正規のものに直して
   [→] インターバルを3歩で走るハードルのリズムを身につける

[6] 芝生で、シューズによる、軽いランニング(何本か)
 2本走りました。かるく、コントロールスピードで。

[7] ジョッグもしくは歩行のあと体操やストレッチ
 お母さんが迎えに来られたので、芝生の上で、タイ式ストレッチを指導して、覚えてもらいました。
 「これから寝技を教えますから、(娘さんが言うことを聞かないときは)これで締め上げてやってください」
と、一言添えて。もちろんジョークです。
 実際は、かなり痛がっていました。本格的なストレッチですから、それくらいのほうが効くので、私は容赦しません。お母さんの技がうまく効くように、細かいところまで詳しく注意しました。
 ここまででほぼ2時間のトレーニングでした。
 本日は秋だというのに夏日となる暑さ。
 軽いトーニングですが、たっぷりとドリルをしましたので、(ベテランの私も)くたくたです。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, September 25, 2016)

 

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