短距離ランニングフォーム解析 (1) スタートダッシュ
2012 日本選手権 女子100m決勝 福島千里選手のスタート

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito)@ 9621 ANALYSIS

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 ランニングフォーム解析プログラム( runa.exe )

 ランニングフォームを解析するプログラム( runa.exe )を開発しています。ゴブリンクォーク4やゴブリンライスなどの、C++言語による画像解析プログラムでつちかった技術を応用し、10年ほど前にF-BASICで組み上げていたランニングフォーム解析プログラムのアルゴリズムを参考にしながら、すこしずつ改良してゆくのですが、これの、開発途上のバージョンのものを使って、とりあえず、原画像から身体各点の座標を読みとって、ソフト内のシミュレーションロボットへとデータを渡し、座標回転をおこなって、ほぼ真横からの画像へ変換できるようになりました。


図1 ランニングフォーム解析プログラム( runa.exe )の[座標]ページ

 2012 日本選手権 女子100m決勝 福島千里選手のスタート



図2 2012 日本選手権 女子100m決勝 福島千里選手のスタート

 図2では、605が5歩目で、611が6歩目、617が7歩目となります。
 原画像は私がスタンドから撮影したビデオ画像によるものですが、夜の9時台であったことと、遠い地点からの撮影であったため、細部が分かりにくいものとなってしまいました。全体の姿勢や脚部については座標を読みとることができたと思われますが、腕の様子については、確実なものとはいえないかもしれません。
 解析プログラムのruna.exeの機能が進化して、地面に接地している連続したフォームの、さらに1/10の時間間隔についての、詳細なフォームをシミューションすることができるようになりました。それらの全重心(G)の変化を、水平成分dx(G)と鉛直成分dy(G)について求め、グラフに表わせるようになりました。グラフに縦線が入っているところは、地面との接地がしっかりしていないため、値がばらついてしまうところです。塗りつぶされた濃い黄色のプロットが水平速度を、塗りつぶされていない濃い水色のプロットが鉛直速度です。こちらで太線になっているところは、右に詳細フォームとして描いたものです。


図3 612←611←610(6歩目)の有効キック部分

 図3の動きでは、濃い黄色の水平速度が、右上がりに大きな値となっており、水平速度の加速が行われていることを示しています。
 次の図4では、この「水平速度の加速」が、さらにはげしく行われていることが分かります。キック脚のパワーに加え、スウィング脚の動きが、このような加速を生み出しています。また、肩と腕の動きも見逃せません。


図4 618←617←616(7歩目)の有効キック部分

(Written by KULOTSUKI Kinoito, Oct 23, 2012)

 

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