ej09 日本選手権女子200m予選1組
兒玉芽生(福岡大)は高速ランニングフォーム

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito) 本名 田中 毅(TANAKA Takeshi)

「スポーツ解析」ブランチページへもどる

 はじめに

 日本選手権女子100m予選1組の画像は、次のYouTubeのサイトから収録しました。

 女子 200m 予選 1組 第103回日本陸上競技選手権大会

 日本選手権女子200m予選1組

 次の図1から図3は日本選手権女子200m予選1組の、曲走路から直送路へ出るあたりの、スタートから12.9秒、13.0秒、13.1秒の画像です。時間間隔は正確に0.1秒ずつではなく、表示がそうだっただけで、兒玉芽生選手(先頭、一番手前)のランニングフォームの特徴をとらえるために選びました。

図1 スタートから12.9秒

図2 スタートから13.0秒

図3 スタートから13.1秒

 兒玉芽生(福岡大)の高速ランニングフォーム

  図4は、上記図1〜図3より、兒玉芽生選手のランニングフォームだけを切り出して並べたものです。

図4 兒玉芽生(福岡大)の高速ランニングフォーム

 女子200m予選の1組の画像を、標準の速度や0.25倍のスローで見て、この兒玉芽生選手のランニングフォームがすぐに目にとまりました。
 @のフォームにおける、右脚の振りだし方は、これまでの古典的なランニングフォームからは考えられないものでした。なぜなら、短距離ランニングのスピードは、ストライド×ピッチ で生み出すものだと考えられていたからです。
 高速ランニングフォームの理論では、まったく違う考え方をします。ストライドやピッチではなく、接地時の加速力がスピードを生み出すという、完全な物理学の力学でとらえるのです。
 そのとき、Aのように、身体重心直下で力を地面に伝えることにより、その上に乗っている身体重心に、もっとも効率よく加速でき、大きなスピードへとつながります。
 Bのフォームは高速ランニングフォームに特有なもので、キック脚(このときは右脚)の膝から下の部分が、大工道具のバールのような形で、地面と膝(とそのうえのボディ)をつなぐのです。このとき、すでに力は抜けています。
 Bのフォームでは、キック脚の膝が曲がったままです。1990年ごろ日本のスポーツ力学のチームが、世界の一流選手のフォームとして、このことに気づき、膝をロックしたキックと呼びましたが、使いにくい用語なので、私はかんたんにクランクキックと呼ぶことにしました。
 これらの@→A→Bのフォームから、兒玉芽生選手が正しく高速ランニングフォームで走っていることが判断できます。
 1組、2組、3組と確認しましたが、よりタイムの良い選手がいるものの、高速ランニングフォームは一人だけでした。
 ここまでの技術がマスターできていれば、あとどのように鍛えてゆくかのプロセスは、かんたんに組み立ててゆけます。
 決勝レ―スでどうなるかは分かりませんが、今後、おそらく日本のトップランナーとなってゆくことでしょう。
 頑張ってください。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, June 30, 2019)

 

「スポーツ解析」ブランチページへもどる