高速ランニングフォームのエピソード(56)
ランニングスピード生成の拡張メカニズムの応用(2)
重心が浮かないキックフォームへの改良

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito @ 9621 ANALYSIS)

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 はじめに

 ランニングスピード生成の拡張メカニズムの研究の過程で、ランニングフォーム解析プログラムruna.exe の機能を改良し、ビデオ画像から読みとったステックピクチャー画像を、単に横並びさせるだけでなく、実際の上下変化をなぞることができるようにしました。このような解析アルゴリズムの改良を行いつつ、グラウンドでのトレーニングにおいて、これまでの、過剰な鉛直速度dyを生み出す、小さな跳躍タイプのランニングフォームを改良して、できるだけ水平に跳び出すことを心がけてキックするランニングを試しました。そこで、これらの、フォーム改良前(KT)と改良後(KLO15)について、地面に対するランナーの重心高がどのように変化しているのかを調べました。

 フォーム改良前(KT)と改良後(KLO15)の重心高解析ランニングフォーム

 次の図1に「フォーム改良前(KT)の重心高解析ランニングフォーム」を、図2に「フォーム改良後(KLO15)の重心高解析ランニングフォーム」を示します。


図1 KT(4) ← KT(3) の重心高解析ランニングフォーム
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図2 KLO15(8) ← KLO15(7) の重心高解析ランニングフォーム
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 図1と図2のランニングフォームを見比べてみると、上下動の変化がかなり違うということが分かります。図2のKLO15のランニングにおいては、キック脚で地面を押すとき、腰の少し上にある身体重心が、できるだけ水平に、前へと進むことをイメージしました。キック脚の足底が地面にしっかりとくっついて、その間に、身体重心が前へ進むという感覚です。これまでは、かかとの浮きとか、すねの傾きとか、膝の前進などをイメージしていたのでしたが、このような、細かなことは全て忘れて、身体重心の動きだけをイメージしたわけです。あとの細かな調整は私自身の小脳にまかせたことになります。けっきょくは、このような、おおまかなテクニックが有効なものとなるようです。これまで、いろいろと研究してきて見出してきたことの多くは、ここへとたどり着くための、こうではない、ああでもない、と判断するための、捨て石だったということなのかもしません。
 図1のKTと図2のKLO15は、冬季のランニングで、寒さのため、あまり速く走れていませんが、KTに比べKLO15では、およそ1 [m/s] 速くなっています。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, Feb 22, 2014)

 

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