高速ランニングフォームのエピソード(64)
ランナー感覚による ヨハン・ブレーク(Yohan BLAKE)選手の
トップスピードランニングフォーム

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito @ 9621 ANALYSIS)

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 はじめに

 「高速ランニングフォームのエピソード(61)ヨハン・ブレーク(Yohan BLAKE)選手のトップスピードランニングフォーム」においては、ヨハン・ブレーク(Yohan BLAKE)選手のランニングフォームについて、ステックピクチャーによる全体の動きを示し、その特徴について説明しました。
 今回は、キックポイントのフォームの前後における動きを、身体重心を中心として構成した、「ランナー感覚の解析図」を示してコメントします。キックポイントのフォームは、変化の中央に位置しています。

 ランナー感覚の解析図

 次の図1は「ランナー感覚による ヨハン・ブレーク(Yohan BLAKE)選手のトップスピードランニングフォーム」です。T(上半身の重心)、G(全重心)、S(スウィング脚の重心)、K(キック脚の重心)を意味します。これらの赤い脚と手は左のもので、青が右手と右脚となります。


図1 ランナー感覚による ヨハン・ブレーク(Yohan BLAKE)選手の トップスピードランニングフォーム

 このような、ランナー感覚による解析図を構成して分かったことをまとめます。

 (1) スウィング脚重心(S)の軌跡は、ほとんどがダウンスウィングのものではなく、レベルスウィングとみなせるものである。これに対応して、キック脚重心(K)の軌跡も、ほぼ水平となっている。スウィング脚の膝は、前方へと出されるとき、少し上に引きあげられている。このような動きにより、スウィング脚重心の軌跡が水平に近いものとなっている。

 (2) 上半身の重心(T)がほとんど変化していない。両腕の振りは前後に動いているが、胴体と頭の動きが非常に小さい。上半身の重心(T)の水平な位置は、全重心(G)の少し前となっている。

 (3) キック脚の足首によるスナップ動作が大きい。つまり、キック足のかかとがよく浮いている。このような変化にもかかわらず、キック脚重心(K)の軌跡が水平なものとなっている。また、キック足の支点(拇指球位置)の軌跡がほぼ水平であり、このことは、身体重心が水平に進んでいることを意味している。キック足のかかとが浮いているにもかかわらず、身体重心が水平に跳び出しているので、dGO(=a)→dG(=b)の変換比(b/a)が大きな値として作用する。

 (Written by KLOTSUKI Kinohito, Apr 24, 2014)

 

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