高速ランニングフォームのエピソード (69)
XTTY選手のタイム短縮のための3つの課題(テーマ、戦略)

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito @ 9621 ANALYSIS)

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 はじめに

 2014年5月25日(日)に行われた100mレースにおけるXTTY選手のランニングフォーム(XTTY17)について解析します。このレースは向かい風2.0mでした。
 スターティングブロックから跳び出すスタート(S)は、平地を走るものと状況が異なるので、これを「0歩」と呼び、スタートラインを越える1歩から「1歩」と呼んでゆきます。
 XTTY17の画像では、2歩目がスターターにより、4歩目が補助スターターにより、それぞれ解析できませんでした。また、レース後半の、27歩目以降についても、撮影角度の影響で、他のランナーの向こう側に隠れてしまって、こちらも解析できませんでした。
 このため、実際に解析出来たのは、スターティングブロックから跳び出す0歩と、スタートラインを超えてからの1歩から26歩までのうち、2歩目と4歩目を欠いたものです。のちに示すスピード変化のグラフでは、これらの2歩目と4歩目のデータは、それらの前後の値の中間値を、仮に求めて表示してあります。

 XTTY選手のタイム短縮のための3つの課題(テーマ、戦略)

 これに先立つ5月18日(日)の100mレースにおけるXTTY15を解析して、XTTY選手が100mのタイムを短縮するためには、次の3つの課題に取り組む必要があると考えられます。

 (1) スタート区間(0mから20m)での、加速をもっと大きなものにする。
 (2) 中間区間(20m〜60m)での、トップスピードを、さらに大きくする。
 (3) ラスト区間(60m〜100m)での、スピードを、できるだけ大きなものとする。

 このように、100mを、スタート区間(0mから20m)、中間区間(20m〜60m)、ラスト区間(60m〜100m)の3つに分け、それらの距離をこのように定めたのは、これらの区間における、ランニングフォームの選択が異なると考えられるからです。
 これらの区間の距離については、ランナーの意識によって変わるかもしれません。ここでの距離は、現在のXTTY選手に応じたものと見なせます。
 XTTY15において、XTTY選手は11歩目で10.5 [m/s] のトップスピードを生み出しています。これは素晴らしいものですが、ここまでのランニングにおいて、スピード変換率(dG/dGO)の小さな、ピストンキックが5歩もあります。
 11歩目で10.5 [m/s] のトップスピードを生み出したのはよいのですが、逆に考えると、その後の中間区間で、それをさらに超えるランニングフォームが生まれなかったということになります。
 XTTY選手のラスト区間は、スピード低下がわずかなものとなっていて、中間区間の中ほどまで少し後ろについて走っていた、他のランナーたちが、どんどん引き離されてゆきました。
 これはよいことなのでしようが、調べて見ると、XTTY選手はラスト区間に、やはりスピード変換率(dG/dGO)の比較的小さな、デルタクランクキックを高速フォームとして多用しています。
 ピストンキックやデルタクランクキックに比べ、スピード変換率(dG/dGO)の大きな、ガンマクランクキックが、3つの区間のいずれにおいても、あまり効果的なものとして使われていませんでした。

 全スピードとスピード能力3要素の変化

 図1は「XTTY選手の100m(XTTY17)前半の全スピードとスピード能力3要素の変化」です。
 紺色のプロットはXTTY17のデータによるものですが、薄い色のプロットは前回のXTTY15のものです。


図1 XTTY選手の100m(XTTY17)前半の全スピードとスピード能力3要素の変化
(※2歩目と4歩目のデータは推定中間値、フォームは不明)



 スピードとフォームの変化から、XTTY17におけるXTTY選手の意識としては、12歩あたりまでがスタート区間で、13歩目から中間区間としてのフォームへと切り替えてゆき、19歩目のガンマクランクキックでスピードに乗り、トップスピードランニングへと移っていったと推定されます。
 撮影したビデオを目視で観察しても、19歩目あたりで、突然、集団から抜け出したことが分かります。
 しかし、その後のレースとしては、その差がどんどんと広がってゆくというものではなく、ほぼ同じ差のままで進んでいったというものでした。
 スタート区間の走り方については、前回多かったピストンキックの代わりにデルタクランクキックが使われています。しかし、これらのスピード曲線を比べると、あまり違いは生まれていませんでした。
 上記3つの課題のうち、中間区間におけるトップスピードのレベルは、19歩目のガンマクランクキックが生み出されたことにより、かなり高められました。
 13歩目から26歩までの中間区間で、dGグラフの上に突出したフォームのいずれも、技術的に優れたものとなっています。
 これまで、XTTY選手のガンマクランクキックは、足首のバネがうまく組み合わさっていなかったのですが、今回のガンマクランクキックにおいては、足首のバネが生かされるようになり、キック足の膝下部分がくぎ抜き(バール)のように使われて、膝が前方へと進む、バールキックが実現できるようになりました。
 このため、キックベース速度(キック脚重心水平速度)dKの値としても、6 [m/s] 台が幾つか生み出されるようになり、19歩目でのdK=6.8 [m/s] はXTTY選手のベスト記録です。

 ガンマクランクキックとデルタクランクキックのHOLについての違い

 次の2つの図は、キック脚の足首のバネの効果を意味する、キック足のかかと(O)の動きを表わした角速度HOLと、全スピードdGとの関係を調べたものです。
 図2がXTTY17のガンマクランクキックのフォームだけを調べたもので、図3はXTTY17のデルタクランクキックのフォームだけを調べたものです。
 これと同じ設定で、XTTY15のデータを調べたところ(図4)、デルタクランクキックのフォームでは強い正の相関があったのですが、ガンマクランクキックにおいては、逆に、強い負の相関となっていたのです。
 図2と図3の回帰直線の位置を見比べると、デルタクランクキックに比べ、ガンマクランクキックのほうが、上に(dG値の大きなほうに)位置しています。これは、同じ足首キックのバネ(HOL)を使ったとしても、ガンマクランクキックのフォームのほうが、より大きな全スピードdGを生み出すことができるということを意味しています。


図2 XTTY17のガンマランクキックについての(HOL, dG)


図3 XTTY17のデルタランクキックについての(HOL, dG)


図4 XTTY15の(HOL, dG)

 たとえば、図2の「分類γ」での回帰直線は Y = +0.00212 X + 7.80 で、ここにX=1000 [度/秒] を代入すると、dG(γ)=Y=2.12 + 7.80 = 9.92 [m/s] となります。
 図3の「分類δ」での回帰直線は Y = +0.00243 X + 5.74 なので、同様に、X=1000 [度/秒] を代入すると、dG(δ)=Y=2.43 + 5.74 = 8.17 [m/s] となります。
 HOL=X=1000 [度/秒] に対して、ガンマクランクキックではdG(γ)= 9.92 [m/s]、デルタクランクキックではdG(δ) = 8.17 [m/s] となりますから、その差△dG=9.92-8.17 = 1.75 [m/s] となります。
 これはXTTY17におけるデータに基づく計算ですが、XTTY選手は、HOLでdGを大きくすることのできる、ガンマクランクキックのフォームを獲得したことになります。

 全スピードdGと他の要素との関係

 次に、全スピードdGと他の要素との関係について調べます。
 表1はXTTY17の解析したフォームについての、いろいろな要素の値です。
 ##)はデータ番号です。
 codeのXTTY17_0はXTTY17の0歩目という意味です。
 dGOは、Gを全重心、Oをキック足の支点(スパイク面の拇指球位置)としたときの、キック軸GOに沿った、全重心Gの速度です。キック軸速度dGOと呼びます。
 dGは全重心水平速度(全スピード)です。
 b/aは、b=dG, a=dGOとおいたときの比で、スピード変換比と呼びます。
 ∠GOLからWOL/KOLまでは、(キックにおいてdGが最大値をとる)キックポイントでの値です。
 ∠GOLはキック軸GOの姿勢角です。Oの地面後方にLをとって角度を求めています。
 suneはキック脚のすねの姿勢角です。
 WOL/KOLは、角速度WOLと角速度KOLの比で、キック脚硬化比と呼びます。ここでWは腰点で、Kはキック脚の膝点で、Oは支点、LはOより後方の地面においた任意の点です。

表1 XTTY17のいろいろな要素値



 表1の要素値から、全スピードdGを縦軸にとり、横軸に他の要素をとって比べたグラフを次に示します。


図5 XTTY17の(∠GOL, dG)

 図5はXTTY17の(∠GOL, dG)です。横軸にキック軸GOの姿勢角をとって、全スピードdGを調べたものですが、緑(δ)の219を除いて眺めてみると、白抜き紺色(左脚キックのγ)をピークとした分布となっています。
 XTTY15までの分布では、ガンマクランクキックがつくる分布と、デルタクランクキックがつくる分布とが、少し離れて、二つの峰を並べていました。
 今回のXTTY17では、ガンマクランクキックがつくる峰の中に、多くのデルタクランクキックが吸収されて、ほぼ一つのピークでの分布に近いものが現れたということになります。
 ベータクランクキック(黒の213)やガンマデルタクランクキック(濃い黄の224)も、ガンマクランクキックのピークに沿っています。


図6 XTTY17の(sune, dG)

 図6はすねの姿勢角suneについてdGを調べたものです。sune=120 [度]のところにピークのγ218があります。γ218は19歩目のガンマクランクキックです。このときのsune=120 [度]がどのような状態なのかは、後に示す「19歩目のガンマクランクキック」のところで確認してください。


図7 XTTY17の(dGO, dG)

 図7はXTTY17の(dGO, dG)です。dGOはキック軸速度です。この値を大きくする要素としては、(1) キック脚のバネ、(2) キック足首のバネ、(3) スウィング脚重心の動き、の3つがあります。緑のデルタクランクキックではdGOが2.0 [m/s] から3.0 [m/s]あたりにありますが、紺色のガンマクランクキックではdGOが1.0 [m/s] から2.0 [m/s]あたりにあります。しかも、ガンマクランクキックのほうが全スピードdGは大きくなる傾向があります。
 デルタクランクキックに比べて、ガンマクランクキックでは、より「軽く」(弱いバネで)走れて、しかも、スピードアップできるという、理想的な状態にXTTY選手の走り方が変化してきたということを示しています。


図8 XTTY17の(WOL/KOL, dG)

 図8はキック脚硬化比WOL/KOLと全スピードdGについて調べたものです。
 19歩目のγ218ではWOL/KOL=0.87となっており、キック脚の太もも部分より膝下部分が、すこし優勢に動いていることを意味しています。このような値は、カール・ルイスのランニングフォームで多く現れています。
 γ221は22歩目のガンマクランクキックですが、このフォームでは、あるていど大きなキックベース速度dK=5.6 [m/s] をもつキック脚の膝の上で、太もも部分が前方へとメトロノームのように動いて、上半身が乗った腰点を前方へと送るものです。
 XTTY選手は、もともと、このようなフォームをもっていたと考えられます。ただし、最初に(2014-01-05)観察したXTTY1のフォームでは、キックベース速度が小さなものとなっており、太もも部分によるメトロノームキックだけに頼るものとなっていました。
 キック脚が全体で使われる真正クランクキック(WOL/KOL=1.0あたり)と、太もも部分の動きが目立つメトロノームキック(WOL/KOL=2.0以上)がありますが、これらの中間状態として、あるていど大きなキックベース速度と、適度なメトロノームキックを組み合わせた、ハイブリッドキックとでも呼べそうなフォームが存在して、あるていど大きな全スピードdGを生み出すことができるのではないかと予想していたのですが、それがγ221として現れました。
 真正クランクキックとメトロノームキックのハイブリッドキックは、100mよりも、200mや400mのランニングで、より効果をもっていると考えられます。200mや400mを専門とするランナーは、このようなハイブリッドキックのランニングフォームをみがきあげてゆくとよいでしょう。

 このあと、これまでに注目した、優れた性質をもつ、幾つかのランニングフォームについての、より具体的な動きを観察します。

 6歩目のガンマクランクキック


図9 6歩目(γ, dG=8.6 [m/s] , dK=5.4 [m/s] )

 5歩目のデルタクランクキックと6歩目のガンマクランクキックで8.6 [m/s] となっており、前回のXTTY15より、大きなスピードとなっています。
 この6歩目でガンマクランクキックのフォームが有効にスピードを高めているので、このあとデルタクランクキックに戻ってしまって、スピード変換比の効率を下げてしまわずに、このままガンマクランクキックで走れるように心がければ、次の19歩目でのガンマクランクキックの状態を、もっと早い段階で生み出せるかもしれません。
 3から4の動きでスウィング脚の膝を高く引き出していますが、右のランナー感覚の動きから分かるように、スウィング脚の膝を高く引きあげる動きは、このときのスピードには関係がないということになります。
 おそらく、スウィング脚の膝を強く引き出す動きは、ピストンキックやデルタクランクキックにおける、キック脚の動きとシンクロすると思われますが、図9のように、6歩目あたりでは無関係なものとなっているようです。
 しかし、このようなスウィング脚の動きが自然なものとなっていて、キック脚の動きとシンクロするところでのスピードを大きくすることと結びついているのなら、変える必要はないかもしません。

 14歩目のベータクランクキック


図10 14歩目(β, dG=10.0 [m/s] , dK=6.0 [m/s] )

 このときのベータクランクキックはガンマクランクキックに近いものです。このフォームの前にデルタクランクキックが3歩あって、このフォームの後にピストンキックがあるという流れの中で、このベータクランクキックは19歩からのスピードアップの準備段階として、うまく使われています。
 このあたりでの身体重心の高さは、やや高いようで、これがもう少し低くすることができれば、中腰ガンマクランクキックとなると考えられます。

 19歩目のガンマクランクキック


図11 19歩目(γ, dG=10.8 [m/s] , dK=6.8 [m/s] )

 あと少しで11 [m/s] となる、素晴らしいフォームです。2での、キック脚のすねがよく立った状態から、3のような、キック足のかかとが大きく浮いて、膝を前方へと進めています。足首のバネをつかって地面を弾くタイミングがうまくいったようです。2から3のフォームの間で力を込めるという感覚をしっかりとつかんでください。
 右にあるランナー感覚の動きを見ると、キック脚の重心もスウィング脚の重心も、地面とほぼ平行な動きをしています。わずかにスウィング脚重心がダウンスウィングとなっているようですが、これがうまく作用して、キック足の膝下部分の動きを大きくしているようです。

 20歩目のデルタクランクキック


図12 20歩目(δ, dG=10.5 [m/s] , dK=6.5 [m/s] )

 身体重心がやや高いことと、足首のキックが遅れ気味であることにより、デルタクランクキックとなったようです。このときの足首の動きを示すHOL=1775 [度/秒]と、非常に大きなものとなっていますが、このときの足首のバネは、ランナーの意志によってコントロールされたものと考えられます。
 19歩目の後なので、比較的大きなdGとdKの値が生み出されていますが、このときのdGO=3.0 [m/s] やHOL=1775 [度/秒]の「努力」を考えると、これに見合ったスピードとして変換されていません。

 22歩目のガンマクランクキック


図13 22歩目(γ, dG=10.2 [m/s] , dK=5.6 [m/s] )

 このフォームは、真正クランクキックとメトロノームキックとのハイブリッドキックとなっています。キック足のかかとが浮いて膝を前方に押すとき、同時に、太もも部分が、膝の上で、メトロノームのように動いて、腰を前方へと押しだしています。
 このとき、スウィング脚の膝がやや上に引きあげられていることが、キックベース速度dKを大きくするための、膝下の動きによくない影響をもたらしているかもしれません。

 25歩目のガンマデルタクランクキック


図14 25歩目(gd, dG=10.3 [m/s], dK=6.5 [m/s] )

 分類上はガンマデルタクランクキックですが、高速のガンマクランクキックの性質をよく反映している、優れたフォームです。キック脚のすねが、ほどよく立っている2の姿勢から、キック脚の全体がうまく前傾して、それをキック足の足首のバネで押しだすフォームとなっています。

 XTTY選手のタイム短縮のための、さらに詳しい3つの課題(テーマ、戦略)

 XTTY15のレースのあとの課題は次のようなものでした。

 (1) スタート区間(0mから20m)での、加速をもっと大きなものにする。
 (2) 中間区間(20m〜60m)での、トップスピードを、さらに大きくする。
 (3) ラスト区間(60m〜100m)での、スピードを、できるだけ大きなものとする。

 XTTY17の解析を踏まえて、さらに詳しく、これらの課題について、コメントを加えることにします。

 (A) スタート区間(0mから20m)で、XTTY15ではピストンキックが多くあったところ、XTTY17ではデルタクランクキックに置き換わりました。しかし、これらのフォームにおけるスピード変換比は、いずれも小さいので、図1に示されているように、10歩目あたりまでの全スピード曲線の様子は、あまり変わっていません。
 3歩目か5歩目あたりから、後方へキックするのではなく、身体の下で弾くという、中間疾走のパターンの走り方で、もっとスピードアップできるかどうかということを、トレーニングのときにテストしてほしいと思います。中腰のガンマクランクキックか、中腰のガンマデルタクランクキックで、足首のバネも反射的に使うことができれば、うまくいくかもしれません。

 (B) 中間区間(20m〜60m)で、XTTY15では11歩目でトップスピードとなって、その後にスピードアップが出来ないという状況でしたが、向い風の影響があったためか、XTTY17では18歩目まで、あまりスピードに乗れなかったものの、19歩目から、これまでより優れたガンマクランクキックのフォームなどが生み出され、このような、ランニングフォームの調整によってスピードアップが可能だということが示されました。この19歩目におけるキック軸速度はdGO=1.72 [m/s] と、さほど大きな値ではないものの、全体のフォームの調整と、適度な大きさのHOL=1411 [度/秒] という、足首のバネの組み合わせで、大きな全スピードdGが生み出されたわけです。
 このような結果を踏まえて、このような、高速のガンマクランクキックのフォームを、連続して生み出すことができなくてもよいので、できるだけ数多く生み出すようにすれば、中間区間でのスピードレベルを引き上げることができるはずです。

 (C) ラスト区間(60m〜100m)でのランニングフォームの情報としては、解析できたXTTY15のものしかありませんが、ビデオを観察すると、XTTY17でも、フォームの傾向は、あまり変化していないようです。
 XTTY15でのラスト区間の主要フォームはデルタクランクキックとなっていました。その時点においては、ガンマクランクキックとデルタクランクキックのスピード評価が同じくらいだったので、よく慣れているデルタクランクキックでよいだろうと考えられました。
 しかし、XTTY17において、デルタクランクキックよりスピードの大きなガンマクランクキックが生み出されるようになりましたので、ラスト区間(60m〜100m)でも、キック軸速度dGOが小さくてもよい、ガンマクランクキックを目指してゆくほうがよいと考えられます。
 ラスト区間では身体重心が高くなりがちなので、それを利用して、腰高のベータクランクキックで走るというアイディアもありますが、これも、トレーニング段階でテストしておく必要があります。

 まとめると、スタート区間(0mから20m)では中腰ガンマクランクキックを、中間区間(20m〜60m)では標準(高)ガンマクランクキックを、ラスト区間(60m〜100m)では腰高ガンマクランクキックを、それぞれ目指すという戦略です。
 これがうまくいくかどうかは、トレーニングでチャレンジしてテストしておくべきだと考えられます。なぜかというと、現段階では、これはアイディアだけの状態で、まだ、どのように走ることができるかということは、はっきりしていないからです。
 しかし、XTTY15の後での課題(2)「中間区間(20m〜60m)での、トップスピードを、さらに大きくする」については、XTTY17で、ガンマクランクキックのフォームが高速化できるということが分かりましたので、かなり「(より速く走るためのプロセスとしての)道」は開けたと見なせます。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, May 31, 2014)

 

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