高速ランニングフォームのエピソード
(79) 高速ランニングフォームのラストはキリン走り

黒月樹人(KULOTSUKI Kinohito @ 9621 ANALYSIS)

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 はじめに

 リオデジャネイロオリンピックをテレビで見るつもりでしたが、ゴブリンアイズというX線画像解析ソフトのマニュアルをまとめてゆく「仕事」がたくさんあって、開会式の入場行進のところをだらだらと見た日以外は、仕事場にこもっています。
 なぜかというと、現在私が生活しているところ(母の実家)には、テレビがないのです。それで、母が今住んでいる、隣町の私の実家まで、車を飛ばして見に行ったのでしたが、その夜、夢で、ひざびさに、私はまだ学生か社会人のなりたてで、どこかに下宿していて、この先どうなるか分からない、という、不安に充ちた生活のドラマを体験しました。目覚めてから、ああ、こんなことしてはいられない。リオオリンピックをとるか、ゴブリンアイズをとるか、どちらかにしないと。もちろん、ゴブリンアイズだ。

 ボランティアコーチ

 5月ごろだったと思います。
 仕事の気分転換に、近くの陸上競技場へ散歩に行ったとき、小学生も参加している陸上競技の大会があって、そこで私は、小さなスポーツ少年団の陸上競技の指導にかかわっている人を見つけ、おしゃべりをしました。
 このチームについては、昨年一度だけランニングフォームを教えに行ったことがあります。しかし、そのころ私は、夜勤と日勤を数日ごとに入れ替える仕事に就いていましたし、そのチームには、陸上競技をやっていたという小学校の先生も教えられていたので、あまり横からでしゃばることもないと考えました。
 一年ぶりに知人と話してみると、その指導者は、転勤か何かで、もう関わっていないらしく、活動場所の小学校も変わったのだそうです。
 そして、その知人の依頼で、自分の体を動かすことにもなり、週一回のトレーニングに参加することにしました。
 1回目は、いっしょにトレーニングするというスタンスでしたが、途中、ランニングのためのドリルをやりだしたので、最後に、スキップAを指導させてもらいました。
 スキップAは高速ランニングフォームの基本中の基本です。
 その夜、私は、小学生にも指導できる、高速ランニングフォームのポイントを6つまとめました。
 翌週の2回目、私はそのメモをもって小学校へとゆき、これから、毎週一つずつ指導してゆこうと考えていることを説明しようとしましたが、なにやら様子が違います。
 どうやら、そのスポーツ少年団のチームで育った大学生が、その小学校の教育実習に来ていて、しかも、そのスポーツ少年団の上位チームのコーチをしているというのです。
 しかたなく私は、指導ではなく、いっしょにトレーニングするという立場で参加しました。
 その教育実習生の選任コーチは、教育実習期間の2回だけやって来て、後は、夏の教員採用試験が終わったら参加するということでした。
 じゃあ、私がランニングの指導をおこなったかというと、そうではなく、このスポーツ少年団をまとめている、この地域の陸上競技団体に所属している、ある長距離ランナーが実質的な指導権をもっていて、その人がトレーニング全体を統括していました。
 競技場で依頼された知人は、私が思い込んでしまった、小学校の教師ではなく、そのチームに参加している子供の父親だったのです。
 このあと、私は、その父親に依頼して、長距離ランナーのコーチに、スプリントランニングの指導を1回させてもらえましたが、その翌週からは、また、ただのトレーニング参加者に格下げです。
 そして、6回目あたりのころ、そのチームを管理している人から、このスポーツ少年団の指導体系から外れるようなことは教えてくれるな、と言われました。
 そこで、少し議論しましたが、まったく分かってもらえません。
 その日は最後までトレーニングしました。
 その終わりころ、「速く走れるようになった」とつぶやいたのを、長距離ランナーのコーチが聞きつけ、自分の指導が効果を生み出していると評価されたのだと思い込みました。
 「いや、速くなったのは小学生たちではなく、私のことです。」
 この翌週から、私は、そこへは行かないことにして、ゴブリンアイズの仕事に専念することにしました。

 速く走るための7つのコツ

 小学生たちに教えるためまとめた「速く走るためのトレーニング」のメモを次に記しておきます。

 [1] 正式なももあげ運動を覚える。
 (スキップA)足首ではじけるももあげ
 (注意点)かかとを浮かせておくように意識し、足首のバネを効かせて、地面をそのバネが効いた足でたたいた反動でももがあがる。
 方法 (a) ゆっくり進む
    (b) 少しずつ水平スピードをあげる(はじけるももあげゴーオン)

 [2] 浮かないで進む
 (0) やや中腰の姿勢をとる。
 (1) 中腰速足(はやあし)歩行(忍者歩き)をする。
   スピードアップしてゆき、走る状態へと移る。
 (2) 中腰で、足首ではずむももあげ(中腰スキップA)(忍者ももあげ)
   腰を浮かし切らないので、かなりむつかしい。
   前で足をさばくももあげとなる。
 (3) 中腰スキップA → 中腰のまま水平スピードアップ → 忍者走り
   モーリス・グリーンの脚を前でさばくランニングへつながる。
   ワレリー・ボルゾフも、中腰で走ることを述べていた。
 (4) 形ができてきたら、ピッチを上げる。
   じつは、うまくいくと、自然とピッチがあがる。
   重心直下で弾く走り方ができると、後方へ動くことがなくなる。
   前方だけの範囲で脚が動くため。

 [3] カーブは忍者走りで走る
 浮かずに、ななめ前に進む。
 真下をとらえて、その反動で、膝が前にでる。
 後ろにけらない。真下で弾く。内側のキック脚のとき、より中腰で。

 [4] 空手パワーキック
 地面に空手で割る板があるとイメージして、強く下にける。
 真下で弾いて水平スピードを上げるフォームができていれば、これで速く走れる。
 強くけることでスピードが上がるように。
 結果的にピッチがあがる。
 ピッチを上げるのが目的ではなく、大きな力を水平スピードの加速に使うこと。

 [5] ロケットスタートとガトリンダッシュ
 ロケットスタートはスタートのとき、2歩だけ、やや外側に足をつき、後方へ、ロケットブースターのように、強く力をくわえる。
 そのあとの4歩はガトリンダッシュ。
 日本人でマスターしているのは山縣選手。
 なので、ヤマガタダッシュと呼んでもよい。
 3歩目からは後方をけらずに、真下で弾くようにする。
 真下を押さえたら、後方へと足が流れるのを惜しんで、意図的に足を前に運ぶ。
 外から見ると「すり足」のように見えるが、本人たちは、そのようには意識していない。
 真下を押してスピードに変えることができたら、次のキックへと、最短距離で足を運ぼうとしているのである。この結果が「すり足」に見えるだけ。
 本質的なことは、無駄な動きをしない。
 力がスピードに変わる瞬間をすばやく感じ取る。
 このあと、モーリス・グリーンやワレリー・ボルゾフの、やや中腰でのダッシュに移る。
 そして、空手パワーキックで、スピードを高めてゆく。

 [6] 空手パワーキックのあとは、ツバメ走り
 空気に乗る。
 スキップBの動きを組み込む。
 足首のバネを生かしてキックする、正しいスキップBは、走ってしまう。

 [7] ツバメ走りより大きなスピードを生み出す、キリン走り
 (小学生のためのメモは[6]まででしたが、のちに中学生に教える機会があって、これをくわえました)
 さいごは背伸びをして、脚をできるだけ長く使って走る。
 ボルトに勝ったこともある、(何年か前の)ヨハン・ブレークがやっていた。
 前半の加速段階では、やや中腰気味に走るのだが、スピードが高まるにつれ、腰を上げて、脚を伸ばしきって振り回し、できるだけ大きな車輪で走る感覚。
 同じ回転スピードでも、大きな車輪のほうが、地面に接するときのスピードが大きくなる。かんたんな力学。

 リオデシャネイロオリンピックの男子100m

 テレビで見ようと思ってはいたのですが、(おそらく、この世界の医療をおおきく変える)ゴブリンアイズのマニュアルを作る仕事を優先して、その結果は、ウェブのニュースで確認するだけでした。
 でも、ウェブの「動画」に何かあるかもしれないと、それらを探し、見ることができました。
 かつては、ヨハン・ブレーク選手の動きとして、キリン走りをイメージしていたのですが、現在、このキリン走りがもっともうまく実行できているのは、ボルト選手です。
 100mの前半の走りは、ガトリン選手が見事でした。ガトリンダッシュが洗練されていて、早くスピードを上げています。
 ここのところは、山縣選手も見事でした。ちょこちょこと小さく動いている感じがする、ダッシュのところをよく観察してください。
 ガトリン選手のすばらしさは、このようなところでも、空手パワーキックだということです。キックの強さが感じ取れます。
 ボルト選手のスタートから前半の走りは、大きな身体のため、あまり目立って速いという感じではありません。
 しかし、中盤から後半にかけて、その身体の大きさがうまく効いてきて、脚の長さを利用し、大きな車輪へと変化させ、ちょっと見ると、他の選手よりゆっくり動いているように見えるのですが、抜きんでて速くなります。
 これがキリン走りの極意です。
 山縣選手は、それなりに、空手パワーキックのような、大きな力を地面に伝えてスピードアップするということをやっているのでしょうが、後半の走りで、脚を大きく使う、キリン走りのイメージは感じ取れません。
 ケンブリッジ飛鳥選手も、よくまとまっていますが、とくに目立って優れた技術というものが見えていません。その分、可能性は大きいと思われます。
 たとえば、最初のロケットスタートはやっていますが、まだ中途半端な形で、外側に足をついただけで、強く後方にキックする感じが見えていません。
 ガトリンダッシュのところは、まったく平凡な動きです。
 このあとの、モーリス・グリーンのやや中腰加速走のところが甘く、比較的早く腰を高く上げてしまっています。
 腰を高くするというのではなく、脚を長く振り回すことにより、自然と腰が高くなるというのがキリン走りです。
 おそらく、それがもっともうまく実現できるのは、ケンブリッジ飛鳥選手でしょう。
 山縣選手がまず目指すべきは、ガトリン選手のような、パワフルなダッシュキックかもしれません。もちろん、最後のところで、もっと大きな車輪となるように、少し背伸びをして走ることを試すこともおすすめです。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, Oct 16, 2016)

 追記

 リオオリンピック陸上男子100m準決勝のビデオが次のサイトにあります。
 【NHKリオ】日本人初、 夢の9秒台はおあずけ 陸上 男子100m準決勝
 これを何度も見ました。最初は通常のスピードで。そして0.25のスローで。

 まず、ジャスティン・ガトリン選手とケンブリッジ飛鳥選手が走った3組から先にコメントします。
 やはり、ここでは、ガトリン選手のスタートダッシュからの初期加速ステージが見事です。
 どの選手もやっているのですが、最初の2歩から4歩を、やや外側に足をつくロケットスタートのあと、キック後の足をすばやく意図的に前に運ぶ、ガトリンダッシュで、少しずつリードしてゆきます。
 上半身の前傾が永く続いています。顔を下に向けて、頭を起こさない姿勢が、他の誰よりも印象的に続けられています。スローにして数えてみました。ガトリン選手が頭を起こして前を見だしたのは、スタートから16歩目でした。
 3レーンの中国の選手(蘇炳添)や7レーンのケンブリッジ飛鳥選手は、およそ10歩目あたりでした。他の選手も、そのあたりです。
 この6歩の違いのところ、ガトリン選手はまだスタートダッシュ区間なのに、他の選手たちは、もう中間疾走の区間へと移っています。
 つまり、ガトリン選手にとっては、この16歩目のあとから、トップスピードのランニングに移るわけです。
 すでに16歩目までのダッシュでリードしていながら、そこからさらにスピードアップできるわけです。
 中盤から後半の走り方も、ガトリン選手は、足を前方へと大きく振り出し、長い脚をさらに長く使って、大きな車輪を作っています。

 ビデオでは先にあった2組の、ウサイン・ボルト選手と山縣亮太選手について述べます。
 このとき、テレビのアナウンスでは、スタートで山縣選手がボルト選手にどれだけ差をつけられるか、ということを言っていましたが、このビデオを見ると、2組の選手はほぼ同じレベルでスタートの加速をこなしており、山縣選手が飛びぬけてスタートダッシュに優れているというわけではないことが分かります。
 いや、山縣選手のスタートダッシュは、地表でのキック時間を節約し、すばやく足を前へと運ぶことで、いつも、ほんの少し先行してきました。
 このようなスタートダッシュの技術は、ガトリン選手と山縣選手の大きな特徴です。
 しかし、他の選手については観察していませんが、ボルト選手を見ると、すこし違う考え方でスタートダッシュをこなしています。
 スタート直後のボルト選手の右脚キックを見ると、膝がしっかりと伸びていて、完全なピストンキックです。左脚キックでの膝は、ここまで伸びきっていません。
 この右脚ピストンキックのブースター効果で、一回ずつ加速のための力を生み出し、この大きな身体の水平スピードを上げようとしています。

 ガトリン選手のスタートでは、一歩目の前に、少し間があります。
 つまり、スターティングブロックを強く押して、飛び出しているのです。
 水泳競技の飛び込みのようなものです。
 そして、ガトリン選手は、地面で足を接地している時間を節約して、意図的に足を前方へと走る、ガトリンダッシュという動きをしつつ、この中で、大きな力を地面に加え、水平スピードの加速を行っています。

 ウサイン・ボルト選手のスタートダッシュでは、このような動きではなく、とてもゆったりとしたピッチで、一つ一つのキックにおける力をフルに生み出そうとしています。上半身の動きなどで、そのことが分かります。
 そして、中間の中腰ぎみの加速から、後半の腰高キリン走りまで、とにかくボルト選手の動きのテーマは、いかにして、より大きな力をキックで地面に伝えるか、であることが感じられます。

 山縣亮太選手やケンブリッジ飛鳥選手のランニングでは、ガトリン選手やボルト選手のような、力へのこだわりが見られません。
 おそらく、日本のスプリントランニングの世界では、スピードはストライドとピッチの積で決まる、という考え方が、まだまだ通用しているのでしょう。
 この公式は間違っていませんが、これはただの結果論(現象論)です。
 いや、もっと論理的に言うと、[スピード] = [ピッチ] × [ストライド] という式の中には、[加速度] についての項が含まれていません。
 高校生の物理で習うはずの、[スピード] と [加速度] の関係式、さらには、[力] = [質量] × [加速度] というニュートンの式について、思い起こしてください。
 つまり、物理学の基本的な考えに戻って、スピードは加速によって変えられ、加速は力によって生み出される、ということを思い出すべきなのです。
 ガトリン選手やボルト選手は、スタートダッシュはもちろん、トップスピードのランニングに移ってさえ、まだ、いかにして大きな力を地面に伝えるか、という動きを追求しています。
 ところが、日本の選手たちは、ピッチを維持して、すばやく動きつづける、という感じです。そして、後半、失速してゆくわけです。
 まだ見ていませんが、女子の福島千里選手のランニングも、そのような方針で走っているということがバレバレです。男子200mのランナーたちも、一様に、後半の伸びがありません。
 それらはみな、走るときのテーマが、ピッチに偏りすぎているからです。
 おそらくスピードの維持という考え方に陥っているのでしょうが、それでは、生理学的な変数の影響で、落とし穴にはまってしまいます。
 ガトリン選手とボルト選手ら、世界のトップクラスのランナーたちのテーマは、ぜったいにピッチではなく、力にあると考えられます。
 生理学的な変数によってスピードは低下するかもしれませんが、新たに力をくわえて加速すれば、スピードの維持どころか、ゴールの瞬間までスピードを上げることができるのです。
 そのような理解がすすまないと、日本の男子100mの記録は10秒台のままでしょう。
 ひょっとすると、桐生選手がとつぜん、体調や天候のコンディションに恵まれ、あっさりと9秒台に突入するかもしれませんが、重要な試合でうまくコントロールできないで、失敗をくりかえす、ということになるかもしれません。
 山縣亮太選手とケンブリッジ飛鳥選手の場合、試合でのコントロールは、まずまずできるようになっているものの、ランニングにおけるスピードの原理についての理解がなされていないようです。
 日本のスプリントランナーたちは、もっとキック力について理解を深め、そのための体力をしっかりと発達させ(ここがきっと忘れられています)、それをうまく使ってゆける技術をみがいてゆくべきなのです。
 わかりやすいスタートダッシュでも、まだまだ不十分です。
 さらには、中間での加速走はもちろん、トップスピードの後半やラストでも、その動きの中で、いかにして力を生み出し、それを地面に伝えることができるのか、ということを追求していってください。
 このような考え方は、小学生からトップクラスの選手まで、みんなに理解できることです。
 さすがに、小学生にニュートンの式について語るわけにはいきませんが、力をくわえることでスピードが上がるということは、経験的に理解できるはずです。
 これらのことが理解できれば、誰でも、必ず記録を伸ばすことができます。
 なぜかというと、この世界を支配している物理法則にかなっているからです。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, Oct 18, 2016)

 追記

 男子4×100mリレ―の予選と決勝を見ました。
 こまかなところは観察できていませんが、予選では4走のケンブリッジ飛鳥選手の走りが大きな画像でとらえられていました。
 上記コメントで、100m準決勝でのケンブリッジ飛鳥選手の走りについて、いくつかの問題点を述べましたが、この男子4×100mリレ―の予選でケンブリッジ飛鳥選手は、適度に重心が高く、大きな動きができていました。私がキリン走りと呼んでいる動きです。
 決勝では、何度も繰り返して放送されましたので、4人の走りが観察できました。
 ひとつ気がついたのは、1走の山縣選手が、かなり永く顔を下に向けていたことです。中国選手と比べれば、このことがよく分かります。NHKの動画サイトが編集されたので、スローで確認すると、スタートから20歩目でようやく前を向いています。ところが、隣の中国選手は11歩目で顔が前を向いています。100mのガトリン選手は16歩でした。
 なるほど、少し重心の低い走りを得意とする山縣選手は、4×100mリレーの1走として最適なようです。このような走り方ができるという山縣選手のランニング技術には、もっと学ぶことがありそうです。おそらく、このようなろ「がまん」は曲走路を恥っているからこそなのでしょう。
 飯塚選手のところは、よく分かりませんでしたが、日本選手権200m決勝の後半の動きがとても良かったので、直線の2走がよいのでしょう。
 3走の桐生選手は、浮かない走りがとてもうまい選手です。カーブの走りとしてよく適応しています。
 そして、4走のケンブリッジ飛鳥選手の走りは、やはり大きな動きとなっています。ほんのわずかですが、重心のやや高い走りができていました。
 世界一のボルト選手の隣だったので、見比べてしまいましたが、ボルト選手はバトンを左手でもらって右手に持ち替え、それから、地面を強く蹴って加速するという動きが見えます。私が空手パワーキックと呼んでいる動きです。そして、トップスピードのランニングに移ってからも、一見他の選手と同じように走っているように見えるかもしれませんが、一回一回のキックで地面に力を加え、ぐんぐん過疎しています。
 これに対して、ケンブリッジ飛鳥選手は、はやくトップスピードのランニングフォームへと移ろうとし、力が感じ取れるキックで加速してゆこうとする動きが見えません。
このような動きは、ボルト選手以外、みんな似たり寄ったりです。だから、ボルト選手には引き離されたものの、他の追随を許さず、逃げ切れたものとみなせます。
 銀メダル、おめでとうございます。
 (Written by KLOTSUKI Kinohito, August 20, 2016)

 

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